SSDの6つの熱対策とは?適正温度の測定方法から注意点まで紹介
SSD(Solid State Drive)とは、HDDと同様にパソコンのデータを保管する記憶装置のことです。SSDはHDDと比較すると読み書きの速度が非常に高速なため、HDDよりもパソコンの動作が速くなります。
関連して、転送速度の速さによりSSDは熱くなりやすいという特徴もあります。また、SSDが適正温度を超えた状態のまま放置しておくと、パソコンの故障につながるリスクがあります。
この記事では、SSDの適正温度や適正温度を超えた場合の影響、SSDが発熱したときの対策などをご紹介します。本記事を読むことで、SSDの熱対策方法についてしっかり理解できるので、パソコンをより快適に使えるようになるでしょう。ぜひ最後までご覧ください。
SSDの適正温度は0~60度
SSDの適正温度は「0~60度」とされており、60度以下であれば適正温度と判断できます。70度を超えてしまうと、熱暴走を防ぐ安全装置が働き、パソコンの動作を遅くしたり停止させたりすることで適正温度に維持しようとします。
こうしたSSDの温度は、「CrystalDiskInfo」といったフリーソフトを利用することで測定できます。このようなフリーソフトはパソコン内部に組み込まれたパーツのモニタリングが可能で、SSDの使用時間や温度なども手軽に確認できます。SSDの適正温度を確認したい方は、自分に合ったフリーソフトを導入しておき、定期的に温度の状態を管理すると良いでしょう。
SSDが適正温度を超えた場合の2つの影響
ここでは、SSDが適正温度を超えた場合の影響について、大きく2つに分けて詳しくご紹介します。
本来のパフォーマンスを発揮できない
SSDが適正温度を超えた場合、本来のパフォーマンスを発揮できなくなります。たとえば、次のようなことが起きるでしょう。
- 熱暴走を防ぐため、パソコンが強制的にシャットダウンされる
- 読み書きの速度が不安定になり、パソコンの動作が遅くなる
- データの保存ができなくなる
このように、SSDが過熱することでパソコンが正常な動作をしなくなり、SSDのメリットである高速化もできなくなります。そのため、あらかじめSSDの熱対策を行うことは非常に重要です。
パソコンの故障につながる
SSDを高温のまま使い続けた場合、次のようにパソコンの故障につながる諸症状を引き起こし、結果的にパソコンの寿命自体を短くしてしまう可能性があります。
- 何回も強制シャットダウンを繰り返す
- 動作が重くなり、フリーズやブルースクリーンが発生する
- パソコン本体の温度が下がるまでパソコンの電源が入らなくなる
SSDの寿命は5年程度とされていますが、寿命が温度と直結しているため、適切な熱対策を実施しなければ寿命を縮めてしまうでしょう。また、SSDの熱対策をせずに放置していると、突然動作が停止したり、データが破壊されたりするケースもあるため、注意が必要です。
修理対応 | 出張/持込/宅配 |
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対応エリア | 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国15店舗/宅配修理は全国47都道府県 |
実績 | 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの修理実績を当サイト掲載中 |
料金 | パソコン修理 3,300円~ + 基本料金 8,800円~11,000円 |
SSDが発熱したときの6つの対策
SSDが発熱したときの対策は、以下の6つあります。
- 通気口や冷却ファンを清掃する
- 負荷の高い処理を停止させる
- 室内環境を整える
- ヒートシンクを導入する
- 強力なファンを導入する
- パソコン用冷却グッズを利用する
それぞれの対策を把握して、適切に対処しましょう。
パソコンの通気口や冷却ファンを掃除する
まずご紹介するのは、パソコンの通気口や冷却ファンを掃除することです。通気口や冷却ファンにホコリが溜まっていると、風通しが悪くなりパソコンが放熱しにくくなるため、SSDの高温化につながります。
通気口や冷却ファンの掃除は、モップや掃除機、エアダスターなどで行うと効果的です。とくにエアダスターを使うことで、手の届かない部分も綺麗にできるのでおすすめです。
また、放熱しやすさを維持するために、パソコンの通気口の前には何も物を置かないようにすることも重要です。合わせて、冷却ファンがしっかりと回っているのかも確認しておきましょう。もし回っていない場合は、冷却ファンを新しいものに交換する必要があります。
パソコンの掃除は、間違えると故障の原因につながります。そのため、専門家に依頼することもおすすめです。パソコン内部クリーニングを専門家に任せたい場合は、PCホスピタルにご依頼ください。
負荷の高い処理を停止させる
パソコンに負荷の高い処理をさせないことも、SSDが発熱したときの対策です。以下のような作業は、パソコンに高い負荷がかかるため確認しておきましょう。
- 数十GB以上の大容量ファイルのデータ移行を連続で行う
- 動画編集ソフトやイラストソフトなど、パソコンのメモリを圧迫するような重いソフトをマルチタスクで使用する
- 数時間~数十時間連続で動画を見る
パソコンのCPU性能やメモリ容量など全体的なスペックによっても、同じ作業でどれだけ負荷がかかるかは変わります。負荷がかかっている目安としては次の通りです。
- 冷却ファンの音が普段よりも大きい
- ノートパソコンの場合、本体を触ると普段より熱い
- 動作が全体的に重い
- パソコンがフリーズする
- CPUやメモリの使用率が100%に近い
このような場合は不要なアプリケーションを終了させる、複数行っている作業を片方だけにするなど負荷の高い処理を停止させると良いでしょう。また、パソコンの電源を切り、数時間SSDを休ませてあげることも、発熱したときの対策です。
室内環境を整える
室内を適温に保つことも重要です。適切な室内温度の目安は、夏場は28℃、冬場は20℃とされています。
室温が高いとSSD本体の高温化につながることがあるので、注意が必要です。とくに夏の暑い季節や直射日光の当たりやすい部屋だと、室内温度が高くなりやすいため定期的にSSDの温度をモニタリングしましょう。
対策として、暑い季節に家でパソコン作業をする際、エアコンや扇風機などを使用することで、なるべく室内を適温に維持するようにしましょう。また、直射日光が当たる場所にパソコンを設置しないようにするのも大切です。
パソコンを使用する際の室内環境を整える方法について、さらに詳しく知りたい場合、こちらの記事もご覧ください。
室温湿度が高くてパソコンが熱い!夏はPCの熱対策&湿気対策をしよう
ヒートシンクを導入する
熱を吸収し空気中に放熱する「ヒートシンク」を導入する方法もおすすめです。「ヒートシンク」をパソコンの内部に設置すれば、熱を放熱し高温になることを避けられます。
ヒートシンクはパソコン部品を扱う専門店や通販にて、1,000円前後で購入できます。熱伝導シートを貼り付けてゴムで固定するだけなので、初心者でも設置しやすいでしょう。
また、デスクトップ用だけではなく、ノートパソコンに搭載できるヒートシンクもあります。
強力なファンを導入する
設置するスペースがある場合、ファンを増設することもSSDが発熱したときの対策につながります。ファンの増設や性能の良いファンを導入することで、冷却機能を強化できるためです。
ただし、ファンの強化や増設によって、ホコリを吸う量も増えてしまうため、こまめに掃除するのを忘れないようにしましょう。
パソコン用冷却グッズを利用する
パソコン用冷却グッズを使うのも効果的です。 例えば、以下のようなものがあります。価格帯はAmazonで実際に販売されている、相場の金額を記載しています。
パソコン用冷却グッズ | 価格帯 |
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ノートパソコン用 冷却スタンド |
2,000~5,000円 |
USB式送風機 | 1,000~3,000円 |
冷却シート | 500~2,000円 |
パソコン用冷却グッズを選ぶ際は、価格面だけではなく、パソコンのサイズに対応しているのか、冷却効率は高いのか、静音性に優れているのかもチェックしておきましょう。
SSDの熱対策における注意事項
SSDの熱対策における注意事項は、以下の通りです。
- 保冷剤などで冷却しない
- 低温環境での使用を避ける
- 特定のモデルはより熱対策が必要
各注意事項について把握し、正しく熱対策しましょう。
保冷剤などで冷却しない
発熱しているSSDに対して、保冷剤などで冷却することは絶対に避けてください。SSDは精密機器であり水に強くないため、結露の発生や水滴には十分注意しましょう。
もし保冷剤などで冷却した場合、急激に冷えて温度差でパソコン内部に結露が発生したり、保冷剤の水滴が内部に浸透することでパソコンの故障につながる危険性があります。
また、湿度の高い環境下でパソコンを使い続けるのも注意が必要です。結露で水滴がつく可能性もあるため、パソコンのある部屋で洗濯物の部屋干しを避けたり、観葉植物・水槽からパソコンを遠ざけたりすることも重要です。
低温環境での使用を避ける
SSDの使用環境は、高温のみならず低温すぎる環境での使用も避けましょう。基本的に0度以下の温度では、正常に動作せずに起動しないことがあります。さらに、パソコンと使用環境で温度差が大きい場合、結露が発生し故障するリスクもあります。
あらためてSSDの適正温度は0~60度であることを留意しながら、使用環境を適温にすることを念頭におくようにしておきましょう。
特定のモデルはより熱対策が必要
一部のSSDは、処理速度が速い分HDDより発熱しやすいため、入念な熱対策が必要です。たとえば、NVMe接続方式・接続端子としてM.2規格を採用した「M.2 SSD」は性能が高いものの、その分発熱しやすい傾向にあります。
パソコンにNVMe接続方式の「M.2 SSD」を使用している場合、より熱対策が必要となるため、M.2SSD用のヒートシンクを取り付けて熱対策をしっかり行うようにしましょう。
Windows 10で搭載されているSSDの接続方式や規格を確認する方法は、以下の通りです。
SSDの接続方式や規格を確認する手順 |
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規格は表示されないため、ディスクドライブの名前でインターネット検索し、公式サイトやパーツショップなどに掲載されている情報からSSDの規格を判断しましょう。
SSDの熱暴走や不具合は修理業者に相談しよう
もし自分で熱対策を行ってもパソコンが起動しなくなってしまったり、SSDの動作が遅く改善しなかったりする場合は、パソコンの修理・サポートサービスに依頼するのもおすすめです。HDDやSSDの熱暴走はパソコントラブルの中でもメジャーなものの1つで、修理業者であれば修理方法や対策は熟知しています。
メーカーに直接修理を依頼するとデータが初期化されて返ってくるのが一般的ですが、たとえばPCホスピタルであればデータのバックアップをとってから作業するため、仮にSSDが交換となってもデータが残るのがメリットです。また、出張修理であれば全国どこでも365日、電話1本で即日修理を依頼できます。
メーカーであっても修理業者であっても、故障内容によってはまれに修理不可となるケースはありますが、ほとんどの場合は対応できます。多くの修理業者は見積もりを無料で行っており、PCホスピタルも同様です。まずは一度相談してみましょう。
高温のままSSDを使い続けると故障の原因に!適性温度でパソコンを使おう
SSDの適正温度は0~60度であり、もし70度を超えてしまうと、本来のパフォーマンスを発揮できなくなり、パソコンの故障の原因にもなりかねません。SSDの適正温度を保つことでパソコンの寿命自体を延ばすことにもつながるため、SSDの熱対策はとても重要です。
SSDの熱対策には、パソコンの通気口や冷却ファンの清掃、負荷の高い処理を控えること、使用環境の適温維持などが挙げられました。またに、パソコン内部のホコリの蓄積によってもSSDの発熱の要因となるため、定期的に内部のクリーニングを行うのも大切なメンテナンスの1つだと言えます。
修理をプロに任せるのも一つの対処法
前述の対策でSSDの発熱が改善しない場合、SSDやCPUファンの故障、システムエラーなど複数の原因が積み重なってることも考えられます。
パソコンを分解して原因のパーツを交換すれば発熱が改善するかもしれませんが、失敗すれば起動しなくなるなど別の不具合が発生してしまう場合があります。また、ノートパソコンや一体型パソコンは分解の難易度が高く、知識が無ければ修復できない状態に陥る可能性があります。
自力の改善が難しいとお考えの場合はパソコンやデータを守るためにも、プロのパソコン修理業者のPCホスピタルにご依頼いただくことをおすすめいたします。
PCホスピタルはSSDの熱トラブルサポートが可能です
SSDが適正温度を超えたときのトラブルや対処法についてご説明いたしました。
発熱対策はパソコン内部のクリーニングなど複数ありますが、クリーニングはパソコン内部に触れるので、対処次第では起動しなくなるなどトラブルを増やしてしまう可能性もございます。
SSDが高温になってお困りならぜひPCホスピタルに修理をご依頼ください。
修理対応 | 出張/持込/宅配 |
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対応エリア | 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国15店舗/宅配修理は全国47都道府県 |
実績 | 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの修理実績を当サイト掲載中 |
料金 | パソコン修理 3,300円~ + 基本料金 8,800円~11,000円 |
濱﨑 慎一(日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事)
2010年8月、日本PCサービス株式会社に入社。パソコン修理などデジタルトラブルを5年で4500件以上解決。その後、サポート人材育成など、事業責任者として、個人向けデジタルトラブル解決に8年半携わる。2019年より同社にて、法人向けサポートの取締役に就任。また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として業界活性化のため正しいデジタル知識の普及、スマートフォンなどの新しい整備士資格の構築に携わる。
保有資格 パソコン整備士検定 取得