iPhone・iPadのデータ移行方法とは?4つの方法を徹底解説

新しいiPhoneやiPadに機種変更したとき、以前まで使用していた端末からデータ移行することで、これまでどおりに端末を使用できます。
そこで紹介するのはデータ移行の方法ですが、主に4パターンあります。それぞれ手順のなかで、パソコンやケーブルが必要な場合もあるので、データ移行するときは他に必要なものがないか確認することも大切です。
この記事では、iPhoneやiPadのデータ移行の方法のみならず、事前の準備次項やデータ移行に関する気になることに関しても解説していきます。
1.iPhone・iPadのデータ移行前の準備事項

スムーズにデータ移行するためにも事前準備が必要なので、まずは次の3点について解説します。
1-1.端末内の不要なデータを削除する
移行するデータが少ないほど移行時間は短縮できます。そのため、不要なデータを移行前に整理しましょう。
iPhoneの写真アプリで削除した写真などは、「最近削除した項目」に30日間保存され、30日以内なら復元できます。
データ移行の際はこの項目からも完全削除してください。完全削除すると復元できなくなるため、削除するときは間違えないようにしましょう。
ここから、データを削除する方法を簡単に紹介します。
- 「最近削除した項目」は写真アプリの「アルバム」から不要な写真を選択後に画面左下の「削除」で完全削除が可能
- 複数の写真を一括削除する場合は「最近削除した項目」の右上の「選択」を選び、完全削除したい写真を複数選択して画面左下の「削除」で可能
- すべての写真を一括削除する場合は上記の方法を同様で、「選択」を選んだあとに画面左下の「すべて削除」で可能
1-2.これまで使っていたIDとパスワードを用意する
データ移行の際は、これまで使用していたAppleIDとパスワードが必要です。自動入力をし続けていて忘れてしまっている場合は、再発行してメモしておきましょう。
iPhone、iPadでのAppleIDの作成方法は次の通りです。
- App Storeをを開き、サインインボタンをタップ
- 「Apple IDを新規作成」をタップ
- 画面表示に従い操作する。このとき設定したメールアドレスがApple IDとなります。
- クレジットカードと請求先情報入力後「次へ」
- 電話番号の確認をして「次へ」
- Appleからの確認メールをチェック
手順4の情報入力は「なし」の選択も可能です。
また、名前とメールアドレスを「iforgot.apple.com」に入力することで、再発行ではなくAppleIDを調べることができます。
1-3.各アプリのデータ移行手順を確認する
写真や動画以外にも、利用する各アプリのデータ移行手順も確認しましょう。
たとえばiPhone同士の場合大半のアプリは移行できますが、アプリによっては独自の操作方法があります。
LINEを例にして紹介すると、LINEはアプリから「アカウント引き継ぎ」を使って移行しなければ正常に移行できないため、失敗すればこれまでのLINEアカウントを引き継げない可能性があります。
その他にも、独自の手順が必要なアプリがあるか確認してからデータの移行を行いましょう。
2.クイックスタートで本体同士のデータを移行する

データ移行の方法の1つに、「クイックスタート」という機能があります。この機能をつかった移行方法を紹介します。
2-1.Apple公式のクイックスタートとは
クイックスタートとは、iOS 12.4以降に搭載されているApple公式の機能です。
iCloudやiTunesとは違い、パソコン、ケーブル、バックアップは不要、ワイヤレスで端末同士をかざすことで写真やアプリの移行ができます。
移行しても送信元の端末にはデータは残ります。不要であれば都度削除しましょう。
2-2.クイックスタートでデータを移行する手順
新しい端末は初期のセットアップをしていない状態で行います。キャリアなどのショップで購入している場合はセットアップ済みのことが多いので、一度初期化する必要があります。
では初期化の方法の順に、データ移行の流れを説明します。
- 【設定】、【一般】、【リセット】の順に進み、【すべてのコンテンツと設定を消去】を選択
- 新しい端末の言語選択画面になると、古い端末には「新しいiPhoneを設定」というようにクイックスタート画面になります。
- 【続ける】をタップし、新しい端末の画面に円形状のアニメーションが表示されるため、古い機種に表示されたファインダーに合わせる
- 古い機種に「新しいiPhoneの設定完了」と表示されたら第1段階は終わり
- 新しい端末の画面に「古い機種のパスコード」を入力
- Face IDやApple Payなどの設定をする。なお、設定はあとからでも可能
- データ移行開始
- 移行終了後、新しい端末が再起動される
手順3にて【続ける】が表示されなかい場合は、Bluetoothがオンになっているか確認しましょう。
移行が完全に終わるまでは、2台の端末は近づけたままにしておいてください。
2-3.クイックスタートのデータ移行にかかる時間
クイックスタートのデータ移行で実際にかかる時間は、何を移行してどのくらいのデータ量なのかによっても異なります。
Wi-Fi環境で行う場合は、およそ1~2時間は見ておいたほうがよいでしょう。少しでも早めたい人は、Wi-Fi通信の集中が比較的少ない朝方~夕方の時間帯がおすすめです。
Wi-Fiが不安定だったりWi-Fi環境がない人はBluetoothで移行もできます。しかしWi-Fiと比べ、Bluetoothはもっと移行に時間がかかることがあり、途中で切れたりする可能性もあります。
そのときは別売りのLightning-USBケーブルや、Lightning-USB 3カメラアダプタをつかって有線接続での移行が可能です。
3.iCloudによるネット接続でデータを移行する

次は、iCloudによるデータ移行の方法を紹介します。
3-1.iCloudによるデータ移行とは
iCloudとは写真やファイルなどのデータをネット上に保存するサービスです。Apple IDでログインすることで自動的にデータを保存してくれます、
主に、古い端末からiCloudにバックアップし、それを新しい端末で復元というような使い方をします。
どの端末からでもデータアクセス可能ですが、保存されたデータは暗号化されているため、パスワードやパスコードを忘れていると取り出しができないので忘れないようにしましょう。
iCloudを利用するには、Wi-Fi環境は必須です。データ移行できるデータは次のようなものです。
- 連絡先
- カレンダー
- リマインダー
- safari
- Wallet
- メモ
- キーチェーン
- 書類とデータ
- 写真
- iPhoneを探す
- メッセージ
また、これらを無料版で保存できる容量は最大5GBまでとなります。写真を多く撮影する人はどんどん溜まっていってしまうので、自動的に保存する機能【iCloud写真】をオフにするか、有料版を購入をしましょう。
有料版は月額制で、使用可能容量を最大2TBまで増やせます。有料版の料金は以下の通りです。
容量 | 料金 |
---|---|
50GB | 130円 |
200GB | 400円 |
1TB | 1,300円 |
2TB | 2,500円 |
※金額は2021年11月時点の税込価格となります。
3-2.iCloudでデータ移行する手順
iCloudをつかったデータ移行の手順を紹介します。
まずはiCloudにバックアップする方法です。
- Wi-Fiを繋げたあと、【設定】、【iPhoneにサインイン】をタップ
- 【Apple ID】と【パスワード】を入力後【次へ】に進む
- 確認コードがSMSへ送信され、コードを入力してiCloudにサインイン
- iPhoneのパスコードを入力
- 【結合】または【結合しない】のいずれかを選択
- 【設定】からサインインしたApple IDをタップ
- 【iCloud】、【iCloudバックアップ】の順に進む
- 【iCloudバックアップ】をオンにして【OK】をタップ
- 【今すぐバックアップを作成】をタップ
- バックアップ終了まで待ち、作成されたバックアップの時間が最新のものであれば完了
続いて、復元する方法です。
- 新しい端末のWi-Fi接続をする
- 【Appとデータ】画面が表示されたあと画面表示に従って進み、「iCloud バックアップから復元】をタップ
- Apple IDとパスワードでiCloudにサインイン
- 選択画面でバックアップを選び、各バックアップの日付とサイスを確認して正しいバックアップを選択
- iTunes StoreやApp Storeのコンテンツを複数のApple IDで購入していた場合はそれぞれのIDでサインイン
- 復元完了まで接続した状態にしておき、画面表示に従って進める。
設定終了後もWi-Fiと電源に接続状態にしておくと、iCloudに保管中の写真などのデータが自動的にダウンロードされます。
3-3.iCloudのデータ移行にかかる時間
iCloudのデータ移行にかかる時間は、Wi-Fiの通信速度で大きく変わります。
通常は1時間程度ですが、バックアップを取るところから始める場合は1~2時間は見ておきましょう。
極力データ移行の時間を短縮したい場合は、移行するデータ量を見直す必要があります。少しでも減らせば、多少時間を短縮できます。
また、移行するデータ量のわりに時間がかかりすぎている場合は、バックアップの作り直しやiOSが最新バージョンか確認、Wi-Fiルーターを再起動するといった対処をしてみてください。
4.パソコンを使ったiTunesでデータを移行する

パソコンをお持ちの人はiTunesをつかってデータ移行ができます。手順やかかる時間についても紹介します。
4-1.iTunesでのデータ移行とは
iCloudはネット経由でデータ移行しますが、iTunesはパソコンにiPhoneやiPadをUSBケーブルでつないでデータ移行します。
この方法では、パソコンにiTunesをインストールする必要があります。パソコンはMacに限らずWindowsでも可能です。iTunesはApple公式サイトからインストールできます。
また、Apple Watchをペアリングしている場合はデータ移行前に解除しましょう。解除することで、Apple WatchのデータがiPhoneにバックアップされます。
4-2.iTunesでデータ移行する手順
iTunesでデータ移行する手順を紹介します。
まずはバックアップする方法です。
- パソコンでiTunesを起動
- パソコンとiPhoneをUSBケーブルでつなぐ
- メニューバーの下に表示されているスマホマークをクリック
- 【今すぐバックアップ】をクリック
- バックアップ開始
- 画面上のステータスバーがAppleマークに変化後、最新のバックアップ日時が表示されたら完了
続いて、復元する方法です。
- パソコンでiTunesを起動
- 【編集】から【環境設定】をクリック(Macは【iTunes】から【環境設定】)
- 【デバイス】から【iPod、iPhone、およびiPadを自動的に同期しない】をチェックしてOKをクリック
- iPhoneとパソコンをUSBケーブルでつなぐ
- 画面上のスマホマークをクリック
- 【バックアップを復元】をクリック
- バックアップ一覧から復元するバックアップを選び、【復元】をクリック(パスワードが必要なときは入力して【OK】をクリック)
- 完了画面が表示されたら終了
4-3.iTunesのデータ移行にかかる時間
iTunesでのデータ移行は、つかうパソコンのスペックや移行するデータ量によって異なりますが、目安として1~2時間ぐらいです。
iCloudの方法と同様に、バックアップと復元でそれぞれ同じくらいの時間がかかります。
あまりに時間がかかりすぎている場合は、パソコンやネット環境に問題がある可能性があります。そのときは一旦復元を諦め、iOSが最新バージョンか確認したり、データ量の整理や他の方法を試してみましょう。
5.キャリア独自のアプリを使いデータを移行する

キャリア3社では、独自のアプリをつかってデータ移行する方法があります。どのようなデータを移行できるのかも含め、詳しく紹介します。
5-1.ドコモでのデータ移行方法
ドコモでのデータ移行は「ドコモデータコピー」というアプリを送受信元の端末にインストールします。このアプリでは、連絡先、画像や動画、カレンダーが移行できます。
それでは手順について紹介します。
- アプリを起動し、画面右上の点3つをタップ
- 【アプリ情報】をタップ
- 【最新バージョンの確認】をタップ
- 【アップデート】をタップ(【アプリ起動】と表示される場合は最新バージョンです)
- 2台の端末を並べ、コントロールセンターを表示させる
- Wi-Fiをオンにし、Bluetoothをオフにする
- 【次へ】をタップし、【はじめる】をタップ
- 送信元は【今までのスマートフォン】、受信元は【新しいスマートフォン】をタップ
- 送信元は【A.iPhone/iPad】、受信元は【A.iPhone/iPad】をタップ
- 【読み取り】をタップし、起動されたカメラで片方のiPhoneに表示されたQRコードを読み取る
- コピーしたいデータを選び、【次へ】をタップ
- 移行中の画面に切り替わり、データ移行完了画面が表示されたら終了
5-2.ソフトバンクでのデータ移行方法
ソフトバンクでのデータ移行は「Yahoo!かんたんバックアップ」をつかいます。このアプリでは、連絡先、アプリ、写真、動画が移行できます。また、利用するのに事前にiCloudの設定が必要です。
それでは、Yahoo!かんたんバックアップの手順を紹介します。
- Yahoo!かんたんバックアップを起動
- 【ログイン】をタップ
- スマートログイン設定済みのYahoo!JAPAN IDで【ログインする】をタップ
- 【設定する】をタップし、写真、動画、連絡先へのアクセスを許可する
- 【設定する】をタップし、アプリの案内に従って進む
- 自動バックアップのため、位置情報に関する内容について【常に許可】をタップ
- バックアップ状況のお知らせのため、通知に関する内容について【許可】をタップ
- 完了画面が表示されたら設定終了
復元する手順は次の通りです。
- 新しい端末でYahoo!かんたんバックアップを起動
- 【ログイン】をタップ
- スマートログイン設定済みのYahoo!JAPAN IDで【ログインする】をタップ
- 画面下の【復元】を選び、復元したいデータを選択
- 連絡先がバックアップされている場合は【連絡先】項目のチェックを外して【復元】をタップ
- 100%になれば終了
バックアップや復元の手順3は、Wi-Fiを切ってモバイルデータ通信の環境で行いましょう。
5-3.auでのデータ移行方法
auでのデータ移行は「データお預かりアプリ」をつかいます。このアプリでは、連絡先、写真、動画、カレンダー、パスワード情報が移行できます。
- 【データお預かりアプリ】を起動
- 【利用を開始する】をタップ
- 【空メールを送信画面へ】をタップ
- 【送信】をタップ
- au IDログインが完了したら【OK】をタップ
- 画面の案内に従って各アクセス権に対し【OK】または【許可】をタップ
- 【預ける】をタップ
- 預けるデータにチェックし、【預ける】をタップ
- モバイルデータ通信を開始の画面で【開始する】をタップ(Wi-Fi環境があればWi-Fiを利用する)
- 保存完了となればバックアップ終了
復元の手順は次の通りです。
- 新しい端末で【データお預かりアプリ】を起動
- 【利用を開始する】をタップ
- 【空メールを送信画面へ】をタップ
- 【送信】をタップ
- au IDログイン完了後【Ok】をタップ
- 画面の案内に従って各アクセス権に対し【OK】または【許可】をタップ
- 【戻す】をタップ
- 戻したいデータにチェックを入れ【戻す】をタップ
- モバイルデータ通信を開始の画面で【開始する】をタップ(Wi-Fi環境があればWi-Fiを利用する)
- 復元完了画面が表示されたら終了
6.iPhone・iPadのデータ移行に関するQ&A

データ移行に関して、ちょっとした気になる疑問をQ&A形式で解説します。
6-1.データ移行をどこかに依頼できるのか
基本的には、データ移行は自分で行う必要があります。しかし事情があって自分でできない場合、大手キャリアでは有料ですがやってもらうことはできます。
キャリア以外でも、最寄りのiPhone修理専門店でもデータ移行をしてもらえます。
全国に300拠点あるPCホスピタルでは、パソコンやスマホなどのトラブルに電話1本で出張対応いたします。データ移行に関するサポートも行っていますので、まずは相談してみましょう。
6-2.古い端末の内部データはどうすればよいか
データ移行しても古い端末にはデータが残りますが、もしも下取りや売却を考えている場合は削除しておきましょう。サブの端末として残しておく場合は、削除しなくても問題ありません。
6-3.Androidとのデータ移行は可能か
iPhoneからAndroid、AndroidからiPhoneへというデータ移行は可能です。ただし、以下のものは移行できません。
- SMS、MMSのメッセージ履歴
- Androidと互換性がないアプリ
- LINEのトーク履歴、コイン残高
- Apple Payの情報
アプリは、同じアプリだとしても互換性がなければ移行できません。ただし、対応しているアプリもあるため、アプリの公式サイトなどを確認してみましょう。
iPhoneやiPadのデータ移行は慎重に行いましょう
iPhoneやiPadのデータ移行は、「クイックスタート」、「iCloud」、「iTunes」、「キャリアのアプリサービス」のいずれかの方法で行います。
USBケーブルやパソコンが必要だったりと、事前の準備が必要な方法もありますが、いずれにせよ自分の実行しやすい手段でデータ移行してみましょう。
それでも難しい場合は、キャリアの有料サービスを利用するか、iPhoneの修理専門店に相談してみてください。