「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」の原因は?対処法と注意点を解説

パソコンを起動しようとすると、「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」といった青い画面が表示されることがあります。これは通常のデスクトップ画面とは異なるため、多くの人が戸惑うことでしょう。パソコンが壊れてしまったのではないかと、不安になる人も多いはずです。
このようなエラーが表示された際には、焦らずに状況を正しく把握し、適切に対処することが大切です。今回は「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」というエラーが表示される原因や対処法、その際に注意すべきポイントについて解説します。
「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」とは

「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」と表示される場合、Windowsの起動に失敗していると考えられます。特に、起動時に重要なファイルやブート構成に問題が発生しているケースが多く、このメッセージが表示されがちです。
突発的にエラーが発生することはありますが、場合によっては致命的な問題を抱えていることもありえます。そのため、状況を正確に把握し、それに応じた適切な対処を取ることが重要です。無理に再起動を繰り返すなど対処を誤ると、最悪の場合、完全に電源が入らなくなってしまいます。
「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」でよくある症状
まずは「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」が表示されるとは、どういった症状であるかについて解説します。
- エラーコード「0xc000000f」「0xc0000225」の発生時
- リカバリーツールの使用が必要
- 入力装置のフリーズ
- 「自動回復」の実行中
エラーコード「0xc000000f」「0xc0000225」の発生時
エラーコード「0xc000000f」や「0xc0000225」などが発生していると「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」といったエラーメッセージが表示されがちです。これらのエラーコードは、起動に必要なファイルが破損または欠損している際に表示されます。また、ブート構成データ(BCD)が破損している場合にも同様のメッセージが表示されるものです。どちらもパソコンを正常に起動できず「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」と関連の深いエラー・メッセージといえます。
リカバリーツールの使用が必要
リカバリーツールの使用が必要となるような症状が発生した場合「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」と表示されやすくなります。リカバリーツールとは、設定の一部を修復したり再構成したりするツールです。
パソコンの起動時や使用中に問題が発生すると、リカバリーツールの使用を求められます。そして、そのときに「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」も同時に表示されるという仕組みです。通常の起動操作だけでは解決できない可能性が高く、適切な対処法を講じる必要があります。
入力装置のフリーズ
入力装置が原因でフリーズした結果、青い画面とともにエラーメッセージが表示されます。たとえば、キーボード入力ができなくなり、そのまま画面がフリーズ「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」と表示されるケースなどです。
これは一例ですが、パソコンに接続されているさまざまな周辺機器も起動に影響を与えています。症状が頻発するならば、入力装置を変更するなど対応を検討しなければなりません。
「自動回復」の実行中
自動回復機能の実行中にエラーメッセージが表示される場合があります。通常であれば、自動的に軽度のトラブルは修復が可能です。しかし、深刻なトラブルが発生していると自動回復に失敗し、代わりに「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」と表示されてしまいます。
「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」の原因4選

「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」と表示される主な原因は4つ考えられます。
- ブート構成データ(BCD)の不具合
- システムファイルの破損
- デバイスドライバのエラー
- HDDやSSDの物理的な故障
ブート構成データ(BCD)の不具合
Windowsの起動時に必要な情報をまとめた「ブート構成データ(BCD)」が破損していると「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」と表示されがちです。
基本的に、ブート構成データはユーザが操作することのない領域に格納されています。ただ、強制終了や突然の電源断、ソフトウェアの不具合などで不具合を起こすことは避けられません。自分が気づかないうちにブート構成データが不具合を起こし「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」の原因になっている可能性があります。
システムファイルの破損
Windowsのシステムファイルは、OSの正常動作に必要不可欠なファイル群です。これらのファイルが破損しているとPCの起動に失敗し「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」と表示されることがあります。
ブート構成データと同様に、システムファイルもユーザが操作する領域には格納されていません。しかし、アップデートの失敗やマルウェア感染、ストレージの不具合などで破損する可能性があります。ブート構成データと併せて、気付かないうちに「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」の原因を生み出しているかもしれません。
デバイスドライバのエラー
起動に必要なドライバでエラーが発生しているかもしれません。特に、ストレージやマザーボードのデバイスドライバにエラーが発生すると、Windowsが起動できなくなります。また、エラーは起きていなくとも、ドライバのバージョン不整合や不適切な更新が原因かもしれません。たとえば、ドライバの更新直後や新しいハードウェアの導入後に症状が現れることがあります。
HDDやSSDの物理的な故障
HDDやSSDなどのストレージに物理的な故障があると、これも「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」の原因になりえます。この状態では、Windowsの起動に必要なファイルを読み込めず、起動エラーが発生するからです。特にSSDは寿命が尽きると読み書き不能になり、ある日突然メッセージが表示されることがあります。
なお、HDDの場合は、物理的な故障の前兆として発熱や異音を確認できるケースが大半です。そのため「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」の前に思い当たる節があれば、物理的な故障が原因と疑ってみましょう。


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「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」の対処法5選

「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」が表示されている状況では、以下の対処法をそれぞれ試すようにしてください。
- スタートアップ修復の実行
- ブート構成データ(BCD)の修正
- システムファイルの修復
- セーフモードでの起動
- ハードウェア診断と問題の解決
スタートアップ修復の実行
Windowsを自動で起動できない状態であるため「スタートアップ修復」を実行してみましょう。これはWindows回復環境(WinRE)を用いた機能で「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」などのエラー時に利用します。実行することで、起動時に必要な構成や設定ファイルの不整合を自動的に検出・修正してくれるものです。
実行方法はパソコンにより少し異なりますが、インストールメディアもしくはパソコン指定の領域から以下を操作します。
スタートアップ修復の実行手順 |
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スタートアップ修復を実行し成功すれば、再起動後に通常どおりWindowsが立ち上がる可能性があります。
ブート構成データ(BCD)の修正
ブート構成データ(BCD)が破損していると、Windowsは起動するための流れを認識できません。結果「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」が発生するため、これを修正する対処法も試してみましょう。修正方法は簡単で、コマンドプロンプトから以下をそれぞれ実行します。
コマンドプロンプト:
bootrec /fixmbr
bootrec /fixboot
bootrec /scanos
bootrec /rebuildbcd
順番に実行し、それぞれが正常に完了すれば、ブート構成データの修正は完了です。
システムファイルの修復
システムファイルの破損が原因ということもあり得るため、これの修復を実施しましょう。コマンドプロンプトで以下を実行します。
コマンドプロンプト:
sfc /scannow
このコマンドでWindowsの重要なファイルについて整合性をチェックでき、破損している場合は自動で修復してくれます。また、こちらで効果がない場合は、以下のコマンドも試してみましょう。
コマンドプロンプト:
DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth
こちらのコマンドは、より重篤な問題にも対応が可能です。実行に時間を要するため、前述したコマンドで「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」が解決しない際にのみ試してください。
セーフモードでの起動
セーフモードで起動することで、修復せずとも一時的に起動できるかもしれません。ドライバの不具合や設定の衝突によって起動できないならば、セーフモードで不要なアプリのアンインストールや設定変更を実施します。
セーフモードの起動方法はいくつかあり、基本的には以下がおすすめです。
セーフモードの起動手順 |
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これによりパソコンを起動できれば、原因の特定や対処がスムーズにおこなえます。
ハードウェア診断と問題の解決
ハードウェア診断を実行し、問題の特定と解決を目指す対処法もおすすめです。特に、ストレージやメモリなどの故障が疑われるなら、ハードウェア診断を優先的に実施してみましょう。Windowsの「メモリ診断ツール」や、メーカーが提供している診断ユーティリティを利用します。
なお、問題が検出された場合は、その部品の交換や修理が必要です。
「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」発生時の注意点

「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」が発生した際の対処には注意点があります。
- いきなりリカバリしない
- 再起動は1回に留める
- 不明点があるならば分解は避ける
いきなりリカバリしない
エラーが発生したからといって、いきなりリカバリーすることは避けましょう。多くの場合、リカバリーは最終的な手段です。このエラーを解決できる可能性はありますが、最初に試すべき対処法ではありません。
そもそも、リカバリーはソフトウェア面での問題しか解決できない対処法です。ハードウェアにトラブルが生じている場合には効果がなく、むしろ悪影響を与えてしまう可能性があります。原因が特定できていない段階では、デメリットのほうが大きいため、リカバリすることは避けましょう。
再起動は1回に留める
突発的なトラブルであれば、パソコンを再起動するだけで解決することもあります。そのため、一度はパソコンを再起動してみることをおすすめします。ただし、再起動は一度にとどめておき、何度も繰り返さないようにしましょう。
知られていませんが、再起動だけでもパソコンに多少のダメージを与えてしまいます。連続で繰り返し再起動するとダメージが大きくなり「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」以外のトラブルを引き起こすことになりかねません。
不明点があるならば分解は避ける
ハードウェアに問題がある場合は、分解して部品を交換しなければなりません。ただ、分解にあたって不明点があるならば、自分での対応は避けましょう。他の部品を壊してしまい、状況が悪化する可能性があります。特にパソコンの部品は高価なものが多く、破損させてしまうと、大きな出費になりかねません。
プロに「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」トラブルのサポートを依頼するのも対処法

前述の対処法を行っても「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」トラブルが改善しない場合、内臓パーツの不具合やシステムトラブルなどが組み合わさっている可能性もあります。
パソコンを分解してパーツを交換すれば改善する可能性はありますが、失敗すれば追加で別のトラブルが発生することも考えられます。また、ノートパソコンや一体型パソコンの場合は分解の難易度が高く、知識があれば安全ですが、場合によっては修復不可能な状態まで陥ってしまう可能性もあります。
自力での修復が困難だと思われた場合はパソコンやデータの安全のためにもPCホスピタルにご依頼いただくことをおすすめいたします。
PCホスピタルは「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」トラブルのサポートが可能です
「お使いのPCまたはデバイスは修復する必要があります」は、ソフトウェアのトラブルを中心にハードウェアのトラブルでも表示されるメッセージです。状況を適切に把握して、対処法を見極めなければなりません。ただ、対処には専門知識が必要となることも多く、PCホスピタルに相談いただくことをおすすめします。


修理対応 | 出張/持込/宅配 |
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田村 勇樹(PCホスピタル 大阪吹田店 店長)
2017年に日本PCサービス株式会社入社後、累計4500件以上のパソコントラブルを解決。ウイルス感染、メールトラブルのサポートに定評を持つ。東京支部勤務、PCホスピタル 京都駅前店の店長を経て、現在は本社に併設する旗艦店のPCホスピタル 大阪吹田店の店長として従事。
保有資格 パソコン整備士検定 取得