パソコンを強制終了すると壊れる?他の対処方法を解説!

パソコンがフリーズしてしまい強制終了しようと思ったものの、強制終了するとパソコンが壊れると聞いており、どうしようか迷っているという方も多いのではないでしょうか。強制終了はできれば避けた方が良いです。どうしても強制終了しないといけない場合もありますが、他の対処方法も検討してみた方が良いでしょう。
本記事ではパソコンの強制終了について解説します。強制終了の方法や強制終了以外の対処方法についてまとめました。
本記事を読むことでパソコンがフリーズしたり使えなくなったりした場合に、どう対応すれば良いのかが分かります。強制終了に関して知見を深めたい方はぜひお読みください。
結論:パソコンを強制終了すると壊れる可能性はある

パソコンの強制終了はできればしない方が良いです。そもそも強制終了とは、稼働中のシステムをいきなり中断させる行為を指します。パソコンがシャットダウンされる際は、きちんとした段取りでシステムの終了準備を行いますが、強制終了では準備ができないのです。
準備なしにいきなり終了すると、システムが壊れる可能性があります。壊れたシステムがパソコンにとって重要なものだった場合、パソコンがまったく使えなくなることもあります。
ただし、強制終了したからといって、必ずパソコンが壊れるというわけでもありません。むしろ、1回の強制終了なら確率で言えば壊れない方が高いです。ただし、何回も強制終了を繰り返すと、いずれシステムに致命的な被害が及んでしまう可能性があります。
また、1回の強制終了でも、大なり小なりパソコンはダメージを受けています。そのため、強制終了しないで済むなら別の方法を選択した方が良いのです。
パソコンを強制終了すると起こる可能性があること

パソコンを強制終了すると、次のような事態が発生する可能性があります。
- 作業中のデータが消えてしまう
- ストレージが故障する
- システムファイルが破損する
強制終了を行う際は、これらのリスクがあることを前提に置くことが重要です。1つ1つの強制終了した際に起こる可能性があることについて、詳しく解説していきます。
作業中のデータが消えてしまう
パソコンを強制終了すると作業中のデータはすべて消えてしまいます。
パソコンの作業中のデータはメモリに保存されます。「保存」ボタンを押すことで、メモリのデータはストレージに保存されます。
ストレージに保存しておけば、パソコンの電源を落としてもデータが消えることはありません。しかし、まだストレージには保存していないデータは、消えてしまいます。メモリはデータを一時的にしか保持できないためです。
ストレージが故障する
強制終了するとストレージが故障する可能性もあります。
強制終了するとHDDやSSDには負荷がかかり、物理的なダメージを受けることもあります。ダメージを受けると、ストレージに保存したデータが失われてしまいます。
思い出の写真や画像などをパソコンに保存している方は要注意です。パソコンは急に使えなくなったり強制終了を余儀なくされたりすることがあります。対策としては、バックアップを取ることが挙げられます。パソコン以外の場所にデータをコピーしておけば、パソコンが壊れた場合にもデータをすぐに取り出すことが可能です。
システムファイルが破損する
強制終了によってシステムファイルが破損することもあります。システムファイルとは、パソコン側が扱うファイルを指します。ユーザーが触ることは基本なく普段意識することはありませんが、非常に重要なファイルです。
システムファイルが壊れると、パソコンが正常に動作しなくなってしまいます。パソコンがフリーズしたり動作が不安定になったりすることも考えられます。最悪の場合、パソコンがまったく使えなくなることもあります。
強制終了を行う以上、システムファイルに被害が及ばないようにすることはできません。システムファイルが壊れるかどうかは、運次第ということになってしまいます。
パソコンが不調なときに強制終了しないで済む方法とは?

パソコンが動かなくなったりアプリが固まってしまったりした場合、すぐに強制終了せず別の方法も検討してみることが大切です。強制終了以外の選択肢としては次の2つがあります。
- タスクマネージャーでアプリを強制終了する
- ショートカットキーからパソコンを再起動する
これら2つもリスクはあるのですが、パソコンの強制終了に比べたら良い方です。1つ1つの方法について詳しく解説していきます。
タスクマネージャーでアプリを強制終了する
パソコンのアプリは不具合や環境との相性の悪さなどによって、フリーズしてしまうことがあります。パソコン自体には異常はなくアプリのみフリーズしている場合、パソコンを強制終了させる必要はありません。動かなくなったアプリのみを強制終了させれば良いのです。
もっとも、アプリの強制終了によってアプリが壊れてしまう可能性はありますが、パソコンが壊れるよりは良いでしょうし、再度インストールすることもできます。
強制終了させるにはタスクマネージャーというものが便利です。タスクマネージャーとは、アプリの負荷状況を確認できるツールで、Windowsには標準でインストールされています。
タスクマネージャーを使う場合は、「alt+Ctrl+Delete」を押します。すると青い画面にメニューが表示されるので、「タスクマネージャー」を選択します。タスクマネージャーからアプリを選択して強制終了させることができます。
Macにはタスクマネージャーはありませんが、「アプリケーションの終了ダイアログボックス」が代わりに使えます。「option+command+esc」を押すことで、画面を開くことが可能です。後は同じようにアプリを選択して強制終了させます。
ショートカットキーからパソコンを再起動する
「パソコンのカーソルが動かなくなってしまったが、キーボード操作はできる」、という場合も強制終了せずに済む可能性があります。ショートカットキーからパソコンを再起動させることができるためです。再起動させることで作業中のデータは失われてしまいますが、パソコンへのダメージは最小限に抑えることができます。
再起動させる場合、Windowsの場合は「alt+Ctrl+Delete」を押します。青い画面に表示されるメニューから「再起動」を選択します。Macの場合は、「control+電源ボタン」を押します。ダイアログが表示されるので、「再起動」を選択します。
パソコンを強制終了せざるを得ない場面

強制終了はできれば避けたい行為ですが、どうしてもしないといけない場面もあります。具体的には、次の3つのような事態が起こった場合です。
- キーボードやマウスから操作できない
- OSのアップデートに失敗
- ドライバーに不具合が起こった
このような場合には、強制終了を行ってみても良いでしょう。ただし、繰り返しになりますが強制終了は大なり小なりダメージを与える行為ですので、自己責任で行ってください。
1つ1つの強制終了しないといけない場面について、詳しく解説していきます。
キーボードやマウスから操作できない
キーボードやマウスから一切操作ができない場合、パソコンが完全にフリーズしている状態と言えます。この場合、上記で紹介した再起動のショートカットキーを押しても反応がないかと思います。そのため、強制終了以外に選択肢がない可能性が高いです。
OSのアップデートに失敗
WindowsやMacのOSのアップデートが失敗したりいつまでも終わらなかったりする場合、強制終了せざるを得ない可能性があります。
アップデートに失敗する理由としては、「ストレージの空きがない」「ネット接続が不安定」「セキュリティソフトが邪魔をした」などが挙げられます。1日程度様子を見て、それでも改善されなかったら強制終了も検討しましょう。
ドライバーに不具合が起こった
ドライバーに不具合が起こった場合も、パソコンがフリーズしてしまうことがあります。ドライバは、デバイス(周辺機器)を動かすのに必要なソフトです。ドライバーの何らかの不具合によって、パソコン自体が使えなくなってしまうことはあります。
ドライバーは更新せずに古いままで使い続けていると、不具合が発生するリスクが高くなります。そのためアップデートが必要なものは、なるべく早く済ませることが大切です。
パソコンを強制終了させる方法

パソコンの強制終了のやり方が分からない、という方も多いでしょう。強制終了のやり方は次の2つがあります。
- ショートカットキーを使う
- 電源ボタンを長押しする
1つ1つの強制終了の方法について詳しく解説していきます。
ショートカットキーを使う
キーボード操作ができるなら、ショートカットキーを使った強制終了の方がリスクは低いです。Windowsの場合は、「alt+F4」を押します。「Windowsのシャットダウン」という画面が表示されたら、「シャットダウン」を選択して「OK」をクリックします。
Macの場合は「command+control+電源ボタン」を長押しすることで、強制再起動を行えます。
電源ボタンを長押しする
ショートカットキーが使えない場合は、こちらの手段を取らざるを得ないこともあります。WindowsでもMacでも、電源ボタンを10秒ほど長押しすることで、パソコンを強制終了させることが可能です。ただしこちらの方法はリスクが高いので、最終手段と捉えましょう。
強制終了した後はデータのバックアップを取ること
パソコンを強制終了し無事に使えるようになったら、すぐにやってほしいことがあります。それは、データのバックアップを取ることです。
一度フリーズしたパソコンは、故障のリスクがそれなりにあります。パソコンの電源が入らなくなると、データを取り出すのが困難になってしまいます。そのため、壊れる前にバックアップを取っておくことが大切です。
バックアップを取る際は、クラウドストレージを使うのがもっとも簡単でしょう。iCloudやGoogle Driveなどのサービスに登録し、ファイルを移動させるだけで簡単にバックアップを取ることが可能です。
再度パソコンがフリーズした場合はどうする?

最後に、強制終了したら無事パソコンが復活したものの、しばらくするとまたフリーズしてしまった、という場合の対処方法を解説します。
再度フリーズした場合にまた強制終了すると、パソコンが故障してしまうリスクがあるので、次の2ついずれかの対処方法を取るのがおすすめです。
- パソコンを修理に出す
- パソコンを買い替える
1つ1つの対処方法について詳しく解説していきます。
パソコンを修理に出す
パソコンの調子が良くならない場合、パソコンを修理に出すのがおすすめです。プロに診てもらうことで、問題があっさり解決する場合もあります。
パソコンを修理に出す方法は、「メーカーに依頼する」「パソコン修理業者に依頼する」の2種類があります。
メーカー修理のメリットは、保証が効けば割引/無料で修理してもらえることです。ただし、保証が効かない場合、修理費用が高くなってしまうこともあります。
保証が効かない場合は、パソコン修理業者の方がメリットがあります。修理費用が安いうえに、修理スピードも早いことが多いです。
また、データを保護したうえで修理を行ってもらえるので、バックアップを自分で取ることができない場合でも安心できます。メーカー修理の場合、パソコンは初期化されて返ってくることもあるので、必ずバックアップを取ってから依頼しましょう。
パソコンを買い替える
パソコンは長く使っているとどうしても劣化してしまうものです。パソコンの寿命は4〜5年程度と言われていますので、それぐらい使っているなら買い替えるのもおすすめです。
特にマザーボードやストレージなど重要なパーツが故障している場合、修理費用が高くなってしまうので、買い替えた方が良いことも多いです。
実際、大手のパソコン修理業者であるPCホスピタルでは、修理費用が高くなる場合、修理よりも買い替えを勧めることがあります。
パソコンの不調はパソコン修理専門店に相談しましょう
本記事ではパソコンの強制終了について解説しました。強制終了の手順や強制終了のリスク、他の対処方法などがお分かりいただけたかと思います。
強制終了はパソコンにダメージを与える行為なので、できれば避けた方が良いです。特に2回、3回と強制終了を繰り返すと、故障のリスクが高くなってしまいます。1回強制終了してそれでもパソコンがフリーズしてしまう場合は、パソコンを修理に出すのがおすすめです。
パソコンの修理は、メーカーに依頼する方法と修理業者に依頼する方法があります。メーカーの保証が効くならメーカーに依頼した方が修理費用が安くなりますが、それ以外の場合、修理業者の方が安いうえに、修理スピードも早いことが多いです。
濱﨑 慎一(日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事)
2010年8月、日本PCサービス株式会社に入社。パソコン修理などデジタルトラブルを5年で4500件以上解決。その後、サポート人材育成など、事業責任者として、個人向けデジタルトラブル解決に8年半携わる。2019年より同社にて、法人向けサポートの取締役に就任。また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として業界活性化のため正しいデジタル知識の普及、スマートフォンなどの新しい整備士資格の構築に携わる。
保有資格 パソコン整備士検定 取得