グラフィックボードを増設する基礎知識!確認事項や手順を解説

「グラフィックボードを増設する方法がわからない」「グラフィックボードを増設するときの注意点が知りたい」など、グラフィックボードを増設する基礎知識がわからず、悩んでいませんか。
グラフィックボードを増設することでパソコンの映像処理能力を上げられますが、増設前に確認すべきことやグラフィックボードを選ぶコツがあります。
そこでこの記事では、初めてグラフィックボードを増設する方に向けて、グラフィックボード増設前の確認事項や選び方、増設する方法、注意点、グラフィックボードの増設なしで処理を上げる方法などを紹介します。
本記事を読むことで、グラフィックボードの増設方法を把握でき、不満を感じることなくパソコンを使えるようになるでしょう。
グラフィックボード増設前の確認事項

グラフィックボードを増設する前に、スロットや容量、補助電源コネクタなど下記の点を確認する必要があります。
- 増設するためのスロットはあるか
- 現在の電源で容量は不足しないか
- 補助電源コネクタに余裕があるか
ここでは、グラフィックボード増設前の確認事項を紹介します。
増設するためのスロットはあるか
まずは増設したいパソコンに、グラフィックボードに対応しているスロットはあるのか、事前にチェックする必要があります。グラフィックボードには「PCI Express 3.0 x16」というパソコンと接続するための専用端子があり、パソコン側にこのスロットがなければ、接続できません。
ほとんどのデスクトップに最低1本はありますが、念のため、マザーボードを確認しておきましょう。
また固定部分は、グラフィックボードを押し込むだけで固定できるプッシュ方式と、スライドさせて固定するスライド方式があります。古いパソコンの場合、スライド方式が多い傾向にあり、固定する際にひと手間かかります。
現在の電源で容量は不足しないか
今の電源で容量は足りるのかも、グラフィックボード増設前に確認しておきましょう。
なぜなら、グラフィックボードは大量の電気を使い、電源の容量が不足している場合、動作が安定しないためです。不安定な動作になるだけではなく、動作しない可能性もあります。
補助電源コネクタに余裕があるか
グラフィックボード専用の電源ケーブルである補助電源コネクタについても確認する必要があります。
グラフィックボードは大量の電気を使うため、補助電源があった方が良いです。高性能なグラフィックボードの場合は、特に必要になるでしょう。
増設するグラフィックボードによって、補助電源コネクタに必要となるピンの数などが異なるため、購入前に確認しておきましょう。


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増設するグラフィックボードの選び方

増設するグラフィックボードは、性能やサイズ、出力端子の種類をチェックして選ぶことがおすすめです。その際のチェック項目は下記の通りです。
- 快適に動作する性能
- パソコンのケースに収まるサイズ
- 対応している出力端子の種類
ここでは、増設するグラフィックボードの選び方を解説します。
快適に動作する性能
増設するグラフィックボードは、性能をチェックして選ぶことが重要です。性能を確認せずに選んでしまうと、快適な動作にならないリスクがあるからです。
動画編集用のグラフィックボードを探している場合は、高性能でなくても問題ありませんが、4K動画を編集する場合、3,840×2,160に対応しているグラフィックボードを選ぶことで、編集中の映像を4K画質のまま確認が可能となります。
写真編集用の場合は、使用するソフトが推奨しているグラフィックボードがおすすめです。
ゲームを目的としているケースでは、ゲーム側の必要条件を満たすグラフィックボードを選ぶようにしましょう。
パソコンのケースに収まるサイズ
グラフィックボードのサイズも、選ぶ際に確認するポイントです。長すぎるものや厚みのあるものだと、パソコンケースに収まらない可能性があります。
グラフィックボードのサイズは、ハイエンドのモデルになると大きくなりやすい傾向にあり、使用しているパソコンケースのサイズを事前に確認してから、購入することをおすすめします。
対応している出力端子の種類
出力端子の種類も、チェックすべきポイントです。出力端子は、DVIやHDMI、DisplayPortの3種類あり、4Kの導入を検討している場合は、DisplayPortやHDMI 2.0以降に対応したモデルが良いでしょう。
これらの出力端子は、大容量データを転送できるためです。また出力端子の種類だけではなく、必要な数の端子を備えているかもチェックしましょう。
グラフィックボードを増設する方法

グラフィックボードを増設する手順は、以下の通りです。
- 電源を切り本体に接続中のケーブルを全て抜く
- 増設するグラフィックボードの固定
- ケーブルを再接続してドライバのインストール
- パソコンを再起動して動作を確認
ここでは、グラフィックボードを増設する方法を詳しく紹介します。
電源を切り本体に接続中のケーブルを全て抜く
まずはパソコンの電源を切り、本体に接続中のケーブルを全て抜くことから始めます。電源ユニットからケーブルを抜くときは、スイッチをオフにしましょう。
ケーブルを抜かずにグラフィックボードを増設した場合、パソコンが起動しなくなる可能性があるため、注意が必要です。また、ケーブルを元に戻す自信のない場合は、カメラなどで現状を記録しておきましょう。
増設するグラフィックボードの固定
続いて、グラフィックボードのバックプレートを取り外します。多くのグラフィックボードは2スロット必要になるため、バックプレートを2枚外しましょう。
そしてスロットにグラフィックボードを挿し込み、ネジで固定します。グラフィックボードには、補助電源も忘れずに取り付けましょう。
ケーブルを再接続してドライバのインストール
増設するグラフィックボードを固定した後は、ケーブルを再接続し、電源ユニットのスイッチをオンにします。
パソコンが起動したら、ドライバをインストールしましょう。パソコンの画面表示がおかしくなっているケースがありますが、グラフィックボードのドライバをインストールすれば、正常な状態になります。
ドライバは付属されているディスクや、グラフィックボードメーカーの公式サイトからインストールしましょう。
パソコンを再起動して動作を確認
ドライバをインストールした後、パソコンを再起動させます。インストールを終えた後、「今すぐ再起動」を選択しましょう。
再起動後、動画編集やゲームなど、増設した目的の操作をして動作を確認します。問題がなければ、グラフィックボードの増設完了です。
グラフィックボードを増設する際の注意点

グラフィックボードを増設するときは、以下のような注意点があります。
- 2枚刺しで性能が倍になる保証はない
- 機種によっては外付けで増設する必要がある
ここでは、グラフィックボードを増設する際の注意ポイントを紹介します。
2枚刺しで性能が倍になる保証はない
グラフィックボードの2枚セットは、必ず性能がアップするとは言い切れません。2枚刺しに対応しているマザーボードは限られているだけではなく、対応したマザーボードであっても、使うソフトなどによって性能は倍にはならないためです。
グラフィックボードを増設せず、高性能なものに交換した方が現実的なこともあると認識しておきましょう。
機種によっては外付けで増設する必要がある
一部のゲーミングのノートパソコン以外では、グラフィックボード増設を前提とした作りになっていないことが多く、交換作業が難しいケースもあります。
また、外付けのグラフィックボードも、Thunderbolt 3(Alt Mode)に対応しているノートパソコンでなければ、取り付けられません。
ノートパソコンの機種によっては外付けで増設する必要がある場合や、そもそも増設できない可能性があると認識しておきましょう。
グラフィックボードの増設なしで処理能力を上げる方法

グラフィックボードの増設をしなくても、以下の方法で処理能力を上げることが可能です。
- 必要最低限のアプリしか起動しない
- パフォーマンスを優先したOSの設定
- パソコンのデータの掃除
これらは、お金をかけずにすぐに実行できる方法です。ここでは、グラフィックボードの増設なしで処理能力を上げる方法について紹介します。
必要最低限のアプリしか起動しない
複数のアプリが同時に起動している場合、パソコンの処理能力が奪われてしまい、遅くなる可能性があります。 使用しないアプリは停止しましょう。
普段は常時起動しているようなガジェットも、パソコンの処理能力を使っているため、目的の操作をするとき以外は停止しておきましょう。
使っているアプリにどれぐらい処理能力が使われているか確認する場合は、タスクマネージャーを起動させることで、把握できます。また、タスクマネージャーを起動させ、「タスクの終了」をクリックすれば、アプリを閉じられます。
パフォーマンスを優先したOSの設定
パフォーマンスを優先した設定にすることも、グラフィックボードの増設なしで処理を上げる方法です。デフォルトでは、パソコンの不要な動きが有効になっているため、無効に変更することで、パソコンの動作スピードを上げられるでしょう。
Windowsでは、以下の手順で無効に設定できます。
パフォーマンスを優先したOSの設定手順 |
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この方法ならば、無駄な費用をかけずに処理能力を上げられます。
パソコンのデータの掃除
パソコンのデータをクリーニングすることも、グラフィックボードの増設なしで処理能力を上げる方法です。パソコンのデータを掃除する方法は、以下のようにたくさんあります。
- ディスククリーンアップ
- 不要なプログラムをアンインストール
- 一時的に保存されたファイルを削除
- HDDの最適化(デフラグ) など
ディスククリーンアップも、不要なプログラムをアンインストールすることも、難しい作業ではありません。定期的にパソコン内のデータをクリーニングして、処理スピードを上げましょう。
プロにグラフィックボード増設サポートを依頼するのも対処法

前述の方法でグラフィックボードの増設ができない場合、ケーブルの接続先間違いや電源容量不足など様々な原因が考えられます。
パソコンを分解し、グラフィックボードや他のパーツを適切に交換できれば、改善する可能性はありますが、失敗すれば不具合が発生して修復不可能な状態まで陥ってしまう可能性もあります。
自力での増設が困難だと思われた場合はパソコンやデータの安全のためにも、プロのパソコン修理業者のPCホスピタルに依頼いただくことをおすすめいたします。
PCホスピタルはグラフィックボード増設サポートが可能です
グラフィックボードを増設する前に、スロットや容量、補助電源コネクタを確認する必要があります。増設するためのスロットはあるかや現在の電源で容量は不足しないか、補助電源コネクタに余裕があるかチェックしましょう。
増設するグラフィックボードを選ぶ際は、快適に動作する性能やパソコンのケースに収まるサイズ、対応している出力端子の種類を確認しましょう。4Kの導入を検討している場合は、DisplayPortやHDMI 2.0以降に対応したモデルがベストです。
増設する際の注意ポイントは、2枚刺しで性能が倍になる保証はないこと、機種によっては外付けで増設する必要があることです。グラフィックボードの増設なしで処理スピードを上げたい場合は、必要最低限のアプリしか起動せず、パフォーマンスを優先したOSの設定にし、定期的にパソコンのデータの掃除を行いましょう。
グラフィックボードの増設でお困りの場合は、PCホスピタルにご依頼ください。


修理対応 | 出張/持込/宅配 |
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料金 | 基本料金 8,800円 + パソコン設定サポート 3,300円~ + 出張サポートは2,200円追加 |
濱﨑 慎一(日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事)
2010年8月、日本PCサービス株式会社に入社。パソコン修理などデジタルトラブルを5年で4500件以上解決。その後、サポート人材育成など、事業責任者として、個人向けデジタルトラブル解決に8年半携わる。2019年より同社にて、法人向けサポートの取締役に就任。また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として業界活性化のため正しいデジタル知識の普及、スマートフォンなどの新しい整備士資格の構築に携わる。
保有資格 パソコン整備士検定 取得