NASおすすめ4製品と比較する時のポイントやメーカー別の特徴を紹介

NASおすすめ4製品と比較する時のポイントやメーカー別の特徴を紹介

ネットワーク経由でストレージを利用できるNASが注目を集めています。特に、企業内で大量のデータを保存したりバックアップしたりするために、利用することが増えてきました。
ただ、製品が増えたことによって、どれを利用すれば良いのかイメージできない人が多いでしょう。今回はNASの選び方から具体的におすすめできる製品を紹介します。

NAS(Network Attached Storage)とは?

NASがどのようなデータの保存装置であるのか、理解を深めていきましょう。

NASはデータの保存装置

NASは「Network Attached Storage」の頭文字をとったもので、ネットワーク経由で利用するストレージを指します。一般的にストレージはパソコンなどに接続して利用しますが、NASはパソコンとは別の場所に準備し、ネットワーク経由で接続することが特徴です。
ネットワークの内部に配置するため、同じネットワークに接続していれば複数のパソコンから同時に参照できます。場合によっては数十台や数百台のパソコンも接続できる仕組みです。また、容量の拡張が容易であることも人気の理由でしょう。企業内でデータを連携する方法として注目を集めています。

外付けハードディスクとNASの違い

外付けハードディスクドライブとNASの違いはネットワーク経由で利用するかどうかです。一般的に外付けハードディスクはUSB端子で接続するものであり、ネットワーク経由で利用するものではありません。データを読み込みたいパソコンなどに接続し、認識させることで読み取れる仕組みです。
また、ネットワークに接続するかどうかの違いが、設定を必要とするかどうかの違いにも繋がります。外付けハードディスクは、多くの製品でUSB端子から接続するだけで内容を認識できます。対して、NASはネットワークに接続するための設定が必要です。パソコンなどにケーブルを指すだけでは接続できず、事前の準備が発生します。

項目 NAS 外付けHDD
データ共有 ネットワーク上の複数のパソコンで可能 パソコン1台
接続 LANケーブルでネットワーク接続 USBケーブルで1台のPCと直接接続
容量 様々な容量を選べる 様々な容量を選べる
アクセス ネットワーク経由で外出先からアクセス可能 PCと外付けHDDを接続してる時のみアクセス可能
アクセス可能端末 パソコン・スマートフォン・タブレット パソコン
用途 ファイル共有・ファイル管理・バックアップ・フォルダのアクセス制限 パソコンの空き容量が足りない時のバックアップ先
バックアップ方法 自動バックアップ 手動バックアップ
値段 容量で比較した場合、外付けHDDより若干高い NASより安い

NASの利用をおすすめするケース

具体的にどのようなビジネスシーンでNASを導入すればよいのか例を挙げると、以下のとおりです。

  • データ共有の効率化が必要
  • バックアップとデータの冗長化が必要
  • リモートワーク環境の構築
  • データセキュリティの強化が急務
  • データの増加に伴うストレージ容量の拡張が必要

NASを比較する際のポイント

NASはいくつもの製品が存在しているため、自社に最適なものを選択する際のポイントを解説します。

  • ビジネスの想定規模
  • 完成品かNASケース
  • RAID
  • スナップショットなど機能の利便性

ビジネスの想定規模

製品によっては小規模向け、中規模向け、大規模向けとビジネスの想定規模が定められています。もし、このような規模感が表記されているならば、自社に適したものを選択しましょう。多くの場合、規模感とともに想定の利用者数が表記されているため、この人数を参考に判断すると間違いありません。規模感にそぐわないNASを導入すると動作が遅くなったり、無駄にコストが生じたりします。

完成品かNASケース

NASを大別すると、完成品とNASケースに分けられます。完成品はハードディスクが最初から内蔵されているもので、購入すれば簡単な初期設定ですぐに利用が可能です。初心者向けのNASと言い換えても良いでしょう。
対して、NASケースは自分自身でハードディスクやSSDなどのストレージを購入し、構築や設定作業も担当するものです。専門的な知識が求められるものの、求める仕様のNASを構築できます。どちらが良いとは一概に断言できないため、社内のITスキルなども踏まえて検討しましょう。

RAID

法人としてNASを導入する場合は、RAID1に対応しているものがおすすめです。個人向けのNASはRAID0になっていることが多いですが、データのバックアップを意識した方が良いでしょう。RAID1であればデータを2台のドライブに書き込むため、片方が故障してももう1台でカバーできます。複数の製品を比較してRAID0とそれ以外ならば、RAID0以外がおすすめです。

スナップショットなど機能の利便性

法人の場合、データが消失すると大きなダメージを受けることになりかねません。そのため、スナップショット対応の製品をおすすめします。バックアップなど名称がメーカーやシリーズによって異なりますが、基本的な部分は同じと考えましょう。また、スナップショットに限らず、データ保護や暗号化など、独自の機能が搭載されているものが増えてきました。自社にとって魅力的なものがあれば、検討してみることをおすすめします。

おすすめNAS4つを比較

企業が利用するNASのうちおすすめを比較しながら紹介します。

  • バッファロー:TeraStation
  • I-O DATA:HDL6-HABシリーズ
  • Synology:XS+/XS シリーズ
  • QNAP:エンタープライズNAS TSシリーズ

バッファロー:TeraStation

TeraStationは、バッファローが発売する法人向けのNASです。複数の製品が提供されていて、どれだけの人数で利用するかによって、必要なものを選択できるようになっています。また、搭載されているOSはWindowsとLinuxの2種類用意されていて、こちらについても状況に応じて選択できることが特徴です。
基本的には、中小企業が利用する低価格なNASを発売していますが、大量のデータを投入することを踏まえて高額な大容量の製品も発売しています。例えば、TeraStationの中でもTS71210RHシリーズは、最大で240TBまで対応が可能です。大容量の製品は受注生産であり、比較すると納品までの期間は長くなりますが、大容量の要件にも対応してもらえます。
また、将来的な拡張に備えて、スロットに空きが用意されているタイプも発売されています。これを活用すれば、最初は小規模なNASからスタートし、将来的に拡張を続けていくことが可能です。

I-O DATA:HDL6-HABシリーズ

I-O DATAが発売しているHDL6-HABシリーズは、処理速度の速いデュアルコアCPUを搭載しているため、他と比較して非常に高速なデータ伝送を実現します。ビジネスの現場ではデータの伝送速度が生産性に影響するため、非常に高速であることは大きな魅力でしょう。
また、ビジネスで利用することを想定して、独自のデータ保護技術を採用しています。従来のデータ保護はRAID1が主流でしたが、独自技術によってこれ以上のデータ保護能力を実現したことが特徴です。モデルによっては「5年保証」+「データ復旧サービス(最大150万円相当)」が標準で添付されているため、この点でも安心の製品といえるでしょう。
他にも、後からNASの機能を拡張するために、アドオン方式を採用しています。最初から高額なNASを導入できない場合は、少しずつカスタマイズが可能です。

Synology:XS+/XS シリーズ

XS+/XS シリーズはSynologyによって開発されたNASソリューションで、幅広い用途に利用できるように設計されたものです。シリーズの中に複数の製品が存在し、大量アクセスに備えるものもあれば、大容量のもの、そして高速さを重視したものなどが含まれています。それぞれの製品に特徴があるため、自社がどのようなNASを求めるのかを踏まえて選択すると良いでしょう。
基本的にはNASケースであるため、搭載できるハードディスクドライブの数にも違いがあり、比較しながら要望に沿った設計を実現しやすくなっています。なお、ドライブやCPUなど各種リソース関連の製品なども購入が可能です。他社の製品と比較すると親和性が高いものであり、実質的にはSynologyだけでNASを完成させることが可能です。

QNAP:エンタープライズNAS TSシリーズ

エンタープライズNAS TSシリーズはQNAPが開発する、ストレージとクラウドアプリケーションを統合するプライベートクラウドソリューションです。従来NASといえば、内部にドライブを格納しその中だけで完結するものでした。しかし、現在はローカルのドライブだけではなく、クラウドサービスを利用する機会が増えています。そのため、QNAPは従来の枠組みを取り払い、クラウドサービスと連携できる製品を強化してきました。
現在、すべての製品がクラウドとの連携に対応しているわけではありません。ただ、こちらのシリーズのようにクラウドを前提としたNASが増えているため、クラウドを重視するならば比較するまでもなくおすすめです。現代の流れに沿ったクラウドや仮想サーバーを活用したデータ管理の仕組みを実現できます。
また、一部の製品については、非常に高性能なCPUを導入したり、バックアップシステムを強化したりしています。すべての企業に、これほどまで強力な機能が必要とはいえませんが、要望に応えるべくハイスペックなものも用意されたシリーズです。

メーカー別NASの特徴

NASはメーカー別に特徴があるため、どのような違いがあるか比較しやすいように紹介します。

  • バッファロー
  • I-O DATA
  • Synology
  • QNAP

バッファロー

バッファローは、パソコンの周辺機器やデジタル機器などを販売する国内メーカーです。家電量販店で発売しているような個人向けの製品が多く見られますが、実際には法人向けの製品も発売されています。法人でも他社と比較して劣らない機能を利用できるため、低価格でシンプルなNASから考えている場合におすすめです。国産のNASは高いという印象を持たれがちですが、ラインナップが多く、低価格で導入できるものが数多く揃えられています。

I-O DATA

I-O DATAは、石川県に本社を持つパソコン周辺機器の老舗メーカーです。NASを含めて幅広い製品を展開していて、多くのノウハウを持っていることが特徴です。古くからNASをシリーズとして発売しているため、比較的幅広いノウハウを持ち、法人向けの高速なNASも展開しています。また、法人の内部で利用するNASはもちろん、法人が契約しているクラウドストレージと組み合わせた構成にできるものもあります。要望に応じて多種多様な機能を選択できることが、メリットといえるでしょう。

Synology

Synologyは、ネットワーク機器やNASなどを提供する台湾のメーカーです。日本国内でいくつもの製品が提供されていて、日本語の説明書が完備されていることで人気を高めています。
基本的にSynologyの製品はNASケースとして販売されていて、ケースとは別にハードディスクドライブを準備しなければなりません。そのため、他社の製品と比較すると少し専門知識が必要です。ただ、専門知識を有しているならば、法人として複雑な要件を持つ場合でも自分自身で実現しやすくなっています。
なお、Synologyの製品は独自OSを搭載していて、ユーザビリティについてもこだわりがあることが特徴です。

QNAP

QNAPも台湾のメーカーで、日本でも多くの製品を展開しています。ネットワーク関連機器を中心に発売していて、NASを含めて、法人の幅広い要望に応えられるラインナップが魅力です。海外製品の中でも低価格に抑えられていながら、どれも価格以上の性能を発揮してくれることで注目を集めています。
また、NASケースが中心であるため、準備されたアプリを利用して細かい設定が可能です。NASを使いこなすためには専門知識が必要ですが、法人としての要件が変更になった場合でも、柔軟に修正し続けられることは注目ポイントです。

PCホスピタルはNAS導入サポートに対応しています

ネットワーク経由で利用するストレージであるNASを紹介しました。一般的なディスクドライブはパソコンに直接接続しますが、NASはネットワークに接続して経由して利用します。ネットワークを経由することで、同時に複数のパソコンから接続できるようになり、データ共有やバックアップなどが容易になることがメリットです。
現在はいくつもの製品が発売されていて、それぞれに特徴があるためどれを導入すれば良いか悩んでしまうでしょう。PCホスピタルならば、企業向けNASの導入に経験を持ったプロが多く在籍しています。NASの導入・サポートを検討されてる場合はぜひご依頼ください。

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