外付けHDDを認識しない時の対処法を原因別で解説!

外付けHDDにデータのバックアップを定期的にとっていたけど、突然アクセスできなくなった。電源をいれても外付けHDDが反応しない。そんなトラブルに見舞われたときどう行動してよいのかわからず、焦ります。
HDDは非常に精密な機械で、トラブルが生じた場合には慎重に扱わないと中のデータが破損して危険です。これから外付けHDDが認識しない原因とその対処法を事例ごとに紹介していきます。
原因を探ることで外付けHDDの軽微なミスに気づけたら、安全に使用を再開できます。もし、故障してしまったときはどのような対処法が必要なのかもあわせてみていきます。
外付けHDDを認識しない時の主な理由

HDDが認識されない時に、その理由は大きく分けて主に二つに切り分けることができます。それが、物理障害と論理障害と呼ばれるものです。
- 物理障害
- 論理障害
物理障害とは
経年劣化や落下などの衝撃によって機器自体が破損してしまったことによって起きる障害です。電子機器なので、「壊れた」という表現にはこの物理障害の方が適しています。この場合には内部の部品を交換したり、ディスクそのものが故障していない場合には取り出して別のケースに入れて接続するなどの対応となります。
論理障害とは
内部に保存してあるデータが不具合を起こしているため、正しく読み込みできない状態です。システムやデータの整合性が取れなくなって発生するエラーをイメージするとわかりやすいと思います。
パソコンと電源の接続の確認

外付けHDDがパソコンで認識できなくなってしまった場合、まずはじめにチェックするのはケーブルが正しく接続されているかです。
電源が入らない場合はHDDのタイプによってチェックポイントが変わってきます。電源が入るけどパソコンで認識できない場合、USBケーブルをチェックしましょう。それぞれについて詳しく対処法をみていきましょう。
ポータブルタイプは接続によって電力不足に
ポータブルタイプの外付けHDDの場合、別商品のUSBケーブルを使ったり、USBハブを使ったりすると電力不足になる場合があります。電力不足になるとHDDは認識しません。
消費電力の高い外付けHDDだと補助電源を取るために二股に別れたケーブルを使用するケースもあります。もし別のケーブルを使用しているようなら、元々付属していたケーブルでUSBポートに直接つないでみましょう。
据え置きの外付けHDDは正規のACアダプタを使用しよう
据え付けの外付けHDDの場合は電源供給のためにACアダプタを使用することが多いです。ACアダプタの数が増えてきたりすると、たまたまジャックが合うものをつないで使ってしまうこともあります。
しかし、出力がACアダプタごとに異なるので、間違ったACアダプタを使用すると電源自体が入らないです。もし、電源がはいったとしても、過剰に電気が流れていると故障の原因になるので、ACアダプタは規格に合ったものを使用しましょう。
また、外付けHDDに電源ボタンがあるのなら、ONになっているのかも一緒に確認しましょう。外付けHDDの起動がAUTOモードになっていると、つないでいるパソコンが起動しないと電源がはいらないのであわせて確認しておきましょう。
予備のケーブルやアダプタがあるなら交換
外付けHDD本体に問題はなくても、USBケーブルやACアダプタに問題があり電源がはいらない可能性があります。ケーブルがよれていたり、折れ曲がっていたり、断線していないか確認しましょう。予備のケーブルなどがあるのなら交換をしてみるとケーブルが原因か特定しやすいです。
ケーブルはテーブルや椅子など力のかかるものの下敷きになると壊れやすいので注意しましょう。また、折り曲げた状態で束ねておくのもケーブルに負担をかけます。ケーブルは伸ばしておくか、ゆるく輪っかにした状態で置きましょう。
壁のコンセントを確認する
電力不足はタコ足配線になっているACタップを使用している場合にも起こります。
ACタップは製品によって異なりますがどこかに〇〇Wまでという記載が必ずあり、例えば1,500W(15A)などと記載されています。パソコン、テレビ、レコーダーと暖房器具などをひとつのタップから給電していてほとんど1,500Wを使いきってしまっているような時は外付けHDDへの給電がうまくできません。かろうじて給電できていると最初のうちだけ動くこともありますがすぐに停止してしまったり、回転数が足りずにうまくデータが読み取れないといったことが起きてしまいます。
タコ足になっているACアダプタは使用しないようにして、電源ケーブルはできるだけ壁のコンセントから直接挿し込んで使うようにしましょう。
電源が入らないなら故障の可能性
外付けHDDのケーブルが正しく接続されていても電源がはいらない場合は故障が考えられます。外付けHDDは落下や水没などハッキリとわかる原因以外にも、経年劣化でも故障します。使用状況にもよりますが、だいたい3〜4年がHDDの寿命といわれています。
外付けHDD内部のモーターや基盤、磁気ヘッドなどで障害が起きていると、修理に出さないと復旧は難しい状態です。HDDからギーギーやカタカタなど明らかに動作音とは別の異音をキャッチしたら、すぐに別の外付けHDDにバックアップをとり、使用を控えるようにしましょう。


修理対応 | 出張/持込/宅配 |
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対応エリア | 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国15店舗/宅配修理は全国47都道府県 |
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外付けHDDの電源が入っている時の確認事項

外付けHDDの電源がはいっているなら、デバイスマネージャーを確認するとパソコンで正しく認識されているか確認できます。
もし、デバイスマネージャーで認識していても、パソコンからデータにアクセスできない場合はドライバの故障やドライブ文字が重複または変更されていることが考えられます。
ここではデバイスマネージャーの起動方法から、ドライバの確認、ドライブ文字の確認方法について紹介します。少しややこしいところですが、軽微なミスで済む状態なので試してみましょう。
デバイスマネージャーで認識状態を確認(Windows)
Windows 10/11のデバイスマネージャーで外付けHDDを認識してるか確認してみてください。
確認する手順は下記の通りです。
Windows 10/11のデバイスマネージャーで外付けHDDを確認する手順 |
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ディスクユーティリティで認識状態を確認(Mac)
Macのディスクユーティリティで外付けHDDを認識してるか確認してみましょう。
確認する手順は下記の通りです。
Macのディスクユーティリティで外付けHDDを確認する手順 |
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外付けHDDを認識しない時の対処法

パソコンが外付けHDDを認識しない時の対処法を下記の通りです。
- パソコンを再起動
- ケーブルを接続し直す
- ケーブルの接続先を変更する
- 別のパソコンに接続する
- 周辺機器を全て外す
- Windows Updateを実施する
- 不要なアプリを閉じる
- ドライバーをアップデート
- ドライブ文字が重複しているなら編集する
- 外付けHDDを初期化
- アクセス拒否には権限の変更
詳細をご説明いたします。
パソコンを再起動
一時的な不具合の可能性があるため、まずはパソコンを再起動してみましょう。
再起動で改善する場合もあります。
ケーブルを接続し直す
USBケーブルを正しく接続できてないことで外付けHDDが認識してない可能性があります。
USBケーブルをパソコン側、外付けHDD側どちらも接続し直し、認識されるか確認してみましょう。
電源ケーブルが必要な外付けHDDの場合、電源ケーブルも接続し直してみてください。
ケーブルの接続先を変更する
外付けHDDのケーブルを接続しているパソコンのUSBポートが故障しているかもしれません。
その場合、同じパソコンの別のUSBポートにケーブル接続し、外付けHDDが認識されるかご確認ください。
別のパソコンに接続する
パソコンの一時的な不具合で外付けHDDが認識しない状態になってるかもしれないため、別のパソコンに外付けHDDを接続し、認識されるかご確認ください。
周辺機器を全て外す
パソコンに接続している外付けHDD以外の周辺機器のトラブルにより、外付けHDDが認識されない状態になってる場合、周辺機器を全て外してから外付けHDDのみパソコンに接続することで改善する可能性があります。
Windows Updateを実施する
Windows Updateが最新に更新されてないことで、不具合が発生してることも考えられます。
その場合、Windows Updateを実施してから外付けHDDが認識されるかご確認ください。
不要なアプリを閉じる
アプリケーションを複数起動し、パソコンに負荷がかかっていることにより、一時的に外付けHDDを認識しない状態になってる場合があります。
不要なアプリケーションを全て閉じてから外付けHDDの認識されてるかお試しください。
ドライバーをアップデート
外付けHDDのドライバーが古いと誤作動が起きる可能性があります。デバイスマネージャー上で外付けHDDが認識しているようなら、ドライバーソフトウェアの更新を行いましょう。
手順は下記の通りです。
ドライバを更新する手順 |
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ドライブ文字が重複しているなら編集する
外付けHDDをパソコンにつなぐとEやHなどぼドライブ文字が割当られます。複数の周辺機器を抜き差ししていると、このドライブ文字がズレたり重複して正しく認識されないことがあります。
ドライブ文字を編集してもとに戻したい場合はディスクの管理から行います。編集手順は以下の通りです。
ドライブ文字を編集する手順 |
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自動でOSバックアップをする場所を指定していたり、画像取り込み先を外付けHDDに指定している場合などは、ドライブが認識されずにエラーが表示されます。特にネットワーク上にある外付けHDDで起きやすいトラブルです。
基本的にはドライブ文字は重複しなければどれを選んでもよいです。変更した後はバックアップソフトや画像取り込みソフトの設定を見直して適切なフォルダを指定しましょう。
外付けHDDを初期化
新品の外付けHDDの場合、パソコンに適応させるため初期化が必要な場合があります。商品によって、工場出荷時に初期化されていないものもあるのです。パッケージやマニュアルを確認して、初期化されてなければ初期化を実行しましょう。
初期化されているか確認するには、外付けHDDのフォルダをクリックしてアクセスしてみます。「ディスクはフォーマットされていません」、「ドライブにアクセスすることができません」等のエラーメッセージが表示されたら初期化が必要です。
新品の場合はデータが保存されていないので、初期化して使用しましょう。もし、使用していた外付けHDDが突然フォーマットされていないエラー表示を出したら故障です。
内部にデータが保存されているようなら、そのままの状態でPCホスピタルにデータ抽出をご依頼いただくことをおすすめいたします。また、フォーマットエラーを受けて初期化してしまうと、残されているデータが消えてしまうのでご注意ください。
外付けHDDの初期化方法についてWindows10/11の方法をご紹介いたします。手順は下記の通りです。
Windows10/11のHDDの初期化手順 |
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MacのHDD/SSDの初期化手順 |
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アクセス拒否には権限の変更
特にネットワーク上にある外付けHDDなどはセキュリティ管理でアクセス権限を制限している場合があります。アクセス拒否をされた場合はアクセス権限を使っているパソコンに付与する必要があります。
自宅で使っている場合はマニュアルを読んで設定しましょう。会社などで使用する場合はシステム管理者に問い合わせて、設定の方法を聞きましょう。
一般的にアクセス権限の付与する手順を紹介していきます。
アクセス権を付与する手順 |
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データ復旧ソフトの利用は要注意
使っていた外付けHDDがどうやっても認識しない場合、データだけでも復元したいと多くの方が願います。最近では、無料で使えるデータ復旧ソフトも増えてきて、手軽にデータ復旧ができるようになりました。
しかし、データ復旧のプロの視点からすると修理の障害になることもあります。ここではデータ復旧ソフトの紹介とその注意点について紹介していきます。使用するときはデメリットを理解した上で使いましょう。
フリーでデータ復旧ソフトは複数ある
データ復旧ソフトを利用することで物理的にHDDが壊れていなければデータをコピーできます。RecoveritやDisk Digger、Recuvaなどはフリーで利用できるソフトです。それぞれの特徴について紹介します。
項目 | 概要 |
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Recoverit | WindowsやMacのPCに対応したデータのスキャン、プレビュー、復元という3ステップの簡単操作で使用できます。突然フォーマットされてアクセス出来なくなった内臓ハードディスクドライブ、そしてUSBケーブルにてPCに接続した外付けHDDを復元してデータを復旧できるソフトです。 |
Disk Digger | ハードディスクとUSBメモリー等にも対応したHDDデータ復旧ソフトです。ファイルシステムのスキャンと、より詳細なディスク全体のスキャンの2つの復元モードを搭載。プレビュー機能により、復元作業の前に目視で確認して目的のデータを復元します。 |
Recuva | HDDに記録されているデータを復旧するソフトです。名称が分からなくてもファイル形式で削除されたデータの検索が可能で、高機能なHDD復元ができるフリーソフトです。無料ながら高機能と評価が高いです。 |
ただし、データ復旧ソフトで初心者がデータを抜き出すのは難しい面もあります。自信が無い場合は専門業者に修理を依頼しましょう。
データ復旧ソフトは修理の障害になる
データ復旧ソフトは復旧動作により元々データがあった場所に新しいデータを上書きしてしまう場合があります。一度データが上書きされてしまうと、専門家に修理をだしても復旧が困難になります。
よほどパソコンに慣れていないようなら、壊れた状態からいじることなく、専門業者に依頼する方がデータの復元率はあがります。故障の程度が重度化するほど修理費用も高額になるので、軽微な状態で修理依頼を検討しましょう。
プロに外付けHDDを認識しないトラブルのサポートを依頼するのも対処法

前述の方法で外付けHDDを認識しない状態が改善しない場合、パーツの故障やシステムトラブルなど複数の原因が組み合わさっている可能性もあります。
パーツの交換やシステムを復元して改善できるかもしれませんが、失敗すれば更に状態が悪化して復旧できない状態に陥る可能性があります。
自力の修理・復旧が難しいとお考えの場合はパソコンや外付けHDDのデータを守るためにも、プロのパソコン修理業者のPCホスピタルにご依頼いただくことをおすすめいたします。
PCホスピタルは外付けHDDを認識しないトラブルのサポートが可能です
これまで外付けHDDを認識しない原因と対処法について紹介してきました。接続の不具合や未フォーマット、アクセス拒否などの場合は対処法を行うことで復帰できる可能性もありますが、素人が試行錯誤している間に、状態をあっかさせてしまうことはよくあります。基本的には不具合を感じたら、何も触らずにデータ復旧ができる専門店に依頼するのが賢い選択肢です。
対処法を試みてもパソコンで外付けHDDの認識がされない場合、故障が考えられます。
そんな時はPCホスピタルに修理をご依頼ください。


修理対応 | 出張/持込/宅配 |
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対応エリア | 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国15店舗/宅配修理は全国47都道府県 |
実績 | 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの修理実績を当サイト掲載中 |
料金 | 基本料金 8,800円 + パソコン修理 3,300円~ + 出張サポートは2,200円追加 |
家喜 信行(日本PCサービス株式会社 代表取締役社長 兼 グループCEO、NPO法人 IT整備士協会 理事長)
2003年、日本PCサービス株式会社を創業し、パソコン修理など、パソコンのフィールドサポート事業を開始。パソコンの緊急トラブル解決を主軸としたサービス「PCホスピタル」を展開するなど、20年以上に渡り業界で活躍し、同社をデジタル機器有料訪問サポート利用率No.1企業へと導く。近年はデジタル機器の普及とともにスマホ・iPhone修理の「スマホスピタル」をグループ会社化、デジタル機器の正しい知識の普及のために資格認定や中小企業の社内IT整備士育成プログラムなどを展開するNPO法人「IT整備士協会」の理事長に就任。