HDDを交換してパソコン環境を改善!手順や注意点を初心者向けに解説
「パソコンの動作が前より遅くなった」「ファイルの転送速度が遅い」など、使っていたパソコンの不調を感じている方もおられるのではないでしょうか。その原因として、HDDのパフォーマンス低下が考えられます。
そんな時はHDDを交換することで、処理速度の改善が見込めるのです。HDDの交換は、手順とやり方を把握すれば、自力でも対応可能です。
そこでこの記事では、HDDを交換する手順を解説します。それだけではなく、HDDのクローンを作成する方法、HDDを交換する際の3つの注意点についても取り上げます。
「パソコンの動作が遅くなってきた」「ファイルの転送が遅い」という症状が見られる方は参考にしてください。
HDDを交換する手順をステップごとに紹介
HDDの交換は、手順を覚えることで自身で対応できます。HDDを換装する手順をステップごとに紹介します。
ただ、HDD交換はパソコンの内部を触りますので、その点に不安を感じることは修理業者に依頼するという方法もあります。
HDDを交換する前の事前準備
HDDを交換する前の事前準備は下記の通りです。
- データをバックアップする
- HDDの回転数を確認
- HDDのサイズを確認
- HDDの接続規格を確認
- HDDの交換が可能か確認
事前準備の詳細をご説明いたします。
データをバックアップする
パソコンのHDDを新しいものに交換する前に、データをバックアップしておきましょう。バックアップすれば、データを複製して別の場所に保存しておき、あとで元の状態に戻せます。バックアップデータを保存可能な機器やサービスは、次の通りです。
バックアップデータを保存可能な機器・サービス | 詳細 |
---|---|
HDD(ハードディスクドライブ) | 金属の円盤にデータを記録する大容量のデータを格納可能容量あたりの単価も低い |
SSD(ソリッドステートドライブ) | 半導体メモリなどの中に記憶する読み書きなどの動作が高速持ち運び可能で衝撃に強い |
DVD・ブルーレイディスク | 円盤状の記録層にデータを記録容量あたりの単価が高くない扱いやすく持ち運びにも便利 |
USBメモリ | 容量の大きい種類もある小型で持ち運びしやすい |
SDメモリーカード・microSDカード | デジカメやスマホなどにも使われている機器コンパクトサイズで扱いやすい |
クラウドストレージ | ネットワーク上にデータを保管可能「Googleドライブ」「OneDrive」などの種類あり料金や容量はサービスごとに異なる |
HDDの回転数を確認
交換用HDDを新しく購入するときは、7200rpmと5400rpmという2パターンの回転数を考慮しましょう。7200rpmは回転速度が高速で、高速な処理速度を実現しますが、価格が高く消費電量も大きい傾向にあります。5400rpmは、安く購入ができて消費電力も比較的小さいです。
HDDのサイズを確認
換装する記録媒体のサイズは、HDDの場合、2.5インチ、もしくは3.5インチが基本です。2.5インチはノートパソコン向け、3.5インチはデスクトップ向けとなっています。こうしたサイズの違いにより、それぞれの換装方法は異なります。
HDDの接続規格を確認
HDDの接続規格には、「IDE」と「SATA」があります。「IDE」は、2000年~2008年前後に主流だった旧規格で、それ以降は「SATA」が主流となっています。「SATA」の規格が新しいほど転送速度が速くなることも特長です。
また、「IDE」と「SATA」に互換性はありません。どちらのHDDが使われているのかは、内蔵されているHDDを見るだけで確認可能です。さらに、基本的には仕様書・マニュアルなどにも明記されています。
ちなみに、SSDの接続規格には「SATA」や「mSATA」などがあります。それぞれに互換性はありませんが、「SATA」はHDDと同様の規格です。そのため、HDDからSSDへの換装を検討している場合、「SATA」規格のSSDを選びましょう。
HDDの交換が可能か確認
使用中のパソコンはHDDの換装が可能なのかどうかチェックしておくことも重要です。換装できない場合、パソコンを買い替える必要があるでしょう。換装できるのかどうかわからない場合は、パソコンメーカーに問い合わせてみてください。
デスクトップパソコンのHDD交換手順
デスクトップパソコンで「SATA」のHDDを交換する手順は、以下の通りです。
デスクトップパソコンで「SATA」のHDDを交換する手順 |
---|
|
機種によって取り出し方法は違いますが、上記手順と大きくかけ離れることはありません。
ノートパソコンのHDD交換手順
ノートパソコンで「SATA」のHDDを交換する手順は、以下の通りです。
ノートパソコンで「SATA」のHDDを交換する手順 |
---|
|
デスクトップパソコン同様、機種によって若干やり方は異なります。いずれにしても、「分解→取付→もとに戻す」という換装の作業は単純であり、それほど難しくありません。
新しいHDDにOSをインストールする手順
新しいHDDに交換後、OSをインストールする必要があります。Windowのパソコンであれば、Windowsインストールディスクを使用しましょう。
インストールを行う手順は下記の通りです。
新しいHDDにOSをインストールする手順 |
---|
|
Windowsインストールディスクだけではなく、リカバリディスクでOSを再インストールすることも可能です。リカバリディスクは、パソコンを購入したときに、付属品でついてきたり、オプションでつけられたりします。
バックアップしていたデータの移行
最後に、HDDを交換する前にバックアップしていたデータを移行します。新規でOSをインストールしたため、データだけではなく、今まで利用していたアプリケーションもありません。そのため、データ移行と必要なアプリケーションのインストールを実行しましょう。
修理対応 | 出張/持込/宅配 |
---|---|
対応エリア | 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国15店舗/宅配修理は全国47都道府県 |
実績 | 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの修理実績を当サイト掲載中 |
料金 | パソコン修理 3,300円~ + 基本料金 8,800円~11,000円 |
HDD交換の手間を省くならクローンを作成しよう
HDDを換装した場合、データのバックアップやOSの再インストールに対応する必要がありますが、HDDのクローン(複製)を作成すれば、すぐにOSごと今までと同じ状態でパソコンを使用できます。
HDDのクローンとは、HDD内のシステムも含めて新しい記録媒体にコピーをすることです。この章では、HDDのクローンを作成する方法について詳しく解説します。
HDDのクローン作成は、パソコンなしのパターンとクローンソフトを使って作成する方法の2種類があります。どちらも手軽に行える方法ではありますが、それぞれメリット・デメリットが異なりますので、自分に合った方を選びましょう。
パソコン無しでHDDのクローンを作成する方法
パソコン無しでHDDのクローンを作成する場合、専用機器にコピー元のHDDと、コピー先の記録媒体を差すだけです。これだけでクローンを作成できます。専用機器を購入するだけで、すぐにクローンを作成できることがメリットです。
デメリットを挙げるとすれば、専用機器の購入費用がかかることです。またさまざまな専用機器がリリースされているので、価格や使いやすさなどをチェックしてから、購入しましょう。
クローンソフトを使って作成する方法
クローンソフトを使用して、HDDのクローンを作成する方法もあります。フリーのクローンソフトであれば、専用機器を購入するような費用はかかりません。またクローンソフトを使って作成する場合も、画面の指示通りに進めるだけのため、難しい作業はありません。
ただし、クローンする先の記録媒体によっては、コネクタの変換アダプタを使い、パソコンに接続する必要があります。またソフトの使い方も、覚えなければなりません。
HDDを交換する際の注意点
HDDを換装する際、以下の注意点も把握しておきましょう。
- 静電気が発生しないようにする
- MacではHDDの交換ができないものがある
- 換装後もデータは定期的にバックアップ
各注意ポイントについて解説しますので、HDDの換装に失敗したくない人や、スムーズに換装したい人は、参考にしてください。
静電気が発生しないようにする
HDDを交換する時に静電気が発生して故障する可能性があるため、電源をオフにしてから周辺機器、ケーブル、バッテリーを全て外してください。
その後、約3分待つことで放電されます。実際にHDDを交換する時も静電気が発生しない手袋をつけて作業を行うことを推奨します。
MacではHDDの交換ができないものがある
Macの種類によっては、HDD換装ができません。例えば2018年に発売されたNEW Mac mini 2018やMacBook ProのTouch Bar搭載全モデルの2016~2018年モデルが換装不可となっています。
ですので、換装できるパソコンなのか、必ず事前に確認してから実行してください。ちなみにメーカー保証の期間内であれば、メーカーに問い合わせすることで、部品交換に対応してくれる場合があります。
交換後もデータは定期的にバックアップ
換装して新しい記録媒体にしても、初期不良などで突然壊れることは珍しくありません。少なくとも、「絶対に故障しない」という保証はありません。そのため、換装後もデータを定期的にバックアップする必要があります。バックアップの頻度が高いほど、ダメージが最小限になりますが、その分手間や時間がかかります。手動でデータをコピーする方法であれば、なおさら大変です。
手軽にバックアップを行いたい場合は、バックアップソフトがおすすめです。バックアップソフトを使えば、自動で定期的にバックアップをとってくれるため、余計な時間をとられません。ソフトを選ぶ際は、コストや機能性をチェックしましょう。
定期的にバックアップするだけではなく、HDDの故障の原因を知っておいても損はありません。故障の原因を把握しておけば、未然に壊れることを防止できる可能性があるからです。HDDが故障する原因は、以下の通りです。
HDDが故障する原因 | 詳細 |
---|---|
落とした衝撃 | HDDはデリケートな部品で、衝撃が加わると傷がついてしまう恐れがある傷がつくと正常に回転しなくなり、データの復旧が難しい衝撃が加わったHDDは絶対に電源を入れない |
経年劣化 | 経年劣化による寿命は、一般的に3~5年程度使用環境や使用量によって寿命はもっと短くなる作動する振動でHDD自らを傷つけてしまう可能性もある |
周りの環境 | 保証範囲を超える温度環境で使った場合、熱で歪む可能性あり湿気が多い場合、HDDが腐食する原因となる冷却ファンの周りにほこりが付着すると高温になり、故障につながる |
こうした原因によりHDDが故障したときは、異音が発生したり、焦げたような異臭があったりします。HDDはいつ故障してもおかしくないため、換装後もデータは定期的にバックアップしましょう。
パソコンが不調ならHDDの交換を検討しよう
HDDを換装する前は、データをバックアップしておきましょう。保存先は、USBメモリやクラウドストレージなどから選択可能です。換装するHDDも用意し、使用しているパソコンが換装できるのかも事前にチェックしておきましょう。
換装は、「パソコンの分解→HDDの取付→もとに戻す」というの単純な作業であり、それほど難しくありません。デスクトップパソコンでもノートパソコンでも、基本的な手順は同じです。最後に、新しいHDDにOSをインストールし、バックアップしていたデータを移行して完了です。
パソコンのHDD交換をプロに任せるのも一つの方法
紹介した方法でパソコンのHDD交換がうまくできない場合、ケーブルの接続先を誤ってることや、別のパーツの故障などが考えられます。
再度パソコンを分解し、適切に対処すれば正常に交換できる可能性はありますが、失敗すれば不具合が発生してしまう可能性もあります。また、ノートパソコンや一体型パソコンは分解も容易ではありません。知識があれば安全ですが、場合によっては修復不可能な状態まで陥ってしまうこともあります。
自力での交換が困難だと思われた場合はパソコンやデータの安全のためにも、プロのパソコン修理業者のPCホスピタルに依頼いただくことをおすすめいたします。
PCホスピタルはパソコンのHDD交換サポートが可能です
HDDを換装する場合にはパソコンの内部を触りますので、HDD以外の箇所を触ると故障してしまう可能性があります。ご自身でHDDを換装する際にはそういったリスクがあることも把握しておきましょう。
PCホスピタルはHDD換装を行ってきた実績があります。HDD換装でお困りならぜひサポートをご依頼ください。
修理対応 | 出張/持込/宅配 |
---|---|
対応エリア | 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国15店舗/宅配修理は全国47都道府県 |
実績 | 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの修理実績を当サイト掲載中 |
料金 | パソコン修理 3,300円~ + 基本料金 8,800円~11,000円 |
濱﨑 慎一(日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事)
2010年8月、日本PCサービス株式会社に入社。パソコン修理などデジタルトラブルを5年で4500件以上解決。その後、サポート人材育成など、事業責任者として、個人向けデジタルトラブル解決に8年半携わる。2019年より同社にて、法人向けサポートの取締役に就任。また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として業界活性化のため正しいデジタル知識の普及、スマートフォンなどの新しい整備士資格の構築に携わる。
保有資格 パソコン整備士検定 取得