パソコンのHDDの基礎知識と修理対応を解説!

パソコンのHDDの基礎知識と修理対応を解説!

「パソコンが起動しない。」と困った事はありませんか?パソコンの故障にはHDDのトラブルが関わっている事が多くあります。しかし、HDD修理を業者に頼む時にHDDの事をまったく知らないと業者の説明が理解できずに依頼がスムーズに進まないことがあります。事前に「HDDとは何か」「HDDが故障するとどうなるのか」「HDD故障はどのような原因で起こるのか」「論理障害と物理障害って何が違うのか」を確認しておくとよいでしょう。そこで今回は、パソコンのHDDの基礎知識や故障の原因、修理対応についてご紹介したいと思います。

1.HDDとは

パソコンにデータを保存しておくためには、記憶媒体と呼ばれるものが必要になります。そのなかで最も一般的なのがハードディスクです。パソコンに入っている記憶部品と分かりやすいかもしれません。

1-1.HDDの種類

HDDには様々なサイズのものがあります。現在、主に使用されてるのは3種類になるのでそれぞれ特徴をご説明します。

1-1-1.3.5インチHDD

HDDで一般的に主流となっているタイプです。SSDと比較すると大容量で低価格という特徴があります。デスクトップパソコンでよく使われていますが、サーバーのHDDとしても使用されています。

1-1-2.2.5インチHDD

薄型軽量、低電力、3.5インチHDDよりも衝撃に強いといった特徴があり、主にノートパソコンで使われているHDDです。

1-1-3.1.8インチHDD

以前はモバイルノートや音楽プレイヤーによく使われていましたが、最近はSSDの台頭もあり、使用されてる機器も減少傾向のHDDです。

トラブル解決したい方はこちら

1-2.HDDの接続規格

HDDの仕様規格は主に2つあるのでご説明します。

1-2-1.IDE規格

IDEはHDDを接続するための規格になります。IDEは旧式の規格になっており、ATA以外にもATAPIやパラレルATAという呼び方もあります。それぞれ、ANSIという米国国家規格協会によってATA-1と標準になったことで、ATA、HDD以外も接続できるのでATAPI、IDEの接続方式が平行だからパラレルATAという呼び方になっています。

最近は新しい規格のSATAがパソコンで数多く使われていますが、以前はHDDの接続規格としてIDEが一般的でした。IDEの初登場時は機器が2つ接続できていて、改善してからは4つまで接続可能な機器が増えました。その後IDEはパソコンでHDDをもう1つ追加で接続できるように改良が加えられていきます。しかし、昨今の需要上、機器サイズの縮小化が求められてるのもあり、上手く縮小化ができなかったIDEよりSATAが数多く使用されるようになりました。

1-2-2.SATA規格

IDEより後に開発されたのがSATA規格になります。昨今はIDEからSATAに主流が変わり、一般的なHDDの接続規格になっています。また、シリアルATAという呼び方もあります。SATAにはデータ転送の転送速度が違う3つの種類が存在し、1つ目が150MB/sのSATA、2つ目が300MB/sのSATA II、3つ目が600MB/sのSATA IIIになります。

見た目だけだと、3つそれぞれのSATAの違いを判別しにくいですが、機器に転送速度が記載されているので、そちらを確認することで3つの中でどの種類かを見分けることが可能です。SATA IIIはSATA IIと互換性があるので、SATA IIIのポートでもSATA IIの使用が可能です。他にもSATA IIIよりも転送速度が上のSATA Expressという規格もありますが、対応してるマザーボードが少なく、上記3種類のSATAと比較すると使用されてるパソコンも少ない状況となっています。

1-3.HDDの寿命

一般的にHDDの寿命は3年~4年で、使用時間だと8000~10000時間ほどと言われています。HDDの種類や普段使用する環境によっても変わってきますが、毎日1時間程度の使用であれば、平均的な寿命よりも長い5年以上使用できる場合もあります。頻繁に電源を入れ直したり、1日中電源を入れて稼働させてる状態なら一般的な需要よりも早く故障してしまうこともあります。

メーカーのホームページに記載されてる使用年数による寿命はあくまで目安であって、使い方次第で寿命が大きく変わるのがHDDです。

NASの場合はメーカーのホームページに記載されてる寿命に関しても稼働が1日24時間で想定されてる場合が多いので、使用年数としてもある程度の目安になります。

HDDは消耗品かつ精密機器なので、いつ調子が悪くなって故障してもおかしくないです。ご自身のパソコンの使い方から、ある程度長く使えそうか、早く故障しそうか想定して、事前にデータのバックアップを取っておくなどの対策をするのが重要になります。

1-4.内蔵と外付けの違い

HDDにはパソコンに内蔵されてるものと、USBなどによる外付けのものがあります。

用途では、内蔵HDDはOSのデータがインストールされていてパソコンを動作させるのに必要なもの、外付けHDDはデータの保存やバックアップ用に使用されることが多いです。

接続方式にも違いがあり、内蔵HDDはパソコンの中に組み込むのでSATAが基本となり、外付けHDDは主にUSBで接続する形となっています。

電源に関しては内蔵HDDはパソコンの電源から電力が供給されますが、外付けHDDはコンセントからの電力が必要になるものが多く、ポータブル型でサイズの小さい外付けHDDだとUSB接続だけでコンセントからの電力は完全に必要無いものもあります。

1-5.SSDとの違い

SSDはHDDと比較するとパソコンが高速に動作することが大きな違いになります。

HDDよりも容量は少なめで、価格も高くなりますが、HDDの修理だけではなく、パソコンの動作が重いので改善したい場合は、HDDからSSDに換装することでパソコンの起動やソフトウェアを立ち上げる際の時間が大幅に短縮されることが多いので、換装をお勧めいたします。

パソコンのHDDの故障でお困りならこちら

2. HDDの故障と修理について

パソコンを動かすうえで欠かせないOS(Windows)、ワード・エクセルなどの各種ソフト、ユーザーが作成したデータなどすべてが格納されていますので、HDDが故障してしまった場合、その中のデータが破損してしまうこともあります。故障の内容について下記でご説明していきます。

2-1.論理障害と物理障害

HDDの故障は大きくわけると2種類あり、それぞれ原因も対処法も異なります。データ復旧の難易度も変わるため、故障した場合はどちらの種類であるのかも重要なポイントとなります。

HDDの故障のうち、論理障害はデータの破損によって起こります。HDD自体に問題がないものの、記録されているデータが破損しているため不具合が発生します。それに対して、物理障害はHDDそのものの破損によって起こります。HDDのなかにはさまざまな部品があり、それらが破損することで不具合が発生します。

原因が論理障害か物理障害かの見極めは難しいところですが、異音や異臭を伴っている場合には物理障害が発生していると考えられます。

2-1-1.論理障害

論理障害が発生する主な原因は、プログラムの故障です。HDDを長時間使用しているとプログラムファイルが破損することがあり、これによって正しくデータを読み込むことができなくなります。また、人為的なミスも論理障害の原因のひとつです。誤操作によるデータの消去や初期化などがあげられます。

論理障害の主なトラブルとしては、フォーマットの要求やOSが起動しない、ファイルやフォルダが開けない、ウイルス感染などによりファイル名が書き変わった、開けないなどがあります。

2-1-2.物理障害

物理障害が発生する主な原因は、振動、衝撃や熱暴走です。高いところから落とす、水没させるといった極端な事例もありますが、そこまで強い衝撃でなくても壊れる可能性はあります。また、長時間の使用による消耗も物理障害の大きな原因のひとつとなります。

代表的な物理障害の症状としては、異音や異臭、発熱、フォーマットの要求、BIOSで認識されない、OSが起動しない、頻繁に再起動するなどがあげられます。コピーや保存に時間がかかるようになったなど論理障害と似たような症状になることも多いため、見分けるのが難しいともいえます。

2-2.HDDのトラブル事例

HDDの主なトラブル事例は下記になります。

  • パソコンが起動しない
  • コンピュータに表示されない
  • アクセスできなくなった。
  • ビープ音などの異音がする
  • 焦げ臭いにおいがする
  • エラーメッセージがでてWindowsが立ち上がらない
  • 勝手に電源が落ちる
  • 勝手に再起動する
  • 頻繁にスキャンディスクをする
  • よくフリーズする
  • ファイルのコピーや保存ができない
  • フォーマットを要求される
  • 開けないアプリケーションがある
  • 開けないファイルやフォルダがある
  • 動作が異常に遅くなる
  • 空き容量が少ない
  • その他パーツの不具合

2-3.HDDの修理

論理的な障害と物理的な障害がHDDに発生した場合、修理の手段は内容になって大きく変わります。

修理をする際も損傷による部品の交換修理であれば専用の修理器具の利用と専門的な知識や技術が求められ、他にもクローンの作成やリカバリー、ファイルシステムの解析、読み書き不可なら修復の設定、OSの再インストールやアップグレードまで必要になる場合もあります。

個人で修理しようとしても知識や経験が不足していると逆に悪化してしまう恐れがあるので、正常に作業するのはなかなか困難と言えます。

HDDの修理が必要になった際は、プロの業者にお問い合わせし、修理内容以外にも料金値段の見積もりや、かかる日数などを検討して相談することをお勧めいたします。

作業内容にもよりますが、最終的にはやはりプロに依頼するほうが安心して問題が解決されることが期待できます。

まとめ

今回は、パソコンのHDDの基礎知識と修理についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。ささいなパソコンのトラブルの原因の多くがHDDの故障によって引き起こされています。しかし、一般の方が簡単に診断し、修理することができない部分なので、基礎知識を得た上で、パソコン修理サービスの業者にサポートの依頼をおすすめします。

PCホスピタルのパソコン修理概要
修理対応 出張/持込/宅配(出張の当日サポートは予約枠が早く埋まるため、お急ぎの場合はなるべく早い時間にご依頼ください)
対応エリア 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国15店舗/宅配修理は全国47都道府県
実績 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの修理実績を当サイト掲載中
料金 パソコン修理 3,300円~ + 基本料金 8,800円~11,000円
PCホスピタルのHDD換装サポートについて内容を確認する
監修

濱﨑 慎一日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事

2010年8月、日本PCサービス株式会社に入社。パソコン修理などデジタルトラブルを5年で4500件以上解決。その後、サポート人材育成など、事業責任者として、個人向けデジタルトラブル解決に8年半携わる。2019年より同社にて、法人向けサポートの取締役に就任。また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として業界活性化のため正しいデジタル知識の普及、スマートフォンなどの新しい整備士資格の構築に携わる。

保有資格 パソコン整備士検定 取得

出張地域・近隣店舗を確認する連絡先に追加する
上部へ
戻る