セーフモードの起動方法を解説!解除方法や起動しない時の対処法も紹介
突然パソコンが起動しない、急に動作が遅くなって使いずらいなどの不具合が起きた時、セーフモード起動を活用することで不具合の原因を特定し、適切な対処を行うことが出来ます。
この記事ではセーフモードが必要な時の症状から起動と解除のやり方・注意点などを順に解説していきます。
パソコンの使用に不安がある方や不慣れな方でも分かるよう詳しく解説していますので、不具合で悩まれている方は参考にしてください。
セーフモードとは?
パソコンを使っているとシステムに不具合やトラブルが発生しすることはよくあります。
セーフモードでは、Windowsを動作させるための最小限のドライバーや機能だけを有効にした状態で起動させます。これによって、パソコンのトラブルの原因がOSの設定によるものなのか、それ以外の問題なのかを区別することができます。
セーフモードで起動させることは「パソコンが起動しない」「急にフリーズしてしまう」などのパソコンの不調の原因を調べる方法として有効的な手段です。
補足になりますが、Windows 11を始めとするWindowsシリーズだけではなく、Mac OSやAndroidなどほとんどのコンピューターのOSは最小限の状態で立ち上げる機能を持っています。
では、どういった時に活用できるのか詳しく見てみましょう。また、その症状になった際のやり方などはのちほど解説していきます。
セーフモードを使用すべき状況
OSが起動しなくなった時
Windows診断用の起動モードと言われているセーフモードは、通常の起動とは異なり、必要な機能だけを使ってパソコンを起動するので、その他のアプリやソフトは無効状態になり不具合の原因を調べることができます。
なので、問題が生じたら先にセーフモードで起動可能か確認してみましょう。
起動しない時は、一般的にアプリなどが原因ではない可能性が高いです。
使用中にフリーズする時
アプリの使用中など動作が重くなったり、頻繁にフリーズしてしまう時にも活用できます。
例えば、セーフモードで起動し、フリーズなどの不具合が何も起こらなかった場合にはアプリやソフトなどの不具合が考えられ、OSは問題ないと考えられます。その逆で、立ち上げても動作がおかしい場合にはハードディスクなどが原因である場合が多く、アプリによる不具合ではないと考えられるでしょう。
ウイルス感染の恐れがある時
通常のモードで操作できない場合、ウイルスに感染している可能性もあるのでその際は、焦らずセーフモードを活用してみましょう。
その際にはウイルス自体も活動できない場合が多く、原因のリサーチやウイルス駆除などを行うことが可能です。
修理対応 | 出張/持込/宅配 |
---|---|
対応エリア | 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国15店舗/宅配修理は全国47都道府県 |
実績 | 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの修理実績を当サイト掲載中 |
料金 | 起動しないパソコンの修理 22,000円~ + 基本料金 8,800円~11,000円 |
セーフモードを起動する3つの方法
主に下記の3つの方法があり、下記ではWindows 10/11の方法を解説しています。
- msconfig(システム構成)から起動する
- 設定画面から起動する
- コマンドプロンプトを使用する
パソコンに不慣れな方でもできる項目があるので、是非ご確認ください。
また、OSの違いにより多少やり方は異なるのでWindows 10/11以前を使用している方は公式サイトで確認しながら行いましょう。
msconfig(システム構成)から起動する方法
- 「Rキー」と「Windowsロゴキー」を同時に押す
- 「ファイル名を指定して実行」の名前欄に「msconfig」と入力し、「OK」をクリック
- 「ブートタブ」をクリックし、「セーフブート」にチェックを入れ、「OK」をクリック
- メッセージが表示されたら「再起動」をクリック
1のWindowsロゴキーというのはキーボード上のWindowsロゴが書いてあるキーを言います。
3と4の間に、BitLockerドライブ暗号化が~という表記が出ることがありますが、これはBirLocker(ドライブ暗号化機能)を有効にしている場合に出るので、内容に問題がなければOKをクリックして問題ありません。
補足ですが、BitLockerというのはWindows 10/11に搭載されており、ハードディスクやUSBメモリなどの情報を暗号化し保護する機能のことです。
4はすべてのプログラムを閉じていない場合のみ表示されるので、表示が出なくても問題ありません。
設定画面から起動する方法
- 「スタートボタン」で歯車マークの「設定」をクリック
- 表示されたら「更新とセキュリティ」をクリックし、「回復」を選んで「今すぐ再起動」をクリック
ショートカットキーを用いない方法なので、初心者の方にとっては身近でやりやすいでしょう。
手順も少なく初心者の方におすすめの方法です。
コマンドプロンプトで起動する
- 「Rキー」と「Windowsロゴキー」を同時に押す
- 「ファイル名を指定して実行」の名前欄に「cmd」と入力し、「OK」をクリック
- 画面が表示されたら語尾に「shutdown /r /o /t 0」と入力し、「Enterキー」を押す
1~2を行えば表示されると思いますが、ショートカットキーなどを使い慣れていない方は下記の方法をお試しください。
- 「スタートボタン」から「Windowsシステムツール」をクリック
- 「コマンドプロンプト」の所にカーソルを持っていき、右クリックして「管理者として実行」をクリック
- 画面が表示されたら語尾に「shutdown /r /o /t 0」と入力し、「Enterキー」を押す
画面を見ると初心者の方には少しレベルが高いように感じる方も中にはいるかもしれませんが、基本的には語尾に上記通りの入力をすればできます。
しかし、心配だからあまり入力などの作業はしたくないという方は、1つ前のWindows設定画面からお試しください。
セーフモードを解除する3つの方法
問題を解消できたらセーフモードは自動で解除されないので解除する必要があります。
セーフモードを立ち上げたら通常モードに戻らないといった質問などをインターネットでよく見かけるのですが、セーフモードの解除の仕方は起動方法によって異なります。
上記の起動方法を少し思い出しながら、ここからは解除方法を詳しく解説していきますのでご参考ください。
- シャットダウンする
- msconfigを使用する
- コマンドプロンプトを使用する
シャットダウンをする
通常通りシャットダウンをするだけで解除されます。
完全にシャットダウンできたら1分ほど待ち、再び立ち上げると通常のモードで起動することができます。
この方法はいくつかあるセーフモードの解除方法で最も一般的かつ簡単です。
msconfig(システム構成)から解除する
msconfigからセーフモードを起動した場合は、以下の手順からでないと解除できません。
- 「Rキー」と「Windowsロゴキー」を同時押しする
- 「ファイル名を指定して実行」の名前欄に「msconfig」と入力し、「OK」をクリック
- 「ブートタブ」を選択し、「セーフブート」のチェックを外して、「OK」をクリック
- メッセージが表示されたら「再起動」をクリック
コマンドプロンプトで解除する
もしも上記2つの方法を試してもセーフモードが解除されない場合は、コマンドプロンプトから解除しましょう。
手順は以下の通りです。
- 「Rキー」と「Windowsロゴキー」を同時に押す
- 「ファイル名を指定して実行」の名前欄に「cmd」と入力し、「OK」をクリック
- 画面が表示されたら語尾に「bcdedit /deletevalue safeboot」と入力し、「Enterキー」を押す
セーフモードで起動後に確認するチェックポイント
立ち上げた後に確認しておきたいポイントを参考例と共に解説します。
通常時は動作が重くハードディスクなどを整理してみても改善されなかったが、セーフモード起動後は改善が見られた場合、考えられる原因は下記の通りです。
セーフモードで改善が見られた場合 | インストールしたドライバーやアプリ、アップデートが原因 |
---|---|
セーフモードで改善が見られなかった場合 | OS自体の問題や機械的な故障の可能性 |
セーフモードで改善が見られた場合は、インストールしたドライバーやアプリ、アップデートが原因の可能性が高いです。
この場合にはまず、最近インストールしたアプリや常駐ソフトを停止、または周辺機器を取り外してみましょう。そうすることで、「動作が遅い」「パソコンが起動しない」などの問題を解決できる場合があります。
次にセーフモードで改善が見られなかった場合は、OS自体の問題や機械的な故障の可能性があります。
この場合は自身で修理することもできますが、パソコン初心者の方だと自力で直す方法は難しいので、PCホスピタルにご依頼いただいた方が安心です。
セーフモードを起動する際の3つの注意点
ここでは、注意していただきたいポイント3つを解説いたします。
このポイントを見逃してしまうとうまく立ち上げることができなかったり、ウイルス感染してしまう恐れもあるのでよく確認してから行いましょう。
利用できない周辺機器がある
必要な機能だけで起動させるため、キーボードなどの周辺機器の利用も制限されます。
後程改めて解説しますが、外して問題のない周辺機器はあらかじめ外しておきましょう。
どの周辺機器を外していいのかわからない方は下記をご参考ください。
- USBメモリやUSBマウス
- プリンター
- スキャナー
- メモリーカード など
また、パソコンに接続されている周辺機器を調べる方法もあり、「コントロールパネル」の「デバイスマネージャー」をクリックし、「ディスクドライブ」をクリックすると表示されます。右クリックで「プロパティ」をクリックすると正常に動作しているかも確認できます。
常駐ソフトが起動できなくなる
上記と同じ理由で、ウイルスソフトなどの常駐ソフトは起動できなくなります。ウイルス感染のリスクも高まるので、メールの送受信やインターネットの利用は避けた方がいいでしょう。
メールの送受信などを一時的に止めるためには、物理的にインターネットを利用できないように無線LANのスイッチなどを切った方が安全です。
Windows 10/11は7以前の起動方法のものとは異なる
Windows 10/11のセーフモード起動はWindows回復環境経由で起動するので、msconfigから立ち上げる時以外、Windows7までのものとは異なります。
また、Windows 7までは可能だったF8連打でのセーフモード起動がWindows 10/11のパソコンでは難しくなっており、F8でのセーフモードの起動を行いたい場合は別途、設定が必要です。
セーフモードで起動した後にやっておきたい4つのこと
正常な状態に戻すためにも、立ち上げた後にやっておきたいことが少なくとも4つあります。
- 更新したドライバーなどをアンインストールする
- アプリの削除
- システムの復元
- スタートアップのチェックをする
しかし、症状の状態によってやる必要があるものと不要なものもあるので、まずは、下記を参考に自身の環境では必要かどうか1つ1つ確認してみましょう。
更新したドライバーなどをアンインストールする
アンインストールすることで動作が遅いなどの不具合が解消されることがあります。
「デバイスマネージャー」から各種更新したドライバーのアンインストールを行うことで、更新したドライバーのどれが不具合の原因か見極められます。
アプリの削除
パソコンの動作を遅くしていたり、不具合の原因と思われるアプリを削除することで改善される場合があります。
アプリの削除方法は、「タスクバー」で「システム構成」を呼び出し、「スタートアップのタブ」から行うことができます。
システムの復元
あらゆる手段で試してみても不具合が解消されない場合、システムの復元を検討しましょう。
パソコンの不具合が起こり始めた時期を思い出し、調子が悪くなる前の復元ポイントにシステムの復元を行うことで原因の特定も可能です。
ただし、最近インストールしたアプリなどは削除されるのでよく内容を理解し、大切なデータがある場合には注意しましょう。
下記では復元ポイントを利用したシステムの復元方法をご紹介します。
- 「タスクバー」に「システム保護」と入力し、「復元ポイントの作成」を呼び出しクリック
- 「システムのプロパティ」が表示されるので、「システムの復元」をクリック
- 「システムの復元」が表示されるので、「次へ」をクリック
- 「復元ポイント」が表示されるので、復元したいポイントを選択し、「次へ」をクリック
- 「復元ポイント」の確認画面が表示されるので、問題ないようなら「完了」をクリック
- 「いったんシステムの~」というポップアップが表示されるので、問題ないようなら「はい」をクリックし復元を開始
4の手順の際、右下あたりに「影響を受けるプログラムの検出」が表示されており、この復元によって影響が出てしまうプログラムを検出してくれる機能なので、心配な方は確認しておくといいでしょう。
スタートアップのチェックをする
スタートアップというのはWindowsを起動した際に同時に自動で立ち上がるプログラムをいいます。
このスタートアップが多くなることでパソコンの起動自体も遅くなることがあるので、不要なものは無効状態、または削除した方がいいでしょう。
自分で登録したものや、パソコンで作業しているうちに勝手に登録されてしまうこともあるのでこの機会に確認することをおすすめします。
Windows 10/11のスタートアップ設定の手順は下記をご参考ください。
- 「スタートボタン」から「設定」をクリックし、「アプリ」をクリック
- 左側にある「スタートアップ」をクリックし、不要なソフトを「オン」から「オフ」へ変更
2のスタートアップ画面に移ると、様々なソフトが表示されオンやオフの表記があることがわかると思います。オンは現在スタートアップ設定されているソフトで、オフは現在スタートアップ設定されていないソフトを意味しています。
注意点としてはウイルスセキュリティなどの大切なソフトまでオフに設定してしまうと、ウイルス感染などのリスクも高くなりますので慎重に確認して作業を行いましょう。
セーフモードが起動しない時の対処法
セーフモードが起動しない問題としては以下3つが考えられます。
- Windowsシステムファイルに異常がある
- パーテーションやファイルシステムがエラーになっている
- ハードディスクが故障している可能性がある
セーフモードが起動しない時の対処法を解説します。
コマンドプロンプトで修復する
- 「トラブルシューティング」画面より「詳細オプション」へ進み、「コマンドプロンプト」を選択
- 画面が立ち上がったら、「sfc /scannow」と入力し、「Enterキー」を押す
この方法で修復することができたら、正常に修復されましたと表示が出ます。正常に終了しなかった場合には、修復できませんでしたと表示されますので、どのようなメッセージが表示されるのか確認しておきましょう。
周辺機器が全て取り外しているかを確認する
周辺機器が原因で不具合が起こる場合もあるので、外付けハードディスクなどの増設した周辺機器もすべて取り外すようにしましょう。
BIOSの初期化を行う
BIOSはOS起動時などにハードディスクなどを管理し制御する役割を持っているプログラムです。
このBIOSの設定により起動時の不具合が生じることもあるため、初期化を行い動作が正常な状態になるか確認してみましょう。このBIOSの初期化のことをCMOSクリアといいます。
では、下記でCMOSクリアの手順を解説していきます。
- シャットダウンし、電源ユニットも抜く
- パソコンのカバーを外し、マザーボードに取り付けられているボタン電池を取り外す
- 10分程度放電
- 10分程度経ったら、ボタン電池を元の場所に戻す
- パソコンのカバーを閉め、電源ユニットを挿し、起動
マザーボードというのはBIOSの情報を記録しているメモリなので、電池を取り出すことにより情報を留めることができなくなり、情報を削除することができます。
しかし、パソコン内部を触れることになるので、静電気防止手袋などを使用し、静電気をパソコン内部に起こさせないようにしましょう。また、とてもデリケートなパーツが密集しているため、破損させないように慎重に作業を行う必要があります。破損させた場合、パソコン自体起動しなくなる場合があるので要注意です。
大切なデータがある場合は念のためバックアップを取っておいた方が安心です。
BIOSの初期化を行った後にパソコンの時刻などが異なっている場合があり、時刻が異なっているとアップデートできなくなるなどの弊害が生じてしまうので、必ず初期化後は出荷時の内容と異なっていないか確認する必要があります。
設定方法は機種によっても異なるので、自身の使っている製品公式サイトで確認してみましょう。
セーフモードが起動しないトラブルをプロに任せるのも一つの対処法
前述の方法でセーフモードが起動できない場合、システムの不具合や内部パーツの故障など複数の原因が組み合わさっている可能性もあります。
システムの復旧やパソコンを分解して内部パーツを交換すれば改善するかもしれませんが、失敗すれば別の不具合が発生してしまうことも考えられます。また、ノートパソコンや一体型パソコンは分解の難易度が高く、知識が無ければ修復できない状態に陥る可能性があります。
自力で改善することが難しいとお考えの場合はパソコンやデータを守るためにも、プロのパソコン修理業者のPCホスピタルにご依頼いただくことをおすすめいたします。
PCホスピタルはセーフモードが起動しないトラブルのサポートが可能です
初心者の方では原因の見極めが難しい場合もあるので、日頃からパソコントラブルに関してある程度の知識を持っておいた方が、いざという時に対応しやすくなるでしょう。
また、OSや機種によっても多少異なる部分があるので、混乱してしまう前にマニュアルや使用している使用機種の公式サイトで確認することもおすすめします。
セーフモード起動で正常に動けば問題はないと思いますが、立ち上がらないなど不具合が改善されない場合には適切な対処を行う必要があります。
セーフが起動しなくてお困りの場合はぜひPCホスピタルにパソコン修理をご依頼ください。
修理対応 | 出張/持込/宅配 |
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対応エリア | 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国15店舗/宅配修理は全国47都道府県 |
実績 | 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの修理実績を当サイト掲載中 |
料金 | 起動しないパソコンの修理 22,000円~ + 基本料金 8,800円~11,000円 |
濱﨑 慎一(日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事)
2010年8月、日本PCサービス株式会社に入社。パソコン修理などデジタルトラブルを5年で4500件以上解決。その後、サポート人材育成など、事業責任者として、個人向けデジタルトラブル解決に8年半携わる。2019年より同社にて、法人向けサポートの取締役に就任。また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として業界活性化のため正しいデジタル知識の普及、スマートフォンなどの新しい整備士資格の構築に携わる。
保有資格 パソコン整備士検定 取得