パソコンのバックアップができない時の原因と5つの対処法を解説

パソコンのウイルス感染や故障に備え、いざ、パソコンのバックアップを行おうとしてもエラーが出てきてしまったり、反応しないなどの理由で手が止まってしまっている方もいるのではないでしょうか。
データのバックアップができない場合、パソコン内部の問題や接続したメディアの問題、設定が変更されているなどの原因が考えられます。
本記事では、パソコンを使い慣れていない方や初心者の方でも分かるよう、手順を踏んで解消法も解説していますので是非本記事を参考に、ご自身のパソコンのバックアップを完了させましょう。
パソコンのバックアップができない原因

バックアップができない原因として、下記の5つが考えられます。
- 破損したデータファイルがある
- ファイル履歴のバックアップ設定に問題がある
- Windowsサービスが正常に起動していない
- 外部ドライブやメディアに問題がある
- システムドライブやハードディスクに問題がある
ここでは、原因に注目していますので、ご自身のパソコンの状態を確認しつつ、次の章で対処方法を解説していきます。
破損したデータファイルがある
元々のデータファイルが破損している状態だとバックアップができない可能性があります。
また、バックアップの途中で停止したり強制終了など行うとファイルが破損する事があるので、そのような行為は極力避けましょう。
ファイル履歴のバックアップ設定に問題がある
ファイル履歴というのは、通常、自動でバックアップすることができる機能を指すのですが、そのファイル履歴が適正に動作しない場合、ファイル履歴の設定に問題があると考えられます。
ファイル履歴は有効に設定していればバックアップが取れますが、音楽データや放送などの著作権保護されている場合もバックアップが取れないので確認しましょう。
著作権保護されているデータのバックアップ方法はデータを取り込んでいるアプリごとに変わるので、使用アプリのサイトなどでバックアップの方法をご確認ください。
Windowsサービスが正常に起動していない
Windowsサービスというのは、Windowsの管理ツールの一種でバックグラウンドで長時間実行されているプログラムをいいます。
通常、プログラムを起動するには管理者が開始や停止などを実行する必要がありますが、Windowsを起動させたタイミングからWindowsサービスはバックグラウンドで実行されているため、わざわざ開始や停止をしなくてもWindows起動時に実行することができます。
しかし、Windowsサービスが正常に起動していないとプログラムの実行ができない他、バックアップもできなくなる可能性があるので次の章をご確認ください。
外部ドライブやメディアに問題がある
パソコン自体の問題ではなく、外付けのドライブやメディアが正しく接続されていない場合や容量が不足しているなどの問題が生じている際にもバックアップができないことがあります。
正しく接続できない場合、単にちゃんと挿されていない・USBポートからの供給電力が足りない・製品の故障などが考えられます。こういった症状がある場合には、1度抜いてもう1度接続してみたり、他の外部ドライブを接続し製品自体に問題があるのか確認してみましょう。
また、容量が不足している場合、「空き容量が不足しています」という表示が出たり、個々のファイル自体も保存できなくなる可能性があります。
簡単に容量を確認する方法はタスクバーの「エクスプローラー」をクリックし、左側にある「PC」をクリックすると「デバイスとドライブ」の欄から確認することができます。
正しく外部ドライブなどが接続できている方は、容量に不足がないかも確認してみましょう。
システムドライブやハードディスクに問題がある
システムドライブとは、一般的にOSやソフトなどが保存されているハードディスクのことを指し、「Cドライブ」とも呼ばれています。「Dドライブ」という表記もよく目にしますが、これはデータドライブと言われ、OSなどが保存されてはいないものの音楽や画像のデータなどを保存できるハードディスクです。
このシステムドライブや外付けなどの外部ハードディスクに破損や問題があると、バックアップできない可能性があるため次の章で詳しく解説していきます。


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パソコンのバックアップできない時の5つの対処法

原因を確認していただいたうえで、ここからはそれぞれの対処法を解説していきます。
- 破損したデータファイルを削除する
- ファイル履歴のバックアップ設定に問題がある
- Windowsサービスが正常に起動していない
- 外部ドライブやメディアに問題がある
- システムドライブやハードディスクに問題がある
何が原因か分からない方も順々に対処法を確認していただくと、「設定が異なっていた」など見つけることもできますので、是非ご参考ください。
破損したデータファイルを削除する
まずは、データファイルに不具合がないかを調べる必要があるので、データファイルを確認する方法と破損しているファイルを削除する方法を下記でご紹介します。
- 「Windowsスタートボタン」をクリックし、「Windows管理ツール」を選択
- Windows管理ツールの中にある「イベントビューアー」をクリック
- イベントビューアーの画面が表示されるので、左側にある「アプリケーションとサービスログ」をダブルクリック
- アプリケーションとサービスログの中にある、「Microsoft」をダブルクリックし、「Windows」をダブルクリック
- 次に「FileHistory-Engine」をダブルクリックすると中央画面に「ファイル履歴のバックアップログ」が表示されるのでダブルクリック
- ログが表示され、「情報」という欄にエラーの表示があれば、そのエラーをダブルクリックし、エラーの詳細を確認
- よく確認したうえで、破損しているデータファイルがある場合にはそのファイルをごみ箱に移し、ごみ箱を空にする
※データファイルが破損している場合は、そのデータを削除することでバックアップが可能になる場合もありますが、大切なデータが含まれている際も復元できない可能性があるので、削除する際は自己責任で慎重に行うようにしてください。
6の工程でエラーの詳細を見ると何故エラーになっているのか原因を調べることができます。「全般」というタグを見るとエラーの原因が記されていますが、いまいちよく分からない方はその下の「イベントID」と「ソース」という部分を見て、インターネットで検索してみましょう。
膨大なエラーの種類がありますが、よく見かけるのは「イベントID:201」「ソース:FileHistory-Core」です。このエラーの場合、ファイル名で全角や半角、カタカナやひらがなの表記が異なるものの、内容は同じファイルがあるとバックアップできない事があるようです。
例えば1の場合は全角の括弧でカタカナは全角であるのに対し、2は半角の括弧でカタカナは半角を用いています。
1.(2021.1)提出用書類オオイシ.doc
2.(2021.1)提出用書類オオイシ.doc
このような表記違いが原因でエラーになる可能性もあるので「イベントID:201」「ソース:FileHistory-Core」のエラーが表示されている方は確認してみましょう。
ファイル履歴から以前のバックアップ設定を削除する
下記のファイル履歴のリセット方法を※でご確認のうえ、お試しください。
- 「Windowsボタン」をクリックし、「設定」をクリック
- 設定画面が表示されるので、「更新とセキュリティ」をクリック
- 左側にある「バックアップ」をクリック
- 「ファイル履歴を使用してバックアップ」の所の「その他のオプション」をクリック
- 画面が表示されたら下へスクロールして、「詳細設定の表示」をクリック
- 「ファイル履歴」が表示されるので、「オフにする」をクリック
- 上のアドレスバーに「 %USERPROFILE%\AppData\Local\Microsoft\Windows\FileHistory\」を入力
- FileHistoryのフォルダが表示されたら、その中の「Configuration」フォルダを選択し、右クリックで削除していく
- 6の工程で「オフ」にした設定を「オン」に戻す
※8の工程で削除する際は、以前のバックアップが全て消えてしまうので自己責任で慎重に行うようにしてください。
以上で、ファイル履歴のリセットが完了しました。保存先ドライブなどの設定変更が必要な方は、3の工程で開いたバックアップの画面から設定を変更できます。
Windowsサービスの状態を確認し正常に直す
- 「Windowsボタン」をクリックし、「Windows管理ツール」を選択、「サービス」をクリック
- サービスの画面が表示されるので、「File History Service」「Volume Shadow Copy」「Windows Search」のそれぞれを確認
- 各々の名前をダブルクリックし、プロパティを表示
- 「全般」の「スタートアップの種類」を「自動」にし、「サービスの状態」の「開始」をクリック
- 「File History Service」「Volume Shadow Copy」「Windows Search」のそれぞれを同じ方法で変更
上記の方法を行った後、ファイル履歴のバックアップを再びお試しください。
他の外部ドライブやメディアに変更する
まずは、外付けのドライブなどの問題であるのか確認するために下記を行ってみましょう。
- 「Windowsボタン」をクリックし、「設定」の「更新とセキュリティ」をクリック
- 左側にある「バックアップ」をクリックし、「その他のオプション」をクリック
- 下へスクロールして「別のドライブにバックアップする」の下の「ドライブの使用を停止」をクリック
- 1つ前の画面へ戻り「ドライブの追加」をクリック
- 今まで使っているドライブではなく、別のドライブを選択し「その他のオプション」をクリック
- 「今すぐバックアップ」をクリックし、問題ないか確認
5の工程では、本来使用したかったドライブに問題があるのかを検証するので、最初に使用していたドライブではなく別のドライブを使用しましょう。
上記で使用できた場合には、やはり正しく接続できていない可能性や容量に問題があると考えられます。
正しく接続できていない場合は解除して再度接続するだけで問題が解決することもありますが、容量が原因の場合はバックアップ対象のフォルダーを減らし、再度バックアップを行ってみましょう。
ディスクチェックを行う
ディスクやドライブに問題がないか調べるためにはディスクチェックを行うことで調べることができます。ディスクチェックの手順は下記の通りです。
- 「Windowsロゴキー」を押し、「Windowsシステムツール」の「エクスプローラー」をクリック
- エクスプローラーが表示され、左側のクイックアクセスなど表記があるナビゲーションから「PC」を選択
- 右側の「デバイスとドライブ」が表示されるので、「エラーチェックしたいドライブ」の上にカーソルを動かし、右クリックして「プロパティ」を選択
- プロパティの画面が表示されるので、上の「ツール」タブをクリック
- ツールが表示されるので、「エラーチェック」の「チェック」をクリック
- 「このドライブはスキャンする必要はありません」と表示が出るので、下の「ドライブのスキャン」をクリック
- 少し待ち「お使いのドライブは正常にスキャンされました」という表示が出れば「閉じる」をクリック
7の工程でエラーが検出された場合は「このドライブを修復する」という表示が出るので、下の「ドライブの修復」をクリックします。
この方法で改善しない場合は、ハードディスクに問題がある可能性があるため、別のハードディスクを使用するか、故障が考えられるハードディスクを修理業者へ修理依頼しましょう。
PCホスピタルでは、パソコンのデータ復旧やバックアップも代行しております。
「データを消したくない」という方は一度ご相談ください。詳しくはこちら。
正しいパソコンのバックアップ手順

ここまででパソコンのバックアップができない原因と対処法を解説してきましたが、ここからは改めて正しいパソコンのバックアップ方法を解説していきます。
正しいパソコンのバックアップ手順は主に下記の2種類です。
- 残しておきたいデータだけをバックアップする方法
- システムイメージでパソコン全体をバックアップする方法
残しておきたいデータだけをバックアップする方法というのは、システムイメージの作成と異なり必要な部分だけをバックアップする方法なので、比較的短い時間ででき、日頃から行える手軽なバックアップ方法です。
一方、システムイメージでパソコン全体をバックアップする方法は、パソコン全体的にバックアップを行うため比較的時間がかかります。しかし、パソコンを使用しない夜間などの時間を有効活用するなど工夫することで、ストレスなくバックアップすることができるでしょう。
では、正しいパソコンのバックアップ手順を解説していきますが、その前に基礎としてバックアップを行う際に使用するメディアについて少し触れたいと思います。
パソコンをバックアップするメディア一覧
パソコン内のデータをバックアップするにはメディアが必要です。
様々な種類のメディアがあり、何を選べばいいのか分からないという方はメディアの種類別に特徴を表でまとめましたのでご参考ください。
メディア名 | 特徴 |
---|---|
USBメモリ | 小型で手軽に使用でき、現在は容量も大きい製品も出ている。しかし、静電気や水気に弱く、紛失しやすいのでバックアップに使用する際は注意が必要。 |
SDカード | USBメモリ同様に小型で手軽に使用でき、デジタルカメラなどに用いられている半導体記憶機器。しかし、小型で薄いので扱いは要注意。 |
ハードディスク | 大容量で安価なものが多く、バックアップ先としてよく用いられる。しかし、円盤を高速回転させて磁気ヘッドを移動させることで読み出しするため、衝撃や振動に弱い。 |
SSD | 半導体素子メモリを用いた記憶媒体で、コンパクトなうえ、衝撃に強く読み出しの速度が速い。しかし、容量が少ないものが多く、価格が高い。 |
DVD・ブルーレイ | 容量に対して単価が安い。しかし、データの書き込みに時間がかかる。 |
クラウドサービス | わざわざ記憶機器を購入せずともネットワーク上にデータを保管することができる。しかし、ネットワーク環境が整っていないとデータの読み出しが遅くなったり、利用できなくなることもあるので注意が必要。 |
パソコンをバックアップする手順
この方法は、パソコン全体をバックアップするわけではなく、大事な書類のデータや大切にしている画像・音楽など、残しておきたいものだけをバックアップする方法です。
この方法では、外付けのハードディスクやUSBメモリーなど外部メディアが必要になります。用意しましたら、早速下記を参考にデータのバックアップを行ってみましょう。
- 「Windowsボタン」をクリックし、「設定」の「更新とセキュリティ」から「バックアップ」を選択
- バックアップの画面が表示されるので、「その他のオプション」をクリック
- 「ドライブの追加」をクリックし、接続したドライブをクリック
- 「ファイルのバックアップを自動的に実行」が「オン」になったら「バックアップ対象のフォルダー」の「フォルダーの追加」をクリック
- バックアップしたい対象のフォルダーをクリックし、「このフォルダーを選択」をクリック
- バックアップ対象にフォルダーが追加されたか確認し、上の方にある「今すぐバックアップ」をクリック
パソコンをシステムイメージする手順
システムイメージはパソコン全体的にバックアップする方法です。システムイメージをする場合には、外付けのハードディスクが必要になります。
OSなどに不具合が生じパソコンの動作がおかしくなった際も、パソコンを初期化せずにシステムイメージを利用してバックアップした時点に回復することも期待できるので、時間に余裕がある時には作成することをおすすめします。
では、下記を参考にシステムイメージの作成を行いましょう。
- 「Windowsボタン」をクリックし、「Windowsシステムツール」の「コントロールパネル」をクリック
- コントロールパネルが表示されるので、「システムとセキュリティ」をクリック
- システムとセキュリティの中の「バックアップと復元」を選択し、左側にある「システムイメージの作成」をクリック
- 接続したドライブを選択し、「次へ」をクリック
- バックアップしたいものにチェックマークを入れ、「バックアップの開始」をクリック
プロにバックアップのサポートを依頼するのも対処法

記載の対処法でパソコンのバックアップができない場合、OSのシステムエラーや内蔵HDD/SSDの破損など様々な原因が組み合わさってることも考えられます。
システムの復元や内蔵HDD/SSDを交換することで改善するかもしれませんが、失敗すれば更に状態が悪化してしまうことも考えられます。また、ノートパソコンや一体型パソコンは分解の難易度が高く、知識が無ければ修復できない状態に陥る可能性があります。
バックアップが難しいとお考えの場合はパソコンやデータを守るためにも、プロのパソコン修理業者のPCホスピタルにご依頼いただくことをおすすめいたします。
PCホスピタルはWindowsのバックアップができないトラブルのサポートが可能です
パソコンのバックアップができない場合、パソコン内部と接続しているメディアに問題が生じていると考えられます。
使用するドライブやメディアに問題がないか調べてみましょう。また、「設定はいじったことがないから確認しなくて大丈夫」という方も中にはいるかもしれませんが、強制終了やウイルス感染など自身で設定を変更していなくても、設定が変更されてしまっているケースもあります。
パソコンのバックアップができない場合は、ぜひPCホスピタルにバックアップのサポートをご依頼ください。


修理対応 | 出張/持込/宅配 |
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対応エリア | 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国15店舗/宅配修理は全国47都道府県 |
実績 | 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの修理実績を当サイト掲載中 |
料金 | 基本料金 8,800円 + パソコン修理 3,300円~ + 出張サポートは2,200円追加 |
濱﨑 慎一(日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事)
2010年8月、日本PCサービス株式会社に入社。パソコン修理などデジタルトラブルを5年で4500件以上解決。その後、サポート人材育成など、事業責任者として、個人向けデジタルトラブル解決に8年半携わる。2019年より同社にて、法人向けサポートの取締役に就任。また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として業界活性化のため正しいデジタル知識の普及、スマートフォンなどの新しい整備士資格の構築に携わる。
保有資格 パソコン整備士検定 取得