Windows 11にアップグレードする前に知るべき7つの注意点

目次
Windows 11へのアップグレードにはいくつか注意しなければならない点があります。これらの注意点を把握しておくことで、スムーズにWindows 11にアップグレードすることができるでしょう。
そこで、この記事ではWindows 11に関する7つの注意点を紹介します。他にも、Windows 11の基本的なアップグレード方法やアップグレードするメリット、トラブル対処法などを取り上げます。
本記事を読むことで、Windows 11にアップグレードする注意点を理解でき、トラブルなくパソコンを使い続けられるようになるでしょう。
1.Windows 11に関する7つの注意点

Windows 11に関する注意点は、以下の通りです。
- 性能の低いパソコンではアップデートできない
- HOMEエディションではネットへの接続が必須
- アプリが動かなくなる可能性がある
- ロールバックは10日間まで
- 複数の機能が削除されている
- 新規の不具合が起きる可能性がある
- 将来アップグレードが有償化される可能性がある
ここでは、各注意点について詳しく解説します。
1-1.性能の低いパソコンではアップデートできない
システム要件を満たさなければ、Windows 11にアップグレードできません。Windows 11 をパソコンにインストールするための最小システム要件は、以下の通りです。
- プロセッサ:1GHz以上で2コア以上の64ビット互換プロセッサ、もしくはSoC
- メモリ:4GB
- ストレージ:64GB以上
- グラフィックスカード:DirectX12以上 (WDDM2.0ドライバー)
- ディスプレイ:対角サイズ9インチ以上、8ビットカラーの高解像度 (720p)
システム要件は、Microsoftが提供する「PC正常性チェックアプリ」で簡単にチェックできます。
1-1-1.要件を満たしたプロセッサでも一部は非対応
Microsoftのサポートは、Intel製の場合は2017年後半以降、AMD製の場合は2018年中盤以降の発売製品のみのため、要件を満たしたプロセッサでも一部は非対応であることを認識しておきましょう。
仮にインストールできても、Microsoftのサポート対象外になるため、動作が安定するとは限りません。特に4~5年以上前のパソコンや、プロセッサ(CPU)を交換できないノートパソコンは、注意が必要です。
1-2.HOMEエディションではネットへの接続が必須
Windows 11のHomeエディションをセットアップする際、Windows 10とは異なり、ネットに接続しなければパソコンを使えるようになりません。仕事向けのProエディションの場合は、ネット接続なしでも設定できますが、HOMEエディションではネットへの接続が必須です。
また、Homeエディションをセットアップする際、Microsoftアカウントでサインインすることも求められるため、アカウントを持っていない場合、作成する必要があります。ネット接続とMicrosoftアカウント作成が必須だと認識しておきましょう。
1-3.アプリが動かなくなる可能性がある
アプリや社内システムが対応しているか確認することも、Windows 11に関する注意点です。各アプリの公式がWindows 11に対応しないと正常に動かない可能性があります。
仕事で使っているパソコンでは、社内システムが使えなくなり業務に支障が出ることもあるため、注意しましょう。
1-4.ロールバックは10日間まで
Windows 10に戻すロールバックは、「Windows 11をインストールしてから10日以内」となっていることも注意点です。Windows 10からのアップグレードでは、インストールから10日を超えると、Windows 10に戻せません。
Windows 10へのロールバックは、以下の手順で行えます。
- 「設定」を選ぶ
- 「システム」の「回復」を選ぶ
- 「回復オプション」の中にある「復元」を選ぶ
- ロールバックする理由を答えて「次へ」を選ぶ
- アップデートのチェックについて聞かれたら「行わない」を選ぶ
- 注意事項を読み「次へ」を選ぶ
- 「Windows 10に復元する」を選ぶ
またロールバックした際、バージョンアップ後にインストールしたアプリなどのデータが保持されないことも注意しましょう。
1-5.複数の機能が削除されている
Windows 11にアップグレードすることで、一部の機能が削除されます。削除される主な機能は、以下の通りです。
- 数式入力パネル
- ロック画面の簡易ステータス
- タイムライン
- ウォレット
- Internet Explorer 11 デスクトップアプリケーション
- 「スタート」の名前付きグループとアプリのフォルダー など
アップグレードする前に、よく利用していた機能がないか確認しておきましょう。
1-6.新規の不具合が起きる可能性がある
まだ報告されていない不具合が生じることも、Windows 11に関する注意点です。Windows 11は、2021年10月5日に正式リリースされたばかりであり、2021年11月段階では、さまざまな不具合が発生しています。
随時更新で修正されているものの、予期せぬ不具合が起き、パソコンの動作が安定しない可能性があるでしょう。
1-7.将来アップグレードが有償化される可能性がある
Windows 11へのアップグレードが将来的に有償になる可能性があることも注意点です。現状、Windows 10からWindows 11へのアップグレードは無料になっています。
しかし、Windows 10の時は、販売開始から1年間の無償アップグレードだったため、Windows 11もいつか有償になる可能性はあるでしょう。
2.Windows 11の基本的なアップグレード方法

Windows 11へのアップグレードは、さまざまな方法で行えます。ここでは、Windows 11の基本的なアップグレード方法を3つ紹介します。
2-1.Windows Updateからアップグレードする場合
Windows Updateからアップグレードする方法は、以下の通りです。
- 「設定」を選ぶ
- 「アップデートとセキュリティ」を選ぶ
- 「アップデートをチェックする」を選ぶ
- アップグレードの旨が表示され「ダウンロードとインストール」を選ぶ
- その後は画面の指示に従い作業を進める
Windows 11の動作要件を満たしているパソコンには、Windows Updateを通して通知が届くようになっています。また、Windows Updateからアップグレードする方法は、公式が推奨しています。
2-2.インストールメディアでアップグレードする場合
ネット接続のない環境でアップグレードしたい場合は、「インストールメディア」を作成することで実現可能です。インストールメディアを作成する際は、メディア作成ツールをダウンロードしましょう。ダウンロードした後のやり方は、以下の通りです。
- メディア作成ツールを実行
- ライセンス条項「同意する」を選ぶ
- 「言語とエディション」の選択が正しい場合は「次へ」を選ぶ
- 作成するメディアを「USBフラッシュドライブ(USBメモリ)」もしくは「ISOファイル」から選び「次へ」を選ぶ
2-3.インストールアシストでアップグレードする場合
アップグレードの通知が来ない場合は、「Windows 11 インストールアシスタント」でアップグレードする方法もあります。インストールアシスタントをダウンロードすることで、パソコンが動作要件を満たしていることをチェックし、アップグレードしてくれます。
画面の指示に従い作業を進めれば、手軽にアップグレードできるでしょう。また要件を満たしていないケースにおいては、「PC正常性チェック」の実行に導くお知らせが届くときもあります。
3.Windows 11にアップグレードするメリット

上記で紹介した注意点を読み、アップグレードを躊躇している方も、いるのではないでしょうか。ここでは、Windows 11にアップグレードするメリットを詳しく見ていきましょう。
3-1.アイコン中心の直感的なインターフェース
Windows 11にアップグレードするメリットは、アイコン中心の直感的なインターフェースになっていることです。
Windows 11は、画面左下にあった「スタートメニュー」がなくなり、あらゆる機能に画面中央下部にあるアイコンからアクセスできるようになっています。また、アイコンがファイル名よりも見えやすくなっています。
なぜアイコン中心の直感的なインターフェースになっているのかと言えば、スマホなどの普及によって、たいていのユーザーがアイコンを中心に操作していることなどを踏まえているからです。
3-2.セキュリティの強化でパスワードレスも採用
セキュリティの強化も、Windows 11にアップグレードするメリットです。パスワードを使わず、顔認証や生体認証でMicrosoftアカウントが作成できたり、セキュリティモジュール「TPM 2.0」を義務付けたりしているからです。
セキュリティ面が気になるという場合は、Windows 11へのアップグレードを検討しましょう。
3-3.デフォルトでチャット機能を搭載
チャット機能が搭載されていることも、Windows 11にアップグレードするメリットです。デフォルトで家族向けMicrosoft Teamのチャット機能が使えるようになっており、気軽にチャットや通話、ビデオ通話を楽しめます。
しかも無料で利用できたり、カレンダーなどと連動していたりする特徴もあります。無料でチャットを楽しみたい場合も、Windows 11はおすすめです。
4.Windows 11アップグレード時のトラブル対処法

Windows 11アップグレード時のトラブルは、以下の方法で対処できます。
- Microsoftのサポートを利用
- 所有するパソコンメーカーのサポートセンター
- 最寄りのパソコン修理専門業者に相談
万が一の時にそなえて、Windows 11アップグレード時のトラブル対処法も把握しておきましょう。
4-1.Microsoftのサポートを利用
Microsoftのサポートを利用することで、アップグレード時のトラブルを対処できます。Microsoftのサポートは、問い合わせアプリやブラウザから受け付けています。
日本のMicrosoftのテクニカルサポートの電話番号は「0120-00-8449」です。
4-2.所有するパソコンメーカーのサポートセンター
パソコンメーカーのサポートセンターを利用することも、アップグレード時のトラブル対処法です。各パソコンメーカーの公式HPなどで、最新のサポート状況を確認できます、
またメーカーによっては、チャットのサポートなども用意されています。所有するパソコンメーカーのサポートセンターも活用するとよいでしょう。
4-3.最寄りのパソコン専門業者に相談
パソコン専門業者に相談することもおすすめです。パソコン専門業者は、Microsoftのサポートやパソコンメーカーとは異なったサービスを提供しています。
パソコン専門業者の利用を考えている場合は、ドクター・ホームネットにご相談ください。ドクター・ホームネットは、次のようなパソコンに関するサポートを提供しています。
- パソコンの初期設定・接続
- セキュリティ対策
- Windows 11へのアップグレード
- Windows 11からWindows 10へのダウングレード など
ドクター・ホームネットでは、「アップグレード中にフリーズ」「アップグレード後、画面が表示されない」といったトラブルも受け付けています。
5.Windows 11に関するQ&A

Windows 11に関してのよくある質問も見ていきましょう。
- いつアップグレードしたらよいのか
- Windows 10はいつまで使えるか
- アップグレードにどれだけの時間がかかるか
よりWindows 11について理解を深めたい場合は、ぜひ参考にしてください。
5-1.いつWindows 11にアップグレードしたらよいか
Windows 11へのアップグレードは、最初にアップグレードしたいパソコンメーカーの対応を確認しましょう。各パソコンメーカーの公式サイトでは、対象機種や動作確認製品一覧など、Windows 11への対応情報が公開されています。
仕事で使っているパソコンであれば、社内のシステム担当などに相談してからアップグレードしましょう。
5-2.Windows 10はいつまで使えるか
Windows 10は、2021年現在、2025年10月14日までMicrosoftのサポートがあります。そのため、Windows 10のサポートが終わる2025年10月14日までにWindows 11にアップグレードする必要があります。
2025年10月14日以降も使えるものの、不具合があってもサポートはないため注意しましょう。
5-3.アップグレードにどれだけの時間がかかるか
アップグレードに必要な時間は、パソコンのスペックや通信速度などによって異なります。
目安としては、ダウンロードに約2時間かかり、再起動に約30分です。
Windows 11は注意点を把握してアップグレードしよう
Windows 11にアップグレードする際、さまざまな注意点があります。システム要件を満たさなければアップグレードできなかったり、HOMEエディションではネットへの接続が必須だったり、複数の機能が削除されていたりします。
またWindows 11は、2021年10月5日に正式リリースされたばかりであり、2021年11月段階では、予期せぬ不具合が起き、パソコンの動作が安定しない可能性があるでしょう。
現状、Windows 10からWindows 11へのアップグレードは無料になっているものの、将来的に有償になる可能性があることも注意点です。
ただし、Windows 11にアップグレードすることで、アイコン中心の直感的なインターフェースになっていたり、セキュリティの強化でパスワードレスも採用されていたり、メリットは多いです。Windows 11の注意点を把握してから、アップグレードしましょう。