高速タッチタイピング(ブラインドタッチ)を習得!タイピング練習講座【Part3】

前回までは、パソコンでタッチタイピング(ブラインドタッチ)を行えるようになりたい方向けの練習方法から、より速くタッチタイピング(ブラインドタッチ)を行えるようになるための練習方法とテクニックをご紹介しました。
今回は、パソコンでタッチタイピング(ブラインドタッチ)を行う上で、より便利なテクニックと「タイプウェル(Type Well)」というタイピングソフトを利用した練習方法をご紹介します。
1.タイプウェル(Type Well)とは?
タイプウェルとは、2000年頃から配布が開始され、現在まで多くの人に利用され続けている無料のタイピングソフトです。公式サイトでスピードランキングが開催されていて、参加者は約1万人に上ります。
タイピングスピードランキング|GANGAS – Type Well Fan(公開が終了しました)
タイプウェルは、初心者向けの機能から高速タッチタイピング(ブラインドタッチ)ができる人向けの機能まで、タイピングソフトに必要な機能が備わっています。また、想定されているタイピング速度が遅すぎて、すぐに計測限界に達してしまうこともないのが、長年利用され続けている理由でしょう。
2.タイプウェルをインストールして利用します
タイプウェルは、前回まで利用していたイータイピングとは違い、パソコンにインストールする必要があります。下記URLにアクセスしてダウンロードしましょう。
※タイプウェルはWindows専用ソフトです。
※無料でダウンロードして利用できます。
タイプウェルの概要・ダウンロード(公開が終了しました)
タイプウェル国語R 2.2.3の「TWJR223.lzh」と書かれたリンクをクリックします。
ファイルの保存先を尋ねられるので、デスクトップなど任意の場所に保存します。
保存できたら「TWellJR.exe」を起動させます。
※エラーが表示される場合があります。
2-1.まずは初期設定を行います
初回起動時にローマ字の表示設定の画面が表示されます。
あくまで表示上の設定で、設定していないキーでも入力することができるので、初期状態のままでも良いでしょう。
次にオプションメニューの「文字・画面サイズ設定」から大きさを変更できるので、自分にあった大きさで表示させましょう。
オプションメニューの「ミスの音設定」で、イータイピングと同様に、入力ミスをした時にビープ音を鳴らすことができるので設定しておくことをおすすめします。
2-2.設定ができたら練習を始めましょう
スペースキーを押すとカウントダウンが始まります。
開始されない場合は、タイプウェルをどこでも良いのでクリックしてからスペースキーを押します。ボタンをクリックしても始められますが、なるべくキーボードで操作するようにしましょう。
始まると下記のように表示されます。
① | 開始してからの経過時間です。 |
---|---|
② | 入力する単語です。漢字に変換する必要はありませんが、単語ごとにスペースキーを押す必要があります。基本的にここを見ながら入力します。 |
③ | ②のローマ字表示です。②の漢字の読み方やローマ字がわからない場合に見ると良いでしょう。 |
④ | ②の単語が、入力するごとに右から左に流れて表示されます。一点を見たまま入力できるので、視線を動かしながら入力するのが苦手な場合に使用すると良いでしょう。 |
⑤ | 入力ミスの回数です。初期設定での上限は49回で、ミスが多いと強制終了されます。 |
入力し終わって上位15位以内に入る記録の場合は、下記の画面が表示されます。
記録されている中で一番良い成績は、赤文字で表示されます。
次の画面で詳細記録が表示されます。
この記録の場合、全て入力するのに36.308秒かかり、ミス入力は13回、ミス入力によるタイムロスは1.2秒ということがわかります。青くなっているのは速く打てた(得意)語句、赤くなっているのは遅かった(苦手)語句です。一番速かった「ありがとう」は入力するのに0.071秒、一番遅かった「減る」は0.244秒かかっています。
ワーストスピードとトップスピードは、それぞれ瞬間的にどれぐらいの速度で入力したかを表しています。なので、それぞれの差が小さければ、安定した速度で入力できていることになります。
前回までの記事で何度か記載していますが、なるべく入力ミスをしないことは大切です。上記結果の「タイムロス 1.2秒」は入力ミスをしなければその分速く入力し終わっていたということなので、その分無駄に時間を掛けたことになります。タイムロスが3秒や5秒と表示される場合は、入力ミスが多すぎるので、丁寧にキーボードを打ちましょう。
2-3.最高記録を塗り替えよう
最高記録を塗り替えると「新記録樹立!」と表示されます。
この画面を表示させることを意識してタイプウェルを利用すれば、タイピング速度はみるみる向上していくことでしょう。
記録が上位15位以内に入る場合は、名前などを入力することができますが、何も入力しないでおくことをおすすめします。
何も入力しなければ記録達成時刻が入るようになっているので、良い記録が出やすい時間帯がわかるようになります。その時間帯が、比較的ストレスを感じずに練習できるはずです。
2-4.基本常用語以外もやってみよう
練習モードメニューから、カタカナや漢字しか出題されない練習モードに切り替えることができます。
漢字練習モードは、全て漢字で表示されるので、漢字の知識が要求されます。
文章を考えて作成する場合は、スペースキーを押せばIME(文字入力を補助するソフトウェア)が漢字に変換してくれます。しかし、デジタル化などで文字起こしが必要になった場合は、漢字を読んで入力することができなければ、いくら平仮名の入力が速くても役に立ちません。なので、難しいからと言って、漢字練習モードを飛ばさないようにしましょう。
基本常用語、カタカナ語、漢字、慣用句・ことわざ練習モードの全てで記録を出すと、総合成績画面にローマ字入力の総合レベルが表示されるようになります。
総合成績は結果表示メニューの「総合成績」で確認できます。
総合成績もレベル付けをされ、それぞれの練習モードでレベルを上げると、総合成績のレベルも連動して上がっていきます。
3.タイプウェルを利用した練習について
タイプウェルでの練習を開始した直後は、どんどん表示されるレベルが上がっていき、ある程度のレベルに到達すると、中々レベルが上がらなくなります。そして、練習を続けることに肉体的・精神的な苦痛を感じるかもしれません。苦痛を感じた段階で、高速タッチタイピング(ブラインドタッチ)の練習を休止しても良いでしょう。
タイプウェルは、今後長く付き合っていくことになるソフトなので、タイプウェルを利用した練習を嫌いになったり、怪我をしないようにしましょう。
タイプウェルは、タイピング技術を極限まで高めることができるソフトです。
必然的に月~年単位で利用することになりますが、レベルSB(1分間に400文字入力相当の速さ)前後の記録が出ると、それ以降は数ヶ月、長いと数年間は最高記録を更新できなくなるかもしれません。そのレベルまで到達したならば、高速タッチタイピング(ブラインドタッチ)を習得できていると言えます。
4.高速タッチタイピングのためのテクニック
ここからは、身に付けられるとさらに速く入力できるようになるテクニックをご紹介します。
4-1.「く」「こ」を「CU」「CO」で入力する
「か」「く」「こ」の子音はKだけではなくCでも入力することができ、下記のような単語を速く・楽に入力することができます。
Kの場合 | Cの場合 | |
---|---|---|
きく | KIKU | KICU |
ひく | HIKU | HICU |
いこく | IKOKU | ICOCU |
4-2.「ん」を「XN」で入力する
「ん」は通常NNと入力しますが、同じ指・同じキーを使用するため、単語によっては入力回数で混乱したり、指が思うように動かずに入力ミスを引き起こします。
下記のような単語を入力してみると違いがわかるはずです。
NNの場合 | XNの場合 | |
---|---|---|
けんいん | KENN INN |
KEXN IXN |
こんなん | KONN NANN |
KOXN NAXN |
4-3.単語の最後の「ん」を「N」1回にする
IMEが対応していれば「困難(こんなん)」などを「こんなn」のように、最後の「ん」をN1回だけ入力した状態で変換すると、IMEがNを1つ補完してくれて「困難」になります。
このようなIMEの機能を活用すれば、入力時間を短縮させることができます。
4-4.先読みをする
タッチタイピング(ブラインドタッチ)での先読みとは、入力している最中に、次に入力する単語を確認することです。例えば、先読みをせずに「しゃがむ」「このみ」と入力する場合、「しゃがむ」の「む」から「このみ」の「み」まで全て右手で入力することになり、右手に負担がかかります。
これを先読みした場合、
「しゃがむ」を入力している最中に「このみ」をどう入力するかを考える。
↓
「このみ」の「こ」をKOで入力すると右手に負担がかかる。
↓
COで入力して右手の負担を軽減させる。
といったように、速く・楽に入力できる指(キー)に切り替えることができます。
ただし、先読みはかなりの慣れが必要です。反射的に指を動かせるようになるには、繰り返し練習するしかありません。
5.これまでの内容についてのFAQ
- エラーが出たり文字化けが起きて、タイプウェルを正常に起動できないのですが?
- タイプウェルはVisual Basic6で作成されているので、専用のランタイム(ソフトを動かすのに必要なファイル群)が必要です。エラーが出る場合は、配布サイトからランタイムを入手して、パソコンにインストールする必要があります。自身での解決が難しい場合は、サポートをご依頼ください。
- タイプウェルの記録が保存されないのですが?
- ダウンロードしたファイルを展開(解凍)しないで実行している可能性があります。
ファイルを右クリックして「すべて展開」を選択して展開させましょう。 - スペースキーはどの指で打てば良いですか?
- 親指ですが、左右どちらでもかまいません。
利き手やスペースキーの配置によって打ちやすさが変わるので、自身の環境にあったほうの指を使いましょう。 - 入力時間と一緒に表示されるレベルは何ですか?
- 入力時間をレベルで表したものです。
レベルはJから始まり、J~A、SJ~SS、XJ~XX、ZJ~ZZ、M1~と上がっていきます。
総合レベルSJ~SAで実社会で十分役立つレベルと位置付けられています。 - 得意語句・苦手語句が0.000秒やあり得ない数値になるのですが?
- 練習中に動作が重くなっている場合は、正確に計測できなくなります。
練習中はタイプウェル以外のソフトを終了させましょう。
どうしても動作が重い症状が改善しない場合は、サポートをご依頼ください。 - タイプウェルには国語R以外にも種類があるようですが?
- タイプウェルには下記の種類が用意されていて、それぞれ特定の練習用に特化しています。
目的に合わせて使い分けましょう。タイプウェル国語R ローマ字入力を練習するためのソフトです。
基本常用語、カタカナ語、漢字、慣用句・ことわざが出題されます。タイプウェル国語K かな入力を練習するためのソフトです。
基本常用語、カタカナ語、漢字、慣用句・ことわざが出題されます。タイプウェル英単語 英字入力を練習するためのソフトです。
基本的な英単語、A-Fで始まる英単語、G-Pで始まる英単語、Q-Zで始まる英単語が出題されます。タイプウェルオリジナル 記号や数字入力を練習するためのソフトです。
アルファベットの大文字・小文字、記号、数字を練習したい場合に利用すると良いでしょう。タイプウェル憲法 中上級者のスキルアップ用ソフトです。
「日本国憲法」全文が出題され、ローマ字入力・かな入力・英字入力に対応しています。初心者向けの機能は付いていません。タイプウェルFT 自分で入力する文章を作成して練習することができるソフトです。実践的な練習がしたい場合に利用すると良いでしょう。 - タイプウェルはMacではできないのでしょうか?
- MacのOSには対応していませんが、Boot Campを利用してMacにWindowsをインストールすれば、MacBookやiMacでもタイプウェルを利用することができます。
Boot Campの設定がわからない場合は、サポートをご依頼ください。
6.これまでの内容のまとめ
- ストレスを感じずにタッチタイピング(ブラインドタッチ)ができるようになったら、タイプウェルを利用して速度向上のための練習をする。
- 単語によって「こ」をCOで入力するなど、臨機応変に使用するキーを変える。
- タッチタイピング(ブラインドタッチ)の練習に向いている時間帯を見つける。
- 練習に苦痛を感じるようになったら、練習を休止する。
次回は引き続きタイプウェルを利用した練習方法をご紹介します。高速タッチタイピング(ブラインドタッチ)を習得!タイピング練習講座【Part4】
パソコンの操作やタイピングでお困りですか?
今回はタッチタイピング(ブラインドタッチ)を行う上で、より便利なテクニックと「タイプウェル(Type Well)」を利用した練習方法をご紹介しました。
タイプウェルは、高速タッチタイピング(ブラインドタッチ)の習得に非常に有用なタイピング練習ソフトです。継続して利用することで、自分の限界までタイピング技術を高めることができるでしょう。
PCホスピタルでは、パソコン操作のレッスン、パソコンの基本設定等のサポートを承っております。パソコン操作や設定でお困りの際はお気軽にご依頼ください。


修理対応 | 出張/持込/宅配 |
---|---|
対応エリア | 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国15店舗/宅配修理は全国47都道府県 |
実績 | 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの設定サポートを当サイト掲載中 |
料金 | 基本料金 8,800円 + パソコン設定サポート 3,300円~ + 出張サポートは2,200円追加 |
濱﨑 慎一(日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事)
2010年8月、日本PCサービス株式会社に入社。パソコン修理などデジタルトラブルを5年で4500件以上解決。その後、サポート人材育成など、事業責任者として、個人向けデジタルトラブル解決に8年半携わる。2019年より同社にて、法人向けサポートの取締役に就任。また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として業界活性化のため正しいデジタル知識の普及、スマートフォンなどの新しい整備士資格の構築に携わる。
保有資格 パソコン整備士検定 取得