HDDが発熱する原因とは?温度の調べ方や対処法を解説!
「パソコンを触ってみたら、ものすごく熱かった」という経験はありませんか。その原因はパソコン内部にあるHDDがデータの読み書き処理などを行うことで、熱を持ってしまうのです。ただ、HDDは必ず熱を持ってしまう部品になりますので、熱いからといって問題があるわけではありません。
しかし、熱対策をせずにそのまま使い続けることは、パソコンの寿命を縮めることに繋がるのです。そこでこの記事では、具体的にHDDが発熱する原因と発熱を抑える対処法を解説します。
HDDは60℃以上発熱したら危険
パソコンの動作に適した温度は15~25℃と言われています。温度が高すぎても低すぎてもHDDの調子が上がりません。人が快適に感じる温度とほぼ同じくらいの温度帯と考えておけばよいでしょう。
パソコンは熱がこもると、次のような不具合が発生します。
- 急に電源が落ちる
- 画面が固まる
- エラーメッセージが表示される
- マウスが動かなくなる
このようなパソコンのトラブルは、HDDの使いすぎが原因です。HDDのHDDは60℃までなら正常に動くとも言われていますが、高温下に置かないにこしたことはありません。特にノートパソコンはコンパクトで部品が密集していること、排熱性が低いことなどから熱がこもりやすいのが特徴です。
パソコンを触ってみて熱いと感じたら、HDDの温度を調べてみるとよいでしょう。HDDの温度を調べるにはフリーソフト利用するのがおすすめです。
HDDが発熱する主な原因
HDDが発熱する時に考えられる原因は下記の通りです。
- 季節と部屋の温度によるもの
- 周辺パーツの発熱によるもの
- 長時間の作業によるもの
- 冷却ファンの故障によるもの
- パソコンの通気口が詰まっている
HDDが発熱する原因を解説します。
季節と部屋の温度によるもの
気温が上がる夏は、パソコンも発熱しやすい環境です。夏場にパソコンが熱くなりやすくなることを理解するには、冷蔵庫を考えてみるとよいでしょう。冷蔵庫は、夏場は多くの電力を消費します。
冷蔵庫は「中を冷やす」と思われがちですが、冷たい空気を吹き付けて中を冷やすわけではありません。内部で取った熱を外に放熱することで、庫内の温度を下げているのです。そのため、外気温が高い季節は内部の熱を放熱しにくくなり、熱がこもりやすくなります。
放熱しにくいのは、外気温の高さに限りません。夏でなくても、ものが密集した換気の悪い場所で、直射日光があたる環境も発熱の原因になります。
周辺パーツの発熱によるもの
ノートパソコンは、そのコンパクトさと部品の密集度ゆえに長時間使っていると部品が熱を帯びます。
HDD以外にも、CPU、バッテリー、冷却ファンは発熱しやすい部品です。特に中央演算処理装置であるCPUは、パソコンの脳に相当するものであるため、最も熱を持ちやすいという特徴があります。
CPU以外にも充電器やコンセント周りにも注意を払いましょう。長時間ノートパソコンを電源につないで作業していると、充電器そのものが熱くなります。熱くなりすぎるとコードが変形したり、ひどいときには火事なったりすることもあります。
長時間の作業によるもの
パソコンは長時間作業すると、内部の換気がうまくできなくなるため、熱がこもりやすくなります。特にディスプレイと基盤とキーボードが一体になっているノートパソコンは構造的に排熱しにくいため、長時間作業にはデスクトップ型のパソコンの方が向いています。
ノートパソコンは本来、インターネットの閲覧や、Wordでの文章作成、Excelでの表計算などの負荷の軽い作業をするためのものです。HDDやSSDに負荷がかかる動画編集は熱が発生しやすくなるので、避けたほうがよいでしょう。
冷却ファンの故障によるもの
パソコンは冷却ファンで内部の熱を外に逃がしています。そのため、冷却ファンが故障すると熱が放出されなくなり、パソコン本体の故障につながってしまうので注意が必要です。
冷却ファンの故障は異音やニオイなどで確認できます。
パソコンの通気口が詰まっている
パソコンの通気口がふさがるとスムーズな換気ができなくなります。上述のとおり、換気が不十分だと内部に熱がこもる原因となります。
通気口がふさがる主な原因は、ホコリや壁からの距離が近すぎることです。壁にぴったり寄せている場合は、壁とパソコンとの間にすきまを作り、定期的な掃除を心掛けましょう。
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HDDが発熱したときの対処法
HDDが発熱したときの対処法は下記の通りです。
- パソコンの電源を切る
- 部屋の温度を下げる
- 周辺機器を外す
- 壁から遠ざける
- 冷却ファンの交換を依頼する
- 内部の掃除を依頼する
- HDDをSSDに交換する
続いて、HDDが発熱したときの対策を解説します。
パソコンの電源を切る
パソコンに負荷がかかり、HDDが発熱している場合、パソコンの電源を切って5分待ってから再度電源を入れて、HDDの発熱が改善されるかご確認ください。
部屋の温度を下げる
部屋が熱いときは、換気をしたり、クーラーをつけたりして部屋の温度を下げましょう。パソコン内部の温度は室温よりも7〜8℃ほど高いと言われています。室温が30℃近いときは、直接パソコンに風を当てるなど、意識的にパソコンを冷やすのもおすすめです。
周辺機器を外す
部品が密集していると熱がこもりやすくなります。パソコンの温度が上がっていたら、パソコンに接続している周辺機器を外してみましょう。あわせてファンの異常がないか、通気口がふさがっていないかも確認します。
壁から遠ざける
パソコンの通気口や冷却ファンは、本体背面や下の面についているがほとんどです。位置を確認して、その部分をふさいでしまわないように遠ざけてみましょう。デスクトップ型のパソコンの場合、壁とパソコンとの距離の目安は10cm以上です。ノートパソコンの場合は、冷却台を活用するなどしてパソコン本体と机との間を空けることも考えてみてください。
冷却ファンの交換を依頼する
パソコンの熱の原因が冷却ファンの故障なら、冷却ファンを交換しましょう。ファンは品質の差が大きいので、口コミやパソコンショップのスタッフにアドバイスをもらってできるだけ品質のよいものを選ぶことをおすすめします。
内部の掃除を依頼する
通気口や冷却ファンは日頃からこまめに掃除しておくことが大切です。デスクトップ型のパソコンなら、数ヶ月に1度の頻度で定期的に本体のふたをはずしてホコリを取り除いてください。
ただし、ホコリは静電気で吸着する掃除グッズは使わないようにしましょう。精密機械に静電気は禁物です。中のパーツを壊してしまうかもしれません。特に空気が乾燥する冬に掃除するときは、静電気防止手袋や、体内の電気を逃がす放電グッズもあわせて活用するのがおすすめです。
HDDをSSDに交換する
HDDは構造的に熱を下げにくいです。
SSDは「サーマルスロットリング」という熱暴走を防ぐ機能が備わっているため、SSDに交換することで発熱を改善できる可能性があります。
パソコンが発熱したときのやってはいけない間違った対処法
パソコンが発熱したときのやってはいけない間違った対処法は下記の通りです。
- 急激に温度を下げる
- 電源のオンオフを繰り返す
これまでパソコンが発熱したときの対策を紹介してきましたが、あわせてやってはいけないことをおさえておきましょう。
急激に温度を下げる
間違った対処法の1つ目は、熱いからといって急激に温度を下げることです。早く温度を下げようとして冷気を直接本体に当てると、結露が発生してしまいます。
冷蔵庫や冷凍庫などの温度差の激しい場所に置くのも、基盤内部に結露が発生しやすくなるためおすすめできません。精密機械であるパソコンは水分に弱く、水がついたまま通電するとショートしてしまうこともあります。
HDDが熱を持った場合には、室温の調整やパソコンの冷却用グッズで対応しましょう。
電源のオンオフを繰り返す
間違った対処法の2つ目はパソコンの電源のオンオフを繰り返すことです。パソコンの温度が高くなると動作が重くなったり、フリーズしたりすることもあります。
そのようなときに改善が見られるまで、電源のオンオフを繰り返すことはパソコンに負担をかけてしまいます。
また、パソコンから変な音がするときは、強制終了して再起動すると症状が悪化しますので、無理に電源のオンオフを繰り返すのはやめましょう。
HDDが発熱したらどのような影響がでるか
HDDが発熱した時の影響は下記の通りです。
- HDDが劣化する
- 誤作動やデータが消失するリスクがある
- 火事の原因になる
「HDDが発熱しても、気にせず使い続ければよいのでは?」と思う人もいるかもしれません。ところが、それは間違いです。以下では、HDDが発熱したときの影響を解説します。
HDDが劣化する
HDDは熱で劣化します。パソコン内部の温度が高くなりすぎるとHDDのコントロールチップが壊れたり、プラッタ表面が部分的に盛り上がったりするなど、形状に問題が出ます。部品の劣化は故障につながりますので、遅かれ早かれ交換しなくてはならなくなります。
誤作動やデータが消失するリスクがある
パソコンが発熱すると、誤動作や画面が固まるフリーズが頻繁に起こるようになります。そのまま使い続けていると他のパーツの故障につながります。HDDが故障すると、データが消失してしまうので、その後のデータの復旧作業に手間がかかります。
火事の原因になる
HDDの発熱は場合によっては、火事の原因になることがあります。たかがパソコンの発熱、と甘くみないようにしましょう。
HDDの発熱を防ぐためにしておきたいこと
HDDの発熱を防ぐためにしておきたいことは下記の通りです。
- 熱を抑える冷却用アイテムを活用する
- パソコンを置く場所は直射日光と壁際を避ける
- 作業間隔をあけてHDDにかかる負担を軽減させる
- 使わないアプリは閉じるよう心がける
先にHDDが発熱したときの対処法を解説しましたが、ここからは発熱を防ぐためにできることを解説します。
熱を抑える冷却用アイテムを活用する
発熱を抑えるために、冷却用のアイテムを活用してみましょう。冷却用のアイテムには、次のようなものがあります。
- 冷却ファン
- 冷却台
- HDD
- クーラー冷却シート
熱対策には積極的に冷却できるファン付きのものがおすすめですが、ファンの音が気になるオフィスや外出先で使うときは、ファンの付いていない木やアルミ製の冷却台を使うのもよい方法です。
ノートパソコンは本体と机の間にすきまを作るだけでも、熱がこもりにくくなります。
角度がつけられる冷却台も人気のアイテムです。まずは、取り入れやすいものから活用を考えてみましょう。
パソコンを置く場所は直射日光と壁際を避ける
パソコンの熱対策にはパソコンを置く場所も大切なポイントです。通気口がふさがりやすい壁際や、直射日光があたる場所は避けましょう。
作業間隔をあけてHDDにかかる負担を軽減させる
デフラグやウイルスチェックなどの作業はHDDに負担がかかります。メンテナンス作業以外に負担が大きいものだと、動画の編集作業などの作業が挙げられます。
HDDに高い負荷がかかる作業をするときは、作業間隔を空けるなどして定期的にパソコンを休ませる工夫をしてみましょう。
使わないアプリは閉じるよう心がける
使わないアプリを閉じることも有効な対策です。アプリを立ち上げっぱなしにした状態にしていると、使わなくてもHDDがバックグラウンドで処理をしています。
日頃から使わないアプリを閉じるように意識づけるだけでも、発熱を抑えられるようになります。
HDDの発熱トラブルをプロに任せるのも一つの対処法
紹介した方法でHDDの発熱トラブルが改善されない場合、HDDの故障や別の内部パーツの故障が原因となっていることも考えられます。
パソコンを分解し、内蔵HDDを適切に交換できれば、直る可能性はありますが、失敗すれば現状よりもさらに症状が悪化する可能性もあります。また、ノートパソコンや一体型パソコンの場合は分解の難易度が高く、知識があれば安全ですが、場合によっては修復不可能な状態まで陥ってしまうこともあります。
自力での修復が困難だと思われた場合はパソコンやデータの安全のためにも、プロのパソコン修理業者のPCホスピタルに依頼いただくことをおすすめいたします。
PCホスピタルはHDDが熱いトラブルのサポートが可能です
パソコンを長持ちさせるためにも、予期しないデータの消失を防ぐためにも、HDDのケアは欠かせません。中でも、精密機械であるパソコンの熱対策はその中心になるでしょう。
しかし、どんなに熱対策を施してもパソコンの故障を完全に防ぐことはできません。仕事の重要なデータや、家族の思い出など大切なデータを保存するパソコンの故障はとても大きなダメージです。大切なデータはパソコン本体に保存するだけでなく、クラウドも活用するなど日頃からきちんとバックアップ体制をとっておくことが必要になるでしょう。
PCホスピタルはHDDの発熱トラブルのサポートを承っています。HDDの発熱でお困りの際はぜひご依頼ください。
修理対応 | 出張/持込/宅配 |
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対応エリア | 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国15店舗/宅配修理は全国47都道府県 |
実績 | 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの修理実績を当サイト掲載中 |
料金 | パソコン修理 3,300円~ + 基本料金 8,800円~11,000円 |
家喜 信行(日本PCサービス株式会社 代表取締役社長 兼 グループCEO、NPO法人 IT整備士協会 理事長)
2003年、日本PCサービス株式会社を創業し、パソコン修理など、パソコンのフィールドサポート事業を開始。パソコンの緊急トラブル解決を主軸としたサービス「PCホスピタル」を展開するなど、20年以上に渡り業界で活躍し、同社をデジタル機器有料訪問サポート利用率No.1企業へと導く。近年は、デジタル機器の普及とともに、iPhone修理の「スマホスピタル」の代表取締役NPO法人「IT整備士協会」の理事長に就任。
経歴
日本PCサービス株式会社 代表取締役社長
株式会社スマホスピタル 代表取締役社長
特定非営利活動法人 IT整備士協会 理事長