【解説】Windows 11をクリーンインストールする7つの手順

目次
Windows 11のクリーンインストールを行うと、アプリなどの影響を受けずにWindows 11をパソコンにダウンロードできます。
しかし、Windows 11をスムーズにクリーンインストールするためには、クリーンインストール用のメディア作成やバックアップなどの事前準備が必要です。
この記事では、初めてWindows 11のクリーンインストールへ挑戦する方向けに、クリーンインストールのための手順や万が一失敗した時の対処法などを解説します。
1.Windows 11をクリーンインストールするための7つの手順

クリーンインストールとは、USBメモリやDVDを利用して、OS内部に保存されているソフトや設定、アプリケーションなどをすべて削除し、OSをダウンロードする方法のことです。
すでに利用しているパソコンのクリーンインストールを行う場合は、事前にバックアップを取っておきましょう。クリーンインストールを開始すると、ファイルの内容や設定などもすべて削除されてしまうため注意が必要です。
ここでは、クリーンインストールを安全に行うための7つの手順を解説します。
1-1.クリーンインストール用のメディアを作成する
クリーンインストールを行う前に、USBメモリやDVDを使ってインストールメディアを作成しましょう。クリーンインストール時はインストールメディアからOSを起動するため、必ずどちらかを用意しておいてください。
1-1-1.DVDでインストールメディアを作成する方法
DVDを使用してインストールメディアを作成する場合、DVDに直接ISOファイルが書き込まれる訳ではありません。パソコン本体にWindows 11のISOファイルをダウンロードした後、DVDへ書き込みます。ISOファイルは5GB程度あるので、5GB以上に対応した片面2層のDVDを用意しましょう。
ISOファイルをダウンロードするまでの手順は次の通りです。
- MicrosoftのWindows 11のダウンロードページへアクセス
- 「Windows 11のインストール メディアを作成する」という項目をクリック
- ダウンロードした「MediaCreationToolW11」というツールを実行
- ライセンス条件を確認し「同意する」をクリック
- 言語とエディションの選択を行い「次へ」をクリック
- 画面に「使用するメディアを選んでください」と表示されたら「ISOファイル」を選択
- 「次へ」をクリック
- ファイルを保存する場所を選択
- ダウンロードが完了するまで待つ
ダウンロード完了後、DVDにISOファイルを書き込みます。画面に「ISOファイルをDVDにコピーしてください」という表記と共に、以下の2つが表示されます。
- ファイルをダウンロードした場所の名称
- 「DVD書き込み用ドライブを開く」
下の「DVD書き込み用ドライブを開く」を選択し「完了」をクリックします。空のDVDを挿入してから、表示された「Windowsディスクイメージ書き込みツール」画面の「書き込み」をクリックしましょう。書き込みが開始されるので完了するまで待機します。
1-1-2.USBメモリでインストールメディアを作成する方法
USBメモリを利用すると直接ISOファイルがUSBメモリに書き込まれるため、DVDを使用する方法よりも手順が少なく済みます。ISOファイルはおよそ5GBあるので、容量不足でエラーにならないよう8GB以上のUSBメモリを用意しましょう。
注意したいのは、USBメモリに保存されているファイルやデータがすべて削除されてしまうことです。大切なデータを失わないために、使用するUSBメモリの内容を事前に確認しておくか、新しいUSBメモリを用意しましょう。
まず、USBメモリをパソコンに接続します。手順はDVDで作成する場合と途中まで同じですが、使用するメディアの選択からが異なります。
- 言語とエディションの選択までは同じ操作
- 画面に「使用するメディアを選んでください」と表示されたら「USB フラッシュ ドライブ」を選択
- 「次へ」をクリック
- ファイルを保存するUSBメモリを選択
- ダウンロードが完了するまで待つ
- 「完了」をクリック
USBメモリは取り外さずに、そのままクリーンインストールへと進みます。
1-2.作成したメディアをセットしインストールを開始する
それぞれのインストールメディアを起動する方法は以下の通りです。
なお、すべての作業が完了するまで数十分から数時間かかることも多いため、Windows 11のクリーンインストールを行う際は、ノートパソコンなら電源につなげたまま行うのをおすすめします。
1-2-1.DVDメディアの場合
パソコンを起動させてから、作成したクリーンインストール用のDVDを挿入します。自動的に画面が切り替わる、もしくは、いずれかのキーを押すように画面に指示が表示されるため、内容に従いましょう。
1-2-2.USBメモリの場合
まず、パソコンの説明書やメーカーの公式サイトへアクセスし、USBメモリからの起動に必要なキーについて確認します。メーカーにより、パソコンの電源を入れた直後にF2キーを押す、F12キーを連打するなど、操作に違いがあるためです。
起動キー | メーカー |
---|---|
F3+電源ボタン | Surface Laptop |
F8 | ASUS、BenQ |
F9 | HP |
F12 | Lenovo、Acer、ASUS、HP、Fujitsu、Toshiba、Lenovo、Acer、Dell、IBM、BenQ |
ESC | Dell、Sony、ASUS |
USBメモリを挿入した状態で、パソコンごとの操作手順に従い、USBメモリより起動を行います。
もし、起動キーを押しても作動せず、Windows10がすでにインストールされているパソコンの場合は、以下の方法で指示を出すことも可能です。
- USBメモリを挿入する
- 歯車マークの「設定」を開く
- システムの「回復」をクリック
- 回復オプションから「PCの起動をカスタマイズする」にある「今すぐ再起動」をクリック
- 「デバイスの使用」を選択
- 「USB Storage」を選択
- パソコンが再起動しWindows 11のインストール画面が表示される
1-3.言語を選択しライセンス認証を行う
インストールメディアからの起動が行われると、しばらくしてWindowsロゴが表示され、Windows 11のセットアップが始まります。
ここで選択するのは、以下の4項目です。
- インストールする言語
- 時刻と通貨の形式
- キーボードまたは入力方法
- キーボードの種類
自分が使いたい言語などを選択したら「次へ」をクリックすると「今すぐインストール」と表示されるため、続けてクリックしましょう。
しばらく待機していると「Windowsのライセンス認証」が求められるので、「プロダクトキーがありません」をクリックしてください。プロダクトキーとは、簡単に言えば製品を利用する権利を有しているのか確認するためのものです。
新品のパソコンでセットアップを初めて行う場合、インストール後にライセンス認証を行います。一度プロダクトキーを入力したことがあるパソコンなら、デスクトップが起動した後に自動的に認証されます。
1-4.Window 11のエディションを選択する
次の画面で、Windows 11のエディション(HomeやProなど)を選択しましょう。新品のパソコンならライセンスに応じたエディションを、再インストールによるクリーンインストールなら使用しているエディションを選びます。
再インストールによるクリーンインストールの場合は、異なるエディションを選択するとライセンスの再認証が必要となってしまうためです。
もし、使用しているエディションが分からない場合は、以下のように操作して確認してください。
- 「スタート」から「設定」を開く
- 「システム」の「バージョン情報」をクリック
- 「Windowsの仕様」の欄を確認する
適切なエディションを選択後、下部の「次へ」をクリックすると「適用される通知とライセンス条項」という内容が表示されます。
同意のチェックボックスをオンにしたうえで「次へ」をクリックしましょう。
1-5.インストール種類を「カスタム」に選択する
インストールを行う内容別に「アップグレード」と「カスタム」の2種類が表示されるため、下の「カスタム:Windowsのみをインストールする」を選択してください。
「アップグレード」を選択すると、ファイルや設定などが保持されたままインストールが行われ、クリーンインストールができないため、必ず「カスタム」を選択しましょう。
1-6.ドライブを選択してインストールを開始する
インストール場所の選択に進みます。再インストールによるクリーンインストールの場合は、Windows10やWindows11(これまで使用していたOS)がインストールされているドライブを選択します。新規の場合は「割り当てられていない領域」を選ぶか、パーテーションを新規作成しましょう。
パーテーションとは、1台しかないHDDやSSDの内部に仕切りをつくり、複数台存在しているようにドライブを分ける方法です。バックアップ専用のデータを入れられるドライブとその他のドライブを分けられるため、データの安全性を保ちやすくなります。
新規にパーテーションを作成する場合は、以下のように行います。
- 「新規」をクリック
- サイズの欄に少なくとも「120000MB(120GB)」以上の数値を設定
- 「適用」をクリック
- 「OK」をクリック
- パーテーションが作成されるまで待機
- 「割り当てられていない領域」を選択状態にする
- 「新規」をクリック
- 必要なだけ同じ操作を繰り返す
- Windows 11をクリーンインストールするパーテーションをクリック
- 「次へ」をクリック
特にドライブを分ける必要がないのであれば、パーテーションは作らず、「割り当てられていない領域」をクリックするとインストールが開始されます。
1-7.パソコンが再起動したら初期設定を行う
インストールが完了すると、パソコンの再起動が必要なことを示す画面が出るため「今すぐ再起動」をクリックします。その後、以下の初期設定を行いましょう。
- 使用する言語を選ぶ
- 国や地域の選択を行う
- キーボードレイアウトを確認する
- 2つ目のキーボードの仕様について確認されるため必要に応じて追加
- PCの名前を設定
- 無線Wi-Fiを使っている場合はネットワークへの接続を行う
- Microsoftアカウントへのサインイン
- PINの作成
- 「OneDriveからの復元」または「新しいデバイスとしての設定」を選択
- プライバシー設定の内容を確認し「同意」をクリック
- エクスペリエンスのカスタマイズ(不要ならスキップ)
- アップデートを待機
ここまで行った後、更新作業が完了され次第、Windows 11のデスクトップが表示されます。
2.Windows 11のクリーンインストールができない場合の対処法

Windows 11のクリーンインストールが行えない場合、原因は次のように多岐にわたり、特定が困難なことがほとんどです。
- 接続された外付けデバイスに問題がある
- 作成したクリーンインストール用のメディアに問題がある
- HDDやSSDの容量が少ない
- パーテーションの数が多すぎる
- BIOS/UEFIのバージョンが最新ではない
- セキュアブートがクリーンインストールを阻害している
自力でのクリーンインストールが難しい場合、メーカーへ問い合わせるほか、専門業者へ相談するのも手です。なぜなら自力で原因を突き止めることができずに時間がかかり、エラーのまま先に進めないことがあるあるからです。
専門業者に依頼すると、次のようなサービスが受けられます。
- パソコンが起動できない状態からの解決
- 不具合への対応
- データを保護した状態での復旧
全国に多数の拠点を持ち、訪問修理にも対応したドクター・ホームネットでは、Windows 11へのアップグレードに関するさまざまなトラブルや、アップグレードの代行にも対応しています。
Windows 11のクリーンインストールが自力では難しいと感じた際には、まずは相談してみましょう。
3.Windows 11のクリーンインストールに関するよくある質問

Windows 11のクリーンインストールに関して、実施するメリットやスペックが足りないパソコンでも実施できるのかなど、より具体的に知りたい疑問が浮かんだ方も多いのではないでしょうか。
ここでは、Windows 11のクリーンインストールに関して、よくある質問に回答します。
3-1.クリーンインストールを行うメリットは?
- 短時間で状況を改善できる可能性がある
- 不要なソフトやアプリをまとめて削除できる
- 環境や設定を引き継がないので不具合が起こりにくい
3-2.クリーンインストールにかかる時間は?
3-3.要求スペック外でもクリーンインストールできる?
項目 | プロセッサ | メモリ | ストレージ |
---|---|---|---|
詳細 | 1ギガヘルツ (GHz) 以上で 2 コア以上の64 ビット互換プロセッサ または System on a Chip |
4GB | 64 GB 以上 |
4.始める前にバックアップを!Windows 11のクリーンインストールの正しい手順を実践
クリーンインストールはディスクを初期化することで、不具合が起きる要素などをできるだけ排除した状態でWindows 11をインストールできるというメリットがあります。不具合が起きていた場合でも、解決できる可能性があります。
ただし、クリーンインストールを行うとパソコンに保存されているファイル、個人情報などはすべて削除されます。大切なデータがある場合は始める前に必ずバックアップを取っておきましょう。
Windows 11のクリーンインストールでお困りですか?
今回はWindows 11のクリーンインストールをテーマにして紹介しました。
Windows 11を問題なくクリーンインストールするには事前準備や正しい手順で進める必要がございます。
正しい手順を確認してみたものの、いざやってみると難しく感じた、失敗して起動しなくなった、インストール後一部機能が使えないなど、トラブルでお困りの場合はぜひドクター・ホームネットまでお気軽にご相談ください。