マザーボードが故障したときの修理方法は?症状や事例とともに解説
マザーボードが壊れてしまうと、パソコンの電源がつかなくなったり、突然シャットダウンしてしまい、パソコンが使えなくなってしまいます。マザーボードが壊れた場合、早急に修理することが重要です。
しかしながら、マザーボードが壊れた場合どのように対処すべきか分からない方も多いのではないでしょうか。また、故障の原因が本当にマザーボードにあるのか判断できない場合もあるかもしれません。
本記事は20年以上に渡りパソコン修理を専門に行ってきたPCホスピタルが編集しています。
実際の事例などをふまえて、マザーボードの修理・交換の流れについて解説します。マザーボードが壊れた可能性があり、対処に困っている方はぜひ参考にしてください。
マザーボードとはどのようなものか?
まず、マザーボードとはどのようなものかについて解説します。パソコンにおけるマザーボードの役割やマザーボードを構成するパーツの種類など基礎知識についてまとめました。
これらの基礎知識を事前に知っておくことで、マザーボードの買い替えなどをスムーズに行うことができます。
マザーボードとは?
マザーボードとはパソコンの土台とも言える電子回路基板であり、パソコンの中でも1番と言って良いほど重要なパーツです。
パソコンはメモリ・CPUなどのパーツやキーボード・マウスなどの周辺機器が連携することで成り立っていますが、それらを連携させているのがマザーボードです。マザーボードには各パーツが接続されており、データの受け渡しなどはマザーボードを介して行われています。
マザーボードが故障するとパソコンは使えなくなってしまい、修理や買い替えが必要になります。マザーボードにはさまざまな種類があり、搭載できるCPUやメモリなどが異なります。種類によって値段も変わってくるため、買い換えるなら要望や予算に合わせた最適なものを選択することが重要です。
マザーボードに搭載されるBIOSの役割
マザーボードの役割は各パーツ同士を連携させることですが、もう1つ重要な役割があります。それは、CPUやメモリなどの各パーツの制御を行うことです。具体的には各パーツに電源の供給などを行います。
マザーボードにはBIOS(Basic Input Output System)というプログラムが搭載されています。BIOSはOSを起動する前に各パーツを統制し、正常に動かせるようにします。BIOSに不具合が起こるとOSも起動せず、パソコンの電源をつけても画面が真っ暗な状態となってしまいます。
マザーボードの主なパーツ
マザーボードにはさまざまなパーツが搭載されています。マザーボードに搭載されている主なパーツとその役割についてまとめました。
種類
役割
CPUソケット
CPUを取り付けるための器具
電源コネクタ
各パーツに電源を供給する
メモリスロット
メモリを取り付けるための器具
拡張スロット
機能を拡張するための器具
チップセット
CPUやメモリで処理したデータを各パーツに送る
スピーカー
BIOSのビープ音(ブザー音)を鳴らす
ボタン電池
BIOSに設定した情報などを保存
コンデンサ
パソコン内に電力を供給する
PCIスロット
パソコンに部品を追加で取り付ける際に必要なスロット
ただし、マザーボードの種類によっては一部のパーツが搭載されていないこともあるので注意が必要です。
マザーボードのよくある故障と原因
パソコンの不具合の原因がマザーボードにあるのか分からない方も多いでしょう。マザーボードが故障すると、パソコンに次のような不具合が生じることがあります。
- 【故障1】パソコンの電源がつかない
- 【故障2】突然電源が落ちてしまう
- 【故障3】ビープ音が鳴る
- 【故障4】画面が真っ暗な状態
これらの不具合が生じた場合、マザーボード故障の可能性も考えた方が良いでしょう。また、これらの不具合の原因は以下の4つのうちいずれかであることが多いです。このようなことが過去にあったかどうかも確認してみてください。
- 【原因1】マザーボードに寿命がきてしまった
- 【原因2】水やジュースをかけてしまった
- 【原因3】高温・低温に耐えられなかった
- 【原因4】高いところから落としてしまった
1つ1つのマザーボードのよくある故障と原因について、詳しく解説しています。
【故障1】パソコンの電源がつかない
パソコンの電源がつかない場合、マザーボードの故障である可能性があります。パソコンの電源スイッチを押した後にOSよりも先に動作し、各パーツを制御するのがマザーボードです。マザーボードが壊れている場合、パソコンがまったく使えなくなってしまうことは多くあります。
ただし、マザーボードではなくバッテリーがない、ディスプレイが壊れているなどの可能性もあるので、修理・交換の前に原因特定が必要です。
【故障2】突然電源が落ちてしまう
パソコンを正常に使えるものの、突然電源が落ちたりフリーズしたりすることが多発する場合、マザーボードに問題がある可能性もあります。このような状態でパソコンを使い続けると、パソコンに保管した重要なデータの消失などに繋がるため、すぐに修理・交換を行うことが大切です。
1度電源が落ちるだけならパソコンの熱暴走などの可能性もありますが、特に負荷の強い作業をしておらず、また何度も落ちる場合マザーボードに原因がある可能性が高いです。
【故障3】ビープ音が鳴る
ビープ音が鳴る場合もマザーボードの故障の可能性が高いです。マザーボードのスピーカーはマザーボードに不具合が発生している際に、ビープ音を鳴らす仕組みになっているためです。ビープ音の種類や長さによって故障の種類は異なります。
ただ、それらの情報から問題箇所を特定するのは難しく、更にメーカーによっても差異があるため、ビープ音が鳴る場合は修理会社に相談することをおすすめします。
【故障4】画面が真っ暗な状態
電源は入るものの画面が真っ暗な状態の場合も、マザーボード故障の可能性があります。マザーボードに搭載されるBIOSはOSを起動させる役割を担っていますが、画面が映らない場合OSが起動できていないことが多く、BIOSは正常に動作していないと推測できるためです。この場合も修理会社に原因の詳細特定を依頼しましょう。
【原因1】マザーボードに寿命がきてしまった
パソコンの部品には基本的に寿命があります。ただ、パソコンの使い方によって寿命には差が生じることが多いです。負荷のかかる作業を多く行っていたり、埃がかかった状態で使い続けていたりする場合、寿命が短くなってしまう可能性があります。
マザーボードにも当然寿命があり、特にコンデンサーが劣化することが多いです。コンデンサーが膨張したり破裂したりすると、パソコンが起動しなくなる可能性もあります。
【原因2】水やジュースをかけてしまった
パソコンの上から水やジュースをかけてしまうと、マザーボードまで水が入ってしまい故障の原因となる可能性があります。特にノートパソコンは外出先で使う場合も多いので注意が必要です。
誤って水などをかけてしまった場合、すぐには問題が発生しなくても後から問題が出てくることはあるため、速やかに修理会社に相談することをおすすめします。
【原因3】高温・低温に耐えられなかった
マザーボードは熱に弱いです。負荷のかかる作業を長時間行った場合マザーボードが高温になり、故障してしまう可能性があります。パソコンには冷却機能が備わっていますが、それでも冷却しきれないことがあります。
また、意外にも温度が低すぎてもマザーボードが劣化することがあります。低温になると、マザーボード内のコンデンサーの蓄電能力が下がってしまうためです。パソコンの寿命を延ばしたいなら、室温には気を配ることです。
【原因4】高いところから落としてしまった
パソコンを高いところから落とすと、マザーボードが破損する可能性があります。最近のパソコンは衝撃に強くなっているものの、マザーボードは繊細な部品のため壊れてしまうことが多くあります。
特にノートパソコンを持ち運ぶ際は、落としたりぶつけたりしないように気をつけましょう。
修理対応 | 出張/持込/宅配 |
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対応エリア | 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国15店舗/宅配修理は全国47都道府県 |
実績 | 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの修理実績を当サイト掲載中 |
料金 | パソコン修理 3,300円~ + 基本料金 8,800円~11,000円 |
マザーボードの修理事例
PCホスピタルで過去にマザーボードを修理を行った一例をご紹介しましょう。
マザーボードをどのように修理していくかのイメージが湧くかと思います。
- 【事例1】水没状態のマザーボードを修理
- 【事例2】デスクトップパソコンの電源が入らない状態の解決
- 【事例3】BTOパソコンのマザーボード交換
【事例1】水没状態のマザーボードを修理
PCホスピタルで行った水没状態のマザーボード修理の実例をご紹介します。「ジュースをこぼしてしまいキーボードが押しにくくなった」という依頼を受けましたが、パソコンの状態を詳しく調べたところ、マザーボードにまで水が入ってしまっている状態でした。
マザーボードが水没状態になると、今後電源が付かなくなる可能性もあるため、マザーボードの洗浄を行いました。このように、水をこぼしてノートパソコンのキーボードが押せなくなった場合、キーボード以外にも影響が及んでいる可能性があります。
外付けキーボードを購入して解決、とはいかないこともあるので注意しましょう。
【事例2】デスクトップパソコンの電源が入らない状態の解決
デスクトップのパソコンの電源が入らない状態の解決も過去に行いました。PCホスピタルで電源ユニットを交換したものの電源が入らず、マザーボードの故障が原因と判明したため、マザーボードを交換しました。
マザーボードを交換する際に注意すべきことが1つあります。マザーボードを変更すると、Windows10のライセンスを再認証しなくてはいけない可能性があることです。そこで、マザーボードが壊れたときに備えて、予めライセンスをマイクロソフトのアカウントと紐付けておくことをおすすめします。
「デスクトップパソコンの電源が入らない状態の解決」の修理事例はこちら
【事例3】BTOパソコンのマザーボード交換
BTOパソコンの電源は入るものの画面が映らないという相談も過去に受けました。マザーボードからビープ音が出ていたため、音から故障箇所を特定しました。
検査の結果マザーボード自体の故障と判明したため、PCホスピタルで交換を行い、正常に画面が映るように修理しました。
マザーボードの交換は慎重に行うことが大切です。自分で交換を行うと状態を悪化させてしまうこともあるため、専門家に依頼することをおすすめします。
マザーボードの診断と修理作業の流れ
続いて、マザーボードの診断と修理作業の流れについて解説します。マザーボードは次のステップに従って修理していくのが基本となります。修理依頼をいただいた際の一例を元にご紹介します。
- 【ステップ1】パソコン本体の分解
- 【ステップ2】マザーボード取り外し
- 【ステップ3】マザーボードの状態確認
- 【ステップ4】不具合箇所の修理・提案
1つ1つのステップでどのような作業・確認を行うのか詳しく解説していきましょう。
【ステップ1】パソコン本体の分解
マザーボードを取り出すために、まずパソコン本体を分解する必要があります。分解する前にパソコンに溜まった電気を放電させるなどの処置が必要です。本体の分解はパソコンの診断後に、専任のサポートスタッフで行います。
尚、マザーボード交換の場合、お使いのパソコンに最適なパーツを確認したうえでお取り寄せが必要で、静電気の発生しない環境で慎重に作業をする必要があり、診断のため一定期間パソコンをお預かりさせていただくケースが多くなります。お預かり中、急ぎで必要なデータを抜き出して先にお渡しするなど、故障に伴うお困りごとにも対応していますのでご相談ください。
PCホスピタルでは出張修理と持込修理・宅配修理の3つから選択できます。出張の場合は、スタッフがご自宅にお伺いしますので、面倒な作業は全てお任せいただけます。持込修理の場合、故障したパソコンと電源コードなどワンセットをお近くの対応店舗までそのまま持参してお越しください。
【ステップ2】マザーボード取り外し
続いて、故障したマザーボードを取り外します。マザーボードはネジで固定されているため、そのネジを外す必要があります。また、接続されているケーブルなどやCPU・メモリなども本体から取り外さなくてはいけません。
さらに、埃を防ぐために備わっているI/Oシールドを交換する必要があります。I/Oシールドはマザーボードの種類によって変えなくてはいけないためです。
【ステップ3】マザーボードの状態確認
続いて、マザーボードの状態確認を行わせて頂きます。破損はないか、ショートによって焦げていないか、コンデンサは膨張していないか、などを丁寧に確認します。
状態によって修理金額のお見積りや修理完了日などのご相談をさせて頂きます。必ず作業に入る前にお見積りを提示し、費用にご納得いただいてから作業に入りますのでご安心ください。
【ステップ4】不具合箇所の修理・提案
状態確認が完了したら、マザーボードの交換・修理を行っていきます。PCホスピタルでは故障の原因を素早く突き止めると共に、お客様のご要望などに合わせた対応を提案させて頂きます。
長い目で見て、パソコンの状態から買い替えを推奨する場合もございます。ご提案内容は、専門用語は使わず詳しくご説明いたします。お客さまにとって最適な選択を一緒に行いますのでご安心ください。
マザーボードの修理料金
最後に、マザーボードの修理料金についてまとめました。PCホスピタルでマザーボードの修理・交換やそれに付随する復旧作業などを行う場合の料金目安は以下の通りです。
修理メニュー
料金
パソコンが正常に起動しない状態からの復旧
22,000円
マザーボード交換
16,500円
液晶パネル・インバーター交換
16,500円
分解、部品の交換・取り外し
6,600円
部品代などは別途見積もりを行わせて頂きます。
PCホスピタルはマザーボード修理サポートが可能です
本記事ではマザーボードの修理方法について解説しました。
マザーボードの交換・修理は自分で行うと、静電気による不具合を発生させてしまうなどのトラブルを起こしやすくなります。また、故障の原因がマザーボードにあるとは限りません。マザーボードが壊れてしまった場合自分で修理するよりも、専門業者に依頼した方がトラブルを発生させるリスクを下げられます。
「パソコンの調子が悪い」「電源がつかない付かない」場合はぜひPCホスピタルにご相談ください。マザーボードの交換をはじめさまざまな修理に対応しています。作業前に見積もり金額を提案するため、想定以上に修理料金がかかることがなく、安心してご依頼いただくことができます。
修理対応 | 出張/持込/宅配 |
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対応エリア | 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国15店舗/宅配修理は全国47都道府県 |
実績 | 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの修理実績を当サイト掲載中 |
料金 | パソコン修理 3,300円~ + 基本料金 8,800円~11,000円 |
濱﨑 慎一(日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事)
2010年8月、日本PCサービス株式会社に入社。パソコン修理などデジタルトラブルを5年で4500件以上解決。その後、サポート人材育成など、事業責任者として、個人向けデジタルトラブル解決に8年半携わる。2019年より同社にて、法人向けサポートの取締役に就任。また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として業界活性化のため正しいデジタル知識の普及、スマートフォンなどの新しい整備士資格の構築に携わる。
保有資格 パソコン整備士検定 取得