文字入力や変換効率化に役立つ、IMEやGoogle日本語入力の使い方
パソコンで文字を入力する際、思うように変換できずにイライラした経験はないでしょうか。日本語の入力では漢字への変換が必要になりますが、希望する漢字が変換候補に出てこないために、入力に時間がかかってしまうということはよくあります。
Windowsで文字入力をする場合は、「Microsoft IME」という文字入力をサポートするソフトウェアが使われています。普段は意識しないかもしれませんが、このIMEには便利な使い方がたくさんあります。特に、固有名詞などは変換しにくい単語の代表格ですが、そのような用語も「単語登録」をしてしまえば、次から簡単に変換することができます。
文字入力を支援するソフトウェアはMicrosoft IMEだけではありません。Googleが配布している「Google日本語入力」も優れた機能を持つ入力システムです。今回は、Windows 10を例にして、文字入力・変換に役立つIMEやGoogle日本語入力の使い方をご紹介します。
IMEの「単語登録」
仕事などで文字入力をしていると、他の単語と比較して頻繁に入力する単語やフレーズが出てくるものです。特に長めの文章などで定型のものがある場合には、毎回手打ちで入力するのは時間がかかりますし、タイプミスの恐れもあります。このような場合は、単語登録機能を使って簡単に変換することができます。
IMEには「ユーザー辞書」が用意されており、自分で好きな用語を登録することができます。普通の変換ではなかなか候補が出てこないような単語でも、登録しておけば次からは候補の上位に表示させることができます。文字入力の速さや正確性を高めることで、仕事の効率化にもつながります。
登録の仕方は簡単です。タスクバーの右下にある「A」の文字(半角英数の場合)を右クリックすると、IMEのオプションメニューが表示されます。
メニュー内の「単語の登録」を選択すると、自分の好きな単語とその読み方を登録することができ、次からはその組み合わせが変換候補の上位に表示されるようになるのです。
このユーザー辞書には、「短縮よみ」という変換方法も登録できます。例えば、単語を登録するときに「株式会社」のよみの部分に「かぶ」とだけ入力して登録します。すると、次の入力からは「かぶ」を変換すると、変換候補に「株式会社」が出るようになります。ある程度長い文字列も登録できるため、頻繁に使用する用語やフレーズをストレスなく変換することが可能になるのです。
IMEの「追加辞書サービス」
単語登録をすれば、変換効率がアップして作業もはかどります。しかし、顧客名簿の読み方など、作業者全員が同じ単語を個別に手動で登録するのは、あまり効率的とは言えません。そういった際には「オープン拡張辞書」が便利です。
オープン拡張辞書は、Microsoftなどが配布しているものを利用することもできますし、自分たちで作成することもできる、共有可能な辞書データです。自分たちで作成する場合は、顧客名簿とそれらの短縮よみを登録したりして、日々の業務に便利なように作成することができます。インターネット上には、他のユーザーが作成したオープン辞書もあるため、役に立ちそうな辞書を見つけて追加することも可能です。
利用方法は、目的の辞書をIMEに登録するだけです。先ほどのようにタスクバーの右下にある「A」を右クリックしてIMEメニューを開き、「追加辞書サービス」→「辞書の設定」の順に選択します。詳細設定の画面が表示されるため、「システム辞書」の「追加」ボタンをクリックして、目的の辞書ファイルを登録できれば完了です。
IMEの「詳細設定」
IMEでは、辞書機能の活用の他に、句読点の種類、記号、スペース入力など、通常入力時の詳細設定も変更することができます。
例えば、スペースキーを押した際に入力される「空白」を常に「全角」にしたいというケース。通常、スペースを入力する際に必ず全角入力モードになっているか確認する必要があり、目線を頻繁に動かすことになるため、入力作業の負担になります。しかし、IMEの設定でスペースの入力を常に全角になるようにしておけば、入力モードを気にせずにスペースを打ち込むことができます。
IMEのメニューを表示して「プロパティ」をクリックし、その画面の下のほうにある「詳細設定」をクリックしてください。表示された詳細設定画面で「全般」タブを選ぶと、入力設定を変更できるメニューがあります。その中の「スペースの入力」から「常に全角」を選ぶと全角スペースの入力設定ができます。
同じ画面で、句読点の種類や記号の種類なども変更できます。テンキーからの入力を全角にしたり半角にしたりする設定も可能です。自分の業務の内容に合わせて設定を変更しておくと、入力作業が格段に効率化できるでしょう。
Google日本語入力
Windowsの標準文字入力ソフトはMicrosoft IMEですが、Googleが独自に開発したGoogle 日本語入力というシステムも利用することができます。こちらもさまざまな便利機能が備わっている、優れた文字入力システムです。
Google日本語入力は、Googleの専用サイトからダウンロード、インストールすることができます。インストールが完了すると、Google日本語入力を既定のプログラムにするかどうか、Microsoft IMEのユーザー辞書を引き継ぐかどうかの選択画面が表示されます。設定を選択して「OK」をクリックすると、タスクバーにGoogle日本語入力のアイコン(青い丸印)が表示されます。
Google日本語入力には入力に便利な機能がそろっていますが、そのうちいくつかをご紹介しましょう。
顔文字変換
まずは、「顔文字」です。「かおもじ」と打ち込んで変換することで、多くの種類の顔文字が変換候補として表示されます。また、特定の文字列でも顔文字に変換することができます、例として、「びっくり」と入力して変換してみると、変換候補の中に何種類もの顔文字が含まれていることが分かるでしょう。
電卓機能
文字入力ソフトでありながら電卓として利用できる点も、Google日本語入力の特長。例えば「5000*22=」と入力して変換すると、その計算結果が変換候補として表示されます。入力作業の途中など、電卓アプリを開かずに計算結果を確認できるため、使いこなせれば非常に便利です。
郵便番号と住所の変換
他の特徴的な機能としては、郵便番号と住所の変換があります。例えば、相手の郵便番号は知っているが住所は分からないという場合に、ブラウザを立ち上げて検索をしなくてもGoogle日本語入力が予測変換を表示してくれる優れた機能です。
「150-0002」を変換すると、「東京都渋谷区渋谷」のように住所に変換されて表示されます。逆に「東京都渋谷区渋谷」を範囲選択して右クリックすれば、郵便番号が分かります。
その他の機能
これら以外にも、西暦から和暦への変換や、10進法の数字を2進法や16進法の数字に変換するなどの機能も備わっています。
IMEを快適に使いましょう
パソコンでの文字入力は今や日常的となっている作業ですが、入力に便利な機能を利用することで多くの無駄な時間を省くことができます。
Microsoft IMEやGoogle日本語入力は、文字入力や変換に関する利用価値のある機能を多く搭載しています。ご紹介したもの以外にも便利な使い方はいくつもあるため、専門のサイトなどで調べてみるのも良いでしょう。
文字入力を効率化できれば仕事全体の効率化にもつながります。文字入力ソフトの機能を最大限に活用してみましょう。
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濱﨑 慎一(日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事)
2010年8月、日本PCサービス株式会社に入社。パソコン修理などデジタルトラブルを5年で4500件以上解決。その後、サポート人材育成など、事業責任者として、個人向けデジタルトラブル解決に8年半携わる。2019年より同社にて、法人向けサポートの取締役に就任。また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として業界活性化のため正しいデジタル知識の普及、スマートフォンなどの新しい整備士資格の構築に携わる。
保有資格 パソコン整備士検定 取得