パソコンが「自動修復を準備しています」から進まない原因と対処方法

パソコンを起動したら「自動修復の準備をしています」と表示された後、画面が真っ暗になってしまった経験はないでしょうか?
パソコン内部が故障している可能性もありますが、正しく対処すればご自身で直すことも可能です。
そこでこの記事では、「自動修復の準備をしています」というメッセージが表示される原因と、その対処法を解説します。
パソコンに「自動修復を準備しています」が表示される原因

「自動修復を準備しています」というメッセージはメーカーのロゴ、またはWindowsのロゴの下に表示され、何度やっても先に進まない「再起動ループ」に陥ることもあります。その場合、考えられる原因は以下の通りです。
- Windowsのシステムトラブルが起きている
- パソコン内部のパーツが故障している
詳細をご説明いたします。
Windowsのシステムトラブルが起きている
「自動修復を準備しています」というメッセージは、Windowsが正常に起動できないときに表示されるものです。このメッセージはパソコンが自動修復プログラムを読み込んでいる最中であることを意味するもので、順調に行けば次に「PCを診断中」という画面に切り替わります。
つまり、この段階で画面が固まってしまうということは、自動修復プログラムが壊れているなどWindows側に何らかの問題が発生しているということなのです。
パソコン内部のパーツが故障している
これまでも同じ症状が出ていた場合は、頻繁にトラブルが起きていたということです。
経年劣化でハードディスクが故障し画面が真っ黒なまま処理が先に進まないというケースも考えられます。ただし、この場合は自力で直すことは難しいので、修理業者に相談したほうがよいでしょう。


修理対応 | 出張/持込/宅配 |
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対応エリア | 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国15店舗/宅配修理は全国47都道府県 |
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パソコンが「自動修復を準備しています」から進まない時のチェックポイント

「画面が真っ暗になる」という同じ症状でも、どのタイミングで画面が暗転したのかによって原因が異なります。
自分で対応できるトラブルなのか、修理業者に修理をお願いした方がよいのかを判断するためのチェックポイントを見ていきましょう。
- パソコン本体のランプがどのように点灯しているか
- ビープ音は鳴っていないか
- 処理が進まないか待ってみる
パソコン本体のランプがどのように点灯しているか
パソコンにはパソコンの状態を表すランプがいくつかあります。Windowsのパソコンには、パワーランプの近くにアクセスランプというパソコンがデータを読み書きしているときに点滅するランプがあります。
普段ランプを気にしている人は少ないかもしれませんが、ランプ点灯の仕方でパソコンの状態を知ることができるので、この機会にランプの種類とその意味を確認しておきましょう。
電源ランプ
ランプの状態 | PCの状態 |
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点灯 | 電源が入っている |
点滅 | スリープ状態 |
消灯 | 電源がOFF |
バッテリーランプ
ランプの状態 | PCの状態 |
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点灯(橙) | バッテリーパック充電中 |
点灯(緑) | ピークシフト動作中 |
消灯 | 充電していない状態、満充電状態、バッテリー駆動状態 |
アクセスランプ
ランプの状態 | PCの状態 |
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点灯(点滅) | ハードディスクがデータにアクセスしている |
アクセスランプが点灯しているときは、電源を切らないでください。フラッシュメモリが壊れることがあります。
ビープ音は鳴っていないか
パソコンに深刻なエラーが起きると、ビープ音がすることがあります。
これは、パソコンに搭載されているBIOS(Basic Input Output System)というシステムの警告音です。
ビープ音の回数や長さから、さまざまなパソコンの故障の原因が分かります。代表的なビープ音は次のとおりです。
ビープ音の種類 | 異常の内容 |
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単音2回 | 設定エラー。初期化すると状況が改善することがある。 |
長音1回単音1回 | メインメモリーのエラー。再起動や再接続を試してみる。 |
長音1回単音2回 | グラフィックボードとモニターの接続に問題がある。接続状況を確認。 |
長音の連続 | メモリーが破損または接続エラー。何度か再接続して治らないようなら、修理を検討。 |
単音の連続 | 電源供給エラー。電源部分を確認する。 |
高音と低音の連続 | CPUに何らかの問題がある。本体が熱を持っていないかを確認し、CPUが既定の場所にあるかを確認。 |
ビープ音にはいくつかの種類があり、音のリズムや意味はメーカーによって異なります。パソコンから警告音が聞こえたら、使っているパソコンを調べて適切に原因を見つけられるようにしておきましょう。
処理が進まないか待ってみる
画面が真っ暗でも、正常に自動修復の準備が進んでいることもあります。キーボードの「Ctrlキー+Shiftキー+Escキー」を同時押しして、タスクマネージャーを起動できる場合にはパソコンのスペック不足などで処理に時間がかかっているだけかもしれません。
また、Windows Update直後のタイミングではしばらく黒い画面が続くこともあります。30分ほど待ってもまだ黒い画面が続いている場合にはこの後に紹介する対処法を試してみてください。
真っ暗な画面から処理が進まない場合の対処法

「いくら待っても真っ暗の画面から進まない」そんなときの対処法を見ていきましょう。
- 一旦待つ
- 強制終了して再起動
- 周辺機器を取り外す
- セーフモードでパソコンを起動してトラブルシューティングを実施
- グラフィックスドライバーの再起動をキーボードから実施
- 更新プログラムのアンインストールを行う
- スタートアップ修復を実行する
詳細をご説明いたします。
一旦待つ
これまで使えていたパソコンの画面が突然真っ暗になって、キーボードもマウスも使えない状況になると「強制終了するしかない」と思ってしまうかもしれません。しかし、上述のとおり、Windowsをアップデートした直後には起動に時間がかかることがあります。
まず確認したいのは、アクセスランプの状況です。アクセスランプが点灯しているときパソコンはハードディスクにアクセスしていることを示しています。このときに電源ボタンを押して強制終了してしまうと、ハードディスク故障の原因になるのでやめましょう。
画面が真っ暗な状態のときは、30分ほど待ってみます。それでも解決しないときはセーフモードの起動など、いくつかの対処法を試してみてください。
強制終了して再起動
マウスもキーボードも使えないときは、電源スイッチ長押しで強制終了を試してみましょう。電源が切れたら少し時間を置いて、再びパソコンの電源を入れます。
周辺機器を取り外す

パソコンにプリンターや外付けHDD/SSDなどが接続されている場合は、周辺機器を取り外してください。ごくまれに電源スイッチを押しても、電源が切れないことがあります。その場合は、ディスプレイとパソコン本体の電源ケーブルをコンセントから抜いて放電します。
セーフモードでパソコンを起動してトラブルシューティングを実施
スタートアップ修復はパソコンの強制再起動を3回ほど試すと自動的に始まるようになっていますが、画面が真っ暗な状態では自動で始まらないこともあります。そのようなときは、セーフモードでの起動を試してみましょう。
セーフモードでトラブルシューティングを実行する方法 |
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グラフィックスドライバーの再起動をキーボードから実施
グラフィックスドライバーとは、特定のオペレーティングシステムのために作られたソフトウェアのことです。Windowsでは最新バージョンのグラフィックスドライバーを組み込まないと不具合が出てしまうものも少なくありません。
グラフィックスドライバーをキーボードで再起動するには次のコマンドを入力します。
- Windows + Ctrl + Shift + B
再起動は主に映像出力に不具合が生じたときに行います。
「更新プログラムのアンインストール」を行う
先にセーフモードで起動する方法を記載しましたが、回復ドライブを持っていれば「更新プログラムのアンインストール」を行うことで改善する場合があります。
回復ドライブとは、パソコンのリカバリー領域のデータをUSBメモリに記録したものです。
正常に動作しているときに作成しなければらないので、持っていない人も多いかもしれません。そのようなときは有償となりますが、パソコンのメーカーに問い合わせれば手に入れることも可能です。
手順は下記の通りです。
BIOSを初期化する手順 |
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回復ドライブを用いてスタートアップ修復を実行する
回復ドライブを使用してスタートアップ修復を実行することで改善することも考えれるため、ご紹介します。
手順は下記の通りです。
回復ドライブを使ったスタートアップ修復の方法 |
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主なメーカーのブートメニューへの入り方
ブートデバイスの選択メニューを出すためのキーはメーカーによって異なります。
電源の投入後、メーカーロゴが表示されている画面で下記のキーを連打します。タイミングによってはBIOSが起動されない場合があるので、その場合は再起動してやり直す必要があります。
- NEC :F2
- Lenovo:F12
- HP:F10
- Dell :F12
- 富士通 :F12
- 東芝:F12
- Panasonic:F2
- SONY:F2
- Acer:F12
- ASUS :F8
※機種によって上記以外の方法が必要となる場合がございます。説明書でご確認ください。
トラブルに備えて回復ドライブを作成しておこう

今後、パソコンに不具合が起きて使えなくなってしまうトラブルを避けるため、パソコンを工場出荷時の状態に戻すことができる回復ドライブを作成しておきましょう。
回復ドライブを作成する手順は以下になります。
Windows 11の回復ドライブの作成方法
ドライバを使ったスタートアップ修復の方法 |
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Windows 10の回復ドライブの作成方法
ドライバを使ったスタートアップ修復の方法 |
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この手順で回復ドライブを作成できます。いざと言うときに使えるので、今後のトラブルに備えて回復ドライブを作成しておきましょう。
どのUSBメモリで回復ドライブを作成したかわからなくなりやすいので、ラベルシールを貼ったりラベルを貼ったケースに入れるなどして大切に保管しておいてください。
プロにパソコンの「自動修復を準備しています」トラブルのサポートを依頼するのも対処法

前述の対処法でパソコンが「自動修復を準備しています」から進まないトラブルを改善できない場合、内部パーツの故障やシステムトラブルが発生している可能性があります。
パソコンを分解し、パーツを適切に交換できれば、直る可能性はありますが、失敗すれば現状よりもさらに症状が悪化してしまう可能性もあります。また、ノートパソコンや一体型パソコンの場合は、分解も容易ではありません。知識があれば安全ですが、場合によっては修復不可能な状態まで陥ってしまうこともあります。
自力での修復が困難だと思われた場合はパソコンやデータの安全のためにも、プロのパソコン修理業者のPCホスピタルに依頼いただくことをおすすめいたします。
PCホスピタルは「自動修復を準備しています」トラブルのサポートが可能です
パソコンに詳しくないのに、画面が真っ暗のまま起動できないと、どうしたらよいか途方に暮れてしまうかもしれません。
しかし、キーボードやマウスが使えなくても、セーフモードで起動してトラブルシューティングを行ったり、グラフィックスドライバーの再インストールなど、いくつかできることがあります。
ぜひこの記事を参考にいくつかの対処法を試してみてください。
ご自身での対処が難しいと思われた場合はぜひPCホスピタルに修理をご依頼ください。


修理対応 | 出張/持込/宅配 |
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対応エリア | 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国15店舗/宅配修理は全国47都道府県 |
実績 | 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの修理実績を当サイト掲載中 |
料金 | 基本料金 8,800円 + 起動トラブル修理 22,000円~ + 出張サポートは2,200円追加 |
PCホスピタルと量販店・個人経営・メーカーの違い

濱﨑 慎一(日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事)
2010年8月、日本PCサービス株式会社に入社。パソコン修理などデジタルトラブルを5年で4500件以上解決。その後、サポート人材育成など、事業責任者として、個人向けデジタルトラブル解決に8年半携わる。2019年より同社にて、法人向けサポートの取締役に就任。また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として業界活性化のため正しいデジタル知識の普及、スマートフォンなどの新しい整備士資格の構築に携わる。
保有資格 パソコン整備士検定 取得