業務用Wi-Fiルーターとは?家庭用との違いやメリット、選び方を紹介
ビジネスでWi-Fiを導入する場合は、業務用Wi-Fiを選択すべきです。Wi-Fiには個人用と業務用があり、それぞれ性能が異なります。ビジネス利用では、多くの利用者が大量の通信をおこなう可能性があるため、業務用に導入すべきです。
ただ、業務用Wi-Fiが良いといわれても、具体的な特徴について理解できている人は少ないでしょう。今回は、業務用Wi-Fiの特徴やメリット、導入にあたってのポイントなどを解説します。
業務用Wi-Fiルーターとは
最初に業務用Wi-Fiとはどのような製品であるのか、特徴や家庭用Wi-Fiとの違いについて解説します。
業務用Wi-Fiルーターの概要
業務用Wi-Fiは、その名のとおりビジネスの現場で利用するWi-Fiルーターを指します。ビジネスというキーワードが意味する範囲は広く、法人や個人事務所などで従業員が利用することもあれば、カフェなどでフリーWi-Fiとして提供することもあると考えましょう。個人が家庭で利用する状況でなければ、業務用Wi-Fiが利用されると理解しても概ね差し支えありません。
業務用と家庭用の違い
業務用と家庭用には、いくつもの違いがあります。特に重要な違いをピックアップして解説すると以下のとおりです。
性能・通信速度
Wi-Fiルーターとしての性能が異なります。業務用は大量のデータ通信を前提とした性能になっていますが、家庭用ルーターはそうではありません。製品によって性能の差はありますが、業務用と比較すると劣ったものと考えるべきです。
例えば、通信速度は、業務用Wi-Fiルーターの方が安定して高速になりがちです。家庭用Wi-Fiルーターに、どの程度の性能を求めても、限界があると考えましょう。業務用Wi-Fiルーターが必要な環境で、家庭用Wi-Fiルーターを導入しても、性能不足で通信に悪影響が出てしまいます。
同時接続数
同時に接続できる台数には大きな違いがあります。Wi-Fiルーターにおける同時接続台数とは「同時に何台接続しても通信が安定するか」を数字で示したものです。
まず、家庭用Wi-Fiルーターは、一般的に5台から10台程度です。高性能なものは、これ以上接続できる場合がありますが、一部の製品に限られています。
それに対して、業務用Wi-Fiルーターは、20台以上の接続に対応しているものが数多くあります。根本的に性能が異なるため、家庭用Wi-Fiルーターよりも多くの台数を接続可能です。
電波強度
電波がどの程度遠くまで届くか示す、電波強度にも違いがあります。業務用Wi-Fiルーターは、電波強度が強く遠くまで電波を飛ばしやすいですが、家庭用Wi-Fiルーターでは限界があると考えましょう
セキュリティ
業務用Wi-Fiルーターは、家庭用Wi-Fiルーターよりも、セキュリティ面が強化されています。何かしらの問題が起きると、ビジネスに大きな影響を与えるため、より機能が強化されていると理解すれば良いでしょう。
例えば、業務用Wi-Fiルーターには、外部から接続できるかどうかを制御できるものがあります。外部からの接続を許すと、セキュリティレベルが下がってしまうため、これを防ぐ仕組みが用意されているものです。他にも、接続に必要な情報を公開しない機能が搭載されているものもあります。
なお、どのような機能が搭載されているかは、利用するWi-Fiルーターによって大きく異なります。そのため、セキュリティを重視するならば、製品を細かく比較してどれを採用するか選ばなければなりません。
業務用Wi-Fiが適している環境とは
業務用Wi-Fiが適している環境としては以下が挙げられます。
- 法人や事務所で従業員が社内ネットワークに接続する
- フリーアドレスの居室を準備したい
- 顧客など不特定多数の利用者にインターネットを提供する
冒頭でも解説しましたが、基本的にビジネス用途であれば業務用Wi-Fiを利用すべきです。社内でネットワークを構築する場合はもちろん、顧客など外部向けに提供する場合も、業務用Wi-Fiが適していると言えます。
業務用Wi-Fiルーターを選択するメリット
業務用Wi-Fiルーターの導入には下記のメリットがあります。
- 通信の安定化
- セキュリティの強化
- 働き方の改善に役立てられる
具体的な内容を解説いたします。
通信の安定化
業務用Wi-Fiルーターを導入することで、通信の安定化ができることがメリットです。大量のデバイスからWi-Fiルーターへ接続しても、通信が途切れたり遅延したりすることがありません。
もし業務中に通信が不安定になると、作業に支障が出てしまうでしょう。連絡が遅くなることで、クライアントからクレームを受けることになるかもしれません。しかし、業務用Wi-Fiルーターを導入していれば、このような状況は防ぎやすくなります。
セキュリティの強化
セキュリティに関する機能が標準で搭載されているため、導入するだけでセキュリティを高められます。家庭用Wi-Fiルーターには、ここまでの機能は含まれていないため、メリットだといえます。
なお、セキュリティが強化については、必要に応じて設定は必要です。また、Wi-Fiルーターだけでセキュリティが担保されるわけではなく、ウイルス対策ソフトの活用なども求められます。メリットではありますが、セキュリティは多角的に高めることが重要です。
働き方の改善に役立てられる
通信が安定したり速度が速くなったりすることで、働き方の改善に役立てられます。今の時代、ネットワークなしで業務を遂行することは難しいため、Wi-Fiの性能は業務効率に大きく影響すると考えるべきです。
もちろん、どの程度の影響を与えるかは、その会社によりけりです。大きな影響を与えることもあれば、思ったよりも影響を与えないこともあるでしょう。とはいえ、業務用Wi-Fiの導入によってネットワークの質が向上すれば、一定のメリットは感じられるはずです。
ネットワークの質が上がり働き方改革を実現できれば、従業員の満足度向上などにもつながります。幅広い効果を生み出すきっかけになると考えても良いでしょう。
業務用Wi-Fiルーターの選び方
業務用Wi-Fiにはいくつもの種類があり、特徴を踏まえて選択しなければなりません。基本的には、以下のポイントから選ぶようにしてください。
- 同時接続数に余裕があるか
- 新しい通信規格か
- 社外から社内ネットワークへ接続を制限できるか
- SSIDステルスに対応しているか
- ゲストWi-Fiを搭載しているか
- 間取りに適したルーターであるか
- 工事は必要となるか
- 予算内で導入できるか
詳細をご説明いたします。
同時接続数に余裕があるか
同時接続できる台数に、余裕があるかどうかは非常に重要なポイントです。例えば、想定される利用者が50人の状態で、上限が60台のルーターと80台のルーターでは、余裕が大きく異なります。予算が許す限り、少し余裕を持った業務用Wi-Fiルーターを選択しましょう。
接続できる上限台数に余裕がないと、デバイスが増えた場合にネットワーク品質が低下する可能性があります。例えば、通信速度が低下したり、切断されやすくなったりしかねません。このような状況に陥ると、業務用Wi-Fiルーターを再導入することになりかねないため、最初から余裕を持たせておきます。
新しい通信規格か
Wi-Fiにはいくつかの通信規格があり、新しい規格ほど、高速かつ安定した通信に対応しています。そのため、基本的には新しい規格を選択することがポイントです。
特に、Wi-Fiには互換性があるため、新しい規格を利用していれば自動的に古い規格も利用できます。「最新のものを導入したが利用できなかった」という状況には陥らないため、新しいものを選びましょう。
社外から社内ネットワークへ接続を制限できるか
社外から社内へと接続できないように、制限できるかどうかも重要なポイントです。上記でも解説しましたが、外部から接続できるとセキュリティが下がってしまいます。そのため、Wi-Fiルーター側で制御できるようにすべきです。
業務用Wi-Fiルーターは、外からのアクセスを制限できるようになっています。ただ、製品によっては個別の設定が必要となるため、作業が必要かどうかも確認することがポイントです。
SSIDステルスに対応しているか
Wi-Fiルーターの中には、SSIDステルスと呼ばれる、SSIDを公開しない設定があります。特に会社で利用するならば、SSIDステルスが搭載されている製品を選びましょう。
SSIDステルスが設定されている場合は、接続する側がIDを知らない限りWi-Fiに接続できません。これだけで高いセキュリティ効果を発揮できるため、業務用Wi-Fiでは積極的に採用したい機能といえます。
ゲストWi-Fiを搭載しているか
外部の人に利用してもらうネットワークである「ゲストWi-Fi」が搭載されているものを利用しましょう。これを利用することで、委託先など一時的にWi-Fiを利用する人に社員とは異なるネットワークを利用してもらえます。
上記のSSIDステルスと同様に、社員と同じネットワークへと接続できないようにすることで、セキュリティを高められるものです。
間取りに適したルーターであるか
Wi-Fiは、電波の種類と間取りの組み合わせによって、届く範囲が変化します。社内にロッカーやパーティションなど障害物が多い場合は、そのような環境でも届きやすい製品を選択しましょう。
ただ、どの製品でどの程度の電波が届くかは、専門家でなければ判断が難しいです。そのため、自身で判断できない場合は、業者に電波をテストしてもらうなどして、どの製品が良いか判断することをおすすめします。
工事は必要となるか
業務用Wi-Fiの中には、導入時に工事が必要なものが含まれます。このような製品は、導入のハードルが高まってしまうため、事前に確認することがポイントです。対応が難しいと感じるならば、工事なしで導入できる製品を導入するようにしましょう。
例えば、賃貸物件の場合、自由な工事は難しいと考えられます。その場合、工事が必要のない製品を選ぶしかありません。一般的に、工事には多くの制約が伴うため、事前の確認がポイントです。
予算内で導入できるか
事前に考えた予算内であるかどうかも重要なポイントです。業務用Wi-Fiは、製品によって価格が大きく異なるため、事前に見積もりを取らなければなりません。
もし、予算をオーバーしてしまうならば、製品を切り替えるか予算を増額するかの検討が必要です。製品の質を落とすと、ネットワークの質も落ちやすいため、できるだけ予算の増額で考えてみましょう。
PCホスピタルは業務用Wi-Fiの導入設定サポートに対応しています
法人や事務所の居室内、カフェのフリーWi-Fiなど、多くの人が利用する場所にWi-Fiルーターを設置するならば、業務用を選択するようにしましょう。家庭用と業務用には性能的に大きな違いがあるため、利用者が多くなる場合は、通信が安定しやすいものを利用すべきです。また、業務用Wi-Fiルーターはセキュリティ面が強化されているなどの魅力もあります。
なお、業務用Wi-Fiにはいくつもの種類があるため、解説したポイントを踏まえて選択しなければなりません。ただ、具体的にどれを選べば良いかや設定方法が分からないことはあるでしょう。PCホスピタルにご依頼いただければ、業務用Wi-Fiルーターの導入から設定作業まで一貫して支援できます。お気軽にご相談ください。