ブルースクリーンが起こる原因と対処法やエラーコードの詳細を解説
突如パソコンの画面が真っ青になるブルースクリーン。過去に何度かこの現象に遭遇し、どう対処すれば良いのかわからず困ってしまった方もいるのではないでしょうか。
真っ青の背景に映し出される謎の文字列は「エラーコード」と呼ばれ、パソコンに起きたトラブルの原因を突き止める上で重要なものです。
今回は、パソコンのブルースクリーンの原因と対処法についてご紹介します。
ブルースクリーンとは
パソコンを起動しようとしても、青い背景に白い文字が表示されたままでキーボードの操作が一切効かない状態になるトラブルがブルースクリーンです。
STOPエラーまたは停止エラーとも呼ばれます。
ブルースクリーンになった際には電源ボタンを押すほかはなく、再度パソコンを立ち上げる必要があります。
ブルースクリーンが起こる条件は明確に決まっているわけではなく、突発的に起こることがほとんどです。しかし、パソコンの経年劣化が激しいほど起こる頻度も高くなる特徴もあります。
ブルースクリーンは、パソコンの起動システムとメモリーのタイミングが上手く合わない場合に発生しますが、パソコンがまったく起動できなくなる恐れもあるため、頻発する前に対処する必要があります。
ブルースクリーン画面の文言別エラー詳細
ブルースクリーンはトラブルによって様々なエラー内容が表示されます。
そのうちの代表的なエラー内容をご説明いたします。
「回復」もしくは「Recovery」と表示されるエラー
日本語では
「回復 お使いのPCは修復する必要があります。要求されたデバイスが接続されてないか、デバイスにアクセスできません。」
英語では「Recovery Your PC needs to be repaired.」と表示されるエラーです。
システムファイルのエラー、OSと互換性が良くないハードウェアを使用している、強制シャットダウンもしくは停電で内蔵HDD/SSDに不良セクターが発生している等が引き金となり、表示されます。
エラーの要因毎に表示されるエラーコードも変わります。
「デバイスに問題が発生~」もしくは「Your PC ran~」という表示のエラー
日本語では「デバイスに問題が発生したため、再起動する必要があります。エラー情報を収集しています。自動的に再起動します。」
英語では「Your PC ran into a problem and needs to restart. We`re Just collecting some error info, and then we’ll restart for you.」と表示されるエラーです。
パソコンのシステムや機器に何らかのエラーが発生していて、原因が判明してない状態のため、パソコンがエラー情報を収集します。
ハードウェア破損、ドライバーエラー、システムエラー、帯電、ウイルス感染など様々なトラブルが引き金となり、この文言が表示されます。
「自動修復」と表示されるエラー
日本語で「自動修復 PCが正常に起動しませんでした」と表示されるエラーです。
自動修復はWindowsが何らかの不具合が発生したときに自動で修復してくれる機能ですが、その修復に失敗したときに表示されます。
Windows Updateの失敗、起動時に読み込むブートセクタの破損、システムファイル破損、内蔵HDD/SSDの故障などが引き金となり、表示されます。
「BitLocker」という表示のエラー
日本語で「BitLocker 使用できる状態に戻すには回復キーを入力してください」と表示されるエラーです。
BitLockerは内蔵HDD/SSDに保存されたデータの情報漏洩対策として有効な暗号化機能のことですが、この機能を使用して内蔵HDD/SSDにパスワードを設定することで、BIOSやMTPの変更時やパスワードがわからない状態で内蔵HDD/SSDにアクセスしようとした場合に、このように青い画面が表示されてパスワード(回復キー)の入力を求められることがあります。
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ブルースクリーンの原因
なぜ、ブルースクリーンという現象が発生するのでしょうか。大きくわけると下記が主な原因です。
- メモリーの不具合
- 周辺機器トラブル
- Windows(ドライバー)の不具合
- ウイルス感染
- HDD/SSDの破損
詳細をご説明いたします。
メモリーの不具合
経年劣化や静電気や熱などによるショートでの損傷、または衝撃によって接点が抜けてしまったりすることでメモリーの不具合が発生し、ブルースクリーンが表示されることがあります。
周辺機器トラブル
パソコンに接続している周辺機器のドライバーがパソコンに対応してないことや周辺機器が故障していることで、ブルースクリーンが表示される場合もあります。
Windows(ドライバー)の不具合
メモリーやHDD/SSDなどのハードウェア面の不具合ではなく、Windows 10やWindows 11などのシステム面におけるドライバー不具合やWindows Updateの更新プログラムにエラーが発生してることが原因となっていることがあります。
ウイルス感染
パソコンがウイルスに感染したことが原因でシステム面に不具合が発生し、ブルースクリーンになることもあり、長期間ウイルス対策を行ってないことで発生する可能性が高くなります。
HDD/SSDの破損
HDD/SSDの破損による物理的な故障でブルースクリーンが表示される場合があります。
その場合、保存されてるデータも破損していることが考えられます。
そのため、外付けのHDD/SSDやGoogle Drive、DropBoxなどのクラウドサービスなどにバックアップを取っていない場合はデータが消失する可能性があります。
ブルースクリーンの対処法
ブルースクリーンは適切に対処することで改善することができます。そのブルースクリーンの対処法は下記の通りです。
- メモリーを差し直す
- 周辺機器を取り外す
- 更新プログラムをアンインストールする
- ウイルス駆除
- システムファイルチェッカーを実施する
- リカバリーを行う
- HDD/SSDを交換
詳細をそれぞれご説明いたします。
メモリーを差し直す
単純に抜けているだけだったり接触不良の場合はメモリーを差し直すことで解消する可能性があります。
メモリーが不具合を起こしている場合、しばらく時間が経過してから再起動すれば修復する可能性があります。再起動で修復しなければ基本的には同じ型番のメモリーと交換することになります。
周辺機器を取り外す
周辺機器が故障していたり、周辺機器のドライバーがパソコンに対応してないことでブルースクリーンが表示される場合があるため、周辺機器を取り外してからパソコンを再起動してブルースクリーンが表示されなくなるかご確認ください。
更新プログラムをアンインストールする
Windows Updateを行った際の更新プログラムに何らかのエラーが発生していることで、ブルースクリーンが表示されることがあります。
更新プログラムをアンインストールすることで改善できる可能性があるため、更新プログラムのアンインストールを行ってみてください。
手順は下記の通りです。
更新プログラムをアンインストールする手順 |
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ウイルス駆除
ウイルスに感染してるのであれば、ウイルスを駆除することでブルースクリーンが解消される場合もあります。
セキュリティーソフトを導入していない場合は、ブルースクリーンの解消後に速やかに導入しましょう。
システムファイルチェッカーを実施する
システムファイルチェッカーとはシステムファイルに破損や異常がある場合、修復してくれるツールで、実施することでブルースクリーンが改善する可能性があります。
システムファイルチェッカーを実行する手順 |
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リカバリーを行う
OSやドライバ―などシステム面が原因でブルースクリーンが表示された場合、リカバリー作業で改善する可能性があります。
リカバリー作業とは、簡単にいうとパソコンを初期化する(購入時の状態に戻す)ことを指します。当然ながらデータはすべて消えてしまうため、やはりもしものときのためのバックアップは欠かせません。
HDD/SSDを交換
HDDが故障している場合、HDDは物理的な修理ではなくて交換となります。
残されているデータを新しいHDDに移行させるか、HDDにOSを新規インストールして使用します。
ブルースクリーンのエラーコードの種類
ブルースクリーンの状態になるとエラーコードが表示されますが、エラーコードの種類は数多くあります。エラーコードが示す原因も、あくまで可能性の1つに過ぎません。また、エラーコードはSTOPコードまたは停止コードとも呼ばれます。
しかし完全とまではいかないまでも、原因をある程度特定するためには必要です。ブルースクリーンになった際は、エラーコードをメモすることをおすすめします。以下は、代表的なエラーコードです。
メモリーが原因の場合
メモリーはパソコンのデータやプログラムを記憶する装置です。メモリー関連のエラーコードの場合は、メモリーの交換で解決することがあります。
エラーコード (STOPコード) |
内容 |
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0x0000002E | DATA_BUS_ERROR メモリー不良の可能性があります。 |
0x00000050 | PAGE_FAULT_IN_NONPAGED_AREA メモリーが物理的に破損している可能性があります。 |
0x0000007F | UNEXPECTED_KERNEL_MODE_TRAP メモリーが物理的に破損している可能性があります。原因は多岐に渡ります。 |
0x000000F2 | HARDWARE_INTERRUPT_STORM メモリーに不具合がある可能性があります。 |
0x0000001a | MEMORY_MANAGEMENT メモリー、HDD/SSD、ウイルスに関するエラーの可能性があります。 |
内部ストレージ(HDD/SSD)が原因の場合
ストレージはSSDまたはHDDが一般的に使用されています。そこに保存されているシステムファイルの破損やストレージ自体の故障によってシステムファイルデータが破損したり消失してしまったような」場合にもエラーが発生します。
ストレージ関連のエラーコードの場合は、HDD/SSDの交換で改善することがあります。
エラーコード (STOPコード) |
内容 |
---|---|
0x00000024 | PAGE_FAULT_IN_NONPAGED_AREA HDD/SSDのファイルシステム、または不良ブロック(セクター)が破損している可能性があります。 |
0x0000007A | KERNEL_DATA_INPAGE_ERROR HDD/SSDが物理的に破損している可能性があります。 |
0x000000ED | UNMOUNTABLE_BOOT_VOLUME HDD/SSDの物理的な故障の可能性があります。 |
0x000000F4 | CRITICAL_OBJECT_TERMINATION HDD/SSD、またはHDD/SSDケーブルが故障している可能性があります。また、メモリーが原因の際にもこのコードが出ることがあります。 |
0xc000014c | ブート構成データが紛失または破損しています。 システムファイルの破損やストレージハードウェア的な故障が考えられます。 |
0x00000139 | KERNEL_SECURITY_CHECK_FAILURE HDD/SSDのシステムエラーが原因の可能性があります。 |
0x00000154 | UNEXPECTED_STORE_EXCEPTION HDD/SSD、ソフトウェアのエラーが原因の可能性があります。 |
ドライバーが原因の場合
ドライバーは、OS(Windowsなどのソフトウェア)とさまざまな機器同士を接続するために必要なソフトウェアです。ドライバー関連のエラーコードの場合は、ドライバーを一旦アンインストールしてインストールし直すと改善することがあります。セーフモードで起動できるかどうかを確認することも原因の切り分けに有効です。
エラーコード (STOPコード) |
内容 |
---|---|
0x0000000A | IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL ドライバが不適切なメモリアドレスを使用している場合に発生します。 |
0x0000001E | KMODE_EXCEPTION_NOT_HANDLED CPU(コンピューターを制御する中枢)による有効でない命令をカーネル(OSの中枢)が検出した可能性があります。 |
0x0000003F | NO_MORE_SYSTEM_PTES ドライバやアプリケーションによるメモリーの管理が適切でない可能性があります。 |
0x0000007E | SYSTEM_THREAD_EXCEPTION_NOT_HANDLED ドライバに互換性の問題が発生している、または破損している可能性があります。 |
0x0000009F | DRIVER_POWER_STATE_FAILURE デバイスドライバや接続しているデバイスの不具合の可能性があります。 |
0x000000BE | ATTEMPTED_WRITE_TO_READONLY_MEMORY ドライバまたはメモリーが不良・破損している可能性があります。 |
0x000000D1 | DRIVER_IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL ドライバに不具合がある可能性があります。 |
0x000000D8 | DRIVER_USED_EXCESSIVE_PTES ドライバーがメモリー使用量を適切にクリーンアップできなかった場合に発生します。ドライーバに不具合がある可能性があります。 |
0x00000116 | VIDEO_TDR_FAILURE ディスプレイドライバに不具合がある可能性があります。 |
0x000000EF | CRITICAL_PROCESS_DIED Windows 10 64bitのデバイスドライバの破損の可能性があります |
ブルースクリーンの改善をプロに任せるのも一つの対処法
記載の対処法でブルースクリーンが改善しない場合、内部パーツの故障やシステムエラーが組み合わさっている可能性もあります。
パソコンを分解してパーツを交換すればブルースクリーンが改善するかもしれませんが、失敗すれば更に状態が悪化してしまうことも考えられます。また、ノートパソコンや一体型パソコンは分解の難易度が高く、知識が無ければ修復できない状態に陥る可能性があります。
ブルースクリーンの改善が難しいとお考えの場合はパソコンやデータを守るためにも、プロのパソコン修理業者のPCホスピタルにご依頼いただくことをおすすめいたします。
PCホスピタルはブルースクリーン改善サポートが可能です
突如訪れるブルースクリーンですが、パソコンの使用年数が長いほど起こる可能性は高くなります。
ブルースクリーンはハード面、システム面の問題など様々な原因が考えらえれるため、パソコンのトラブル解決に長けた方でなければ、改善が難しい場合があります。
PCホスピタルでは、ブルースクリーンのトラブル解決サポートを承っています。ブルースクリーンでお困りの場合はぜひご相談ください。
修理対応 | 出張/持込/宅配(出張の当日サポートは予約枠が早く埋まるため、お急ぎの場合はなるべく早い時間にご依頼ください) |
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対応エリア | 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国15店舗/宅配修理は全国47都道府県 |
実績 | 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの修理実績を当サイト掲載中 |
料金 | パソコン修理 3,300円~ + 基本料金 8,800円~11,000円 |
濱﨑 慎一(日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事)
2010年8月、日本PCサービス株式会社に入社。パソコン修理などデジタルトラブルを5年で4500件以上解決。その後、サポート人材育成など、事業責任者として、個人向けデジタルトラブル解決に8年半携わる。2019年より同社にて、法人向けサポートの取締役に就任。また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として業界活性化のため正しいデジタル知識の普及、スマートフォンなどの新しい整備士資格の構築に携わる。
保有資格 パソコン整備士検定 取得