メモリの寿命は何年?症状や対処法から寿命を延ばすコツを解説!
メモリとはデータを一時的に記憶する部品のことで、一般的にRAMと呼ばれています。メモリには寿命がありますが、どのくらいかは明確にされていません。
しかし、メモリの寿命はいずれやってきます。突然のことに困らないためにも、その時にどのような症状を起こすのか、寿命に対する対処法等を知っておくと安心です。
この記事では、メモリの寿命の症状と寿命や故障に対しての対処法や寿命を延ばすコツについても解説していきます。
メモリの寿命は10年以上使えるように設計されている
メモリの寿命は、半永久的とも言われていますが、1秒間にデータを1回を書き込むと想定すると、3万年~3億年程度は使用できるという計算になってしまいます。
実際にそのような使い方は現実的に考えても有り得ません。実際のところは使い方によっても変わりますが、10年以上使用できるよう設計されています。
本体メモリの故障は初期不良くらいしかない
メモリの故障の原因は初期不良によるものが多く、製造過程によって出来てしまった欠陥により動作不良などを引き起こします。
実際のパソコンの使用時間にもよりますが、初期不良とみなされるのは購入後3カ月程度です。一般的に故障率が高いとされているのは、初期不良段階と寿命が近い時期と言われています。
もし早い段階でメモリが故障した場合は、初期不良を疑いましょう。
メモリが壊れる前に他の部品のほうが先に壊れる
メモリが10年以上使用できるように設計はされていても、実際10年近く使用し続けていれば、メモリではない他の部品が壊れることがあります。
例えば、マザーボードと呼ばれる基盤やデータを保存するのに重要なHDDは5年程度が寿命と言われています。
他にも、例えばOSは新しいものにバージョンアップされていきます。しかし古いOSへのサポートを打ち切られてしまえば、OSを新しくするためにパソコン自体を買い替える必要があります。
このように、メモリの寿命が来るまで使用し続けるのは、極めて稀と考えられます。
パソコン自体、多くのメーカーは3年~5年での買い替えを推奨しています。10年以上はもつメモリが壊れるまで使用するより、その間に他の部品が壊れて買い替える可能性の方が高いです。
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本体メモリの寿命や故障時に起こる症状
メモリが故障したり寿命が来た場合には、パソコンは何かしらの症状を起こします。具体的な症状について解説していきます。
パソコンの動きが遅くなる
故障の際に多いとされる症状が、ブルースクリーンの発生です。パソコン使用時に、突然画面が青くなり、白文字のメッセージが表示される症状です。
ブルースクリーンが起きると、強制的に電源押してシャットダウンするしかありません。発生する条件は決まっているわけではないですが、劣化が激しいと頻発しやすいと言われています。
なお、メモリの寿命や故障のみが原因ではなく、他にも様々な不具合が原因でブルースクリーンは発生します。
他の原因の可能性を考慮しながらも一旦は電源を切りましょう。メモリの不具合の場合、再起動で修復される可能性があるからです。
フリーズする
パソコンの電源は入っても、マウスやキーボードが反応しなかったり、何をしても固まって動かないことをフリーズといいます。
フリーズをした場合は、メモリの寿命や故障の可能性があります。ただし、メモリの寿命や故障以外にもフリーズすることがあるため、メモリが一概に原因とは限りません。
アプリやソフトのインストールができなくなる
データを保存する時やアプリケーションやソフトのインストールを失敗したり、場合によってはOSの更新も失敗するなど、うまく作動しない場合はメモリの寿命疑いましょう。
ただ、インストールしたいアプリケーションやソフトが、パソコンのOSなどに対応していない可能性も少なからずあります。
インストールする際は、OSなどに対応しているかよく確認しましょう。それでもインストールできない場合は、メモリが寿命を迎えているか、HDDの故障やソフトウェアの不具合が考えられます。
勝手に再起動してしまう
メモリの故障や寿命により、クリックしただけでパソコンが勝手に再起動してしまうことがあります。
それ以外にも、ソフトやアプリケーションを起動した時やパソコンの起動中にも再起動を起こし、正常な起動ができない場合もあります。
再起動を繰り返し、なかなか終わらない場合はメモリ以外の故障等の可能性が高いです。考えられる原因の対処を行っても直らない場合は、修理窓口に相談しましょう。
ソフトやファイルなどを開くのに遅延が発生する
フォルダやソフトなどを開く際に、起動が遅くて立ち上がらない場合はメモリの故障や寿命が考えられます。
または、メモリ不足の場合も起動が遅かったりファイルが開けないこともあります。メモリ不足か確認する場合は、タスクマネージャーを確認しましょう。
タスクマネージャーによる確認の手順は次の通りです。
- 「Ctrl」と「Shift」と「Esc」を同時に押す
- 「Windowsタスクマネージャー」が表示される
- 左下の「詳細」をクリックする
- 「パフォーマンス」タブから「メモリ」を選択する
パソコンが実装するメモリ容量を物理メモリと言い、実際に使用しているメモリを使用メモリと言います。メモリが足りている場合、使用メモリが物理メモリより少ない数値になっています。
メモリが足りていない場合は、物理メモリより使用メモリが上回っています。特にわかりやすく判断するには、「パフォーマンス」タブの「メモリ」の部分に、パーセンテージが記載されています。90%など高い数値はメモリが足りていない証拠です。
本体メモリの寿命を延ばす使い方
使い方によってはメモリの寿命を延ばすこともできますので、解説していきます。
定期的にメンテナンスを実施する
多くのアプリケーションを同時に起動していると、それだけでもたくさんのメモリが使用されてしまいます。
メモリの負担を軽減するためにも、不要なアプリケーションを開かないようにしたり削除するなど、定期的にメンテナンスを行いましょう。
また、ブラウザで複数のウィンドウを起動している時もメモリは使われています。使用しないウィンドウはこまめに消しましょう。
パソコンの使用環境を工夫する
パソコンは内部が熱くなりやすく、例えばHDDは40度前後になると言われています。内部温度が40度前後だからといって、それだけで早く壊れることはありません。しかし、熱を逃がさなければこもってしまうので注意が必要です。
デスクトップパソコンの場合は、背面のファンから放熱するため、壁から離して置くのが適しています。放熱の邪魔になるようなものをファン付近に置かず、壁にも密着させないようにするなど、使用環境を工夫してみましょう。
またノートパソコンの場合は、底面から放熱される仕組みです。ベッドの上や座布団の上など柔らかいものの上で使用すると、底面が密着してホコリを吸い込み、放熱されにくいので気を付けましょう。
ホコリを取り除く
パソコンの内部にはホコリが溜まっていることがあります。パソコンは熱を発生させるので、ホコリが放熱を妨げて性能低下を起こしたり、マウスやキーボードがうまく動作しないということもあります。
掃除方法は、エアーダスターやブラシなどでキーボードの隙間を掃除したり、外側から見えるホコリは、掃除機を使って吸い取ります。
内部は特に静電気に気を付けましょう。帯電防止タイプのブラシや静電気対策の手袋を用いて行いましょう。
掃除の際は、基盤など細かい部品がある場所は触れないよう注意しながら掃除してください。基盤のところは、静電気対策がされていないこともあるので掃除機よりもブラシがおすすめです。
また、分解して掃除する時は、正しく戻すことができるよう完成形を写真撮影し、どのような順番で取り外したのかを覚えておくようにしましょう。
水分を近くに置かない
パソコンは精密機器なので、とても水気に弱いものです。近くに飲み物などを置くと万一こぼしてしまった時に故障の原因になることもあります。
内部に水気が入った場合、メモリは故障します。パソコン使用時は、飲み物など水気のあるものを置かないように心がけましょう。
メモリの寿命が来た時の適切な対処法
メモリの寿命が来ても困らないよう、適切な対処法を紹介していきます。
メモリ診断を行う
Windowsにはメモリの状態を診断できる機能「Windowsメモリ診断」があります。メモリ診断の手順は次の通りです。
- スタートメニューを開く
- 「Windows管理ツール」を開く
- 「Windowsメモリ診断」を選択
Windows10が起動状態ではメモリ診断は行えません。ダイアログ画面ですぐに再起動で実行または次回の再起動時に実行のどちらかを選択します。
診断後、メモリの状態が表示されます。簡易的な方法でメモリの状態を診断できますが、不具合を見逃す可能性もあります。
なお、メモリ診断機能はWindows10が正しく動作している状態でないと利用できないものです。Windows10の動作が不安定である場合や、不具合があるかを確実に知りたい場合は「Memtest86+」というソフトでも異常検知が可能です。
Memtest86+をインストールする時からメモリの異常チェックの手順は次の通りです。
- パソコンにUSBメモリを挿入する。
- 「http://www.memtest.org/」にアクセスする。
- 「Download (Pre-built & ISOs)」の項目から、「Auto-installer for USB Key (Win 9x/2k/xp/7)」を選択してダウンロードする。
- ダウンロード後、フォルダを開き「(Memtest86+ USB Installer.exe)」を実行する。
- 表示される画面に従いインストールを進める。この時、インストール先は「接続したUSBメモリ」を選択する。
- インストール完了後、USBメモリをパソコンに挿入する。
- パソコンを再起動してUSBブートを行う。
- ソフトが自動で実行される。
- エラー表示されず、Passのカウントが上がっていく場合はメモリは問題なしです。
- 不具合がある場合、赤いバーが表示されます。
手順7のUSBブートは、使用しているパソコンによって異なります。パソコンの取扱い説明書等を確認しましょう。
メーカーにメモリの交換を依頼する
メーカーによってはメモリの交換保証がついています。無料で交換できる場合がありますが、メモリの増設や改造を行ったり、交換を既に行っていた場合は保証対象外となることもあります。
メーカーの説明書など確認し、交換依頼をしましょう。交換依頼の際は、購入日が記載されたレシートなどが必要になる場合があります。
メモリの交換保証がついているパソコンに買い換える
パソコンを5年以上使用している場合、メモリの交換よりも今後故障するリスクを考慮すればパソコンを買い替えた方が経済的です。
また、パソコンの買い替えをする際は、メモリの交換保証がついているかを確認してから新品を購入しましょう。
PCホスピタルでは、 古いパソコンからのデータ移行も含めたサポートができます。買い替え時にもご相談ください。詳しくはこちら。
PCホスピタルはメモリの寿命が近い時のサポートが可能です
パソコンの本体メモリは、10年以上使用できるよう設計されていますが、メモリの寿命が来る前に他の部品が故障する可能性の方が高いです。
それでもメモリに不具合が生じたならば、Windowsパソコンの場合は「Windowsメモリ診断」を実行したり、メモリ診断よりも正確性が高めの「Memtest86+」を使ってメモリの状態を確認してみましょう。
故障や寿命であれば、メーカーによっては交換保証がありますが、今後の再度故障するリスクや他の部品の故障等を考慮して、パソコンの買い替えをするのもおすすめです。
また、メモリの寿命は使い方によって延ばすことはできます。気づかないうちに、内部はホコリが溜まっていることがあります。自分でできる範囲でブラシや掃除機などを使って掃除を行い、放熱の妨げになるようなホコリを取り除きましょう。適切な環境の中でパソコンを使用し、少しでも寿命を延ばせるよう大切に扱いましょう。
PCホスピタルはメモリの寿命が近い時のメモリ増設サポートを承っています。ご希望の際はぜひ依頼ください。
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濱﨑 慎一(日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事)
2010年8月、日本PCサービス株式会社に入社。パソコン修理などデジタルトラブルを5年で4500件以上解決。その後、サポート人材育成など、事業責任者として、個人向けデジタルトラブル解決に8年半携わる。2019年より同社にて、法人向けサポートの取締役に就任。また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として業界活性化のため正しいデジタル知識の普及、スマートフォンなどの新しい整備士資格の構築に携わる。
保有資格 パソコン整備士検定 取得