【2023年】グラフィックボード(ビデオカード)って何?基礎知識や種類、ゲーム用のおすすめ
![image005 【2023年】グラフィックボード(ビデオカード)って何?基礎知識や種類、ゲーム用のおすすめ](https://www.4900.co.jp/smarticle/wp-content/uploads/2016/12/image005-728x450.png)
パソコンはいろいろな部品で組み立てられており、パソコン本体の中は基盤に配置された細かい部品の数々やケーブルなどでひしめき合っています。もちろんそれぞれの部品には個別の働きがあり、パソコンが動作するのを助けています。
パソコンを使うために、これらの部品の一つひとつを知る必要はありません。基本的に中の部品を自分で取り換えることはないため、普通は本体の中を見ることもないはずです。しかし、パソコンを構成する部品の中には、グラフィックボード(ビデオカード、グラフィックカードとも呼ばれます)のように、知っておくとパソコンの買い替え時に役立つ部品もあります。
今回は、パソコンに組み込まれているグラフィックボードという部品の基礎知識やその確認方法、種類、メリット、ゲームをする際に必要なグラフィックボードの種類、購入する場合のおすすめのグラフィックボードなどをご紹介します。
グラフィックボードって何?
![ROG-STRIX-RTX2060-O6G-GAMING](https://www.4900.co.jp/smarticle/wp-content/uploads/2016/12/P_setting_000_1_90_end_500.jpg)
出典:ASUS 日本「ROG-STRIX-RTX2060-O6G-GAMING | ビデオカード | ASUS 日本」2022年4月27日
パソコンに詳しくない人であれば、グラフィックボードという言葉も初めて聞くかもしれません。一体どのような働きをしている部品なのでしょうか。
一言で説明するならば、グラフィックボードとはディスプレイに画像や映像を映すための部品です。ただし、グラフィックボードが搭載されていないパソコンでもディスプレイに画像や映像を映すことは可能です。なぜなら、CPUやマザーボードと呼ばれる部品の中に、直接グラフィックボードが搭載されているため。これを「オンボードグラフィック」と呼びます。オンボードグラフィックは、独立したグラフィックボードに比べると性能が劣ります。
画像や映像を「きれいに」映そうとする場合は、独立したグラフィックボードの有無が重要です。グラフィックボードを取り付けると画像の発色数や表示の周波数、解析度などが向上するため、画像や映像をきれいに表示できます。描画速度も向上するため、きれいでなめらかな映像をパソコンで楽しめるようになるでしょう。
グラフィックボードの確認方法
自分のパソコンに搭載されているグラフィックボードを調べる簡単な方法があります。ここでは、Windows10を例にして確認方法をご紹介します。
- デスクトップ画面の左下にある[スタート]ボタンをクリック
表示されたスタートメニュー一覧の中に、[ファイル名を指定して実行]という項目があるため、そこをクリック
- [名前]を入力するボックスが表示されたら、そこにキーボードで「dxdiag」と打ち込んで[OK]ボタンをクリック
- [DirectX 診断ツール]というダイアログボックスが表示されるので[はい]をクリック
- ダイアログの上部にいくつかタブ(画面の見出しのようなもの)があるため、その中から[ディスプレイ]と書かれたタブをクリック
複数のディスプレイをつなげて使っている場合は[ディスプレイ 1][ディスプレイ 2]のように複数のタブが表示されますが、どれを選んでも構いません。 - [ディスプレイ]タブの左上、[デバイス]という項目に記載されたグラフィックボードの情報を確認
名前や製造元情報の他、チップの種類やグラフィックボード用のメモリ容量などを確認することができます。
グラフィックボードの種類
画像や映像をきれいに映すための部品であるグラフィックボード。このグラフィックボードには、どのくらいの種類があるのでしょうか。
グラフィックボード自体は多くの会社から販売されていますが、大きく2種類に分けることができます。グラフィックボードの頭脳にあたる部分を「GPU」と呼びますが、このGPUを作っているメーカーは、米国のNVIDIA社と、同じく米国のAMD社の2社しかありません。
NVIDIA社の開発しているGPUは「NVIDIA GeForce(ジーフォース)」です。こちらは現時点で最も広く使われているGPUで、描画スピードの速さが特徴です。グラフィックの表示性能にも定評があり、万人向けのブランドといえます。広く普及しているブランドのため、故障などのトラブルがあったときにも比較的対応してもらいやすいという点も魅力的です。
一方AMD社は、「AMD RADEON(レイディオン/ラディオン)」というブランドのGPUを開発しています。もともと動画の描写能力に優れたGPUとして有名でしたが、最近ではGeForceに追いつかれている状況です。今では、総合的な性能自体はGeForceもRADEONも同程度といったところです。
グラフィックボードのメーカー
下記がグラフィックボードを製造している主なメーカーです。GPU自体は同じですが、外見やツールなどがメーカーによって特色があります。
どこの国のメーカーか特徴を含めてご説明いたします。
ASUS(台湾)
ASUSの特徴
- パソコンやマザーボードも製造している。
- GPU Tweak II ユーティリティというツールでパフォーマンスの微調整をすることができる。
- 外見にもこだわっている。
- サイト上ではビデオカードと表記している。
CFD販売 玄人志向(日本)
CFD販売 玄人志向の特徴
- PCパーツの総合サプライヤーで、黒いサングラスの男性が目印の玄人志向というブランドを展開している。
- グラフィックボード以外にも様々なPCパーツを扱っている。
- ブランド名の通り玄人向けなので、丁寧なサポートが必要な人には向かない。
- サイト上ではグラフィックボードと表記している。
ELSA(日本)
ELSAの特徴
- グラフィックカード以外にも様々な機器を扱っている。
- イルミネーション機能を搭載していたり外見にもこだわっている。
- サイト上ではグラフィックスと表記している。
GALAXY(中国)
GALAXYの特徴
- PC用メモリも製造している。
- GALAXというブランドで展開していて、玄人志向とコラボした製品も発売している。
- サイト上ではグラフィックカードと表記している。
GIGABYTE(台湾)
GIGABYTEの特徴
- パソコンやマザーボードも製造している。
- ハイエンドモデルにはWINDFORCE STACKという冷却システムを搭載している。
- 外見にもこだわっていて、動作時に光るモデルもある。
- サイト上ではグラフィックスカードと表記している。
MSI(台湾)
MSIの特徴
- マザーボードも製造している。
- トルクスファンという独自技術で高い冷却性能を誇っている。
- 外見にもこだわっている。
- サイト上ではグラフィックスカードと表記している。
palit(台湾)
palitの特徴
- SSDも製造している。
- ターボファンブレードという独自ファンを搭載している。
- ThunderMasterというツールでパフォーマンスを調整することができる。
- サイト上ではビデオカードと表記している。
Sapphire(中国)
Sapphireの特徴
- Tri-Xクーリングという独自冷却システムを搭載している。
- 製造しているグラフィックボードは全てAMD RADEONのGPUを搭載している。
- サイト上ではグラフィックスカードと表記している。
ZOTAC(中国)
ZOTACの特徴
- パソコンやマザーボードも製造している。
- ハイエンドモデルには水冷タイプもある。
- 外見にもこだわっている。
- サイト上ではグラフィックスカードと表記している。
グラフィックボードのメリット
グラフィックボードがパソコンに搭載されていることで、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
グラフィックに凝ったゲームを快適にプレイできる
![グラフィックボードのメリット](https://www.4900.co.jp/smarticle/wp-content/uploads/2020/02/ddafebd6ef3b064a025028fd033cb5e8_m.jpg)
まず挙げられるのは、パソコンでゲームを楽しむ場合です。最近のゲームはグラフィックも非常に美しく、動きもスムーズです。3Dグラフィックのゲームももはや当たり前となり、キャラクターの描画も大変リアルで、映画を見ているように錯覚してしまいます。このようなゲームをプレイしようとする場合、どうしてもグラフィックボードが必要になってきます。
ゲームによっては、一定のレベルのグラフィックボードが搭載されていないパソコンでは動作しないものもあるほどです。もしゲームをプレイするのが目的でパソコンを購入するのであれば、搭載されているグラフィックボードは事前に必ず確認しましょう。
DVDやブルーレイディスクの映像の美しさを堪能できる
また、パソコンを使ってDVDなどを視聴するときにもグラフィックボードは威力を発揮します。DVDやブルーレイディスクをパソコンで再生するときに、高性能のグラフィックボードが付いていれば美しい映像が楽しめるのです。パソコンは地デジキャプチャーを付ければ地上デジタル放送も見ることができますが、その場合もグラフィックボードが搭載されているかどうかで画面の美しさは格段に違ってきます。
グラフィックボードが搭載されていると、画像編集ソフトや3Dデザインソフトの処理がスムーズになるため、快適に作業することができます。画像データが重すぎてソフトの動作が遅く、作業が滞りがちで困ると感じている方は、グラフィックボード搭載パソコンへの買い替えを検討してはいかがでしょうか。
家庭ではあまり必要がないかもしれませんが、複数のディスプレイを1台のパソコンにつなげた「マルチモニター」で使用するときにもグラフィックボードが活躍します。
パソコンで作業するときに複数のディスプレイがあれば多くのファイルなどを開いて表示させておくことができてとても便利ですが、つなげるディスプレイが多くなるほどパソコンへの負荷が大きくなります。そのためマルチモニターの場合はパソコンの動作が重くなることがありますが、グラフィックボードを搭載しておけば負荷が大きくなっても動きは変わりません。
人気ゲーム別の必要最低グラフィックボード
代表的な人気ゲーム別の最低限必要なグラフィックボード(グラフィック性能)です。あくまで最低限なので、快適なプレイはできない可能性が非常に高いです。
PUBG
NVIDIA GeForce GTX 960 2GB、AMD Radeon R7 370 2GB
フォートナイト
Intel HD 4000(CPU内蔵、オンボード)
デッドバイデイライト
NVIDIA GeForce GTX 460
Apex Legends
NVIDIA GeForce GT 640、AMD Radeon HD 7730
上記6つのグラフィックボード(オンボード)を比較するとこのようになります。
![人気ゲーム別の必要最低グラフィックボードの比較](https://www.4900.co.jp/smarticle/wp-content/uploads/2020/02/7868_graph01.png)
※大体の目安として大雑把に視覚化したグラフです。
6-2のゲームは最近発売されたパソコンで、Intel i3~i7のシールが貼られていればなんとかプレイできるということです。
対して6-1、6-3、6-4のゲームは、パソコンの中にグラフィックボード(長方形の板)が差さっていてかつ、6-1のゲームは2015年以降に発売されたグラフィックボード、6-3のゲームは2011年以降に発売されたグラフィックボード、6-4のゲームは2012年以降に発売されたグラフィックボードでなくてはいけません。
つまり、4つのゲームを全て最低限動かすにはNVIDIA GeForce GTX 960 2GBまたはAMD Radeon R7 370 2GBが必要です。
結論:最近販売されているゲーミングPCなら、デスクトップパソコンとノートパソコンどちらでもなんとかプレイできると言えます。
人気ゲーム別の推奨グラフィックボード
次に代表的な人気ゲーム別の推奨グラフィックボードをご紹介します。推奨なので、ゲーム内設定で中~高品質で快適にプレイできる可能性は高いです。ただし、CPUの性能とグラフィック設定によってはカクカクして快適にプレイできない可能性があります。
PUBG
NVIDIA GeForce GTX 1060 3GB、AMD Radeon RX 580 4GB
フォートナイト
NVIDIA GeForce GTX 660
デッドバイデイライト
NVIDIA GeForce GTX 760
Apex Legends
NVIDIA GeForce GTX 970、AMD Radeon R9 290
上記6つのグラフィックボードを比較するとこのようになります。
![人気ゲーム別の推奨グラフィックボードの比較](https://www.4900.co.jp/smarticle/wp-content/uploads/2020/02/7868_graph02.png)
※大体の目安として大雑把に視覚化したグラフです。
7-1のゲームは2017年以降に発売されたグラフィックボードが刺さっていれば、設定によっては快適にプレイできます。7-2、7-3、7-4のゲームは2013年以降に発売されたグラフィックボードが差さっていれば快適にプレイできるでしょう。つまり、4つのゲームを全て中~高品質で快適にプレイするにはNVIDIA GeForce GTX 1060 3GBまたはAMD Radeon RX 580 4GBが必要です。
結論:最近販売されている大体のゲーミングPCなら、デスクトップパソコンとノートパソコンどちらでも中~高品質で快適にプレイできると言えます。
【2022年ランキング】人気ゲームを4つともできるグラフィックボード
上記で紹介した必要最低グラフィックボードと推奨グラフィックボードを踏まえて、4つとも中~高品質で快適にプレイできるグラフィックボードをランキング形式で紹介します。
製品名 | 価格帯 | おすすめ度 |
---|---|---|
NVIDIA GeForce RTX 2060(SUPER含む) | 5万円前後 | ★★★ |
RTX 20シリーズのミドルレンジクラス。SUPERが付かないモデルはGTX 1070Tiと同程度。SUPERが付くモデルはGTX 1070Tiより勝る。 | ||
NVIDIA GeForce GTX 1070(Ti含む) | 5万~8万円 | ★★☆ |
GTX 10シリーズのハイエンドクラス。Tiがつ付くモデルはRTX 2060と同程度。 | ||
NVIDIA GeForce GTX 1660(Ti含む) | 4万円前後 | ★★☆ |
GTX 16シリーズのミドルレンジクラス。GTX 1060より少し勝る性能。Tiが付くモデルはGTX 1070と同程度。 | ||
NVIDIA GeForce RTX 2070(SUPER含む) | 5万~10万円 | ★☆☆ |
RTX 20シリーズのハイエンドクラス。RTX 2060より少し勝る。 | ||
NVIDIA GeForce GTX 1650 | 2万円前後 | ★☆☆ |
GTX 16シリーズのミドルレンジクラス。GTX 1060より少し劣る性能。 | ||
NVIDIA GeForce GTX 1060 | 4万円前後 | ★☆☆ |
GTX 10シリーズのミドルレンジクラス。VRゲームが快適にプレイできる(VR Ready)とされる最下位モデル。 | ||
AMD Radeon RX 580 | 2万~5万円 | ★☆☆ |
GTX 1060と同程度。 | ||
NVIDIA GeForce RTX 2080(TiとSUPER含む) | 8万~20万円 | ☆☆☆ |
RTX 20シリーズのハイエンドクラス。TiもSUPERも付かないモデルはRTX 2070 SUPERと同程度。 | ||
NVIDIA GeForce GTX 970 | – | ☆☆☆ |
GTX 9シリーズのミドルレンジクラス。推奨グラフィックボードだが、中古品しかほぼ手に入らない。 | ||
NVIDIA GeForce GTX 960 | – | ☆☆☆ |
GTX 9シリーズのミドルレンジクラス。必要最低グラフィックボードだが、中古品しかほぼ手に入らない。 | ||
AMD Radeon R9 290 | – | ☆☆☆ |
GTX 970と同程度。推奨グラフィックボードだが、中古品しかほぼ手に入らない。 | ||
AMD Radeon R7 370 | – | ☆☆☆ |
GTX 960と同程度。必要最低グラフィックボードだが、中古品しかほぼ手に入らない。 |
※2022年時点の情報です。
※必要最低と推奨以外の新品の販売が終了しているグラフィックボードは掲載していません。
※NVIDIA GeForceに最適化されているゲームが多いため、AMD Radeonは必要最低と推奨以外掲載していません。
結論:NVIDIA GeForce RTX 2060が性能と価格から考えておすすめです。
PCホスピタルにグラフィックボードのことでお困り解決をご相談いただく場合はこちら
これまでの内容のまとめ
- グラフィックボード、ビデオカード、グラフィックカード、グラフィックスカードは全て同じ意味。
- グラフィックボード(GPU)にはNVIDIA GeForce(ジーフォース)とAMD RADEON(レイディオン/ラディオン)がある。
- ゲーム目的でパソコンを買うなら、ゲーミングPCとうたっていてNVIDIA GeForce GTX 1060 3GB以上を搭載しているパソコン。
- ゲーム目的でグラフィックボードを買うならNVIDIA GeForce RTX 2060。
グラフィックボードのお困りごとはPCホスピタルにお任せください
いかがでしたでしょうか。今回はグラフィックボード(ビデオカード、グラフィックカード、グラフィックスカード)について説明しましたが、簡単に言うと、グラフィックボードは画像や映像をきれいに映すための専用部品です。パソコンで調べものをするくらいであればグラフィックボードを取り付ける必要はありませんが、ゲームやDVDの再生など、画像・映像を美しく楽しみたい場合にはぜひ搭載したい部品です。
また、画像・映像を美しく楽しむ場合はCPUやモニターなど、グラフィックボード以外の部品や機器も考慮する必要があります。他の部品や機器の性能が低いと、グラフィックボードが性能を発揮しきれないことがあります。
PCホスピタルではグラフィックボードの設置やトラブルのサポートを承っています。お困りのときは是非ご依頼ください。
修理対応 | 出張/持込/宅配 |
---|---|
対応エリア | 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国15店舗/宅配修理は全国47都道府県 |
実績 | 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの設定サポートを当サイト掲載中 |
料金 | パソコン設定サポート 3,300円~ + 基本料金 8,800円~11,000円 |
濱﨑 慎一(日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事)
2010年8月、日本PCサービス株式会社に入社。パソコン修理などデジタルトラブルを5年で4500件以上解決。その後、サポート人材育成など、事業責任者として、個人向けデジタルトラブル解決に8年半携わる。2019年より同社にて、法人向けサポートの取締役に就任。また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として業界活性化のため正しいデジタル知識の普及、スマートフォンなどの新しい整備士資格の構築に携わる。
保有資格 パソコン整備士検定 取得