パソコンのメモリ不足で起こる不具合とは?メモリ不足解消法も紹介

目次
1.メモリ不足とは

そもそもメモリというのは、パソコン内のデータを一時的に記憶するための役割があります。メモリが多いと、それだけ同時に作業ができるのです。
メモリは、作業場のようなものだと思ってください。例えば、机の上で作業をするとしましょう。そうすると、机の上は広い方が多くのものを置けるためそれだけ作業効率が上がります。つまり、メモリ不足とは、作業場に多くのものが置かれていて狭くなっている状態を指しています。
作業場が狭くなってしまうと、それだけ作業が進みづらくなってしまうためパソコンの動作に影響が出てしまうのです。他にも、メモリ不足によってファイルやアプリが開けないことがあります。アプリケーションを開くときにもメモリ容量を必要とするためです。
画面表示がおかしくなるケースもあり、最悪の場合にはパソコンがフリーズしてしまって動かなくなってしまうこともあります。フリーズしてしまったら、いったん強制的に電源を落とすしかありません。
メモリ不足によって多くの不具合が発生してしまいます。メモリ不足には多くの原因があり、解説するためには多くの対処法があります。
2.メモリ不足を実感するのはこんなとき
そもそもどんなときにパソコンのメモリ不足を痛感するのか調べるために、アンケートを実施しました。
■調査概要
調査対象:パソコンのメモリ不足に悩んだ経験がある人(性別年齢不問)
有効回答数:222人
調査期間:2020年5月8日~5月14日
調査方法:編集部の独自調査

アンケートの結果、メモリ不足によってパソコンの挙動が遅くなるだけでなく、アプリやファイルなどが立ち上がらなくなったりフリーズが増えたりすることがわかりました。現段階ではさほど大きな不具合がないと思っている人でも、いつかこのような不具合が頻発するようになる可能性もあります。
そもそも実際にメモリ不足になっているのか、その原因はなんなのかなどの確認方法を見てみましょう。
3.自分のパソコンがメモリ不足か確認する方法

メモリ不足についてわかったところで、今使っているパソコンがメモリ不足なのか知りたいところです。ここでは、今使っているパソコンがメモリ不足なのかどうかを確認する方法を解説します。
タスクマネージャーを使うことでメモリがどれくらい使われているのかがわかる
パソコンがメモリ不足なのかを知るためには、現在自分の使っているパソコンにはどれくらいのメモリ数が搭載されていて、普段どれくらいのメモリを使っているのか(消費されているか)を知る必要があります。
そうすることで、今のパソコンのメモリ数が自分の利用用途に適しているのかがわかるのです。
どれくらいのメモリ数を使っているのかを知るためには「タスクマネージャー」と呼ばれるものが必要です。タスクマネージャーは、全てのパソコンに搭載されている機能で、メモリ数の他にどういったアプリが使用中なのかなどわかります。
Windows 10を使っている人であれば、スタートメニューから開けます。スタートメニューを開き、Windowsシステムツールのなかに、タスクマネージャーがあります。

他にも、下にあるタスクバーから開くことができるのです。タスクバーの何もないところで右クリックをすると、タスクマネージャーが選択肢と出てくるのでクリックして起動されます。
最後に、検索フォームからも起動できます。検索フォームをクリックしたら、タスクと打ち込めばタスクマネージャーが表示されるはずです。クリックすればタスクマネージャーが起動されます。
タスクマネージャーを起動したら、パフォーマンスタブからメモリ数をどのくらい使っているのかを知ることができます。100%に近いほどメモリを使っていることになるので、100%に近い人はメモリを増設するなどの対策が必要です。
4.メモリ不足が引き起こされる原因

メモリ不足についてわかったところで、どうしてメモリ不足になるのかが気になるところです。ここでは、メモリ不足を引き起こす原因を解説します。
4-1.多くのソフトウェアを起動している
多くのソフトウェアが起動されていることによりメモリの負荷が高まります。パソコンを使っていると、気づかぬうちにいろいろなソフトウェアを起動しており、ウィンドウの数も増えてしまいます。
同時に起動をしていると、それだけ作業場の上にものを置いていくことにつながるため、作業場が狭くなってしまいメモリが圧迫されてしまうのです。
特に重いアプリを起動している場合は、多くのメモリを使用するため注意が必要です。
4-2.利用用途とメモリ数があっていない
そもそも自分の利用用途が、必要なメモリ数を満たしていない場合があります。例えば、グラフィックが美しいオンラインゲームをパソコンでプレイしたいとします。こういったオンラインゲームをする場合、ゲーミングパソコンと言われるメモリ数が多くスペックの高いパソコンでプレイする必要があるのです。
スペックがあっていない場合、ゲーム自体は起動しますが途中で止まったり、画面がカクカクしたり、ゲームプレイ中に突然画面が落ちるなどの症状が発生してしまいます。
CADなどを使った図形設計などや、動画編集のためにソフトウェアを導入して利用する場合も同様です。パソコンを購入する前に、利用用途に応じてスペックを考える必要があります。
4-3.HDD(ハードディスク)やSSDの空き容量が不足している
HDD(ハードディスク)やSSDは、パソコン内のデータやファイルを保存しているものです。これらの空き容量が不足すると、通常よりも多くのメモリが使用されてしまいます。
HDD(ハードディスク)として使われている、CドライブやDドライブの空き容量を確認すると良いでしょう。
4-4.プリンタなどの周辺機器の接続によるもの
パソコンを使っていれば、マウス、キーボード、USB、プリンタ、外付けハードディスクなどの周辺機器を使用している方が多いと思います。
実は、これらの周辺機器の接続によってもメモリは使用されているのです。パソコンに多くの周辺機器を接続している場合、不要なものはパソコンから取り外すと良いでしょう。
5.メモリ不足を解消するには

メモリ不足の原因がわかったところで、次にメモリ不足の解消方法についてご紹介します。
5-1.不要なアプリの起動をやめる
原因でも解説したとおり、多くのアプリケーションを同時に起動しているとそれだけ多くのメモリが使用されます。そのため、不要なアプリの起動を止めることでメモリの使用量を抑えることができます。
また、インターネットブラウザを使用している人の場合、複数のタブやウィンドウでさまざまなWebページを開いていることがあるでしょう。このタブやウィンドウもメモリを使用しているので、利用が終わったら消すように習慣づけるのがおすすめです。
5-2.不要なアプリを削除(アンインストール)
パソコン内にあるアプリケーションはHDD(ハードディスク)やSSDに格納されています。不要なアプリを削除(アンインストール)することで、HDD(ハードディスク)やSSDの容量を空けることができるため、メモリ使用量の減少にもつながります。
コントロールパネルの「プログラムの追加と削除」から、パソコン内にどのようなアプリケーションがインストールされているのかが見れるので、使わなくなったアプリケーションは削除(アンインストール)するのがおすすめです。
5-3.不要なファイルを削除(アンインストール)
パソコン内にある不要なファイルの削除(アンインストール)をすると、それだけハードディスクの容量が軽くなるため、メモリ自体の負荷も下がります。
Cドライブ、Dドライブ、デスクトップ、ダウンロード、ドキュメントなどを利用することが多いので、この辺りの場所を確認して不要なものは削除(アンインストール)しましょう。
Windows 10にはディスク クリーンアップツールが搭載されているため、ツールを使用して不要な一時ファイルを一括削除することもできます。下記はツールを使用する手順です。
- 左下の検索ボックスに「ディスク クリーンアップ」と入力して選択する
- 不要なファイルがあるドライブを選択して「OK」をクリックする
- 削除するファイルの種類を選んで「OK」をクリックする
5-4.デフラグの実行
デフラグとは、ハードディスク内にある散らばったデータをきれいに整理整頓することを言います。ハードディスク内でファイルの作成や削除を繰り返していると、ハードディスク内が散らかっていくのです。
自分の部屋を想像してみてください。同じものが置いてあったとしても、毎日生活を続けていくと散らかっていくと思います。ハードディスクも同じようなことが起きているので、きれいに整理する必要があるのです。
デフラグを実行することで、ハードディスクの容量が軽くなり、メモリの使用量を少なくすることにつながっていきます。
Windows 10にはデフラグツールが搭載されているため、ツールを使用してデフラグすることができます。下記はツールを使用する手順です。
- 左下の検索ボックスに「defrag」と入力する
- 検索結果から「ドライブのデフラグと最適化」を選択する
- デフラグを実行するドライブを選択して「最適化」をクリックする
5-5.メモリの増設
メモリが足りないのなら増設するのも手段の一つです。実は、パソコンのメモリは増設ができるようになっています。増設するときには、まずは必要なメモリを購入する必要があります。
メモリを購入したら、自分で取り付けることも十分に可能です。ただし、あまりパソコンに詳しくなくて不安な方は業者の方に依頼するのが確実でおすすめです。
通常パソコンにはメモリを挿すメモリスロットが複数あります。そしてメモリにも2GB、4GB、8GBなどと複数の種類があります。しかし、どのメモリをどの箇所に挿しても良いというわけではなく、正しい場所に差し込まないとパソコンが正常に起動しないことがあります。
そのため、不慣れな人にはあまりおすすめできることではありません。
5-6.高スペックのパソコンに買い換える
最終的な手段として、思い切ってパソコンを買い換えるのもおすすめです。最近では、高スペックで価格が安いコストパフォーマンスに優れたパソコンが多くなっています。
パソコンの寿命は、およそ5年程度と言われているので、もし長い間使っている方は買い換えるのも良いでしょう。
パソコンの詳しい方は、昔のパソコンでもOSを再インストールすることで使い続けている方がいらっしゃるかもしれません。しかし、昔のパソコンの場合メモリが十分だったとしても、それ以外の要素によってソフトが起動しないなどのケースがあります。
パソコンは5年で買い替えを検討するのがおすすめです。
5-7.パソコン内の機能を見直す
パソコン内には、画面をみやすくするためにいろいろな機能が有効にされています。視覚情報に関する機能が多く用意されているため、こういった機能をOFFにすることでメモリの使用量を抑えられるのです。
他にも、パソコン内の設定をパフォーマンスを優先した設定にすることでメモリの使用を抑えられます。
5-8.外付けのHDD(ハードディスク)を使用する
原因のところで、HDD(ハードディスク)の容量が足りないとメモリが圧迫されると解説しました。つまり、容量を増やせばメモリの使用量も抑えられるのです。
どうしてもHDD(ハードディスク)の容量が足りない場合には、外付けのHDD(ハードディスク)を使用することで容量を増やせます。
メモリ不足でパソコンの動きが悪い場合はこちら。ドクター・ホームネットにお問い合わせ。
6.おすすめのメモリ数とは

ここまで、メモリ不足になる原因と対処法をご紹介してきました。メモリ不足になると、根本的な解決としてはメモリの増設かパソコンの買い替えを検討しなければなりません。Windows 10は32bit版で1GB以上、64bit版で2GB以上がシステム要件なので、2GB以上のメモリを搭載する必要があります。
そこで、必要なメモリ数を十分に確保するために、利用用途に応じた適切なメモリ数をご紹介します。
6-1.4GBがおすすめのケース
4GBがおすすめのケースは、インターネットで何か調べたり、YouTubeなどの動画をみたり、簡単なドキュメントを作成する人です。
これらの処理はそこまでパソコン内の負荷にならないため、メモリ数が少なめでも十分に快適な利用ができます。自宅でプライベートパソコンとして使いたい方に向いています。
6-2.8GBがおすすめのケース
次に8GBがおすすめのケースは、動画編集、CADツール、Adobeなどのソフトを使う方です。先ほどの4GBよりも、専門的なソフトを利用する方に向いています。クリエイティブ系の作業をする場合は8GB以上が良いでしょう。
6-3.16GBがおすすめのケース
16GBがおすすめのケースは、オンラインゲームでの利用を考えている方です。他にも、マルチタスクを前提としてパソコン購入を考えている方におすすめです。
最近のオンラインゲームは、非常にクオリティの高いゲームが多いです。グラフィックの向上も素晴らしいこともあり、非常に多くのメモリが使用されます。
快適にオンラインゲームをプレイしたい方は、迷わずに16GBを選びましょう。
自分の利用用途に合わせたメモリを選ぼう
今回は、パソコンのメモリ不足の原因と対処法について解説しました。
パソコンのメモリ不足になってしまった場合、複数のアプリを同時に起動しているか、メモリ数が利用用途にあっていないか、HDD(ハードディスク)またはSSDの容量が不足しているなどが原因として考えられます。
使わないアプリを落としたり、HDD(ハードディスク)の容量を軽くすることでメモリの使用量は減らせますが、根本的に解決したい場合には、メモリの増設や新しいパソコンの購入が必要です。
メモリの増設が必要になる場合、パソコンの扱いに慣れていれば部品だけを購入して交換できます。しかし、パソコンの取り扱いに慣れていない人が自分でメモリを増設するのは簡単ではありません。
そこでおすすめしたい修理業者が「ドクター・ホームネット」です。ドクター・ホームネットはパソコン修理の専門会社ですが、修理以外にもデータの消去やメモリ増設にも対応しています。パソコンの機種やOS、どんな目的でのメモリ増設を考えているかなどを電話でお伝えいただくことで、最善の方法を提案いたします。メモリ増設の際にパソコン自体を壊してしまっては元も子もありません。慣れていない人は無理せずドクター・ホームネットにご依頼ください。