グループウェアとは?種類や機能、失敗しないための注意点を紹介

近年は多くの環境でグループウェアが導入されています。グループウェアとは、社内業務の効率化やコミュニケーションの強化を目的としたソフトウェアです。製品によって機能の詳細は異なり、幅広い観点から企業活動を支援してくれます。
耳にする機会が増えたソフトウェアではありますが「結局、グループウェアにはどのような機能があるのか」と気になっている人は多いでしょう。今回は概要から代表的な機能、導入のメリットやデメリットについて解説します。
グループウェアとは

グループウェアとは、社内業務の効率化や従業員同士のコミュニケーションを強化するためのソフトウェアです。これらに特化した機能が搭載されていて、スケジュール管理や情報共有、コミュニケーションなどができます。詳細は後ほど解説するため、多くの機能があると理解してください。
グループウェアの種類
グループウェアには、大きく分けてオンプレミス型とクラウド型の2種類があります。
オンプレミス型
オンプレミス型とは、サーバーやネットワークなどのインフラを自社で用意し、そこにグループウェアを導入する方法です。自分たちですべて調達するため、個別の要望があっても実現しやすくなっています。また、社内に構築することによって、クローズドなシステムを構築することが可能です。
ただ、オンプレミスの場合、サーバーやネットワークを調達したり運用したりする手間がかかります。まとまった初期投資が必要となり、運用にあたっては専門知識も必要です。事前に基盤がなければ、オンプレミス型は難しいと考えた方が良いでしょう。
クラウド型
クラウド型は、サービス事業者が提供するグループウェアを利用する方法です。サービスを利用するだけであるため、サーバーなどを用意する必要はありません。インターネット環境さえあれば、どこからでもグループウェアが利用できます。
ただ、サービスとして提供されているため、細かなカスタマイズには対応していないケースが大半です。また、ユーザー数に応じて費用が発生するため、会社の規模によっては、想定外の費用になりかねません。
代表的なグループウェア
企業で利用できる代表的なグループウェアには以下があります。
- Google Workspace
- Microsoft 365
- サイボウズ Garoon
例えば、Googleのグループウェアを利用すると、「Googleドライブ」など他のサービスを組み合わせることに対応しています。情報をスムーズに連携することや、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートの素早い加工が可能です。
どのグループウェアが良いかは、現時点で導入している他のサービスなどにも左右されます。機能や導入のポイントを踏まえて、どの製品が良いか最終的な判断が必要です。
グループウェアの代表的な機能

グループウェアは、製品によって機能が少々異なっています。代表的な機能の例を挙げると以下のとおりです。
- スケジュール管理
- 設備予約
- プロジェクト管理
- ファイル管理・共有
- コミュニケーション
- ワークフロー管理
順にご説明いたします。
スケジュール管理
ユーザー個人のスケジュールを管理する機能が搭載されています。一般的には、バーチカル形式でスケジュールが表示されるようになっており、時間単位でスケジュールの確認が可能です。自分自身でスケジュールを登録することもあれば、同じ組織内のメンバーからスケジュールを登録(予約)されることもあります。また、パソコンやスマートフォンに通知を出して、スケジュールのリマインドが可能です。
設備予約
スケジュール管理と同様に、会議室や特定の機材など、設備の予約ができます。それぞれの設備について、従業員と同じような感覚で事前に登録しておくことで、予約できるようになる仕組みです。従業員として登録するグループウェアもあれば、設備は設備として独自の方式で登録する製品もあります。
プロジェクト管理
プロジェクト管理は、タスクの進捗状況などを集約したり可視化したりできる機能です。それぞれのタスクがどの程度進捗しているのかや、誰に割り当てられているかなどを確認できます。また、スケジュール管理と組み合わせることで、それぞれの担当者が「いつ」「どのタスク」を処理するかも簡単に把握できるものです。
ファイル管理・共有
ファイルをアップロードできるようになっているため、これらを一元管理できます。また、それぞれのファイルを共有できるため、チーム内に簡単に展開が可能です。また、アクセス権限を設定することで共有する範囲を絞ったり、必要に応じて社会の関係者へ公開したりもできます。
コミュニケーション
チャット機能などが搭載され、利用者同士でコミュニケーションが取れます。また「ブログ」のような機能が搭載されていることもあり、誰かが発信した内容に対して反応することも可能です。業務とは違った視点でのコミュニケーションも生まれるような機能を有する製品が増えています。
ワークフロー管理
ワークフローは、簡単に説明すると業務の流れを事前に定義したものです。グループウェアにワークフロー管理があると、各種申請や承認業務などをスムーズに実施できます。例えば、出張費を担当者が申請し、上司が承認、総務部門が最終確認するなどです。本来は、専用のツールを導入する必要がありますが、グループウェアに機能が搭載されていれば集約できます。
グループウェアの導入によるメリット

グループウェア導入によるメリットは下記の通りです。
- 作業の効率化
- 情報共有の高速化
- 社内コミュニケーションの活性化
詳細をご説明いたします。
作業の効率化
グループウェアで、スケジュール管理やプロジェクト管理が効率化されることで、作業の効率化を図れます。例えば、無駄なく作業予定を組むことによって、待機時間が減少するなどです。また、必要な情報がどこに格納されているかわかりやすくなり、事務作業の効率化なども期待できます。
作業効率化が進めば、従業員の満足度を高められます。例えば、働きやすい環境となり、より生産性が向上するかもしれません。作業の効率化が目の前のメリットですが、これによりさらなるメリットを生む可能性があります。
情報共有の高速化
ファイルをグループウェアにアップロードしておくことによって、情報の集約が可能です。URLを発行し簡単に共有できるようになっているため、情報共有を高速化できるメリットがあります。別のツールにアップロードすることなく、グループウェアで完結できることもメリットでしょう。
また、グループウェアには「お知らせ」などの機能もあり、これを利用することでも効率よく情報を共有できます。例えば、全社向けのお知らせをグループウェアのトップページに掲載すれば、すべての従業員が気づきやすいはずです。個人間での情報共有も、全社向けのような情報発信も高速化できます。
社内コミュニケーションの活性化
グループウェアを社内に浸透させることで、社内コミュニケーションの活性化が期待できます。コミュニケーションの活性化は、会社全体に良い影響を与えるため、多角的にメリットと考えて良いでしょう。
例えば「コミュニティ」のような機能を利用することで、特定のテーマについて従業員がグループウェア上で会話できます。同じ趣味を持つ従業員が見つかれば、コミュニケーションが捗り、一緒に業務を推進する際も円滑にコミュニケーションが取れるようになるでしょう。
また、「掲示板」や「ブログ」などの機能を利用すれば、グループウェアを利用する多くの人に対して情報の発信ができます。業務が縦割りになりがちな企業では、他部門の従業員を知らないことが多々あるため、多くの人とコミュニケーションを取るきっかけを作り出せることはメリットです。
グループウェアの導入によるデメリット

グループウェアの導入には、運用・構築のコストが掛かることや、利用に向けた教育の手間、社内へ浸透しない場合のリスクといったデメリットがあります。下記の通りです。
- 構築・運用のコスト
- 利用に向けた教育の手間
- 社内へ浸透しない場合のリスク
それぞれ事前に認識が必要なため、内容をご説明いたします。
構築・運用のコスト
どの製品を導入する場合でも、グループエアの導入にはまとまったコストが発生します。導入する大きなメリットを踏まえると、コストが生じることは必要な経費として受け入れなければなりません。
まず、グループウェアを導入し環境を構築する際に初期費用が必要です。製品ベンダーに作業を依頼するならば、構築費用として請求されるでしょう。また、仮に社内で構築する場合でも、グループウェアの購入費用と担当者の人件費が必要です。
また、製品を継続的に利用していくと、ライセンスに関するコストが発生します。例えば、利用者の人数に応じて算出された金額を、毎年支払う仕組みです。買い切りのグループウェアは少なく、運用のコストも必要だと認識しましょう。
利用に向けた教育の手間
社内で円滑にグループウェアを利用するためには、事前の教育が必要です。例えば、どのような機能が含まれ、具体的にどう操作するのかの説明が求められます。機能が多いグループウェアの場合、それだけ教育の手間が大きくなることがデメリットです。
また、利用者の数が多くなると、デメリットはさらに大きくなりかねません。
fただ、事前に利用する機能について資料を作成するなど対応しておけば、教育に関するコストは最小限に抑えられます。デメリットではありますが、展開のやり方次第では、大きな問題にならないはずです。
社内へ浸透しない場合のリスク
グループウェアを導入しても、社内に浸透しないリスクがあります。例えば、従業員が求めている機能が搭載されていないと、積極的には利用してもらえません。また、通信速度が遅いなどレスポンスに課題があると、これも利用してもらえない原因となるでしょう。
このような事象は、グループウェアを導入する際のデメリットかつリスクです。これを避けるために、可能な限り丁寧な事前調査が求められます。例えば、従業員からグループウェアに期待することをアンケートで集め、要望が多いものから順番に解決できる製品を選択するなどです。
グループウェア導入時に注意すべきポイント
グループウェアを導入する際に注意したいポイントは以下の4つです。
- 導入の目的を明確にする
- 誰でも操作しやすいかを評価する
- 費用対効果を算出する
- 既存システムとの連携ができるかどうか
それぞれ、内容をご説明いたします。導入前に準備しましょう。
導入の目的を明確にする
必ず意識したいポイントは、グループウェアを導入する目的です。これが明確になっていないと、導入を成功させることは不可能であるといっても過言ではありません。グループウェアの導入は、何かしらの目的を達成するための手段であると認識しましょう。
例えば、社内の情報共有を活性化させるために、グループウェアを導入することが考えられます。また、今まで以上にスケジュールを可視化して、無駄なく業務を進められるようにしたい場合もあるでしょう。コミュニケーションの強化なども考えられ、どのような目的が正解というわけではありません。
ただ、目的が定まっていない状態でグループウェアを導入することは避けるべきです。製品の設定に失敗し、従業員が利用しない状況に陥る可能性があります。
誰でも操作しやすいかを評価する
評価版などを利用して、誰でも使いやすい製品であるか、確認する作業が必要です。魅力的な機能が多くとも、操作が複雑なグループウェアは社内で定着しないかもしれません。可能な限り、誰もが使いやすいものを選択すべきです。
具体的に、どのような製品を選択すれば良いかは、組織の状況によって大きく異なります。例えば、従業員がITについて詳しいかどうかを考慮しなければなりません。苦手意識を持つ人が多い場合は、より簡単に操作できる製品を選択した方が良いでしょう。また、社外から利用する人が多いならば、スマートフォンやタブレットで操作しやすいグループウェアが良いかもしれません。
なお、操作面を評価する際は、IT部門だけではなく実際に使う人に協力を依頼しましょう。そのような意見を踏まえることで、製品の選定に失敗しづらくなります
費用対効果を算出する
デメリットでも解説したとおり、グループウェアの導入にはコストがかかります。そのため、可能な限り無駄をなくすためにも、費用対効果の算出が重要です。もし、コストに対して得られる効果が少ないならば、導入する製品を変更するなどの対応が求められます。
グループウェアには多くのメリットがあるものの、導入すれば自動的に感じられるものでもありません。目的を持って導入することで、メリットを感じられます。費用対効果が悪いならば、目的に沿っていないなど、問題を抱えているかもしれません。
既存システムとの連携ができるかどうか
多くの場合、グループウェア以外にもシステムを利用しているはずです。このような状況では、お互いにデータを連携できるかどうか確認しておきましょう。データ連携できないと、利便性が下がってしまう可能性があります。
例えば、従業員情報のシステムと連携できないと、利用者のデータを個別に登録しなければなりません。非常に手間がかかり、運用中にミスが起きる可能性があるため、データを連携できる製品を選択すべきです。
具体的に連携したいデータは、グループウェアの使い方によって変化します。事前にある程度は洗い出し、それを連携できるグループウェアかどうか確認しましょう。
グループウェア導入及びDX化サポートはPCホスピタルにお任せください
グループウェアを導入する際は、製品の選択から導入活動、設定や利用者への教育とさまざまな作業に対応しなければなりません。また、それぞれの作業では専門的な知識が求められます。そのため、グループウェアの導入は、専門家のサポートを受けて推進すべきです。
PCホスピタルには、グループウェアを含め各種システムを深く理解したスタッフが揃っています。十分な知識なくグループウェアを選定してしまうと、想定していたような効果を得られず、導入が無駄になりかねません。導入前の相談から受付しているため、少しでも興味がある場合はお気軽にご相談ください。