デジタル遺産とは?相続トラブル対策から相続税の注意点まで解説

デジタル遺産とは?相続トラブル対策から相続税の注意点まで解説

デジタル遺産とは、故人がインターネット上に遺した資産やデータ全般を指します。 これにはネット銀行の預金や暗号資産といった金銭的価値のあるものから、写真やSNSアカウントまで幅広く含まれます。 これらの相続手続きを怠ると、遺族が資産の存在に気づかなかったり、パスワードが不明でアクセスできなかったりするトラブルに発展しかねません。

この記事では、デジタル遺産の具体的な種類から、生前の対策、相続税の注意点までを網羅的に解説します。

この記事の運営・提供「PCホスピタル」

PCホスピタルは年間約10万件のサポート実績(2024年9月~2025年8月当社調べ)、サービス開始22周年の上場企業が運営しています。出張・持込・宅配で全国のパソコン修理・設定・ネット接続トラブルを最短即日で解決。自力で修理が難しい場合は、無理をせずPCホスピタルにお任せください。

デジタル遺品トラブルのサポート案内はこちら

目次

そもそもデジタル遺産とは?対象となる資産を具体的に解説

デジタル遺産とは、パソコンやスマートフォン、クラウド上などに存在する、金銭的価値を持つデータや権利のことです。 これに対して、金銭的価値の有無にかかわらず故人が遺したデジタルデータ全般を「デジタル遺品」と呼びます。 つまり、デジタル遺産はデジタル遺品の一部であると言えます。

相続においては、プラスの資産だけでなく借金などのマイナスの資産もデジタル遺産に含まれるため、その全体像を正確に把握することが重要になります。

  • 金銭的な価値を持つデジタル資産の例
  • 思い出のデータなど金銭的価値以外のデジタル遺品
  • デジタル遺産とデジタル遺品はどう違うのか

金銭的な価値を持つデジタル資産の例

金銭的な価値を持つデジタル資産は多岐にわたります。 代表的なものとして、ネット銀行の預金やネット証券の口座に保有する株式・投資信託が挙げられます。 また、ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)、FX(外国為替証拠金取引)の口座残高も対象です。

さらに、PayPayや楽天ペイといった電子マネーの残高、航空会社のマイルや各種サービスのポイント、アフィリエイト収入や有料noteの売上なども相続財産に含まれます。 このほか、有料で購入したアプリや、LINEスタンプのようなデジタルコンテンツも資産と見なされる場合があります。

思い出のデータなど金銭的価値以外のデジタル遺品

金銭的価値を直接持たないものの、故人や遺族にとって大切な思い出となるデータは「デジタル遺品」と呼ばれます。 具体的には、スマートフォンやクラウドストレージに保存された写真や動画、家族とのやり取りが残るメールやLINEの履歴が該当します。 また、故人が運営していたブログやSNSアカウント、オンラインゲームのデータ、個人的に作成した文書ファイルや音楽データもデジタル遺品です。

これらは相続財産にはなりませんが、遺族が故人を偲ぶ上で重要な意味を持ちます。

デジタル遺産とデジタル遺品はどう違うのか

デジタル遺産とデジタル遺品は、しばしば混同されますが、その範囲が異なります。 「デジタル遺産」とは、相続の対象となる財産的価値のあるデジタル資産を指します。 これには預貯金や有価証券といったプラスの財産だけでなく、ネット上のローンなどのマイナスの財産も含まれます。

一方、「デジタル遺品」はより広義な概念で、財産的価値の有無にかかわらず、故人が所有していたデジタルデータ全般を指します。 つまり、デジタル遺産はデジタル遺品という大きな括りの中に含まれる関係性です。

デジタル遺産の相続で起こりがちな3つの典型的な問題点

デジタル遺産の相続には、従来の財産相続にはない特有の問題が潜んでいます。 物理的な形がないため資産の存在自体が把握しにくいこと、本人しか知らないID・パスワードによってアクセスが阻まれること、そしてサービスごとに相続手続きが異なり煩雑であることなどが挙げられます。 これらの問題は、デジタル遺産の相続を複雑にし、遺族を悩ませる大きな要因となっています。

ここでは、特に起こりがちな典型的な3つの問題点を解説します。

  • 問題点1:遺族が資産の存在そのものに気づきにくい
  • 問題点2:IDやパスワードが不明でログインできない
  • 問題点3:サービスごとに解約や承継の手続きが異なる

問題点1:遺族が資産の存在そのものに気づきにくい

デジタル遺産の最大の問題は、通帳や不動産の権利書といった物理的な証明書が存在しないため、遺族がその存在に気づきにくい点です。 故人がどのネット銀行に口座を持っていたか、どの暗号資産取引所を利用していたかなど、生前に情報を共有していなければ、遺族には全くわからない可能性があります。

結果として、誰も気づかないまま資産が放置され、最悪の場合、相続財産から漏れてしまい、後の遺産分割協議のやり直しや相続税の申告漏れにつながる危険性があります。

問題点2:IDやパスワードが不明でログインできない

仮に遺族がデジタル資産の存在に気づいたとしても、次に立ちはだかるのがIDとパスワードの壁です。 ほとんどのオンラインサービスは、本人確認のためにIDとパスワードの入力を求めます。

これらがわからない場合、故人のアカウントにログインして資産状況を確認したり、解約手続きを進めたりすることができません。 近年はセキュリティ強化のため、二段階認証や生体認証が導入されているケースも多く、たとえIDとパスワードがわかってもアクセスできないという事態も増えています。

問題点3:サービスごとに解約や承継の手続きが異なる

デジタル遺産の相続手続きは、サービスを提供する事業者ごとにルールが異なります。 金融機関のように相続手続きの窓口が整備されている場合もあれば、IT企業によっては明確な規定がないことも少なくありません。 特に海外の事業者が運営するサービスの場合、利用規約が全て英語で書かれていたり、準拠する法律が日本法ではなかったりするため、手続きは一層複雑になります。

遺族はサービスごとに異なる規約を読み解き、個別に問い合わせを行う必要があり、多大な時間と労力を要することが問題です。

デジタル遺産を放置した場合に起こる深刻なトラブル事例

デジタル遺産の存在に気づかずに放置してしまうと、後々深刻なトラブルに発展する可能性があります。 例えば、遺産分割協議が完了した後に高額なネット証券の口座が見つかり、協議のやり直しを余儀なくされるケースがあります。

また、相続税の申告後に暗号資産の存在が発覚し、税務署から申告漏れを指摘されるリスクも考えられます。 金銭的な価値がないものでも、放置がトラブルの原因となるため注意が必要です。

  • 遺産分割協議が終わった後に高額な資産が見つかるケース
  • 相続税の申告漏れを税務署から指摘されるリスク
  • 解約できずに不要なサブスク料金が引き落とされ続ける事態

遺産分割協議が終わった後に高額な資産が見つかるケース

遺族が誰も気づかなかったデジタル遺産が、遺産分割協議の終了後に見つかるというトラブルは少なくありません。 例えば、故人の古いスマートフォンを整理していたら、ネット証券のアプリが見つかり、ログインしてみると数百万円単位の株式が残っていたというケースです。 遺産分割協議は、全ての相続財産を対象として行われるため、新たな財産が見つかった場合は、原則として相続人全員で再度協議を行う必要があります。

これは相続人にとって大きな負担となり、親族間の新たな火種になる可能性もあります。

相続税の申告漏れを税務署から指摘されるリスク

デジタル遺産も当然、相続税の課税対象です。 ネット銀行の預金や暗号資産などを遺族が把握できないまま相続税の申告・納税を済ませてしまうと、税務調査で申告漏れを指摘されるリスクがあります。 申告漏れが発覚した場合、本来納めるべき税額に加えて、過少申告加算税や延滞税といった追徴課税が課せられます。

特に暗号資産は価格変動が激しいため、評価額の算定が難しく、意図せずとも申告漏れにつながりやすい資産の一つであり、注意が必要です。

解約できずに不要なサブスク料金が引き落とされ続ける事態

動画配信や音楽配信、ソフトウェアの利用料など、月額制のサブスクリプションサービスを利用している人は少なくありません。 故人がこれらのサービスを契約していた場合、遺族が気づいて解約手続きを行わない限り、クレジットカードなどから料金が自動で引き落とされ続けます。 一つひとつの金額は少額でも、複数契約していれば合計額は大きくなります。

IDやパスワードがわからなければ解約手続きもスムーズに進められず、不要な支出が長期間続いてしまう事態に陥ることがあります。

今日から始められる!デジタル遺産の生前対策5ステップ

デジタル遺産にまつわるトラブルを防ぐ最も有効な方法は、本人が元気なうちに対策を講じておくことです。 自分の資産状況を正確に把握し、その情報を信頼できる家族に共有できる形にしておくことが重要です。 難しい手続きは必要なく、今日からでも始められる対策がほとんどです。

ここでは、デジタル遺産の管理と承継をスムーズにするための具体的な5つのステップを紹介します。

  • ステップ1:利用中のサービスを全て書き出して目録を作成する
  • ステップ2:不要なアカウントや有料サービスは解約して整理する
  • ステップ3:ID・パスワード情報をエンディングノートに記録する
  • ステップ4:スマートフォンやPCのロック解除方法を家族に伝えておく
  • ステップ5:デジタル遺産を含めた内容で遺言書を作成する

ステップ1:利用中のサービスを全て書き出して目録を作成する

まずは、自身が利用しているデジタルサービスをすべてリストアップし、目録を作成することから始めましょう。 銀行、証券、保険といった金融資産だけでなく、電子マネー、ポイント、SNS、有料サービスなど、思いつく限り書き出します。 その際、サービス名、サイトのURL、ID(ユーザー名やメールアドレス)を記録しておくことが重要です。

ステップ2:不要なアカウントや有料サービスは解約して整理する

目録を作成する過程で、現在ほとんど利用していないサービスや不要なアカウントが見つかるはずです。 特に、利用していないにもかかわらず料金が発生している月額制のサブスクリプションサービスなどは、この機会に解約して整理しましょう。

ステップ3:ID・パスワード情報をエンディングノートに記録する

目録でリストアップした各サービスのパスワードや暗証番号は、エンディングノートなどに記録しておきましょう。 ただし、全ての情報を一か所にまとめるのはセキュリティ上のリスクも伴います。 そのため、パスワードそのものではなく、「スマートフォンのメモアプリに保存。ヒントはペットの名前」といったように、保管場所やヒントを記す方法も有効です。

ステップ4:スマートフォンやPCのロック解除方法を家族に伝えておく

デジタル遺産の多くは、スマートフォンやパソコンの中に情報が集約されています。 そのため、これらの端末のロックを解除できなければ、遺族はデジタル遺産の調査を始めることすらできません。 パスコードやパターン認証、生体認証など、端末のロックを解除するための方法を、家族に共有する対策が必要です。

ステップ5:デジタル遺産を含めた内容で遺言書を作成する

誰にどのデジタル遺産を相続させたいか明確な意思がある場合は、遺言書の作成が最も有効な手段です。 特に、暗号資産やアフィリエイト報酬など、評価や分割が難しい資産については、遺言で相続方法を指定しておくことで、トラブルを未然に防ぐ効果が期待できます。

家族が亡くなった後にデジタル遺産を見つけるための調査方法

家族が亡くなった後、生前対策が十分でなかった場合に遺族が行うべきなのが、デジタル遺産の調査です。 スマートフォンやパソコンといったデジタル機器の中身はもちろん、アナログな書類や郵便物も重要な情報源です。

  • 故人のスマートフォンやパソコンのデータを確認する:アプリ一覧やブラウザの履歴、メールの受信トレイをチェックします。
  • 銀行の入出金履歴やクレジットカードの利用明細を調べる:不明な引き落としや証券会社からの入金がないか確認します。
  • 自宅に届く郵便物やメールの受信履歴から手がかりを探す:取引報告書やメルマガから契約先を特定します。
  • 最終手段として専門業者にデータ復旧を依頼する:どうしてもロック解除できない場合の選択肢です。

デジタル遺産を相続する際の具体的な手続きの流れ

デジタル遺産の存在が判明したら、相続人は具体的な相続手続きを進める必要があります。 従来の相続と同様に、財産の特定、評価、分割協議、そして名義変更や解約といった手順を踏みます。

  1. 各サービスの利用規約を確認し解約・名義変更を行う:事業者ごとに必要書類(戸籍謄本など)を確認し、個別に手続きします。
  2. デジタル資産の価値を正しく評価し相続税を計算する:暗号資産などは相続開始日の時価で評価します。
  3. 負の遺産が多い場合は相続放棄も検討する:ネットローンなどが多額な場合は、3ヶ月以内に相続放棄を検討しましょう。

デジタル遺産に関するよくある質問

Q1. SNSのアカウントやブログはどのように相続すればよいですか? 原則としてアカウント自体の相続はできませんが、投稿内容の著作権は相続対象となり得ます。規約を確認し、削除や追悼アカウントへの移行を検討しましょう。

Q2. パスワードがどうしても分からない場合、諦めるしかないのでしょうか? 諦める必要はありません。相続人であることを証明する書類を添えて事業者に開示請求を行うか、専門の解析業者に相談する方法があります。

Q3. デジタル遺産の相続について、誰に相談するのが最適ですか? トラブルなら弁護士、税金なら税理士、名義変更なら司法書士が適任です。迷ったらまずは相続全般を扱う法律事務所へ相談しましょう。

プロにデジタル遺産のサポートを依頼する選択肢もあります

デジタル遺産は、現代社会において誰もが無視できない相続の問題です。 物理的な形がないために見過ごされやすく、放置すると遺族間のトラブルや金銭的な損失につながる危険性をはらんでいます。 最も重要な対策は、本人が生前のうちに自身のデジタル資産をリスト化し、情報を共有できる形で残しておくことです。

早期の準備を進めることが、円満な相続の実現につながります。

デジタル遺産でお困りならPCホスピタルにお任せください

デジタル遺産を解説しましたがいかがだったでしょうか。

物理的な遺品と違い、目に見えないデジタル遺産は発見が遅れやすく、気づいた時にはトラブルに発展していることも少なくありません。ご自身での調査に限界を感じたり、大切なデータの扱いに不安を感じた際は、プロの力を借りるのが最も確実で安全な近道です。

「何から手をつけていいか分からない」という状態でも構いません。まずは一度、お気軽に弊社の訪問サポートまでお問い合わせください。

PCホスピタルのパソコン設定サポート概要
PCホスピタル
PCホスピタルを運営している日本PCサービス株式会社は名証ネクストに上場しています
修理対応 出張/持込/宅配
対応エリア 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国14店舗/宅配修理は全国47都道府県
実績 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの設定サポート実績とお客さまの声を当サイト掲載中
料金 基本料金 11,000円 + パソコン設定サポート 3,300円~ + 出張サポートは5,500円追加
デジタル遺産のサポート詳細について確認する
監修

田村 勇樹(PCホスピタル 大阪吹田店 兼 神戸店 店長)

2017年に日本PCサービス株式会社入社。PCホスピタル 京都駅前店の店長を経て、現在は本社併設のPCホスピタル 大阪吹田店と神戸店の店長を兼任。

保有資格 パソコン整備士検定 取得

出張エリア・店舗を探す連絡先に追加する
上部へ
戻る