画面に「OperatingSystemNotFound」と表示された!原因と解決方法を紹介

目次
パソコンの不具合はある日突然やってくるものです。不具合といっても様々ですが、黒い画面に白文字で「OperatingSystemNotFound」と表示された場合は正常に起動できなくなります。
このような不具合が起きる原因や解決方法はあるのでしょうか。この記事では、「OperatingSystemNotFound」と表示された場合の原因と解決方法を中心に、修理が必要な場合の方法についても紹介します。
1.「OperatingSystemNotFound」が表示される主な原因

「OperatingSystemNotFound」と表示される原因として、主にパソコン本体のエラーやシステム側のエラーが関係しています。
何が原因か分かれば早急に解決できます。ここでは、原因や注意点を詳しく説明します。
1-1.内蔵ストレージの物理的な破損
内蔵ストレージの物理的な破損は「物理障害」と呼ばれています。
この物理障害を起こしているとパソコンが内蔵ストレージを認識できず、「OperatingSystemNotFound」が表示されてしまうのです。
物理的な破損では、部品交換やファームウェア修復が必要であり、修理には専門的知識が必要不可欠です。
自己流での修復は難しく、逆に状態が悪化する可能性があるため、作業に不安のある場合は個人で行わないようにしましょう。
また、物理障害を起こしているときに通電すると、「カチカチ」や「ジージー」といった音がすることがあります。通電し続けると状態が悪化するので、すぐに中止してください。
1-1-1.磁気ヘッドの障害
特に多い原因として挙げられるのが、物理的な衝撃や劣化などで起こる「磁気ヘッド障害」です。
磁気ヘッドとは、データが記録される磁気ディスクに読み書きを行うための重要な装置です。
そしてHDDに内蔵されている円盤状の部分を「プラッタ」と言いますが、磁気ヘッドとプラッタの隙間は10mm程度ととても狭く、その2つが接触をすれば障害を起こしてしまいます。
症状としては、「カチカチ」や「カタカタ」といった音です。普段聞いたことのない音がした場合は、磁気ヘッドの障害を疑いましょう。
また、異音がするのに通電し続けた場合、プラッタが傷ついて障害がさらに酷くなります。二度とデータが取り出せなくなることもあるので、通電はすぐに中止してください。
1-1-2.HDDのモーター障害
HDDのモーターは、磁気ディスクを高速回転させるための重要な装置です。
モーターが故障することは滅多にないことですが、強い衝撃を与えたり読み書き中に電源を切るなど、回転不良や異音が起きたり正常な読み込みができなくなることがあります。
障害を起こしているのに通電し続ければ、磁気ヘッドの障害と同様に状態がさらに悪化するリスクがあるので、すぐに使用を中止しましょう。
1-2.システムに致命的なエラーが起きている
内蔵ストレージ内のデータやファイルが破損している状態を「論理障害」と言います。主に、PC起動中の停電、ウイルス感染、操作ミスによる起動ファイルの削除が原因に挙げられます。
特に、操作ミスによる原因が多く、データやファイルを削除する際には注意が必要です。
その他、以下のような症状も起こします。
- フォーマットの要求
- 頻繁にフリーズ
- ブルースクリーンが表示される
- 勝手にファイル名が変わる
- ファイルが開けない
症状的に論理障害と思っても、実は物理障害だったということも有り得ます。判断が難しいので、異常が見受けられたら修理に出すのがおすすめです。
1-3.BIOSが外部HDDから起動されている
BIOSは優先順位が設けられており、順位に従ってキーボードやマウスなどの各ドライブの起動を担っています。通常、OSから起動しますが、何かが原因で外部HDDから起動されてしまうことがあります。
昔のPCで例えると、かつてはフロッピーディスクが標準されていた時代、挿入されたまま起動するとBIOSがOSを起動しないことがありました。
これらの対処法については次項で解説します。
2.「OperatingSystemNotFound」が表示されたときの解決方法

- BIOSからHDDの参照先を確認する
- BIOSから起動デバイスの順位変更を設定する
- BIOSの設定を初期化する
- Windowsのスタートアップ修復を行う
- MBR/BCDを修復する
- 増設したHDDを取り外す
- Windowsを再インストールする
パソコンの状態に合わせた方法で解決に導きましょう。
2-1.BIOSからHDDの参照先を確認する
パソコンに認識されていないことで「OperatingSystemNotFound」が表示される可能性があるため、BIOSからHDDの参照先を確認する必要があります。
確認手順は次の通りです。
- パソコンの電源を切り、再度入れ直す
- BIOSの起動キーを連打する
- ハードディスクの項目にハードディスク名が表示されているか確認
BIOSの起動キーは、パソコンやマザーボードのメーカーごとに異なります。詳しくは以下の一覧を参考にしてください。
メーカー名 | 起動キー |
---|---|
ASUS | F2 |
HP(Compaq) | F10 |
NEC | F2 |
dynabook | F2 |
VAIO | F2 |
DELL | F2またはCtrl+Alt+Enter |
Dynabook | F2 |
Panasonic | F2 |
HP | F2 |
富士通 | F2 |
Lenovo(IBМ) | F1 |
なお、パソコンの機種によってはBIOSの起動キーが異なる場合もあります。その際は、説明書の記載を確認するかメーカーサポートへ問い合わせて、起動キーを確認しましょう。
続いて、マザーボードメーカー別の一覧です。
メーカー名 | 起動キー |
---|---|
Intel | F2 |
ECS | Del |
ASROCK | F2 |
ASUS | DelまたはTABでPOST停止 |
MSI | Del |
ギガバイト | Del |
これらの起動キーは、PCが起動するときにメーカーロゴが表示されるので、その際に数秒間押す必要があります。
また、手順3のハードディスクの項目の確認では、「HDD1/SSD1」や「Primary Master」を確認します。
表示される位置や見方はマザーボードによっても異なるので、マニュアルなどを確認しましょう。
2-1-1.HDDが認識されていなかったときの確認事項
HDDの参照先を確認した際に、ハードディスクの項目に「Note」や「Not Detected」が表示されていた場合は、HDDが認識されていない証拠です。
接続の問題の可能性があるので、この場合は以下の方法を試してみましょう。
- BIOSでハードディスクの認識を自動設定に切り替える
BIOSの設定画面にて「Note」や「Not Detected」が選択できる場合は、「Enterキー」を押し、「Auto」または自動に切り替え設定保存します。
2-2.BIOSから起動デバイスの順位設定を変更する
BIOSは、事前に設定しておいた起動順位でハードウェアを読み込み、初めに見つけたOSを起動させる仕組みです。
この順位設定に問題がある場合、正しく読み込むことができず、「OperatingSystemNotFound」と表示されてしまいます。
そこで起動デバイスの順位設定を確認し、問題があれば変更する必要があります。変更の仕方は以下の手順です。
- 電源を入れ、BIOSの起動キーを連打する
- 「Boot Menu」または「Change Boot Order」の項目を選ぶ
- 起動順位を確認し、Windows 10をインストールしているディスクの順位を最上にする
- 変更後は、BIOSの設定保存をして再起動する
手順1の起動キーは、先述した一覧を参考にしてください。
手順2での項目がない場合は、「Advanced Mode」内のメニューを確認してみましょう。
手順3で最上に移動させる場合は、「Enterキー」と矢印キーを使って変更できます。
2-3.BIOSの設定を初期化する
BIOSの設定を変更したことで「OperatingSystemNotFound」の表示があった場合は、設定を初期化することで、修復できる可能性があります。
初期化する方法は以下の手順です。
- 電源を入れ、BIOSの起動キーを連打する
- 「Exit」のメニューを選ぶ
- 「Load Setup Defaults」を選び、Enterキーを押す
- 確認メッセージが表示された後、「Yキー」で入力して初期化
- PCを再起動させる
手順3での項目がない場合は、BIOSのファンクションキーに「Load Setup Defaults」がないか確認してみましょう。
2-4.Windowsのスタートアップ修復を行う
Windowsが起動できない問題は、スタートアップ修復で自動的に修復可能です。
スタートアップ修復は以下の手順です。
- Windows 10のインストールメディアを作成したUSBメモリを接続
- PCを起動させ、ファンクションキーを連打
- 「Boot Menu」を開き、「インストールメディアのデバイス(USBメモリ等)」を選んで「Enterキー」を押す
- Windows回復環境が起動後、「コンピューターを修復する」を選ぶ
- 「トラブルシューティング」を選ぶ
- 「スタートアップ修復」を選ぶ
- スタートアップ修復が完了後、再起動させる
手順1のWindows 10のインストールメディアとは、Windows 10を再インストールする際に必要となるメディアのことです。一般的に8GB以上のUSBメモリに作成し、他のPCでも作成可能です。
あらかじめ作成しておけば、何かトラブルが起きたときにもすぐ行動に移せます。
インストールメディアを作成していない場合は、作成してからスタートアップ修復を行ってください。作成は以下の手順です。
- ブラウザから「Windows 10のダウンロード」にアクセスし、ツールを今すぐダウンロード」を選んでメディア作成ツールをダウンロードする
- USBメモリを挿し込み、メディア作成ツールを起動する。実行操作選択画面にて、「別のPCのインストールメディアを作成する」を選ぶ
- 言語、アーキテクチャ、エディションの選択画面では、「このPCにおすすめのオプションを使う」のチェックを外す。エディションではWindows 10を選び、アーキテクチャは「両方」を選びましょう。
- インストールメディアの選択画面にて、「USBフラッシュ ドライブ」を選ぶ
- インターネットするUSBメモリを選ぶ。表示されていない場合はUSBメモリを挿し直し、「ドライブの一覧を更新する」を選んでください。
2-5.MBR/BCDを修復する
MBR(マスターブートレコード)またはBCD(ブート構成データ)が破損していることで、「OperatingSystemNotFound」が表示されている可能性があります。
MBRとは、PCの電源を入れてHDDやSSDにアクセスした際に最初に読み込まれる部分のことで、どのようにHDDにアクセスするべきかが示されている地図のようなものです。
BCDとは、OSの起動時の構成情報を格納している倉庫のようなものです。
これら2つが破損した場合ブート領域の修復で解決できるので、以下の手順を行ってみましょう。
- インストールメディアからWindows回復環境を起動
- 「コンピューターを修復する」から「トラブルシューティング」の順に進む
- 「コマンドプロンプト」を選択して起動させる
- ブート領域の修復コマンドを順に入力し、「Enterキー」で実行
- 1~4終了後、コマンドプロンプトを閉じて電源を切る
- USBメモリを外し、再起動させる
手順4の修復コマンドは以下の通りです。記載通りの順に入力してください。
- bootrec.exe /fixmbr
- bootrec.exe /fixboot
- bootrec/exe /rebuildbcd
2-6増設したHDDを取り外す
HDDの増設によって「OperatingSystemNotFound」が表示された場合は、HDDの問題があることが考えられるため、一旦取り外す必要があります。
HDDを取り外してからPCを起動してください。複数のUSBデバイスを接続している場合は、キーボードとマウス以外を外してエラー表示されないか確認してみましょう。
2-7.Windowsを再インストールする
これまでの解決方法を試しても改善されない場合は、システムドライブやブート領域に問題が生じている可能性があります。
そのため、Windowsを再インストールして、一旦システムドライブとブート領域をリセットしてみましょう。
ただし、データは全て消えてしまいます。あくまで最終的な手段として行いましょう。「新たに開始」で再インストールする場合の手順は以下の通りです。
- 「スタート」から「設定」を開く
- 「更新とセキュリティ」を開く
- 「回復タブ」から「Windowsのクリーンインストールで新たに開始する方法」を押す
- 「アプリを切り替えますか?」のダイアログボックスが表示されたら「はい」
- Windowsセキュリティのダイアログボックスが表示されたら「開始する」
- ユーザーアカウント制御のダイアログボックスが表示されたら「はい」
- 「新たに開始」のダイアログボックスが表示されたら「次へ」
- 「お使いのアプリは削除されます」のダイアログボックスが表示されたら「次へ」
- 「警告」のダイアログボックスが表示されたら「次へ」
- 「始めましょう」のダイアログボックスが表示されたら「開始」を選ぶと、再インストールが始まる
2-8.本体のHDDを交換する
ここまでソフト側の改善方法をご紹介しましたが、パソコン本体のHDDが物理的に故障している場合には、HDDの交換が必要となります。
HDDは高い場所からの落下や水没、振動や衝撃を受けるなどの外的要因によって故障する可能性があります。
以下のような症状が起こる場合はHDDの交換を検討したほうが良いでしょう。
- 異音、異臭、発熱がある
- フォーマットが促される
- BIOSがハードディスクを認識しない
- OSが起動しない
- 頻繁に再起動・フリーズする
3.パソコン修理に対応できる店舗の種類

エラー表示がずっと続く場合には修理が必要です。パソコンの修理には、メーカー修理、家電量販店、修理専門店の3通りがあります。
それぞれの特徴を説明していくと共に、どのような人に向いているのかも説明していきます。修理するときの参考にしてみてください。
3-1-1.メーカー修理の特徴
メーカー修理に向いているのは以下のような人です。
- メーカー保証期間内である
- 交換部品は純正が良い
- メーカーの有償サービスに加入している
メーカー修理に依頼する場合、PCを購入したメーカーのサポートセンターなどに連絡を取り、指定先に依頼品を送ります。
メーカーは製品について詳しい上に、交換部品も純正品であることから、信頼して依頼できるメリットがあります。
メーカー保証は基本的に購入から1年間とされており、期間内であれば無償対応してくれるため、保証期間を調べてみましょう。保証期間を延ばす有償サービスに加入している人にも向いています。
ただしメーカー修理は受付から修理されて戻ってくるまで時間を要することがあります。急ぎで修理したい人は他の選択肢にしましょう。
3-1-2.家電量販店の特徴
家電量販店での修理に向いているのは以下のような人です。
- その製品を家電量販店で購入している
- 家電量販店の保証期間内である
家電量販店でPCを購入していた場合、修理が可能です。基本的にはその店舗で購入した場合に限りますが、他店で購入したものでも受付可能な家電量販店もあります。
また、依頼受付は店舗のケースがほとんどです。依頼品は修理センターに送られ、修理してから戻ってきますが、メーカー修理同様時間がかかります。
3-1-3.パソコン修理専門店の特徴
修理専門店での修理に向いているのは以下のような人です。
- メーカーや家電量販店では修理できない
- なるべく費用を抑えたい
- すぐに修理してPCを使用したい
- データを消さずに修理したい
修理専門店は、メーカーや家電量販店では難しいようなことでも、修理に特化しているので対応してくれる可能性があります。
修理専門店は全国様々にあり、お店によってサービス内容や料金は異なります。
メーカーにはない部品を取り扱っていたり、既にメーカーでサポートが終わっている製品の修理をしてくれる場合もあります。店舗への持ち込み依頼や宅配での依頼も可能です。
ドクター・ホームネットでは、的確に修理箇所を診断し、事前見積もりをさせていただきます。PC関連トラブルでお困りの際は、ご相談ください。
エラー表示で困った時は専門家に依頼しましょう
ある日突然起きるエラー表示「OperatingSystemNotFound」は、主に内蔵ストレージの物理的な破損による物理障害、もしくはデータやファイルの破損による論理障害が原因とされています。
いくつか解決方法がありますが、もし試しても改善しない場合は、専門的な知識をもつ業者に任せるのがおすすめです。