デスクトップパソコン購入前にチェック!パソコン本体の置き場所はどこが良い?
デスクトップパソコンを使用する際に、まず考えなくてはならないのが「置き場所」です。ノートパソコンやモバイルパソコンであれば自由に移動できますし、スペースもそれほど必要ないため、置き場所に迷うということは少ないでしょう。しかし、デスクトップパソコンとなるとそれなりの大きさや重量があるため、簡単には移動できないものです。事前に設置する場所を検討する必要があるでしょう。また、デスクトップパソコンは本体だけでなくキーボードやマウス、ディスプレイやプリンターなどの周辺機器を近くにまとめて設置することが多いため、これらも含めた十分なスペースが必要になります。
このように、デスクトップパソコンの置き場所はどこでも良いというわけではありません。パソコン本体を安定して設置できる置き場所かどうか、風通しや気温などは適切かどうかも考える必要があります。今回は、デスクトップパソコンの置き場所を選ぶ際にどのような点に気をつけるべきかをご紹介します。
パソコンの排熱を妨げない場所を選ぶ
パソコンは、使用しているうちに熱を発してきます。パソコンケース(パソコン本体の外装部分のこと)の中の温度が上がりすぎると動作の異常や故障の原因になるため、全てのパソコンには中の熱い空気を外部に排出する「排熱」の仕組みが組み込まれています。パソコン内部にファンと呼ばれる扇風機状のパーツが設置されていて、これが回ることによって中の熱い空気を排出しているのです。
パソコンの周りの気温や風通しなども、冷却効果に大きな影響を与えます。例えば、夏場に冷房のない部屋の中で稼働しているパソコンは冷却効果が十分ではないため、誤作動を起こす可能性があります。空気があまり流れない場所に置かれているパソコンについても、同様に十分な冷却効果が望めません。
パソコンの排熱を効果的に行うためには、机の上などの高所に置くのが良いでしょう。机の上であれば風通しも良く、排熱の効率も良くなります。エアコンなどで部屋の温度を調整できない場合も、机の上のスペースであれば、ある程度効率的に排熱できるでしょう。万が一パソコンに異常が起こったとしても、机の上に置いてあれば異常音にすぐに気がつくことができるため、トラブルに対しても早めに対応できます。
もし机の下にパソコンを置く場合は、排熱を妨げてしまわないように十分に注意しましょう。机の下の閉鎖された空間では、パソコン自身の排熱によって周りの温度が上がりやすくなってしまいますし、エアコンの冷房効果もおよびにくいため、パソコンがうまく冷却されません。机の下の空間でパソコンが常時熱を持っている状態だと、故障しやすくなったり、使用できる寿命が短くなったりしてしまうのです。
しかし、机の上にパソコンを置くと作業スペースが狭くなってしまうため、机の下を有効に活用したいという意見は多いでしょう。机の下ではなく横に置いたり、扇風機を利用して風を通りやすい環境を整えたり、冷房の効きやすい位置に置くなど、自分の部屋に合った工夫が必要になるでしょう。
ホコリがたまらない場所を選ぶ
ホコリはパソコンの大敵です。ケースにある隙間から中に入ってくるホコリは、各部品に付着して換気を妨げてしまうことがあり、結果的に排熱効果を低下させてパソコン自体の寿命を縮めることがあります。場合によっては、ホコリが原因でパソコンが故障してしまうこともあるのです。
ホコリがたまりやすい場所といえば、床の上が挙げられます。パソコンを床の上に置いてしまうと、大きなホコリの塊が内部にできやすくなってしまい、さらに排気する隙間から排出できない状態になります。あまりにホコリが多くなってしまうと、パソコン内部の部品の動作にも影響し、例えば排気用のファンがうまく回らなくなってしまうこともあります。
このような理由からも、パソコンを机の下に置くことはあまりおすすめできません。どうしても床の上に置かなければならないのであれば、台の上に乗せるなどして、少しでも床面から高い位置に設置するようにしましょう。5cm程度床面から離すだけでも直接床に置くよりは不都合が少ないはずです。
また、デスクトップパソコンの場合はケースを開けて内部を清掃することができるようになっています。ケース内部のホコリを定期的に除去してあげると動作もスムーズになり、より長い間使用できるようになるでしょう。
ホコリのたまりやすさや清掃の観点からも、パソコンは机の上に設置するほうが好ましいといえます。机の上であれば、たまったホコリに気がつきやすく、こまめに拭き取ることになるでしょうし、パソコンを開けて清掃するのも簡単です。
安定した場所を選ぶ
排熱効率やホコリの次に気にしたいのが、設置する場所が安定しているかどうかです。もちろん、設置面が斜めになってしまうような場所には置くべきではありません。パソコンは精密機器のため、もし倒れたりすると故障の原因になってしまいます。特に大きな筐体のパソコンだと、倒れることによって周りのものを壊してしまったり、自分や周りの人のけがにつながってしまったりする恐れもあります。
安定性だけを考えるのであれば、机の下は非常に適した置き場所です。しかし、先にご紹介した排熱の問題やホコリの問題があるため、机の下を選択するのであればパソコン用の台を設置するなどの対策が必要不可欠といえるでしょう。机の上は確かに平らで安定していますが、あまり大きな筐体を乗せると転倒したり机から落ちたりしてしまうなどの懸念があります。机の上に乗せる場合は、スリムタイプやキューブタイプのパソコンを選択すると良いでしょう。
パソコンの中には、横に寝かせても問題ないタイプもあります。横に寝かせることによって、排熱の効果が上がる場合もありますし、転倒に対する対策にもなります。パソコンを購入する際に、横に寝かせることができるかどうか、そのような置き方をして問題ないかどうかを確認してみましょう。
置き場所のデメリットに対する対策をしよう
総合的に考えると、机の上にデスクトップパソコンを置くほうがメリットは大きいといえそうです。机の下に置いてしまうと排熱やホコリの問題に悩まされ、故障の心配もあります。しかし、机の上に置く場合も、転倒防止の対策や作業スペースを十分に確保できるかの検討は必要になるでしょう。特に転倒防止の対策は、地震の可能性なども踏まえて真剣に考えておいたほうが良さそうです。
机が狭いために、どうしても上に置くことは避けたいという方もいるでしょう。その場合は、机の下や横に置くことになりますが、排熱やホコリによるデメリットに対して、机の上よりも強く意識した対策をとることが重要です。床面から離して設置することはもちろん大切ですが、部屋の温度が上がりすぎないように注意したり、こまめにパソコン内部を清掃したりすることで、デメリットの影響を最小限に抑えることができるでしょう。
パソコンは機械に適した場所で使用するようにしましょう
デスクトップパソコンは比較的大きな筐体を持っているため、部屋によっては設置できる場所が限られてしまいます。別の部屋に設置するという手段もありますが、接続方法によっては使い勝手が悪くなることもあります。無線で接続する場合、部屋の構造によっては無線がつながりにくくなることがあり、有線接続の場合、長いコードが邪魔になってしまいます。
現実的には机やテーブルなどの上や下に置くのが無難ですが、ご紹介したようなチェックポイントを踏まえて、それぞれのデメリットを克服できるような対策をとって設置すると良いでしょう。また、ホコリなどの対策を行っていても、思わぬ故障は起こり得ます。パソコンのトラブルの際は、ぜひPCホスピタルにご相談ください。
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濱﨑 慎一(日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事)
2010年8月、日本PCサービス株式会社に入社。パソコン修理などデジタルトラブルを5年で4500件以上解決。その後、サポート人材育成など、事業責任者として、個人向けデジタルトラブル解決に8年半携わる。2019年より同社にて、法人向けサポートの取締役に就任。また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として業界活性化のため正しいデジタル知識の普及、スマートフォンなどの新しい整備士資格の構築に携わる。
保有資格 パソコン整備士検定 取得