パソコンのファンの音がうるさい時の原因と対処法を解説

この記事にたどり着いた方の中には、作業中のパソコンから「ブーン」や「ジー」という、ファンの音が響いてきて、うるさい思いをしている方が多いのではないでしょうか。
パソコンのファンは、熱対策のための機能です。しかし、ホコリの付着などの原因により、パソコン内部が高温になった際にうまく冷却できず、大きな音をたてることがあります。
「ファンそのものが故障してる」といった、専門家の助けが必要な原因も考えられるため、原因に合わせた対処が必要です。
そこで、本記事ではパソコンのファンがうるさくなる原因と、その対処法を解説します。
この記事を最後まで読むことで、パソコンのファンがうるさい原因を知って、正しく対処できるようになりましょう。
パソコンのファンの音がうるさい時の原因
パソコンのファンから「ブーン」や「ジー」など、大きな音が聞こえてきた場合、下記の4つが原因として考えられます。
- パソコンに負荷のかかる作業を実行している
- パソコン内部の温度が高い
- パソコンのファンの故障
- CPUの故障
ファンの音がうるさい時の原因をそれぞれ紹介します。
パソコンに負荷のかかる作業を実行している
パソコンの内部パーツの温度が高くなるような、負荷のかかる作業を行っているとファンの音がうるさくなる場合があります。
負荷のかかる作業とは、次のようなものです。
- 動画の編集
- 3Dが使用された高精細なゲーム
- 複数のアプリやソフトの実行
- イラストソフトなどの起動
- 長時間のパソコンの連続使用
負荷がかかるとパソコンのファンがうるさくなるのは、そもそもパソコンのファンが空気の流れを作って、パーツの温度を下げるための仕組みであるためです。
パソコンにとって、高温は大敵です。内部温度が高くなりすぎると、最悪の場合はデータが紛失したり、パーツが故障したりすることがあります。
したがって、通常の利用で特に故障がなくても、負荷がかかりパソコンが熱くなるとファンがうるさくなってしまう場合があります。
パソコン内部の温度が高い
ファンが回転してもパソコン内部の温度が十分に下がらず、さらにファンが回転し音がうるさくなることがあります。
ホコリによる吸気口や排気口の風通りの悪化や、ファン表面にタバコのヤニや油分が付着することにより、冷却効果が下がってしまっているためです。
ノートパソコンにカバーを取り付けている場合、ファンの排気口がカバーで覆われてしまい、ノートパソコンが熱くなることがあります。
また、パソコンを設置している部屋の温度が高い場合も、ファンによる冷却効果が下がることがあります。
パソコンのファンの故障

年単位で使用しているパソコンの場合、ファン自体が故障して動作音がうるさくなっている場合があります。
ファンの音は、ファンが回転数が上がるごとにうるさくなります。故障や劣化したファンは冷却性能が高くないため回転数が上がり、ファンの音がうるさくなりがちです。
また、ファンの軸がずれたり、破損したりして、音をたてている場合もあります。
ファンはケースやCPUなど部品単位で設置されているため、どこか1カ所のファンが故障した結果、音が鳴っている場合もあります。
CPUの故障
CPUの故障やHDDの故障によりパソコン内部が高温になったため、ファンが高速で回転し、音がうるさくなる場合があります。
CPUはパソコンを起動させるのに最低限必要な装置であり、人で言えば脳のような役目です。
パソコンのパーツの中でも特に高温になりやすいため、故障により高熱になるとファンの音がうるさくなる場合があります。
またHDDは、パソコン内でデータを保管する場所です。発熱やケース内にこもった熱から保護するために、HDDクーラーがついているパソコンもあります。
HDDが故障して高温を発している場合に、HDDクーラーが高速で回転しファンの動作音がうるさく聞こえることがあります。


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パソコンのファンの音がうるさい時の対処法
ファンの音がうるさく、作業に集中できない時にすぐできる対処法は下記の6つになります。
- 起動しているアプリの数を最小限にして負荷を減らす
- 冷却台を使用しパソコン本体を冷やす
- 設定を省電力モードに変更し負荷を減らす
- デフラグで処理の負荷を減らす
- 専用ソフトでファンの回転をコントロールし静音化
- ファン周りの掃除をしてエアフローをよくする
簡単なものから普段の使い方に応じた対処法まで、それぞれ詳細を解説します。
起動しているアプリの数を最小限にして負荷を減らす
処理を少しでも軽くできるように、まずは起動中のアプリの数を最小限にしましょう。
特にCPUに負担をかけるアプリがあれば、優先的に閉じたり、削除したりすることで、ファンの音のうるささを改善できます。
どのアプリがCPUに負荷をかけているか判断するには、Macならアクティビティモニタ、Windowsならタスクマネージャーの確認を行いましょう。
まず、アクティビティモニタによる負荷の高いアプリの見つけ方は以下の手順です。
アクティビティモニタで負荷の高いアプリを見つける手順 |
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次に、Windowsのタスクマネージャーによる負荷の高いアプリの見つけ方は、以下の手順で行います。
タスクマネージャーで負荷の高いアプリを見つける手順 |
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冷却台を使用しパソコン本体を冷やす
特にノートパソコンを使用して、3Dゲームや動画制作など、負荷のかかる作業をよく行う方は冷却台を用意してパソコン本体の熱を下げる対処法がおすすめです。
冷却台とは、台に取り付けられたファンを利用して通気性を向上させたり、排気口から熱を吸い出したりして、パソコンの熱を効率よく下げるための装置を言います。
冷却機能だけでなく、作業しやすい姿勢をサポートしてくれる冷却台もあるため、作業効率向上にも役立つ装置です。
ただし、冷却台はあくまでも熱問題を発生しにくくするための対処法です。
冷却台を使ってみても継続してパソコンのファンがうるさかったり、熱を常に持っている場合は、他の原因が潜んでいる可能性もあります。
設定を省電力モードに変更し負荷を減らす
省電力モードに設定を変更することで、ファンのうるさい音が軽減される場合があります。
省電力モードは、省電力プランやECOモードとも呼ばれる設定で、消費される電力やパソコンにかかる負荷を減らしてくれます。
バッテリーの消耗が激しくなるということは、それだけパソコンに負荷がかかっている状態でもあるため、省電力モードにすることで負荷が下がる場合があります。
詳しい設定方法はパソコンに搭載されたOSによって異なるため、ここではWindows 10、Windows 11、Macの設定方法について解説します。
OS | 設定する手順 |
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Windows 10 |
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Windows 11 |
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mac OS |
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デフラグで処理の負荷を減らす
データの分割状態を適切にするデフラグという対処を行うことで、パソコンのファンの音の大きさを軽減できる場合があります。
デフラグとは、HDDにバラバラに収納されたデータを、キレイな順に並べ直す機能のことです。効率よくデータを取り出せる状態にすることで、パソコンが命令を処理する負荷を下げられます。
Windows 10とWindows 11の場合、初期設定で毎週1回はデフラグが自動的に行われるものの、任意でデフラグを実行することも可能です。またMacの場合はデフラグを行わずとも、自動的にデータが断片的にならないように保存されます。
では、Windows 10とWindows 11でデフラグを実行する方法を解説します。
Windows 10でデフラグを実行する手順 |
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Windows 11でデフラグを実行する手順 |
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また、スタートメニューに検索欄に「デフラグ」と入力することで、すぐに「ドライブのデフラグと最適化」を呼び出すこともできます。
専用ソフトでファンの回転をコントロールし静音化
専用ソフトを通じてファンの回転数を制限したり、回転数が上がるタイミングをコントロールすることで、ファンのうるさい音をおさえられる場合があります。
Windowsの場合は「SpeedFan」、Macの場合は「Macs Fan Control」というフリーソフトがおすすめです。
ただし、専用ソフトでファンの回転をコントロールすると、反対に熱がこもりすぎてパソコンの寿命が短くなる場合があります。
どちらかといえば、自分でパーツを組み立ててパソコンを作る方や、掃除のタイミングを自分でコントロールしたい方におすすめの対処法です。
ファン周りの掃除をしてエアフローをよくする

パソコン内部の温度を効率よく下げるために、排気口やパソコン内部を清掃するのも手です。
たとえばMacBook Airは、背部にファンによって起きた風を排出する排気口があります。他のパソコンの場合でも排気口にカバーやホコリが付いていないか確認し、エアフロ―(風の通り)をよくしましょう。
タワー型のデスクトップパソコンの場合は、側面や後部パネルを外すことでさらに内部を掃除できます。
ただし、タブレット型や画面一体型パソコン、ノートパソコンの場合は、解体を伴う作業が非常に複雑となるため分解経験がない人にはおすすめできません。
また、パソコンがメーカーの保証期間内だった場合、分解して内部を掃除すると保証が無効となります。
この2点を踏まえたうえで、パソコン各メーカーの手入れ方法を参考に、ファン周りを掃除してみましょう。
パソコンのファンの音がうるさい時にやってはいけないこと
パソコンのファンがうるさいと感じても、やってはいけないことが4つあります。ここでは、してはいけない4つの対処を解説します。
パソコンの電源を入れたままの掃除
ファンの周りのホコリを取り除く時は、かならず全ての電源をオフにし、コンセントも抜いてから掃除を始めましょう。
なぜなら、万が一、電気が通ってしまった場合、パソコン本体だけでなく自分の体にも危険が及ぶからです。
デスクトップパソコンなら電源コードを抜き、外せるようなら本体から全てのコードを取り外します。また、内部に電気が残ることもあるため、5分ほど放置してから掃除を始めることが大切です。
ノートパソコンの場合は、ACアダプターとバッテリーを取り外します。バッテリーが取り外せない場合は、十分注意して、こちらも5分ほど放置してから掃除を行ってください。
また、パーツが壊れないように、静電気対策も重要です。パソコンを掃除する前に金属を触ったり、静電気防止手袋をはめたりして、掃除前の用意を念入りに行いましょう。
掃除の際にパソコン内部にホコリを落とさない

パソコン内部を掃除する際は、大きなホコリはピンセットで取り除いたり、掃除機やハンドクリーナーを使用したりして、パソコン内部にホコリを落とさないようにしましょう。
パソコン内部にホコリが落ちてしまい、それに気づかず掃除を進めてしまうと、他の不具合を引き起こすことがあります。
たとえば、ファンを動かす心臓であるモーターにホコリが落ちると、ファン自体が故障しかねません。取り付け軸にホコリが絡まり、動作音がさらに大きくなることもあります。
掃除に対し少しでも不安があるようなら、パソコン修理サービスに依頼した方がよいでしょう。
水気があるものでパソコンの冷却
パソコン全体が熱くなっていたとしても、氷や保冷剤など水気のあるものでパソコンを冷やさないようにしましょう。
氷が解けて水気が内部に入ると、部品が故障したり、ショートしたり、ファンのうるささ以上のトラブルを引き起こすことがあります。
またパソコンの内部に水が入らないからといって、保冷剤を使って熱くなったパソコンを冷やしてはいけません。結露が起きる可能性があるためです。
たとえば、暑い日に冷たい飲み物が入ったグラス周りに水滴が付いているのを見た経験がある方も多いのではないでしょうか。パソコンも外部から保冷剤を使って冷やすことで、同じような現象が内部に起きることがあります。
パソコン全体を冷やす場合は、冷房や扇風機の風など、空調を活用して冷やすのがおすすめです。
ファンがうるさい状態で使い続ける
症状に対処せず使い続けると、パソコン内部に熱がこもりすぎて、部品が焦げ付く可能性があります。
熱がこもり続けると、パソコン内部が発火する可能性もあり危険です。
また、ファンではなくCPUやHDDが故障していた場合、パソコン自体が使えなくなってしまい、データ復旧が難しくなるかもしれません。
ファンがうるさい、と感じたら、今回紹介した原因に当てはまることはないか確認し、早めに対処を行いましょう。
パソコンのファンの音をうるさくしないための予防策
パソコンのファンをうるさくしないためには、パソコン自体が熱くならないようにするとともに、ファンの冷却効果を維持することが重要です。ここでは3つの対策を解説します。
パソコンは通気性のよい場所で使用
ノートパソコンなら冷却台を使ったり、デスクトップパソコンなら机の上やファンの風を遮られない場所に置いたり、通気性のよい場所で使用しましょう。
熱がこもるのを防ぐとともに、ホコリがたまりにくくなります。
特にデスクトップパソコンの場合、本体が大きいため机の上には設置しづらいことがあります。そのため、つい床に置いてしまいがちです。
しかし床はホコリもたまりやすく、結果としてファンの音が大きくなってしまう可能性があります。パソコン用の台を利用するなどして、床から離れた位置に置いたり、できれば机の上に設置することをおすすめします。
定期的にパソコンのファンの掃除

パソコンのホコリがたまる前に、定期的に掃除をしてあげることも大切です。
ただし「パソコンのファンがうるさい時にやってはいけないこと」で紹介したように、静電気が発生したり、ホコリが内部に落ちたりすると、他の不具合を起こすことがあります。
そこで、掃除をする時に便利なグッズを紹介します。
- 静電気を起こしにくくする「静電気対策手袋」
- 細かなホコリに対処「エアダスター」
- ホコリを絡めとる「静電気除去ブラシ」
- 大きめのホコリを摘み取る「ピンセット」
- 周辺機器にも便利「小型のブラシ」
- より細かな部位に「綿棒」
また、内部を掃除できなくても、外部のホコリが入りそうな場所を掃除するだけでも、ホコリがたまりにくくなります。
パソコン専用のクリーニングクロスを1枚用意して、定期的に拭けるようにしておくのもよいでしょう。
5年を目安に新しいパソコンへ買い替え
ファンの騒音を防ぐ対策として、5年を目安にパソコンを買い換えることが挙げられます。
製造から5年を経過するとパーツの消耗により、ファンがうるさくなりやすいためです。
また性能が低いパソコンは、ちょっとした作業でもパソコンに負荷がかかり、熱の発生をおさえるためにファンがうるさく回転してしまうことがあります。
静音対策がなされたパソコンもあるため、どの対処法をしても改善されなかったり、パーツ交換で費用がかかったりする場合は、買い替えも検討してみましょう。
プロにパソコンのファンの音がうるさいトラブルのサポートを依頼するのも対処法

パソコンのファンの音がうるさいトラブルの原因が分からない、対策を試しても改善できない場合はシステム面、機器面など複数の原因が積み重なってる可能性があります。
パソコンを分解してパーツを交換すればファンのうるさい音が改善するかもしれませんが、失敗すれば更に状態が悪化してしまうことも考えられます。また、ノートパソコンや一体型パソコンは分解の難易度が高く、知識が無ければ修復できない状態に陥る可能性があります。
自力の改善が難しいとお考えの場合はパソコンやデータを守るためにも、プロのパソコン修理業者のPCホスピタルにご依頼いただくことをおすすめいたします。
PCホスピタルはパソコンのファンの音がうるさい時のサポートが可能です
パソコンのファンの音がうるさい時の原因と対処法について解説いたしました。
このトラブルの原因は負荷が高い作業をしていたり、内部にホコリがたまっていたりなど様々ですが、音がうるさくて作業に集中できなければ、作業効率も落ちてしまうため、早めに解決することが望ましいと言えます。
対処が難しそうであれば、PCホスピタルに修理をご依頼いただくことをおすすめいたします。


修理対応 | 出張/持込/宅配 |
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対応エリア | 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国15店舗/宅配修理は全国47都道府県 |
実績 | 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの修理実績を当サイト掲載中 |
料金 | 基本料金 8,800円 + パソコン修理 3,300円~ + 出張サポートは2,200円追加 |
濱﨑 慎一(日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事)
2010年8月、日本PCサービス株式会社に入社。パソコン修理などデジタルトラブルを5年で4500件以上解決。その後、サポート人材育成など、事業責任者として、個人向けデジタルトラブル解決に8年半携わる。2019年より同社にて、法人向けサポートの取締役に就任。また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として業界活性化のため正しいデジタル知識の普及、スマートフォンなどの新しい整備士資格の構築に携わる。
保有資格 パソコン整備士検定 取得