製氷できない、遅い、氷がにおう…これって故障?自動製氷機の故障チェック

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自動製氷機は、冷蔵庫内のタンクに水を入れておけば、自動で氷を作ってくれる優れものです。しかし、製氷が遅い、できない、または氷がにおうなどのトラブルに遭遇した経験はありませんか?もしかしたら、原因は機械の故障かもしれません。
そこで今回は、製氷機の故障を見分けるチェックポイントをご紹介します。
【自動製氷機の故障チェック1】製氷できない場合
環境要因、もしくは自動製氷機の故障が考えられます。それぞれのケースについてまとめましたので、故障の際は以下の点をチェックしてみてください。
電源・機械設定の問題
電源を入れて間もない、もしくは停電があった場合、製氷が一時的にできなくなります。冷蔵庫本体が冷えていないと製氷機能が働かないためです。氷ができるまでには、電源が入ってから4時間から1日程度かかると思っておきましょう。
なお、設定的な問題としては、冷凍庫の温度設定が「弱」になっていることも考えられます。この際は、「強」もしくは「中」にして、製氷機能が復旧するか様子を見てください。
タンク・パイプの問題
給水タンク側の異常も、原因として考えられます。タンクが製氷皿にセットされていないケースも少なくありません。正しくセットされているかを確認し、あとは時間を置いて製氷機能のチェックをしてみましょう。
また、給水タンクの水が凍っているケースもあります。これは、冷凍庫の温度が低い際に起こりやすい現象です。なお、給水タンクの周辺が5℃でも凍結の可能性があるため、注意してください。
その他、水を通すパイプが故障していることもあり得ます。この場合は、メーカーへ相談しましょう。
検知レバーの問題
検知レバーで問題が発生している可能性も疑ってみてください。製氷皿から落ちるときに下に氷があると、氷が検知レバーに接触することで動作を停止します。製氷されないのは、氷や何らかの異物が検知レバーに接触していることが原因かもしれません。
氷を平らにならす、手前に寄せるなどして、検知レバーの下には何もないようにしてみましょう。もしそれでも製氷されない場合は、検知レバーの異常も疑われます。この際は、メーカーへの連絡が必要です。
【自動製氷機の故障チェック2】製氷が遅い場合
製氷は、冷蔵庫の機種によってできる時間に多少の違いがあります。しかし、あまりにもできるまで時間がかかる場合は、何らかのトラブルが発生しているかもしれません。考えられるケースは以下の通りです。
ドアの開け閉めが多い
製氷時間は通常2時間ほどですが、実際はドアの開閉回数と庫内の食品の量にもよって変動します。ドアの開閉が多くなると暖かい外気が入り、冷蔵庫内の温度も上がります。庫内の温度が上がっていると、製氷機能がうまく働きません。
どうしても開閉が多くなる場合は、冷蔵庫内に取り付けるカーテンのようなアイテムを利用しましょう。冷蔵庫内の温度維持がしやすくなります。
食品の入れすぎ
食品を入れすぎていると、庫内における冷気の流れが悪くなり、全体が均一には冷えなくなります。氷ができるのが遅いと感じたら、冷蔵庫の整理整頓のタイミングかもしれません。
冷蔵庫の中を整理して何が入っているかなどをきちんと把握しておけば、食材の詰め込みすぎも防げますし、ドアの開閉回数も減らせます。また、冷蔵庫内の衛生管理の面でも有効です。
季節的な要因
季節も、冷蔵庫に少なからず影響を与えます。特に、夏場のように室温が高くなる季節は、冷蔵庫内の温度も上がりやすくなるため、結果的に製氷時間が長くなる場合があります。この他、節電モードなどの機能によるものの可能性も考えられるでしょう。こちらは機種やメーカーによって設定方法が異なるため、説明書を読んで解除してください。
冷蔵庫本体の張り紙など
冷蔵庫側面にたくさんの張り紙がある場合、庫内の熱が外に逃げにくくなるため、温度上昇につながってトラブルが起こる可能性があります。張り紙だけでなく、シールやマグネットなども、可能な限り控えめにしましょう。
霜によるトラブル
最近の冷蔵庫は自動で霜取りしてくれる機能がついていますが、何らかの原因で霜が発生していると、庫内の温度上昇の一因になる可能性があります。
冷気の吹き出し口に霜が張り付いていると、庫内へ冷風が行き届かなくなり、温度上昇が引き起こされます。この場合は、霜を取り除くしかありません。
冷蔵庫の中身をすべて空にして電源を切り、半日もしくは1日以上放置して霜が溶けるまで様子を見て、再度電源を入れてみてください。この作業を行うときは、場合によっては溶け出した霜が水になって出てくるかもしれないため、タオルなどですぐにふき取れるようにしましょう。
どうしても製氷の遅さが改善されないときは……
上記の対処をしてもまだ調子が悪い場合は、冷蔵庫本体が寿命を迎えているかもしれません。冬場は何とかなるかもしれませんが、夏場は周囲の温度が上がることもあり、庫内温度が10度以上になることも考えられます。
また、冷蔵庫から結露による水が流れ出し、別のトラブルへ発展することも考えられます。無理に使い続けようとせず、早めに対策をとりましょう。
氷がにおう場合
氷がにおう原因は2つ考えられます。1つは食品のニオイが移っている場合、もう1つはタンク、パイプが汚れている場合です。それぞれのケースについて詳しくお伝えします。
食品のニオイが移っているケース
冷蔵庫の中にフタをしないまま水を入れておいたら、ニオイ移りした、という経験はありませんか?氷にニオイがつくのも、基本的には同じ原因です。
特に、製氷機のタンクは庫内に設置されるケースが多いため、ニオイの強いものがある場合は、ニオイ移りの可能性は十分に考えられます。脱臭剤を置いたり、ニオイの強いものは密封したりして対処しましょう。
タンク・パイプが汚れているケース
タンクや給水パイプの汚れが原因で、氷にニオイがついてしまうケースもあります。冷蔵庫内に設置されている給水タンクは意外と水アカがたまりやすく、それが原因で氷にニオイがついてしまうことがあるのです。特に夏場になると、雑菌は繁殖しやすくなるものです。週に1回は給水タンクとフィルターの清掃を行いましょう。
給水パイプも、同様に洗浄しておく必要があります。ただし、こちらはメーカーによっては取り外しができないこともあるため、自動製氷機専用の洗浄剤の使用をおすすめします。このタイプは給水タンクに入れるだけで良いため、手軽で便利です。
また、給水パイプの汚れで注意したいことは、水道水以外の水を入れると汚れがつきやすくなるという点です。特にジュースや牛乳、お茶などは自動製氷機の故障につながりますので、絶対にやめてください。もしジュースなどを凍らせたいのであれば、別に製氷皿を用意して、製氷機を使わないようにしましょう。
また、塩素が入っていないミネラルウォーターなどは、雑菌が繁殖しやすくなります。そのため、どのメーカーでも製氷機で水道水以外を利用した製氷は推奨していません。
おわりに
製氷機の異常を簡潔にまとめると、冷蔵庫内の環境の問題か、機械の故障かのどちらかに分けることができます。冷蔵庫内の環境の問題は、機械に詳しくなくても改善できるものばかりです。
対策をとったにもかかわらず変化がない場合は、冷蔵庫もしくは製氷機の故障か、破損の可能性があります。早めにメーカーや家電修理業者に相談してください。
特に、夏場の冷蔵庫の異常は食品の衛生管理的にも好ましくありません。氷がないとつらい場合もあるため、夏が来る前に対策をしておくようにしましょう。
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