ExcelにCopilotを導入する方法は?具体的な使い方を解説

Microsoft社はAIサービスの提供に力を入れ「Copilot」を開発しています。利用が広がっているため、耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。
現在、CopilotはExcelと組み合わせて利用できるようになっています。今回は、ExcelにCopilotを導入する方法から、具体的な使い方までそれぞれ解説します。
ExcelにCopilotを導入する方法
最初に、ExcelへCopilotを導入する方法について解説します。
導入できるプラン
ExcelでCopilotを利用するためには、Copilotのライセンスが含まれたサブスクリプションを契約する必要があります。個人と法人で必要な契約が異なり、具体的には以下のとおりです。
個人
- Microsoft 365 Personal
- Microsoft 365 Family
法人
- Microsoft 365 Business Basic
- Microsoft 365 Business Standard
- Microsoft 365 Business Premium
- Microsoft 365 Apps for business
上記に加えて「Microsoft 365 Copilot」
個人であれば、Microsoft 365アプリケーション(WordやExcelなど)を利用するサブスクリプションに加入することで、自動的にCopilotも利用できます。そのため、個別に契約する意識を持つ必要はありません。
対して、法人ではMicrosoft 365アプリケーションを利用する契約に加えて、Copilotを利用するサブスクリプションを追加する必要があります。別途、Copilot用の料金が発生するため、これらの違いには注意が必要です。
なお、Copilotは、Microsoft 365 アプリケーションでのみ利用できるサービスです。Excelの中でも「Excel 2021」など、旧バージョンでは利用できないため、その点は注意してください。
Copilotの始め方
ExcelでCopilotを起動して処理を始める方法は、大きく分けて2つあります。
Copilotボタンのクリック
簡単に始められる使い方は、Excelの「ホーム」タブ右端にある「Copilotボタン」をクリックする方法です。クリックすると、画面の右側にCopilotとやり取りするチャット画面が表示されます。

画像のとおり、チャット画面が表示されればCopilotの利用を開始できます。質問などを打ち込んでみましょう。

なお、Copilotを利用するためには、自動保存の設定を「オン」にしなければなりません。もし「オフ」になっていると、画像のとおりエラーが表示されます。

この場合はExcelファイルの設定を見直し、自動保存を「オン」に変更してから再度お試しください。
右クリック
Excelで任意のセルを右クリックし「Copilot」を選択することでも始められます。「Copilotに質問する」をクリックすると、上記の始め方と同様に、Copilotとのチャット画面が表示されます。



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CopilotのExcelでの具体的な使い方
続いては、CopilotをExcelで役立てるための具体的な使い方は以下の通りです。
- 数式の作成
- 既存の数式を解析
- 数式のエラー修正
- テーブルの強調・フィルタ・並び替えなどの加工
- データの分析
- データのグラフ化
詳細を解説します。
数式の作成
Excelの数式を作成するためには、専門的な知識が必要です。例えば、どのような関数がエクセルに用意されているのかを事前に理解しておかなければなりません。加えて、関数の種類やタイプ、それぞれの関数をどのように組み合わせればよいのかといった、アルゴリズムを構築するスキルも必要です。総じて、数式の作成は難易度が高いため、Copilotに任せると良いでしょう。
例えば、セルに入力されている値が「10000」以下の場合、隣のセルに「予算内」と表示させたいとします。このときは、プロンプトに「左のセルが10000以下の場合『予算内』と表示する数式を作成してください」と依頼します。

数秒間待機すると、画像のとおり数式が表示されます。こちらをコピーして必要な場所に貼り付けることによって、Excelに関数を組み込むことが可能です。指示の出し方によっては、セルへCopilotが数式を反映することもできます。

なお、追加の要望があれば、プロンプトを入力することで作成された数式をカスタマイズすることも可能です。このように、対話形式でやり取りしながら、数式を完成形へと近づけられます。
既存の数式を解析
新しく関数を作成するだけでなく、既存の数式を解析することも可能です。例えば、画像の通りセルA1に複雑な数式が入力されていたとします。

この場合は、数式をコピーしてCopilotへと貼り付けすることで、どのような意図で作成されたものであるか解説してもらえます。

説明内容と数式を照らし合わせながら、理解を深めていきましょう。また、追加で質問があったり、修正してほしい部分があったりすると、その点に対応してもらうことが可能です。
数式のエラー修正
数式を入力して計算しようとすると、画像のとおりシャープ(#)から始まるエラーが表示される場合があります。この場合は、問題を特定して、対策しておくことが望ましいでしょう。

このエラーをCopilotで解決する場合は、数式が入ったセルを右クリックします。そして表示されたメニューからCopilotを選択し「このエラーを説明して、修正を提案してください」をクリックしましょう。

こちらをクリックすると、自動的にCopilotが立ち上がり、プロンプトも入力されます。エラーの原因や修正方法が示されるため、それを参考にして問題の解決が可能です。

注意点として、エラーの解決方法は提案されるものの、Copilotはセルの中身を修正できません。そのため、修正した数式として示される内容を手動でコピーして、該当のセルに貼り付ける作業が必要です。
テーブルの強調・フィルタ・並び替えなどの加工
Copilotは、エクセルに入力されたデータを読み取り、テーブルとして加工することも可能です。例えば、特定の条件に合致するデータを強調するように設定できます。今回は、データテーブルの中から「A社」を強調表示してもらうようにしました。

どのような定義を作成するかどうか提案されるため、その内容を確認しましょう。今回であれば、文字色などを指定することも可能です。定義の内容に問題がなければ「適用」をクリックしてCopilotの定義を反映します。

A社だけが強調されて表示されるようになりました。どうように他の要素を強調したり色を変更したりもできます。
また、データを強調するだけではなく、並び替えにも対応しています。例えば、顧客名ごとにデータを並び替えてもらいましょう。

こちらも同様に、どのような変更を加えるかが案内されます。詳細を確認し「適用」をクリックすることで、データの並び替えが可能です。

今回は、簡単な条件を指定しましたが、複雑な条件を指定することも可能です。フィルタと並び替えを組み合わせた指示などにも対応しているため、必要に応じて試してみると良いでしょう。
データの分析
Copilotはテーブルを加工するだけではなく、入力されているデータを分析することも可能です。分析の手法は多岐にわたるため、そこからCopilotに相談する使い方をおすすめします。まずは、どのように分析すれば良いか確認してみましょう。

今回の例であれば、売上金額の推移などを分析することをおすすめされました。そのため、今回は提案に沿って、売上金額の推移を詳しく分析してもらいます。

Copilotが理解した内容に沿ってデータの分析が実行されます。ただ、指示が曖昧であるため、分析の結果も少々曖昧なものになってしまいました。そのため、Copilotの使い方としては、より具体的な指示を出して分析してもらうことが重要です。
データのグラフ化
データの分析や活用においては視覚的に表現する「グラフ化」が重要です。ただ、グラフの種類は多数あり、どれが良いか判断しづらいことがあるでしょう。そこで、グラフの種類を決めることからグラフの生成までを任せてしまいます。

どのようなグラフが必要であるか具体的に示すことで、画像のように生成してもらえます。情報としては十分ですが、より視覚的に理解しやすいグラフを必要とすることもあるでしょう。その場合は、グラフのデザインを修正するなど、Copilotにさらなる指示を出す使い方をおすすめします。
ExcelでCopilotを使いこなすための注意点
Copilotは非常に便利なAIツールですが、最大限活用するためには以下の注意点を理解しておく必要があります。
- 高度な指示には対応しづらい
- 出力結果の確認は必須である
- 大量のデータは処理に失敗する可能性がある
詳細をご説明いたします。
高度な指示には対応しづらい
Copilotは「複雑な指示」や「複数の命令を同時に出すこと」に弱い傾向があります。たとえば「データを整形しその結果をグラフ化してください」といった高度な指示は、意図通りに処理されないリスクがあり注意すべきです。
これを回避するためには、指示を分けて段階的に出すことがポイントです。たとえば、「データの表示を整えてください」「整ったデータをもとにグラフを作成してください」と2回に分割します。シンプルで明確な指示を心がけると、Copilotが正確に処理しやすくなります。
出力結果の確認は必須である
Copilotは高性能なAIではあるものの、すべての出力が正確とは限りません。意図と異なる処理を実行したり、誤ったデータ加工がおこなわれたりするリスクがあります。
そのため、出力結果は人間による確認作業が不可欠です。誤った状態のまま処理が終了しているかもしれません。すべてを確認するのが難しい場合でも、サンプリングして動作が正しいか評価する仕組みを取り入れましょう。
大量のデータは処理に失敗する可能性がある
Microsoft社の公式サイトを参照すると、Copilotが読み込めるデータ量に明確な制限は記載されていません。しかし、実際には大量のデータを処理しようとすると、Excelがフリーズしたり、処理が途中で失敗したりするケースが確認されました。
どのような条件で処理に失敗するかは状況によりけりで、確実な回避策は無いと考えられます。データ処理に失敗した際はデータを分割するなど、処理対象を減らしてみることが重要です。
PCホスピタルはExcelトラブルのサポートに対応しています
CopilotはMicrosoft社が提供するAIで、Excelに組み込むことで作業効率を大きく向上させてくれます。自動化できる作業は多岐にわたり、今後も新しい機能や使い方が追加されていくでしょう。現状、複雑な指示は苦手という側面はありますが、これも徐々に改善されるはずです。ぜひ日常業務にCopilotを取り入れ、作業の効率化を実現してみてください。
PCホスピタルはExcelトラブルのサポートに対応しています。お困りの際はぜひご依頼ください。


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