Windows 11で起きるアップグレードエラーを解消!成功させるコツを紹介

目次
2021年10月より配信が開始されたWindows 11ですが、アップグレードを行った際にエラーが起きてしまい、どうにかして元に戻したいとお悩みではありませんか。
そこでこの記事では、Windows 11のアップグレードに関し、報告されているエラー例や、あらためてアップグレードを行う場合に、成功させるためのポイントを解説します。
エラーが起きた場合の対処方法である、ダウングレードについても併せて紹介していますので、参考にしてください。
1.Windows 11へのアップグレードに関するエラー例

Windows 11へのアップグレードで起きた不具合に対応するには、まずどのようなエラーなのか判断する必要があります。ここでは、起こりうる不具合の例とその原因を解説します。
1-1.Windwos 11アップグレード中のエラーコードが表示される
エラーコードが表示された後、アップグレードが停止してしまう不具合です。
Windows 11のシステム要件を満たしていたとしても、発生する場合があります。
表示されることがあるコードは、たとえば次の内容です。
- 0x8007007f
- Ox8COF0830 – ox2W03
エラーコードとは、なんらかのエラーが処理中に発生した際に、その種類や内容を表示した番号のことをいいます。
上記の2つのエラーコードのうち「0x8007007f」については、いくつかの解決方法が提示されています。
- 再起動後、管理者権限で「インストール アシスタント」を実行
- 最新ドライバーをダウンロードした後に再度実行
- Windows 11のディスクイメージをダウンロード後、エクスプローラーから「setup.exe」を実行
後者の「Ox8COF0830 – ox2W03」については、まだ明確な対処や適切な回避策は明らかとなっていません。ドライバーに関連している、という可能性もあります。
1-2.Windows 11のアップグレードが終わらない
アップグレードを始めてから明らかに時間がかかった後、「待っていても終わらない」や「再起動ができない」といった不具合が生じる場合もあります。
デバイスドライバーの問題や、インストール中にネットワーク通信が不安定になり、失敗してしまったことが原因として挙げられます。
Windows 11にアップグレードを行う際、「Windows Update」が多用され、適合しないドライバーに自動更新されてしまうのも原因の1つです。
Windows 11のアップグレードにかかる時間の目安としては、オンライン会議などを不自由なく行えるスペックのノートパソコンで、ダウンロードも含めて約2時間から2時間30分前後は必要なケースもありますので、時間に余裕のあるときに実施しましょう。
1-3.Windows 11アップグレード後、ネットに繋がらない
アップグレード自体は完了しても、ネットにつながらない不具合が生じる場合があります。
原因として、Wi-Fiの設定が初期化されてしまった、パソコンに内蔵されている無線LANデバイスがWindows 11に対応していないなどの理由が挙げられます。
まずはパソコンで有線接続を行える場合は、有線でもネットにつながらないか確認してみてください。有線LANならネットにつながる場合は、Wi-Fiの設定を確かめてみましょう。
1-4.Windows 11アップグレード後、アプリが正常に起動しない
アップグレードを行った後に、一部のアプリが起動しても突然切れたり、特定の挙動が行えないといった不具合です。
Windows 11側がリリース直後のため不安定なことも要因ですが、そもそもアプリがまだWindows 11に対応していないこともあります。
まずは正常に起動しないアプリの公式サイトを確認し、Windows 11に対応しているか確認してください。対応していない場合はそのアプリの使用をやめるか、Windows 10へダウングレードを行い、対応後に改めてWindows 11へアップグレードしましょう。
1-5.Windows 11アップグレード後、パソコンが本来の性能を発揮しない
CPUなどパソコンの部品とWindows 11の組み合わせ次第では、パソコンが本来の性能通りに動かなくなることがあります。
アップデートやオプションパッチが行われることで随時解消される場合もありますが、時間がかかってしまいます。ゲーミングパソコンや仕事で使っているパソコンのように、動作が重くなると生活や仕事に支障をきたす場合は、アップグレードをすぐには行わず様子を見るのもよいでしょう。
また、不具合の報告やアップデートがないか、使用しているパソコンのメーカーサイトを確認しておきましょう。
1-6.Windows 11アップグレード後、周辺機器がパソコンから動作しない
周辺機器がWindows 11に対応していない場合、アップグレード後に周辺機器の動作が安定しなくなる場合があります。
周辺機器はディスプレイやスピーカー、USBハブ、外付けHDDなど、パソコンを利用する際に外部から接続した機器のことです。
たとえばプリンター関連の接続エラーがリリース後には問題となりました。アップデートによって多くの問題が解決しつつありますが、利用している周辺機器がWindows 11に接続してもよいか、確認しておくと安心です。
2.Windows 11のアップグレードを成功させるポイント

アップグレードを成功させるポイントは、次の5つです。
- 管理者権限でのアップグレードを試す
- 終わらない場合はセーフモードを利用する
- アップグレード後にネットワークの設定を確認する
- 最新のWindows 11のアップデートを探す
- 動作しないアプリや機器の更新情報を探す
もう一度アップグレードを行う前に、チェックしておきましょう。
2-1.管理者権限でのアップグレードを試す
管理者権限を持つユーザーとしてアップグレードを行うことで、Windwos 11アップグレード中のエラーコードが表示される不具合が出ることなく、正常に完了する可能性があります。
これは管理者権限のあるユーザーは、すべてのシステムとアカウント全体に変更を行うことができる権限を持っているためです。アップグレードを行う前に、次の手順で今のアカウントが「標準」ではなく「管理者」になっているか確認してみましょう。
- 下部にあるWindowsマークから[設定]を選択
- [アカウント]→[家族とその他のユーザー]の順に選択
- 登録されているアカウントの[アカウントの種類の変更]を選択
- プルダウンメニューから「管理者」を選択
- [OK]を選択
この状態で、インストールアシスタントをMicrosoft公式サイトからダウンロードしましょう。その後は表示通りに進めていくことで、アップグレードが完了します。
2-2.終わらない場合はセーフモードを利用する
どれほど待ってみてもアップグレードが終わらない場合は、セーフモードを起動し、自動修復後にもう一度アップグレードを行うという方法があります。
まずは、使用しているパソコンのメーカーごと、Windowsのセーフモードを起動させる方法を検索します。自動修復が完了次第、もう一度アップグレードを行いましょう。
なお、アップグレードにかかる時間はパソコンによって異なり、実際にアップグレードを行った以下のスペックのパソコンでは、Wi-Fi環境下でアップグレード完了まで約2時間を要しました。
- 2021年モデル(デスクトップ)
- メモリ16GB
- CPU Intel(R) Core(TM) i7-10700
Wi-Fi環境下だったこともあってか、最終的にプログラムダウンロードに1時間ほどかかっています。ネット上では、12時間以上かかったケースも報告されているため、ひとまず放置して様子をみることも一つの方法です。
2-3.アップグレード後にネットワークの設定を確認する
無線LAN(Wi-Fi)ではインターネットに接続できない場合は、ホーム画面からネットワークの設定を確認してみましょう。
確認方法は、以下の通りです。
- 画面下部にあるWindowsマークを選択
- スタートメニューから[設定]を選択
- メニューから[ネットワークとインターネット]を選択
- [Wi-Fi]を選択
この時、Wi-Fiがオンになっており、普段使用しているWi-Fiに接続が完了できているか確認します。機内モードになっていたり、Wi-Fiのパスワードなど設定が初期化されていたりする可能性があるためです。
Wi-Fiがオンとなっている場合は、ネットワークの設定を初期化することで問題が解決するかもしれません。ネットワーク設定の初期化は、次の手順で行います。
- 画面下部にあるWindowsマークを選択
- スタートメニューから[設定]を選択
- メニューから[ネットワークとインターネット]を選択
- [ネットワークの詳細設定]を選択
- スクロールして[ネットワークのリセット]を選択
- [今すぐリセット]のボタンを選択
- 確認メッセージの[はい]をクリック
なお、この方法を行った後は、Windowsが5分経過後、自動的にシャットダウンします。必要なデータは、あらかじめ保存しておきましょう。
再起動後、再びWi-Fiの設定をやり直します。
2-4.最新のWindows 11のアップデートを探す
Windows 11の最新アップデートがないか、設定のメニュー画面にある[Windows Update]を確認してみましょう。
更新プログラムが新たに来ていたとしても、起動した時間帯や更新プログラムのチェックのタイミングによっては、適応されていないことがあるためです。この場合、更新することで、周辺機器やアプリの不具合が解決する可能性があります。
- 設定画面を開いた後、[Windows Update]を選択
- [更新プログラムのチェック]をクリック
- 更新プログラムが見つかると自動でダウンロード
- ダウンロード後、インストール開始
インストール後、再起動が求められることもあります。作業の内容や不具合の状況に応じて、再起動に対応しましょう。
2-5.動作しないアプリや機器の更新情報を探す
最新の更新情報を、それぞれのアプリや機器の公式サイトで探しましょう。適用していないと分かったアプリや機器があれば、アップグレード前にアンインストールする、機器を外してアップグレードするといった対処が行えます。
Windows 11は、2021年10月とリリースして間がありません。期間を開けることで修正が完了し、アップグレード後の不具合が出なくなっている可能性があります。
アプリや機器のデバイスを確認して、対応の有無を確かめたうえで対処しましょう。
3.解消しない不具合はダウングレードで対処する

どうしても解決しない不具合に対し「ダウングレード」を行うことで、解消できるかもしれません。ここではダウングレードとは何か、どのように対処すればよいかについて解説します。
3-1.Windows 10へのダウングレードとは
Windows 11へアップグレードした後であっても、10日以内であればデータを保ったままWindows 10へ戻せる仕組みのことをダウングレードといいます。
アップグレード前のWindows 10で使用していた際、起きたことのないエラーなら、ダウングレードによって解決する可能性が高いです。
3-2.Windows 10へダウングレードする手順
ダウングレードをする際には、次の手順で進めていきます。
- 念のためバックアップをとる
- メニューから[システム]を選択
- メニュー内にある[回復]を選択
- 回復オプションの[復元]を選択す
- 「以前のバージョンに戻す理由をお聞かせください」から該当するものにチェックを入れ[次へ]を選択
- 「アップデートをチェックしますか?」の[行わない]を選択
- 「知っておくべきこと」を確認し[次へ]を選択
- 「ロックアウトされないようにご注意ください」を確認し[次へ]を選択
- [Windows 10に復元する]を選択
この後、再起動が行われ、Windows 10へのダウングレードが実行されます。
3-3.インストールメディアがあるならいつでもダウングレード可能
インストールメディアを持っている場合は、アップグレードから10日を過ぎてもダウングレードが可能です。
インストールメディアとは、Windowsを再インストールできるように、あらかじめUSBドライブやDVDなどにデータを書き込んでおいたものを指します。
ただし、この方法でダウングレードを行う場合、クリーンインストールを行う必要があります。クリーンインストールとは、ファイルやアプリなどがすべて削除され、工場出荷時の状態へパソコンが戻ってしまうことを指します。
クリーンインストールをしたうえで、あらためてインストールメディアでWindows 10をインストールするので、もし不具合が確認できた場合は、ダウングレードを10日以内に行った方が手間は少なくてすみます。
4.自力で不具合が解決できないときの対処法

Windows 11のアップグレードで生じた不具合は、自力で解決することも可能です。
しかし「不具合を解決できる方法をネットで検索したけど、何から手を付けたらいいか分からない」という場合には、事態が悪化する前に専門家のサポートを受けた方がよいこともあります。
連絡先は、大きく分けて3つです。
- Microsoft公式のサポートに連絡
- アップグレードしたいパソコンのメーカーに相談
- 専門業者の不具合の解消を依頼
Microsoftの公式サポートに問い合わせたい場合は「Microsoft Store サポートに問い合わせる」のページにある問い合わせ専用アプリから問い合わせることが可能です。
パソコンのメーカーへ問い合わせる場合は、各サポートセンターをあらかじめ公式サイトで検索しましょう。メールや電話、チャットなど、各メーカーごとに対処法が違うためです。
特に購入から時間が経ってしまったパソコンの場合は、対応してくれる製品や問い合わせ先も異なることがあるため、あらかじめ確認しておきましょう。
また、修理専門店に依頼し、不具合の解決を図る方法手もあります。ドクター・ホームネットは、データ復旧・救出、起動しない状態からの回復、設定サポートなど、アップグレードで起きうるエラーに幅広く対応しています。
個人で対応するのは難しい、と思ったらドクター・ホームネットへ一度、相談してみてください。
ドクター・ホームネットにWindows 11のアップグレードトラブルを相談する
5.Windowsのアップグレードに関するQ&A

アップグレードでエラーが起きてしまったことにより、さまざまな疑問が浮かんでいる方もいるかと思います。ここでは、アップグレードに関する2つの疑問にお答えします。
5-1.Windowsのアップグレードは必須なのか
結論から言えば、Windows 11へのアップグレードは必須ではありません。
アップデートの場合は、基本の部分は変えずに不具合の修正などに対応するため、随時行った方が安定して使用しやすくなります。
一方、アップグレードは基本の部分から新しいものへ作り変えることで、性能を向上させるために行うものです。基本の部分が変わってしまうため、たとえば「まだドライバーが対応していない」といった場合には、Windows 11へのアップグレードを行わないのも1つの選択です。
ただし、アップグレードでバージョンが変わってしまうと、大きなアップデートが来なくなってしまいます。Windows 10のサポート終了日として公表されている2025年10月14日までには、アップグレードを行うようにしましょう。
5-2.アップグレードするメリットはあるのか
Windows 11へのアップグレードで得られるメリットは、大きく分けてセキュリティ面の強化とリソース管理の改善による利便性の向上の2つが挙げられます。
セキュリティ面については、近年増加するサイバー攻撃からパソコンを保護する強化策が挙げられます。Windows 10よりも、セキュリティの基準が高くなる可能性も示されているため、安心してパソコンを使い続けたい人にとってはメリットがあるでしょう。
また、現時点ではWindows 10に比べると、メモリやCPUをより効果的に使うことで、サクサクと軽い操作性を実現しているとされます。今後のアップデートによっては変わる可能性もありますが、普段の使い心地がより良いものになる可能性もあります。
Windows 11のアップグレードは不具合が出ても慌てずに対処しよう
Windows 11へのアップグレードは、準備をしたうえで取り組んでも、さまざまな要因から不具合が出てしまう場合があります。不具合が出た場合に慌てないように、バックアップをとり、普段使用しているソフトや機器の更新情報を集めたうえで実行することをおすすめします。
また、万が一、不具合が出た場合でもダウングレードを使用することで10日以内であれば、Windows 10へ戻すダウングレードが可能です。
不具合でパソコンに致命的なエラーが出る前に、ドクター・ホームネットへご相談ください。データ保存やOS更新に関するサポートも行っています。