Excelを[削除][未保存][上書き]した時の復元方法

Excelを[削除][未保存][上書き]した時の復元方法

Excel(エクセル)を使用していて直面するトラブルの中でよくあるものが、「データをうっかり上書き保存してしまった」「必要なデータの記載を削除してしまい、やり直そうと思ったが間違えて保存してしまった」といった、データ保存に関するトラブルです。

このようなトラブルに遭遇したとき、どうにかして上書き前のデータに復元したいと思うものですが、どのようにしたら良いのか分からない方も少なくないかと思います。そこで、このようなときに役立つExcelのファイルを復元する方法をご紹介します。

Excelを上書き後に上書き前データを復元する方法

Excelファイルを上書き前のデータに復元するには、以下のような方法があります。

  • Ctrl+Zキーを押す
  • バージョンの管理機能を使う
  • バックアップファイルの作成機能を使う
  • Windowsの以前のバージョンに戻す機能を使う

詳細をご説明いたします。

Ctrl+Zキーを押す

Excelのファイルを上書き後、ファイルを開いたままの場合、キーボードのCtrl+Zキーを押すことで一つ前の動作に戻すことが可能です。

また、Ctrlキーを押しながらZキーを何度か押すことで、押した回数分の作業履歴をさかのぼることができます。

バージョンの管理機能を使う

Excelに限らず、Microsoft社が提供しているOffice製品には複数のバージョンが存在していますが、最初に紹介する「バージョンの管理」を使った復元方法は、Excel 2010以降のバージョンでのみ利用できます。

Excelでは、間違えて編集してしまい、そのまま上書き保存してしまったときや、編集したのに保存しないでそのままファイルを閉じてしまったときなどに、上書き保存前のバージョンにデータを戻したり、保存せずに終了してしまったファイルを復元したりすることができる「バージョンの管理」という機能が新しく追加されました。

この方法を使ってファイルを上書き前のデータに復元する方法を紹介します。

  1. 事前に自動保存の設定を有効にしておく必要があります。まずは[ファイル]をクリックいたします。
    ファイルをクリック
  2. メニューの中から[オプション]をクリックいたします。その後にExcelのオプションウィンドウが開きます。
    オプションウィンドウを開く
  3. 左のメニューの中から[保存]をクリックします。
    ブックの保存に関する設定を行う画面が開くので、そこにある[次の間隔で自動回復用データを保存する]と、[保存しないで終了する場合、最後に自動回復されたバージョンを残す]の2カ所にチェックが入っているかを確認してください。チェックが入っていない場合は、自動保存の設定が無効になっているので、チェックを入れて[OK]をクリックします。
    自動保存設定を有効にすると、[次の間隔で自動回復用データを保存する]で指定した時間の間隔で自動回復用のデータが作成されます。時間の間隔は、任意で設定を変更してください。
    自動保存設定
  4. この状態で、ファイルに編集を加えてから指定した時間が経過すると、[ファイル]タブのメニューの中にある[情報]の[バージョン履歴]をクリックします。
    バージョン履歴
  5. データの日時が記載されているバージョン履歴が表示されるため、その中から戻したいバージョンの「バージョンを開く」をクリックします。
    「バージョンを開く」をクリック
  6. そのバージョンのデータをExcel上で開いて内容を確認し、問題なければ[復元]をクリックします。これで、元の状態のファイルを上書き保存することができます
    「復元」をクリック
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バックアップファイルの作成機能を使う

Excelには、バージョンの管理の他にもファイルを上書き前の状態に戻せる機能があります。それが「バックアップファイルの作成」機能です。

バックアップファイルの作成機能を使うと、Excelのファイルを保存するときに、同時に上書き保存前のデータをバックアップファイルとして自動で作成してくれます。最初にこのバックアップファイルの作成を有効にしておけば、間違えて保存してしまったときに修復が可能です。

  1. バックアップファイルを作成したいExcelファイルで、左上の[ファイル]をクリックします。
    左上の[ファイル]をクリック
  2. 続けて[名前を付けて保存]をクリックします。次に[参照]をクリックします。
    [参照]をクリック
  3. 「名前を付けて保存」のダイアログボックスが開いたら、右下にある[ツール]をクリックし、表示されたメニューの中から[全般オプション]をクリックします。
    [全般オプション]をクリック
  4. 「全般オプション」のダイアログボックスが開いたら、その中にある[バックアップファイルを作成する]にチェックを入れ、[OK]をクリックします。
    バックアップファイルを作成する]にチェック
  5. 「名前を付けて保存」のダイアログボックスに戻ったら、ファイル名や保存場所を設定し、[保存]をクリックします。
  6. この状態で、ファイルになにかしらの編集を加え、上書き保存すると、そのファイルが保存されている場所と同じところに「○○○のバックアップ」というファイルが作成されます。
    バックアップファイルの姿生成

これがバックアップファイルです。このファイルを開くと、上書き保存する前の状態のファイルが表示されます。

Windowsの以前のバージョンに戻す機能を使う

Excelのファイルを上書き前の状態に戻すには、ExcelではなくWindows自体の機能を使う方法もあります。WindowsOSのバージョンにもよりますが、Windowsではファイルを誤って上書きしてしまったり、削除してしまったりしたときに復元するための「以前のバージョンの復元」という機能が使うことが可能です。

大変便利な機能ですが、この機能はバックアップ設定が有効になっていないと使用できません。

バックアップ機能に関しては、[コントロールパネル]の[更新とセキュリティ]から [バックアップ]を開き、その右側の[ドライブの追加]をクリックしてバックアップ先を設定すると確認できます。

バックアップ先を設定してから、[バックアップ対象のフォルダー]、[ファイルのバックアップを実行]、[バックアップを保持]でバックアップするフォルダーやバックアップする時間や期間を設定します。

これでファイルが自動的にバックアップされます。

このバックアップ設定が行われた状態で、上記で設定したバックアップする時間を経過後、該当のExcelファイルにカーソルを合わせて右クリックのメニューから[プロパティ]を選択し、[〇〇〇のプロパティ」で[以前のバージョン]をクリックすると「復元ポイント」という回復用のデータが表示されていることを確認できます。

この復元ポイントが作成されている状態で、任意のバージョンを選択し、[復元]をクリックすれば、復元することができます。

Excelのワークシートを削除してしまった時の復元方法

Excelの作業中、ワークシートを誤って削除してしまった経験のある方もおられると思います。通常の作業内容であれば、Ctrl+ZもしくはCtrl+Shift+Zのショートカットでやり直すことが可能ですが、ワークシートの削除はそれで元に戻すことはできません。このような場合、どのように対処するのかを下記2つの状況に合わせてご紹介いたします。

  • ワークシートを削除した段階で未保存の場合
  • ワークシートを削除した後に保存してしまった場合

ワークシートを削除した段階で未保存の場合

シンプルな方法ではありますが、下記の手順で復元してみてください。

  1. 現在作業中のファイルを別名で保存する
  2. ワークシートを削除する前のExcelファイルを開き、作業中のファイルにExcelシートをコピーする

ワークシートを削除した後に保存してしまった場合

作業時の環境に大きく影響されますが、データをOneDriveに保存しているような状況であれば復元することが可能です。

OneDrive(ワンドライブ)とは、Microsoft社が提供しているクラウドストレージのサービスで、ネットワークを介してサーバー上にファイルを保存したり、権限を持っていれば共有フォルダから他の人が保存したデータをダウンロードすることも可能になるものです。

OneDriveに保存したデータを呼び出して作業している場合であれば、ファイルの履歴から以前のバージョンに戻すことも可能です。

また、パソコン上での作業でもWindows 10やWindows 11のファイル履歴機能が有効になっていれば、そこから以前のバージョンに戻すことも可能です。

Excelファイルのデータ復元の相談はこちら

Excelを未保存で閉じてしまった時の復元方法

間違って未保存で閉じてしまったExcelファイルを復元する方法があります。下記の状況に合わせてご紹介いたします。

  • 既存ファイルを上書き保存しなかった場合
  • 新規作成後にファイルを保存しなかった場合

既存ファイルを上書き保存しなかった場合

既存Excelファイルを上書き保存しなかった場合、復元する手順は下記の通りです。

  1. 上書き保存しなかったExcelファイルを開きます
  2. 「ファイル」をクリック
    Excelの復元でファイルを選択する画面
  3. 「情報」をクリック
    Excelの復元で情報を選択する画面
  4. 「ブックの管理」にある「保存しないで終了」をクリック
    Excelの復元で保存しないで終了を選択する画面
  5. 開いたファイルを「名前を付けて保存」で保存すれば完了です
    Excelの復元で名前を付けて保存を選択する画面

新規作成後にファイルを保存しなかった場合

Excelのファイルを新規作成後に保存しなかった場合、復元する手順は下記の通りです。

新規作成後にファイルを保存しなかった場合の復元手順
  1. Excelファイルを開く
  2. 「ファイル」をクリックして「情報」を選択
  3. 「ブックの管理」を選択
  4. 「保存されてないブックの回復」を選択
  5. フォルダに表示されてるファイルを選択して開く
  6. 開いたファイルを「名前を付けて保存」で保存すれば完了です
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Excelファイルを削除した時の復元方法

Excelのファイルを削除してしまったが、後から必要なファイルだったと気づく場合もあるかと思います。削除してしまったファイル復元の方法についても紹介していきたいと思います。必要なファイルを削除した場合、新たにファイルを保存や削除をしてしまうと復元が難しくなるため、復元作業を開始する前には可能な限り何もしないことが大事です。

ゴミ箱の中から復元する

パソコンの設定にもよりますが、削除したファイルはゴミ箱に送られます。ゴミ箱のアイコンは、大抵はデスクトップ画面の左上にあります。比較的最近削除したファイルであれば、ゴミ箱に入っている可能性が高いためゴミ箱を開いて確認してみましょう。その中に必要なファイルがあれば、右クリックで元に戻すを選択するかドラッグ&ドロップでデスクトップ上などに移動させましょう。

ただし、下記のような場合はゴミ箱からもファイルが無くなるので注意しましょう。

  • ゴミ箱を空にした
  • ファイルを選択した状態でShift+Deleteボタンを押した
  • ゴミ箱の容量よりも大きいサイズのデータを削除した
  • ゴミ箱が一定期間過ぎたデータを削除する設定にしていた
  • 削除したファイルがゴミ箱を通さず直接削除される設定になっている

ファイル履歴から復元する

削除したファイルは、ファイル履歴からも復元可能です。ただし、この機能を利用するためにはファイル履歴機能をオンにしておく必要があるため、オフになっている場合はオンにしておくことをおすすめしますが、環境によっては利用できない場合もあるため注意が必要です。

Excelの復元をプロに依頼するのも一つの方法

前述の方法を使っても上手く復元できない場合、OSや内部パーツなど複数の原因が組み合わさっている可能性もあります。

OSの復旧や内蔵HDD/SSDを取り出してデータ抽出を行うことで復元できるかもしれませんが、失敗すれば更に状態が悪化してしまうことも考えられます。また、ノートパソコンや一体型パソコンは分解の難易度が高く、知識が無ければ修復できない状態に陥る可能性があります。

自力の復元が難しいとお考えの場合はパソコンやデータを守るためにも、プロのパソコン修理業者のPCホスピタルにご依頼いただくことをおすすめいたします。

PCホスピタルはExcel復元サポートに対応しています

Excelのファイルを上書き前の状態に戻す方法はいくつかありますが、いずれの方法も適切な設定がされていないと機能しません。万が一に備えて、ファイルの作成や更新を行う前に事前に確認することを忘れないようにしましょう。

また、Excelの自動保存機能は決して完璧なものではありません。大切なデータは、自分でファイルの更新ごとにバックアップをとっておくなど、予防策を日ごろから実施しておくことが肝心です。

PCホスピタルでは、データ保存トラブルやバックアップ環境の構築をサポートしています。Excelのトラブルでお困りの際はPCホスピタルにご相談ください。

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監修

濱﨑 慎一日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事

2010年8月、日本PCサービス株式会社に入社。パソコン修理などデジタルトラブルを5年で4500件以上解決。その後、サポート人材育成など、事業責任者として、個人向けデジタルトラブル解決に8年半携わる。2019年より同社にて、法人向けサポートの取締役に就任。また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として業界活性化のため正しいデジタル知識の普及、スマートフォンなどの新しい整備士資格の構築に携わる。

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