パソコンがクラッシュした時の確認事項と復旧方法

パソコンがクラッシュした時の確認事項と復旧方法

パソコンで事務作業を行っていたら画面が止まったままフリーズしてしまった、インターネット検索をしていたら電源が落ちてしまったという経験はないでしょうか。このようなときは、パソコン本体がクラッシュしている可能性があります。クラッシュしたパソコンを自分で復旧したいけれど方法がわからないという人もいるでしょう。

そこでこの記事では、クラッシュしたパソコンの復旧方法について解説します。復旧作業を行う前に確認するべきことやクラッシュの原因についても理解することで、より安全に元の状態に戻せる可能性があります。

パソコンがクラッシュした時、復旧させる前に確認すること

パソコンが急にクラッシュすると焦って復旧策を検索して自分でなんとかしようとする人もいます。ただ、検索する前にパソコン本体について確認するべきポイントがあります。ここを押さえてから復旧策を探ることでより効率的に対処することができるでしょう。

パソコンはデリケートな部品が多く使われているため、クラッシュする原因はひとつではありません。正しい対処法を選ぶためにも、クラッシュした原因についてしっかりと確認しておきましょう。その時の確認事項は下記の通りです。

  • 異音が聞こえないか
  • 電源ランプが点灯しているか
  • ホコリが溜まっていないか
  • ノートパソコンのACアダプタが故障している
  • パソコンを起動することができるか

詳細をご説明いたします。

異音が聞こえないか

パソコンから異音が聞こえないかを確認しましょう。異音が聞こえる場合、2つの原因が考えられます。ひとつは、パソコン内部にあるファンが異物と接触している可能性です。

カラカラという音が聞こえる場合は、電源ユニットのファンに不具合が生じているかファンとケーブルが接触している可能性が推測されます。ケーブルと接触しているだけなら、ケーブルとファンを離すことで解決します。電源ユニットの不具合の場合は修理が必要です。

異音が聞こえる原因のもうひとつは、HDDの故障が疑われるケースです。HDDが故障する原因はさまざまですが、ファンに異常が感じられずHDDの故障が疑われる場合には、通電していると症状を悪化させてしまうためパソコンの電源を切るようにしましょう。

電源ランプが点灯しているか

電源ランプが点灯しているかどうかを確認することも重要です。電源ランプが正常に点灯している場合、放電は行われていることが確認できます。放電されている状態でフリーズしているということは、パソコンが帯電状態にあることが考えられます。

帯電とはパソコンの内部に不要な電気が溜まっている状態を指します。長時間電源を入れた状態で放置することを繰り返しているとこのような状態を招く恐れがあります。パソコンは電気で動く精密機器であるため、最大出力以上の電気が流れると部品が破損する可能性が高まります。

部品が破損すると動作に不具合を起こすため、フリーズや電源が落ちるといった事態を引き起こしている可能性も考えられます。

ホコリが溜まっていないか

パソコンが熱を帯びている場合、パソコンの内部や排熱口にホコリが溜まっていないか確認してみましょう。パソコン内部にはパソコンの頭脳でもあるCPUと呼ばれる装置がありますが、この部分がもっとも熱を帯びやすくなっているのです。

パソコンには冷却ファンといって、熱処理をするための機能が備わっています。通常であれば冷却ファンによって放散される熱が、冷却ファンの排熱口にホコリが溜まることで帯熱状態になることがあります。冷却ファンが正常に作動しないことでCPUの温度が急上昇するとパソコンが強制終了するのです。

パソコンが突然強制終了するようになったときには、排熱口にホコリが溜まっていないか確認してみましょう。

ノートパソコンのACアダプタが故障している

ノートパソコンに多いケースはACアダプタが故障していることです。故障する原因としては電源の寿命が挙げられます。(寿命はおおよそ5年から6年です。) 対処方法としては電源をOFFにして、パソコンを裏側にします。裏側の下にバッテリーを挿入する箇所があるので、ドライバーを利用して本体と抜き差しましょう。ナットは緩まないように必ず最後まで止めましょう。

パソコンを起動することができるか

パソコンがクラッシュした場合、パソコンが起動できるかどうかは大きなポイントになります。調子は悪いけれど起動できるという場合は、まずUSBなどにデータのバックアップをとりましょう。HDDが故障してしまうとデータが復旧できなくなる可能性が高いからです。

起動はするけれどエラーメッセージが表示されるというケースもあるでしょう。表示されるメッセージにはいくつかの種類があります。メッセージの内容によってどこにエラーが生じているかが異なります。

  • 「Operating System Not Found」または「OS not found」
  • ディスクはフォーマットされていません
  • STOP:0x0000008E
  • 「Windowsが正しく開始できませんでした」または「DISK BOOT FAILURE INSERT SYSTEM DISK AND PRESS ENTER」

上記のようなメッセージが表示される場合、HDDの故障が疑われるケースがほとんどです。このようなメッセージも表示されず固まって起動できないときもHDDの故障が推測されます。

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パソコンがクラッシュした際の復旧方法

パソコンをクラッシュした時の対処法は下記の通りです。

  • 再起動する
  • 放熱する
  • ホコリを除去する
  • セーフモードで復旧する
  • システムファイルチェッカーを使用する
  • HDD/SSDを取り出して別のパソコンに接続する
  • データ復旧ソフトを利用する
  • システムの再インストールを行う
  • HDD/SSDを交換する

詳細をご説明いたします。

再起動する

パソコンに何らかの一時的なトラブルが発生したことで、クラッシュしてる場合があります。

トラブルの内容によっては再起動することで改善する可能性があるため、パソコンを再起動してみてください。

放熱する

パソコンに負荷がかかる状態で長時間使用していることで、パソコンが熱くなっていることもあります。

一旦パソコンの使用を控えて放熱してみましょう。

ホコリを除去する

パソコンの内部や排熱口にホコリが溜まっていることで、パソコンがクラッシュしている場合、ホコリを除去することで復旧できる可能性があるため、お試しください。

セーフモードで復旧する

セーフモードはパソコンを使用するための最低限のシステムを立ち上げてパソコンを起動することができる機能です。

セーフモードを使用して修復することで復旧できる可能性があります。

セーフモードで復旧する手順
  1. 電源ボタンを長押ししてパソコンを終了してください
  2. 電源ボタンを押し、メーカーロゴが表示されたら電源ボタンを長押しして終了します
  3. この操作を2回行ってください
  4. 自動修復画面が表示されたら「詳細オプション」をクリックします
  5. 「トラブルシューティング」をクリックし、「詳細オプション」をクリック
  6. 「その他の修復オプションを表示」をクリックし、「スタートアップ設定」をクリック
  7. 「再起動」をクリックします
  8. 「4)セーフモードを有効にする」をクリック
  9. パソコンが再起動し、セーフモードが起動します
  10. システムの復元を実行します

システムファイルチェッカーを使用する

システムファイルチェッカーはパソコンの問題をチェックし、破損しているシステムファイルの修復を行ってくれる機能です。

システムファイルチェッカーを使用することで復旧する場合があるため、お試しください。

システムファイルチェッカーを使用する手順
  1. 電源ボタンを長押ししてパソコンを終了してください
  2. 電源ボタンを押し、メーカーロゴが表示されたら電源ボタンを長押しして終了します
  3. この操作を2回行ってください
  4. 自動修復画面が表示されたら「詳細オプション」をクリックします
  5. 「トラブルシューティング」をクリックし、「詳細オプション」をクリック
  6. 「コマンドプロンプト」をクリック
  7. コマンドプロンプトが表示されたら「sfc /scannow」を入力してEnterキーを押します
  8. 修復完了後、パソコンを復旧できるかご確認ください

HDD/SSDを取り出して別のパソコンに接続する

パソコンを分解してHDD/SSDを取り出せる場合や最初から外付けのHDD/SSDを使用している場合は、変換ケーブルを故障しているHDD/SSDに接続して、正常に稼働するパソコンとつなげて復旧する方法があります。

正常に稼働するパソコン、変換ケーブル、クラッシュしたパソコンから取り出したHDD/SSDを用意したら、クラッシュしたパソコンからHDD/SSDを取り出し、変換ケーブルに接続します。HDD/SSDを接続したケーブルの反対側についているUSBを正常に稼働するパソコンにつないでパソコンの「コンピューター画面」上でHDD/SSDが認識されるかを確認しましょう。

この時点でHDD/SSDが認識されているならHDD/SSDの故障ではなくパソコン本体がクラッシュしている可能性が高くなります。HDD/SSDが認識されない場合には、HDD/SSDの故障が疑われるためデータの取り出しが難しくなります。「データ復旧ソフト」を利用して自分で対処する方法もありますが、難しい場合には専門業者に依頼するという方法もあります。

手順1:HDD/SSDを取り出す

自分でHDD/SSDを取り出す場合の注意点を紹介します。パソコン本体はもちろんHDD/SSDも精密機器です。そのため、取り出し作業には細心の注意を払う必要があります。

パソコンのふたを開けることになるため、まずはパソコンをシャットダウンしましょう。電源を切ったらコンセントを外します。この際、静電気にも十分に注意しましょう。

手順2:バックアップをとる

HDD/SSDが取り出せたら接続されているケーブルを丁寧に抜き、変換ケーブルと交換します。正常に稼働するパソコンに変換ケーブルのUSB側を接続してからパソコンを起動させます。接続したパソコンの「コンピューター画面」上でHDD/SSDが認識される場合は、HDD/SSDが無事であることがわかります。

HDD/SSDが無事であれば保存されているデータを正常に稼働しているパソコンや外付けHDD/SSDに保存することでデータの消失は免れるでしょう。

手順3:OSを復元させる

HDD/SSDが故障しておらずデータのバックアップが取れたら、HDD/SSDを元のパソコンに戻してリカバリー作業を行いOSを復元させます。リカバリーとは、パソコンを購入したときの状態に戻す作業のことです。リカバリーを行うことでパソコンを修復できる可能性が高まります。

比較的新しいパソコンには、購入時からHDD/SSD内にリカバリーするための領域が確保されているためHDD/SSDが無事であれば作業可能です。ただしHDD/SSDが完全に故障している場合はリカバリー作業をすることはできません。この場合は専門業者に相談することをおすすめします。

リカバリーの具体的な作業については、パソコンメーカーによって方法が異なるため説明書が必要となります。おおまかに説明すると、設定メニューにある「回復」を起動させて、「ドライブを購入時に戻す」や「リカバリー」を選択します。

リカバリーの方法によってはHDD/SSD内のデータはすべてリセットされるため、バックアップが完全かどうかをしっかりと確認した上で行いましょう。

データ復旧ソフトを利用する

HDD/SSDが故障していない場合、「データ復旧ソフト」を使ってクラッシュしたパソコンから自分でデータを復旧させることも可能です。ソフトをダウンロードして起動させるという比較的簡単に行える方法で、複雑な操作が必要ないため特に初心者におすすめです。

ただし、市販の「データ復旧ソフト」を購入する必要がある点、クラッシュしたパソコンが起動していない場合にはHDD/SSDを取り出して正常に起動するパソコンに接続する必要がある点は理解しておきましょう。

どのソフトを利用するかによって具体的な作業方法は異なりますが、基本的な作業はほぼ同じです。そこで以下では基本的な作業について解説しますので、自分にできそうかどうかの判断材料にしてみてください。

手順1:起動後のパソコンでデータ復旧ソフトをダウンロードする

まずはパソコンを起動させてソフトをダウンロードします。ディスク情報が読み込まれると初期画面が表示されます。そこで、スキャンを行うディスクを選択するとすぐにスキャンが開始されます。

手順2:失ったデータを確認する

スキャンが終了するとほとんどの場合、「削除されたファイル」といった画面が表示されます。画面上で消失されたデータを確認してください。データが膨大すぎるときは、フィルター機能を使うことで探したいデータの条件を絞って検索することもできます。

手順3:リカバリーを実行する

データを検出したら、内容に間違いがないか確認しましょう。問題なければ「リカバリー」をクリックします。これで指定した場所にデータを保存することができます。

場合によっては「リカバリー」を実行してもデータが開かないことがあります。この場合は、「復元候補」からもう一度復元作業を行ってみましょう。

システムの再インストールを行う

ここまではHDD/SSDを取り出してパソコンを復旧する方法について説明してきました。もしも、ノートパソコンを使っていたり、分解できないタイプのパソコンを使用していたりした場合は復旧を諦めるしかないのでしょうか?

HDD/SSDが認識されているようならシステムの再インストールを実行することで復旧できる可能性があります。 特にWindows 10/11を使用している場合はHDD/SSDを初期化しなくてもシステムの再インストールができる機能が搭載されています。この機能を利用すれば保存しているデータのほとんどを残した状態で復旧できる可能性が高まります。

パソコンを初期化する際に「個人用ファイルを保持する」を選択することでデータを残した状態での再インストールが可能です。ただし、場合によっては一部のデータが消えてしまうことがある点は理解しておきましょう。

HDD/SSDを交換する

パソコンがクラッシュする原因には、パソコン本体の故障以外にHDD/SSDの故障もあります。HDD/SSDが故障してしまうとパソコンが起動できなくなるだけでなく、保存されているデータが消えてしまう可能性もあります。起動できなくなったパソコンをもう一度使用するためにはHDD/SSDを交換する必要があります。

HDD/SSDが故障する原因はさまざまです。たとえば、極端に暑い場所、寒い場所、湿度の高い場所で使用し続ける環境要因による故障も原因のひとつです。それ以外にも、経年劣化による故障も考えられます。HDD/SSDの寿命は使用頻度や環境にもよりますが基本的には4、5年といわれています。

パソコンから異音がする、パソコンが熱い、異臭がする、データの復旧を行ったあとに、「STOP:0x0000008E」と表示され青いモニターが表示されるなど不具合を感じたらHDD/SSDの交換を検討しましょう。

パソコンのクラッシュトラブルをプロに任せるのも一つの対処法

前述の対処法でうまく改善されない場合、パーツの故障やシステムトラブルなどが原因となっていることも考えられます。

パソコンを分解し、故障したパーツを交換できれば、改善する可能性はありますが、失敗すれば現状よりもさらに症状が悪化してしまう可能性も、もちろんあります。また、ノートパソコンや一体型パソコンの場合は、分解も容易ではありません。知識があれば安全ですが、場合によっては修復不可能な状態まで陥ってしまうこともあります。

自力の改善が困難だと思われた場合はパソコンやデータの安全のためにも、プロのパソコン修理業者のPCホスピタルに依頼いただくことをおすすめいたします。

PCホスピタルはパソコンの復旧サポートが可能です

パソコンが突然クラッシュすると焦ってしまうでしょう。パソコン本体の故障なのか、HDDが故障してしまったのか、ぱっと見では判断ができないためどのように復旧させればよいのか迷う人も多いはずです。

PCを復旧させる前に異音がしないか、電源ランプは点灯しているか、排熱口にホコリが溜まっていないか、パソコンが起動できるかなどを確認しましょう。状況確認を行うことで、何が原因でクラッシュしているのかを判断できることもあります。

勝手な判断で対処法を試して完全にパソコンを壊してしまうというケースも少なくありません。パソコンがクラッシュしたらまずは状況確認を行った上で、対処法を検討しましょう。

PCホスピタルではパソコンの復旧サポートを承っています。パソコンの復旧ができなくてお困りの時はぜひご依頼ください。

PCホスピタルのパソコン修理概要
修理対応 出張/持込/宅配
対応エリア 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国15店舗/宅配修理は全国47都道府県
実績 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの修理実績を当サイト掲載中
料金 パソコン修理 3,300円~ + 基本料金 8,800円~11,000円

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監修

濱﨑 慎一日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事

2010年8月、日本PCサービス株式会社に入社。パソコン修理などデジタルトラブルを5年で4500件以上解決。その後、サポート人材育成など、事業責任者として、個人向けデジタルトラブル解決に8年半携わる。2019年より同社にて、法人向けサポートの取締役に就任。また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として業界活性化のため正しいデジタル知識の普及、スマートフォンなどの新しい整備士資格の構築に携わる。

保有資格 パソコン整備士検定 取得

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