パソコンが遠隔操作されたらどうなるのか?危険性や症状、対処方法を解説

目次
急にパソコン動作が遅くなった、カーソルが勝手に動くなどの不具合が生じた場合にはパソコンがウイルスに感染し遠隔操作されている可能性もあります。
遠隔操作を行うウイルスは多くありますが、有名なのはボットウイルスとトロイの木馬です。しかし、年々ウイルスの脅威も強くなっており、新しいウイルスなども出てきています。
しかし、対策を日頃から行っていれば感染するリスクもかなり低くなるので、本記事を参考に対策を行いましょう。
また、本記事では遠隔操作の危険性や原因、症状を解説したうえで、ウイルスに感染しないための予防策まで解説しているので是非ご参考ください。
1.パソコンが遠隔操作される危険性について

パソコンがウイルス感染し、遠隔操作されることで個人情報の漏えいや乗っ取りなどの被害を受ける可能性が高くなります。
遠隔操作されることにより起こる危険性は具体的にどういったことがあるのか見てみましょう。
- パソコンの内部情報を見られストーカー被害にあう
- 管理権限を奪われてしまう
- 勝手にソフトウェアやアプリをインストールされる
- 勝手にパソコンのリソースを使用される
- 自身のパソコンから他のパソコンへ攻撃を行い犯罪者に利用され、犯罪者に仕立てあげられる可能性がある
上記は事件として取り扱われていることもあり、現在でも被害にあう方は少なくありませんし、とても身近な問題です。
また、ボットウイルスなどは現れる症状が少なく、気が付かないうちにウイルスに感染しているケースも多くあります。
2.パソコンが遠隔操作される時の症状

パソコンが遠隔操作されている時に現れる症状をいくつか挙げていますので確認してみましょう。
- 身に覚えのないソフトウェアやアプリが起動したり、操作履歴がある
- 自身では変更していないのに、ファイルやフォルダの場所や名前が変更されている
- 自身では立ち上げていないのに、インターネットへ勝手に接続される
- パソコンの動きがとても重い
- 急にパソコンのコントロールができなくなる
上記以外にも症状はありますが、普段と違うことが行われているという点が見極めるポイントです。いつもと違うと感じた際はウイルス感染の疑いもあるので慎重に確認しましょう。
3.パソコンに遠隔操作ウイルスが入る原因

パソコンのウイルス感染は、悪質なメールやサイトを開くことや外部記録媒体によってウイルス感染してしまうケースが一般的で、とても身近なことが多いです。
ここからは、ウイルスに感染し遠隔操作されてしまう原因を詳しく解説していきます。
3-1.悪質なメールやサイトを開いた
悪質なメールによってパソコンにウイルスを入れさせる場合があり、会社の人間や公共機関になりすましメールを送信してきます。言葉巧みに不正なサイトへ誘導してウイルスを感染させる方法で、知識がない方などはただのメールかと思い開いてしまう可能性があるので注意が必要です。
また、ぜい弱性のあるサイトなどを開くだけでもウイルス感染する恐れがあります。
3-2.遠隔操作アプリをインストールされた
自宅に居ながらでも会社のパソコンを自宅で遠隔操作するためなどの目的から、遠隔操作アプリを自身でインストールしている方もいるのではないでしょうか。
その遠隔操作アプリに第三者がインストールし、第三者が使用するパソコンから遠隔操作できてしまう可能性もあります。
この方法は、IPアドレスや遠隔操作アプリに登録しているアカウント情報を第三者、つまり攻撃者が知っている場合に可能なので、安易にパソコンを貸したり、アカウント情報を教えないように対策しましょう。
3-3.外部記録媒体から入れられた
外部記録媒体、つまり現在一般的に多く使用されるUSBメモリなどから、ウイルスに感染し遠隔操作が可能になってしまうケースもあります。
USBメモリは他者とデータ交換をする際にとても便利なものですが、USBメモリを使用する場合には必ずウイルスチェックを行ったり、出どころがわからない外部記録媒体を安易にパソコンに挿し込まないようにするなど対策が必要です。
4.パソコンが遠隔操作されていないか確認する方法

では、実際にパソコンがウイルスに感染しているのかを確認していきます。
これまでは、ウイルス感染する危険性が高いのはWindowsと言われてきましたが、昨今ではMacもその脅威にさらされており、Windowsよりは被害件数が少ないもののMacユーザーも他人事ではありません。
まずは、遠隔操作を確認するには普段と違う動作などがないかを確認することが大切であり、上記で解説した症状なども当てはめながら確認していきましょう。
4-1.不審なアプリやファイルがないか確認する
まずは、自身でインストールした覚えのないアプリやソフトウェアを確認し、開けないファイルなどがあるかも確かめましょう。
不審なアプリなどを調査する方法のひとつとしてタスクマネージャーを使用します。
下記に確認手順をまとめましたのでご参考ください。
- 「スタートボタン」から「Windowsシステムツール」を探し、「タスクマネージャー」をクリック
- 簡易画面が表示されるので左下の「詳細」をクリック
- 「プロセスタブ」を確認し、「CPU」の列をチェック
- 「パフォーマンスタブ」をクリックし、下辺りにある「リソースモニター」をクリック
ここで重要なのが3と4の工程です。
3は自身がインストールしたアプリやよく使うソフトウェア以外を除外してチェックしていき、CPUの値が異常に高くなっているアプリなどないかを確認します。
また、身に覚えのないアプリがあればそのアプリもチェックし、メモなどを取っておきましょう。もし、高い数値が出ている場合には4のステップへ移ります。
4のリソースモニターを開くと、プロセスという文字の右側にCPU使用率という項目があり、他に何もしていないのにその数値が100%の時などはウイルス感染している可能性が高いでしょう。
一方、Macパソコンの確認方法は起動時間と終了時間の確認で推測することが可能です。
例えば、自身が使用した時刻が15:00~16:00の間として、その他の時刻で起動やシャットダウンが行われていたら不正アクセスが行われた可能性があると推測できます。
では下記で確認手順をまとめましたのでご参考ください。
- 「その他」から「ターミナル」をクリック
- ターミナル画面が表示されたら、システムの起動時刻や再起動時刻を調べる場合は「last reboot」を入力
- ターミナル画面が表示されたら、システムの終了時刻を調べる場合は「last shutdown」を入力
また、ソフトの起動を調べる方法は「ユーティリティーフォルダ」から「コンソール」を選択すると確認することができるので、そちらも併せてチェックしてみましょう。
4-2.パソコンが普段の動作と違う動きをしていないかチェックする
パソコンの動作が重いように感じたり、カーソルが勝手に動いていて自身ではコントロールできない場合はウイルスに感染し、遠隔操作をされている可能性があります。
ただし、ウイルス感染していなくてもCPUが高くなっている場合は動作が重くなるので、他の項目も含めて確認が必要です。
5.パソコンが遠隔操作されている場合の対処法

ここまでで、自身のパソコンがウイルス感染している可能性が高いと判断できたら、次は対処する必要があります。対処方法は主に下記の4つです。
- パソコンのネットワークを切断する
- セキュリティソフトのスキャンを行う
- パソコンの初期化を行う
- プロの業者に検査してもらう
では、ここからは対処法を詳しく解説していきます。
5-1.パソコンのネットワークを切断する
ネットワークの接続を切ることで遠隔操作の接続も断ち切ることができるので、一度ネットワークを切断しましょう。
まずは、ネットワークに接続しているアダプターを確認し、ネットワークの切断を行います。Windows10の手順は下記の通りです。
- Windowsシステムツールのコントロールパネルをクリックし、ネットワークと共有センターをクリック
- 左側にあるアダプターの設定の変更をクリックして、ネットワークに接続しているアダプターを確認
- 接続しているアイコンの上で右クリックし、無効にするをクリック
- 無効の表記になる
上記を行うと、ネットにつなげても「インターネットに接続されていません」という表示が現れ、それが無効になっている状態です。
では、次にMacの手順を解説します。
- 「システム環境」をクリックし、「ネットワーク」をクリック
- 「ネットワーク環境」という画面が表示されるので変更するサービスをクリック
- リストの下の方にある歯車マークをクリックし、「サービスを無効にする」をクリック
- 「適用」をクリック
また、Wi-Fiルーターの接続を切り、物理的に入り込まれない状況を作りましょう。
5-2.セキュリティソフトのスキャンを行う
ネットワークを切断したら、セキュリティソフトでフルスキャンを行うのも有効的な手段です。
セキュリティソフトを導入している方は使用しているセキュリティソフトのマニュアルなどを確認しながら作業を進めましょう。ソフトによってはスキャンから駆除までしてくれるものもあります。
ただし、セキュリティソフトを導入していても最新版をアップデートしていないと意味がないので、早急に最新版へアップデートを行いましょう。
まだセキュリティソフトを導入していない方は、速やかにセキュリティソフトを導入する必要がありますが、焦らず冷静にウイルスに感染していない端末で信頼できるソフトを調べて導入しましょう。
5-3.パソコンの初期化を行う
セキュリティソフトで駆除作業を行ってもパソコンの不具合が直らない場合、最終手段として初期化を行いましょう。
ただし、パソコンの初期化はこれまで保存してきたデータなどがすべて消えてしまうので、USBメモリや外付けハードディスクなどにバックアップを取っておく必要があります。
ここでの注意点としては、バックアップ時に外部記録媒体にもウイルスを持ち込まないことです。
データを移す際には必ずウイルススキャンを行い、感染していたら駆除を行ってから必要なデータだけをバックアップしましょう。
では、先にWindowsパソコンの初期化手順を解説していきます。
- 「スタートボタン」で歯車マークの「設定」をクリックし、「更新とセキュリティ」をクリック
- 左側にある「回復」をクリックし、「このPCを初期状態に戻す」の欄の開始をクリック
- 「オプションを選択してください」と表記が出るので、「すべて削除する」をクリック
- 「ドライブのクリーニングも実行しますか?」と表記が出るので、「ファイル削除のみ行う」をクリック
- 「このPCをリセットする準備ができました」という表記が出るので、「リセット」をクリック
3は、個人用ファイル保持するという項目もありますが、ウイルスを完全に消すことはできません。ウイルスを徹底排除する目的があるため、今回はすべて削除するを選択します。
4のファイル削除のみ行う以外に、「ファイルを削除して~」という項目もありますがパソコンを売る・譲るなどの予定がなければ「ファイル削除のみ行う」で問題ないでしょう。もし、心配な方はファイルを「削除して~」の項目をクリックする方が安心です。
では次にMacの初期化手順を解説していきます。
- iTunes・iCloud・iMessageをサインアウトする
- 「再起動」をし、Appleロゴが表示されるまで「command + R」をずっと押す
- 「ディスクユーティリティ」を選択し、「続ける」をクリック
- 左側にある「現在使用しているディスク」を選択し、上辺りにある「消去」をクリック
- ダイアログ画面が表示されたらフォーマット欄を「Mac OS 拡張(ジャーナリング)」をクリックし、「消去」をクリック
- ユーティリティ画面の「Mac OSを再インストール」をクリックし、「続ける」をクリック
- 使用するディスクを選択し、「インストール」をクリック
- 「ようこそ」という表示が出るまで、「Command+Q」をずっと押す
1のサインアウトを忘れてしまう方が中にはいるようですが、初期化前の情報をそのまま維持してしまう可能性があるので忘れずに各種サインアウトするようにしましょう。
また、WindowsもMacも言えることですが、容量の違いにより初期化の所要時間は数時間かかる場合があります。
5-4.プロの業者に検査してもらう
ウイルススキャンやパソコンの初期化を自身で行うことが不安な方は、プロに検査・対処してもらう方法もあります。
もし多額な金銭請求されたりストーカー被害にあって犯人の特定をしたい場合、業者によっては証拠などを調査してくれる調査サービスを行っている所もあります。
しかし、このサービスを行うのは法的処置をとりたい方などがメインで、依頼内容によっては数十万円かかる時もあります。
一般的にはウイルスの診断・駆除する作業で、大体の費用は8,800円~17,600円程度が相場で、修理期間は早ければ当日に完了します。
ドクター・ホームネットではウイルスの除去から感染対策、大切なデータのバックアップ設定からセキュリティソフトのインストールまで対応しています。
今後、遠隔操作や悪質なウイルスにパソコンを犯されたくない、という方も一度ご相談ください。詳しくはこちら。
6.パソコンを遠隔操作されないための5つの対策

原因や対処法など解説してきましたが、やはり、事前に対策しウイルスに感染しないことが最善です。対策としては下記の5つが挙げられます。
- パスワードを管理する
- ソフトウェアやOSは最新バージョンにする
- 不審なメールやサイトは開かない
- 最新のセキュリティソフトを導入する
- 無線LANのセキュリティ対策も行う
下記で解説していることは日頃からできることですので、是非取り入れてみましょう。
6-1.パスワードを管理する
パスワードの設定はほとんどの方がされていると思いますが、パスワード管理をしっかりと行う必要があります。
パスワードを設定しなければならないサービスなどが多いですが、そのパスワードの内容がただ数字を羅列しているだけのものや自身の誕生日の場合、簡単に乗っ取られてしまう可能性もあります。
なので、推測されにくいパスワード設定は非常に重要であり、また、定期的に変更したりパスワードをサービスごとに変更するのも効果的です。
6-2.ソフトウェアやOSは最新バージョンにする
本記事でも繰り返していますが、セキュリティソフトはもちろんのこと、OSなども最新の状態にしておきましょう。
古いバージョンだと外部からの攻撃や侵入が容易にできてしまい、攻撃を受けた際も弱く、不具合が生じる可能性が高くなります。
アップデートがあった際には必ず行い不具合の原因を解消しておきましょう。
Windowsのアップデート方法を下記にまとめましたのでご参考ください。
- 「スタートボタン」で「設定」をクリックし、「更新とセキュリティ」をクリック
- 左側にある「Windows Updates」をクリック
- 更新する必要がある場合には、下の方に「今すぐインストールする」という表記があるのでクリック
また、再起動が必要な場合があるので、その際は今すぐ再起動するをクリックしましょう。もし、タイミングとして再起動したくない場合は、再起動の時刻を選択することもできます。
では、Macのアップデート方法を解説していきます。
- 「システム環境」をクリックし、「ソフトウェア・アップデート」をクリック
- アップデートがある場合は、「今すぐアップデート」をクリック
最新の状態である場合は、「今すぐインストールする」「今すぐアップデート」という表記はありません。
6-3.不審なメールやサイトは開かない
不審なメールやサイトを開いたり、アプリやソフトウェアを容易にインストールしないことが大切です。
先ほども触れましたが、知人になりすまし言葉巧みにサイトへ誘導してきます。少しでも不審と感じた際は開かないようにしましょう。
また、SNSを利用している方も多くいると思いますが、TwitterやFacebookなどのDMにURL付きのメッセージが来ることがあり、そのURLをクリックすると被害を受ける場合もあるので安易にクリックしないよう注意してください。
手口として、知人のアカウントからDMが届きクリックしてしまうケースが多くあります。ほとんどの場合、本人が送りつけているのではなく、知人のアカウントが第三者に乗っ取られてDM送信されている可能性が高いです。
クリックしてしまうと自身のアカウントも乗っ取られ、また他の方へとURL付きDMが送られるケースもあります。
6-4.最新のセキュリティソフトを導入する
最新のセキュリティソフトを導入することで、ウイルスの脅威を未然に防ぐことが可能です。
セキュリティソフトは無料版・有料版と多種多様にリリースされていますが、中には偽セキュリティソフトというものも存在します。
偽セキュリティソフトを導入してしまうと、データの破損や不正請求、ネットワークに接続できなくなるなどの被害が出る場合があります。
導入する前に、検討している製品についてよく調べてから導入しましょう。
6-5.無線LANのセキュリティ対策も行う
意外と見逃してしまう無線LANのセキュリティ対策ですが、無防備な状態のままだと無線LANからウイルス感染する可能性もあります。
対策として効果的なのは下記の通りです。
- 容易にFree Wi-Fiを使用しないようにする
- 無線LANルーターの暗号規格が安全性の高いものか確認する
- 定期的に推測されない複雑なパスワードに変更する
- SSL化されているサイトのみを閲覧する
- アップデートは必ず行う
上記以外にも対策方法はありますが、まずは上記の対策方法を徹底しましょう。
パソコンを遠隔操作されていないか確認しよう
以前の様子とは異なる動作をしている際はウイルス感染も視野に入れて確認してみましょう。また、自身のパソコンがウイルス感染し、第三者から遠隔操作されてしまう前に、安全なセキュリティソフトを導入・最新のものにアップデート・安易にクリックしないことが大切です。
ウイルス感染と聞くと焦ってしまう方も多いと思いますが、冷静に確認し、的確な処置を行えば駆除することも可能なので本記事を参考に焦らず対処しましょう。また、やっぱり不安という方は、修理業者へ依頼し検査や駆除作業をしてもらう方が安心ですし、的確に行われるのでおすすめします。