PCの電源ユニットを交換する方法や手順・注意点を解説

目次
「最近、PCの電源がすぐに落ちてしまう」「電源がつかなくなってしまった」などの不具合が起きて困っている方へ、もしかしたらそれはPCの電源ユニットの交換時期なのかもしれません。本記事では、電源ユニットを交換するタイミングや交換のやり方などを解説しています。
1.PC電源ユニットの交換が必要な状況を解説

まずはPCの不具合がPC電源ユニットの交換と関係しているのか、原因を確かめていきましょう。
PCの電源ユニットを交換しなければならない場合、以下のような不具合が現れます。
- PCの電源が入らない
- 電力が不安定でフリーズや再起動を繰り返す
- PCを起動してもすぐに電源が切れる
これらの不具合が出た場合には注意です。
1-1.PCの電源が入らない
- コンセントには刺さっているのに、電源を入れても全く反応がない場合
- 冷却ファンなどの反応がなく、電源がつかない場合
- 冷却ファンは動いているが、液晶に何も映らない場合
一時的に使いすぎて負荷がかかってたり、接触不良の場合もあるので、一度コンセントを抜いて放電させてみたり、接触の確認をしてみましょう。
しかし、PC内部の故障であれば対処法を試しても正常に動くことはないので、上記のような症状があれば交換のタイミングかもしれません。
1-2.電力が不安定でフリーズや再起動を繰り返す
- 冷却ファンや電源ランプなどの動作は正常だが、勝手に電源が落ちてしまう場合
- 冷却ファンや電源ランプなどの動作は正常だが、何もしていないのに何度も再起動してしまう場合
- 冷却ファンや電源ランプなどの動作は正常だが、フリーズしてしまう場合
電力が不安定になっている理由として、ほとんどの場合電源ユニットの故障と考えられます。
しかし、電源ユニットが正常に動いていても上記のような症状が現れる場合もあるので、下記もチェックしてみましょう。
1-3.PCを起動してもすぐに電源が切れる
- HDDなどのアップグレード後、不具合が多くなった
- 多くのタスク処理中に不具合が起こりやすい
上記の症状は、電源ユニットの故障ではなく、PC自体に負荷がかかりすぎている時に起こりやすくなります。
拡張による電力不足やパーツの接着などが甘いために高温になり、不具合が起きやすくなっているとも考えられます。そのため、何が原因なのか症状を見ながら対処法を試し、原因特定していく必要があります。
2.PCの電源ユニットを交換する2つの方法

PCの電源ユニットを交換する2つの方法とは、「自力で交換する方法」と「修理業者に依頼する方法」です。
PC内部のコードや構造を把握している方は自力で交換した方が低コストで済みますが、「PCの内部構造を見たことがない」という方は修理業者に依頼するのが無難です。
また、もしもPC電源ユニットに不具合が見られた場合、PCを購入してから何年経っているか調べておきましょう。
1~2年前に買ったPCであれば電源ユニットの交換で正常に動くようになりますが、5年以上経っているPCの場合は他のパーツが故障するリスクもあり電源ユニット以外も交換しなければならない状況も考えられます。
交換や修理ばかりだとそれにかかる費用も大きくなるので、5年以上経っているPCに関しては買い替えも検討しましょう。
2-1.自力で交換する
PCの電源ユニットは、ご自身のPCに合うユニットを購入すれば自力で交換することも可能です。部品代金はだいたい5,500〜11,000円あたりなので、その費用だけで交換できます。
また、自力でPCの電源ユニットを交換する方法については、後ほど詳しく解説します。
2-2.修理業者に依頼する
PCの電源ユニットは自身でも交換出来ますが、PC内部での作業になりますし、複数のコードを取り扱うので、PC初心者には難易度が高いです。
なので、安全かつ正確に交換したいのであれば早い話、やはり修理業者に頼むのが安全で手っ取り早いです。
費用は業者によって異なりますが、修理費用が6,600円ほどで電源ユニット代を含めると、12,100円から17,600円ほどで交換してもらえます。
ドクター・ホームネットではパーツの入手が難しい電源ユニットでも修理・交換が可能です。詳しくはこちら
3.交換する電源ユニットの選び方

電源ユニットはお持ちのPCや動作に必要な電源容量によって異なるので、電源ユニット選びは慎重に行う必要があります。
ここからは、お持ちのPCや目的にあった電源ユニットの選び方を解説します。
3-1.PCの動作に必要な電源容量を確保する
交換前の電源ユニットよりも容量の大きいものを選ぶ必要がありますが、通常のPCとゲーミングPCでは必要な電源容量が異なりますので、事前に確認しておきましょう。
下記にも目安を記載してありますので、ご参考ください。
グレード | 容量目安 |
---|---|
ローエンドクラス(業務や通常時使う) | 500W |
ミドルクラス(ゲーミングPC) | 500W~750W |
ハイエンドクラス(上級レベル) | 750W~1000W |
超高性能ハイエンドクラス (ハイエンドクラスよりもレベルが高い) |
1000W~1500W |
3-2.必要な数だけコネクタがあるか
PCに搭載さてれいるSSD・HDD・グラフィックボードなどでコネクタの個数も異なるので、わからない場合は交換前の電源ユニットコネクタの個数を参考にすると間違いはないでしょう。
3-3.電源ユニットがPC本体に収まるか
購入してから電源ユニットがPC本体に収まらない失敗を防ぐためにも、事前に確認しておく必要があります。
電源ユニットは規格がある程度決まっているので、下記を参考に確認しておきましょう。
規格 | 備考 |
---|---|
SFX | 小型のPCに採用されている |
EPS | ATXよりも高機能であり、サーバーなどの用途で採用されている |
ATX | 通常、デスクトップPCに採用されている |
電源ユニットの性能は80PLUS認証で判断
80PLUS認証とは、ロスが少なく電気を変換できるかを示す電源変換効率が80%以上のもの示す認証であり、電源変換効率が高いほどその電源ユニットは有能です。
また、80PLUS認証には6種類のグレードがあり、電源容量にもよりますが価格帯もグレードによって異なります。
下記に80PLUS認証のグレード表を記載しているので、参考にしてください。
グレード | 電源負荷率50% | 電源負荷率100% |
---|---|---|
Titanium | 94% | 90% |
Platinum | 92% | 89% |
Gold | 90% | 87% |
Silver | 88% | 85% |
Bronze | 85% | 82% |
Standard | 80% | 80% |
4.PCの電源ユニットを交換する手順をステップごとに紹介

4-1.【ステップ1】PC本体に挿しているものを抜く
まずは、PC本体に挿しているケーブルを全て抜きます。
主に、HDMIケーブル・USBケーブル・LANケーブル・DisplayPort・電源ケーブルなどを外していくので、破損しないように優しく扱いましょう。
※このケーブル類は人それぞれ異なるので、マニュアルを見ながら外すことをおすすめします。
4-2.【ステップ2】PCのカバーを外し現状をチェック
次にPCカバーを外したらパーツの位置などを確認します。
PCを優しく寝かせて行うと作業がしやすくなります。その際、傷つけないように下に布などを敷くことをおすすめします。
電源ユニットから様々なパーツにコネクタが繋がっているため、交換時に「これどこに挿すんだっけ?」とならないように、写真を撮るなど記録しておきましょう。
4-3.【ステップ3】電源ユニットからのケーブルを全て抜く
では、次に電源ユニットからケーブルを全て抜いていく作業に移ります。
- メイン電源のマザーボード
- CPU電源
- HDDやSSDなどに接続されているSATA電源
- グラフィックボードの補助電源
上記のパーツにケーブルが挿し込まれているので、記録しながら抜いていきます。
注意点としては、しっかり挿し込まれているケーブルを抜けないからといって無理やり引っ張ると破損の原因になってしまうため、本体などを抑えながらそっと抜きましょう。
※PCによりパーツやケーブルも異なるので、マニュアルを見ながら行いましょう。
4-4.【ステップ4】PC本体から電源ユニットを取り外す
ここからは、電源ユニットを外していく作業に移ります。
ステップ3で外したケーブルはケーブルバンドなどで止めておくと作業しやすくなるのでおすすめです。
また、電源はネジなどで固定されている場合が多いのでドライバーを用意しておきましょう。ネジを外したら電源ユニットを外しましょう。
4-5.【ステップ5】新しい電源ユニットのコネクタを挿す
さて、いよいよ新しい電源ユニットのコネクトを挿していく作業に移ります。
ステップ2で記録しておいた通りにパーツを全て挿し込んでいきますが、ここで大切なのは、面倒くさくても一々確認しながら作業を行うことです。写真だけでなくマニュアルも活用する方が安心です。
確認不足だとトラブルにつながりやすくなるので注意深く作業を行いましょう。
4-6.【ステップ6】PC本体に固定してカバーを閉じる
ステップ5が終わったら、新しい電源ユニットを元通りにしていきます。
新しい電源ユニットに付属しているネジを使用し、PC本体に固定していきましょう。
全て取り付けが完了したらカバーを閉じるのですが、ケーブルが長く収まらない、ごちゃごちゃが気になるという方はケーブルバンドなどを使ってまとめるとスッキリしておすすめです。
5.PCの電源ユニットを交換する注意点

PCの電源ユニットを交換する際は、以下3つの注意点があります。
- 接続したケーブルは整理しておく
- 独自規格の電源ユニットは交換を専門家に依頼
- 接続するコネクタはよく確認をする
2つ目の注意点にもあるように、自力ではどうにもならないこともあるので、注意点を確認した上で電源ユニットの交換を行いましょう。
5-1.接続したケーブルは整理しておく
初心者の場合は特に、ケーブルがどのパーツのものだったのか判断するのは難しく、写真で記録していても似たような見た目なので混乱してしまうことが多いでしょう。
他のパーツと干渉させないためにも、ケーブルバンドや安価で購入できる結束バンドなどを活用して整理しておくと、作業が進めやすくなるのでおすすめです。
5-2.独自規格の電源ユニットは交換を専門家に依頼
時折、独自規格の電源ユニットもあるので事前に確認が必要です。ネジの配置やケーブルの配置が異なる電源ユニットは、市販の電源ユニットではうまくはまらない場合や交換が出来ない場合があります。
独自規格の電源ユニットはケースにネジ穴を開けなくてはいけない場合もあるので、この場合は専門家に依頼した方が安心です。
5-3.接続するコネクタはよく確認をする
接続するコネクタは形状が酷似しているものが幾つもあるため、マニュアルなどをよく確認した後に接続しましょう。
もしもマニュアルを見てもわからない場合には、無理に接続しようとすると故障トラブルや火災の原因にもなります。
ですので、接続するコネクタがわからなくなってしまった場合には、自力でなんとかするのではなく、専門家に相談することをおすすめします。
ドクター・ホームネットへのご相談はこちら。
6.PCの電源ユニット交換でよくある疑問

ここでは、PCの電源ユニットの交換でよくある疑問点を3つにまとめました。
- 電源ユニットの交換時期はいつ?
- 電源ユニットを長持ちさせる方法は?
- 電源ユニットの交換はいくらかかる?
今後のためにも、電源ユニットの交換に関しての知識を蓄えておきましょう。
6-1.電源ユニットの交換時期はいつ?
電源ユニットの交換時期は約2年~5年と言われています。
人によって使用量やタスク処理の負荷も異なるので5年以下で交換時期が来る人もいれば、5年以上たっても正常に動き、全く問題ない人もいます。
実際の交換は不具合や不調を感じてからで大丈夫ですが、頭の隅に「大体2年~5年の目安で電源ユニットの交換」と入れておくといいでしょう。
6-2.電源ユニットを長持ちさせる方法は?
普段の使い方によって長持ちさせることも可能です。
なるべくPCに負荷のかかる作業は控え、電源ユニットに熱が籠もらないよう掃除をし、通気のよい場所で使いましょう。
そうすることで電源ユニットだけではなく、PC自体の負担も減らすことが可能なので普段から気にかけてみましょう。
6-3.電源ユニットの交換はいくらかかる?

修理業者によっても費用は異なりますが、交換だけであれば部品代を除いて作業代は6,600円程度が一般的です。
この値段には交換する電源ユニット代も含まれていますが、場合によっては診断料なども必要になり、別途料金が発生する場合があります。
スペックを確認してPCの電源ユニットの交換
PCの電源ユニットの寿命が来た時の交換方法を解説してきました。PC関連の知識がある日とはマニュアルなどもよく確認しながら自身で交換することも可能ですが、知識がない人は難しい部分もあるでしょう。
チャレンジしてみたいという人は、本記事の手順やPCのマニュアルを参考に注意点を確認しながら慎重に交換作業を行いましょう。
もし、不安な場合にはやはり専門家に依頼した方が早いですし安心です。