パソコンに水をこぼした・濡れた・水没した時の対処法を解説!

うっかりパソコンに飲み物をこぼしてしまった経験はありませんか?デスクトップPCであれば、PC本体に水をこぼしていなければ大事に至らないこともあります。しかし、ノートPCはキーボード、ディスプレイ、本体が1つになっているため、故障につながることも少なくありません。
精密機器であるパソコンは水に弱く、少量の水をかぶっただけでも故障することがありますが、水をこぼしてしまった場合も、適切に対処すれば復旧できることもあります。
そこで今回は、PCホスピタルにご依頼いただくパソコンの水没で発生していた不具合の割合やパソコンの水濡れを防ぐ対策方法、濡らしてしまった場合の対処法をご紹介します。
パソコンの水没で発生する不具合の割合
2023年6月1日から2024年5月31日までの間にPCホスピタルにご依頼いただいたパソコンの水没に関連するサポートご依頼の不具合割合をご紹介いたします。
パソコンの水没に関連するサポートご依頼の不具合割合

上記グラフの通り、パソコンが水没した時に発生する不具合として一番多いのが「起動しない」で二番目に多いのが「キーボードトラブル」、三番目に多いのが「充電できない」になります。
次の見出しからはパソコンの水漏れ被害を事前に防ぐ方法や水をこぼしてしまった時の対処法をご紹介いたします。


修理対応 | 出張/持込/宅配 |
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対応エリア | 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国17店舗/宅配修理は全国47都道府県 |
実績 | 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの修理実績を当サイト掲載中 |
料金 | 基本料金 8,800円 + パソコン修理 3,300円~ + 出張サポートは2,200円追加 |
パソコンに水をこぼしてしまった時の対処法
万が一、パソコンに水をこぼしたり水没させてしまったりした場合、以下の手順に従って対処しましょう。
- 【ステップ1】シャットダウンしてから電源コードを取り外す
- 【ステップ2】乾いた布などで水分をしっかり拭き取る
- 【ステップ3】十分に乾燥させる
- 【ステップ4】電源が入ったら、速やかにバックアップを取る
- 【ステップ5】分解して乾燥させる

これらを速やかに行うことを心掛けてください。対処が早いほどパソコンが故障する可能性を下げられます。
各ステップについて詳しく解説していきます。
【ステップ1】シャットダウンしてから電源コードを取り外す
パソコン本体に水をこぼしてしまったら、まずはパソコンに電気が通らないようにすることが大切です。パソコンが水に濡れた状態で電気が通ってしまうと、回路のショートによる故障の原因になります。
ノートPCでもデスクトップPCでも、パソコンに水や飲み物をこぼしてしまったときはすぐに電源コードを外しましょう。電源が落ちていないときはシャットダウンしてから電源コードを抜いてください。また、周辺機器とバッテリー(ノートPCの場合)も忘れずに取り外しておきましょう。
もしUSBメモリーや有線マウス、キーボードなどを接続している場合は同様に取り外しましょう。
【ステップ2】乾いた布などで水分をしっかり拭き取る
パソコンに電気が通らない状態にした後、乾いた布などを使って表面に残っている水分をしっかりと拭き取りましょう。作業するときは水気のある場所を避けてください。しっかり拭き取るといっても力強く拭いてはいけません。部品を壊さないように優しく拭き取りましょう。
パソコンを置いている机の上に水をこぼしたときは、机を拭いても完全に水を拭き取れていないこともあるため、パソコンを別の場所に移動してから作業しましょう。
【ステップ3】十分に乾燥させる
表面上の水分をきれいに拭き取っても、パソコン内部に水分が残っていることがあります。内部に水分が残っていると金属部品が腐食する恐れがあるため、内部に入り込んだ水分は取り除かなければなりません。
ノートPCの場合は、キーボード部分を下にして、水分をよく吸収する布やタオルの上に置いておくと良いでしょう。時間が経てば内部の水分が抜けます。
十分に乾燥させるといっても、パソコンを天日干ししたりドライヤーを使って一気に乾燥させる、冷蔵庫に入れるなどはしてはいけません。パソコンなどの精密機器は熱に弱いため、乾燥したとしてもマザーボード(基板)などの部品が壊れてしまう恐れがあります。冷蔵庫に入れると結露が発生して逆効果になります。
またドライヤーで一気に乾燥させた場合、水分に含まれる糖分や塩分などの不純物がマザーボード(基板)などにこびりついて取れなくなってしまいます。布やタオルなどで水分を吸収させた後は、専門のパソコン修理業者に依頼することをおすすめします。
【ステップ4】電源が入ったら、速やかにバックアップを取る
パソコン内部を乾燥させた後、電源を入れてパソコンが起動するか確認しましょう。このとき、電源を入れる前に十分乾燥していることを確認してください。乾燥が不十分なまま電源を入れてしまうと、故障につながる可能性があります。
パソコンが正常に起動した場合は、すぐにバックアップを取りましょう。普段通りパソコンを使えるからといって安心はできません。パソコンが突然使えなくなることも考えられます。
バックアップを取る方法としては
- 外付けHDD/SSDを使う
- USBメモリーを使う
- SDカードを使う
- クラウドバックアップサービスを使う
といったものがあります。データが数百GBある場合は外付けHDD/SSDがおすすめですが、数GB~数十GBならUSBメモリー、すぐに用意できない場合はiCloudやGoogleドライブなどの無料クラウドサービスでも十分です。
【ステップ5】分解して乾燥させる
パソコンの修理専門業者は、水没したパソコンを分解して状態を確認してから修理を行います。特にノートPCの場合、内部に入った水分が蒸発するまでに時間が掛かり、その間に金属部品の腐食が進んでしまうため、すぐにパソコンを分解して処置を行います。もし可能であれば、パソコンが水没したときはパソコンを分解して内部の水分を拭き取り、乾燥させるのがおすすめです。
しかし、パソコンの分解は慣れていない方にとってかなり難しいものです。パソコンに入っているデータを絶対に復旧させたい場合、データが入っている内蔵HDD/SSDの取り外しなどの分解や乾燥作業はプロに任せ、表面上の水分を拭き取ったらすぐにパソコン修理に出す方が確実です。不用意に内蔵外付けHDD/SSDにダメージを与えてしまうとデータ復旧が困難になる恐れがあります。
パソコンに水をこぼした場合にやってはいけないこと
パソコンに水をこぼした場合にやってはいけないことを5つ紹介します。
- パソコンが動く・電源つくという場合でも放置しない
- こぼした水が少量でもすぐ電源を入れない
- ドライヤーやストーブを使って乾かさない
- エアダスターで水を飛ばそうとしない
- 冷蔵庫に入れるなど自己流で乾かそうとしないあるか
これら5つを行うと、パソコンの状態が悪化する可能性もあるので注意しましょう。ひとつひとつのやってはいけないことについて詳しく解説していきます。
パソコンが動く・電源つくという場合でも放置しない
水をこぼした後パソコンが動く・電源がつくという場合でも放置するのはよくありません。できるだけ早く対処することが肝心です。
放置すると、後で症状が出てくる場合があります。内部に残った水が、パーツにダメージを与えてデータが消えてしまったり、電源がつかなくなったりする可能性もあります。
こぼした水が少量でもすぐ電源を入れない
こぼした水が少量であっても油断は禁物です。少量であってもしっかり拭き取り、乾かして様子を見ることが大切です。
すぐにパソコンの電源を入れるのは避けましょう。内部に水が残った状態で電源を入れると、パソコンがショートしてしまい完全に使えなくなる可能性もあります。
ドライヤーやストーブを使って乾かさない
パソコンを早く乾かすためにドライヤーやストーブを使うのも良くありません。パソコンは水だけでなく熱にも弱く、中のパーツが熱によって損傷・変形する可能性があるためです。また、直射日光に当てて乾かすのも同じ理由で止めましょう。
時間がかかっても良いので、安全な方法で乾かすのがおすすめです。
エアダスターで水を飛ばそうとしない
パソコンに水をこぼした際にエアダスターを使うのはよくありません。エアダスターはキーボードの隙間に入ったホコリを飛ばすのに使うものです。水をこぼしたパソコンにエアダスターを使うと、水が奥まで入り込んでしまう恐れがあります。
ノートパソコンのキーボードの下には、マザーボードなど重要なパーツが多くあります。水が奥まで入り込むと、それらのパーツが水没してしまう場合があります。
冷蔵庫に入れるなど自己流で乾かそうとしない
パソコンを乾かす際に冷蔵庫に入れるのも止めましょう。
冷蔵庫にパソコンを入れると常温に戻した際に内部に結露が発生することがあります。パソコンが余計に水没した状態となり、中のパーツにまでダメージが及ぶ可能性もあります。
ドライヤーやストーブで乾かすのもそうですが、自己流のやり方で乾かすのは止めた方が良いです。乾かす方法が分からない場合は、PCホスピタルにご相談ください。
水以外の飲み物をパソコンにこぼした場合

飲み物を飲みながらパソコンを使う方はたくさんいると思います。パソコンを使うときは、コーヒーや紅茶、ジュースなどをパソコンのそばに置いている方も多いのではないでしょうか。
パソコンに水以外の液体をこぼした場合、復旧できる可能性は水よりも低くなるといわれています。なぜなら、飲み物には水分だけではなく糖分(砂糖)や塩分等の成分が含まれているため。乾いた布などで飲み物の水分を拭き取り、パソコン内部の乾燥を十分に行ったとしても、糖分(砂糖)や塩分は取り除ききれないことがあるのです。
少量でもパソコン内部に残った糖分(砂糖)や塩分が原因で金属の腐食が進み、パソコンの基板を傷めてしまう可能性があります。
パソコンに水をこぼした後に放置するとどうなる?
上記のステップに従って表面の水分を拭き取るところまで行ったら、パソコンをプロに見てもらうことをおすすめします。大手修理業者であるPCホスピタルにご相談ください。
パソコンに水をこぼした後に放置すると、症状が悪化する可能性があります。しっかり水を拭き取ったとしても、内部に残った水が基盤に悪影響を及ぼす恐れがあります。特にジュース類の場合、基盤にダメージを与える可能性が高くなります。
たとえすぐには症状が出なくても、後々ひどくなる場合もあります。最悪の場合、パソコンの電源がつかなくなったり、データが消失したりすることもあります。
水をこぼした後PCホスピタルにすぐに相談すれば、被害を最小限に抑えられます。また、修理料金も少なくすることが可能です。
パソコンの水濡れ被害を事前に防ぐ方法
パソコンを水に濡らしてしまうと、その対処で大変な手間が掛かります。最悪の場合、パソコンが使えなくなってしまうこともあるため、事前の対策が大切です。
ここでは、パソコンの水濡れによる被害を未然に防ぐ対処法をご紹介します。

飲み物のフタを閉める、飲み終えたらすぐに片づける
フタのついている容器で飲み物を飲んでいる場合は、席を立つときにフタを閉めましょう。簡単なことですが、これも立派な水漏れ事故防止になります。
また、飲み物を飲み終えたらすぐに片づけるなど、ちょっとした心掛けも忘れないようにしてください。ジュースなどの糖分(砂糖)や塩分が含まれるものは、少量でも部品が腐食する原因となります。
防水シートや防水ケースを利用する
ノートPCのキーボード部分に貼る防水シートや、パソコンを収納するための防水ケースなども発売されています。普段から飲み物を飲みながらパソコンを使う方や、水気のある場所で作業する方は、防水アイテムを利用すると良いでしょう。防水設計されているパソコンを使うということも1つの方法です。
パソコンの水濡れ・水没を保証する保険に加入する
パソコンの水濡れや水没がどうしても心配な方は、パソコンの水濡れ・水没を保証してくれる保険に入っておくと良いかもしれません。通常のメーカー保証では、ほとんどの場合水濡れ・水没はメーカー保証の対象外となっています。そのため、購入して間もない場合であっても、修理費を自己負担しなければならない場合があります。
ただし、最近では通常保証に加えて有料保証を受けることができます。有料保証の場合は保証期間が長期で、水濡れ・事故なども保証の対象となります。
保険会社によっては、ノートPCなどのモバイル端末を対象とした保険を提供する企業もあります。ノートPCをよく外へ持ち出して使うという方は、このような保証サービスの利用を検討してみても良いかもしれません。
記載の対処法でパソコンの水没トラブルが改善しない場合、複数の内部パーツが故障してる可能性があります。
パソコンを分解してパーツを交換すれば水没トラブルが改善するかもしれませんが、失敗すれば更に状態が悪化してしまうことも考えられます。また、ノートパソコンや一体型パソコンは分解の難易度が高く、知識が無ければ修復できない状態に陥る可能性があります。
プロにパソコン水没トラブルのサポートを依頼するのも対処法

記載の対処法でパソコンの水没トラブルが改善しない場合、複数の内部パーツが故障してる可能性があります。
パソコンを分解してパーツを交換すれば水没トラブルが改善するかもしれませんが、失敗すれば更に状態が悪化してしまうことも考えられます。また、ノートパソコンや一体型パソコンは分解の難易度が高く、知識が無ければ修復できない状態に陥る可能性があります。
自力の改善が難しいとお考えの場合はパソコンやデータを守るためにも、プロのパソコン修理業者のPCホスピタルにご依頼いただくことをおすすめいたします。
PCホスピタルのパソコン水没の修理事例
PCホスピタルではパソコンの水没を修理した事例も多くあります。今回はその中でも次の3つの事例を紹介します。
- 事例1.コーヒーをこぼしたノートPCの修理対応
- 事例2.化粧水をこぼしてキーボードが打てなくなったノートPCの修理対応
- 事例3.水をこぼしたパソコンのデータ復旧対応
事例1.コーヒーをこぼしたノートPCの修理対応
1つ目はコーヒーをこぼしてしまったノートPCの修理対応です。
まず、パソコンの内部を開けて、すべてのパーツを取り出しました。そして内部の水分を完全に取り除きます。結果、電源が入るようになりました。
しかし、電源は入ったもののWindowsが起動しません。電源が切れた際に、システムが不安定になってしまったと予想し、初期化を行いました。回復ツールを使用して、システムを復元します。その結果、Windowsを起動させることができました。
コーヒーをこぼした場合、パソコンが完全に使えなくなってしまう場合もありますが、今回は部品の交換も不要で、比較的簡単に修理することができました。
「コーヒーをこぼしたノートPCの修理対応」の詳細はこちら >>
事例2.化粧水をこぼしてキーボードが打てなくなったノートPCの修理対応
2つ目は化粧水をこぼしてキーボードが打てなくなったノートPCの修理対応です。
化粧水をこぼした結果、キーが勝手に押されたままになっていました。診断の結果、キーボードのみの交換で済むことが判明しました。
ノートPCに適合するキーボードを手配し、交換を行いました。キーボードを交換したら、以前のように普通に使えるようになりました。
ノートPCのキーボードに水をこぼすと、下のマザーボードまで水が浸透してしまう場合もあります。今回はマザーボードは無事だったので、キーボード交換のみで対応できました。
「化粧水をこぼしてキーボードが打てなくなったノートPCの修理対応」の詳細はこちら >>
事例3.水をこぼしたパソコンのデータ復旧対応
3つ目は、水をこぼしたパソコンのデータ復旧対応です。
ノートPCに水をこぼした結果、電源ボタンを押しても起動しなくなっていました。ノートPCのキーボード下には、マザーボードなどのパーツが搭載されています。今回のように水をこぼしただけで、電源が入らなくなってしまう場合もあります。
しかし、幸いなことにHDDは故障しておらず、データを取り出せることが判明しました。HDDを取り出し、データをバックアップ用のUSBメモリに移し替えることで、無事にデータ復旧が完了しました。
パソコンが故障してもHDDは無事なことも多いです。PCホスピタルはデータ復旧にも対応していますので、お気軽にご相談ください。
「水をこぼしたパソコンのデータ復旧対応」の詳細はこちら >>
パソコンが水没した時はPCホスピタルにお任せください
パソコンの水濡れ・水没を防ぐための対策方法と、水濡れ・水没した場合の対処法をご紹介しました。パソコン近くで飲み物を飲まない、飲みたいときは飲んだ後で容器のフタを閉めるなど、簡単な注意でパソコンの水濡れは防げます。
しかし、予期せぬ形でパソコンが濡れてしまう可能性はあります。そのときに適切な対処を行えるよう、今回ご紹介した対処法をぜひ覚えておきましょう。
PCホスピタルはパソコン水没トラブルのサポートに対応しています。対処でお困りの際はぜひご依頼ください。


修理対応 | 出張/持込/宅配 |
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対応エリア | 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国17店舗/宅配修理は全国47都道府県 |
実績 | 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの修理実績を当サイト掲載中 |
料金 | 基本料金 8,800円 + パソコン修理 3,300円~ + 出張サポートは2,200円追加 |
PCホスピタルと量販店・個人経営・メーカーの違い

濱﨑 慎一(日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事)
2010年8月、日本PCサービス株式会社に入社。パソコン修理などデジタルトラブルを5年で4500件以上解決。その後、サポート人材育成など、事業責任者として、個人向けデジタルトラブル解決に8年半携わる。2019年より同社にて、法人向けサポートの取締役に就任。また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として業界活性化のため正しいデジタル知識の普及、スマートフォンなどの新しい整備士資格の構築に携わる。
保有資格 パソコン整備士検定 取得