SSDの寿命は何年?SSDの状態を知る方法から寿命を延ばすコツを解説

SSDの寿命は何年?SSDの状態を知る方法から寿命を延ばすコツを解説

SSDとは、「ソリッドステートドライブ」の略で、メモリーチップを媒体にした記憶装置です。多くのパソコンではHDD(ハードディスクドライブ)が採用されていますが、近年SSDが採用されたパソコンが増えてきています。

OSやアプリケーションなどを記録していくSSDは、使い続ければ劣化していきます。ということはすなわち、寿命を迎えて使えなくなるときがくるということです。

そこでこの記事では、SSDの寿命はどのくらいなのか、現在の状態を知る方法や寿命を延ばすコツなどを解説していきます。

SSDの寿命は5年程度

パソコンパーツの寿命

諸説ありますが、一般的に寿命は5年程度と言われています。SSDのメーカー保証がありますが、保証期間はメーカーによってばらつきがあります。

SSDの使い方によっても変わりますが、HDDより寿命が長いです。その理由は、HDDとSSDの構造や性能に差があるからです。

HDDはモーターを動かして磁気ディスクに読み書きを行うのに対し、SSDは電流信号でデータの読み書きが行われ、物理的な操作はありません。

SSDは読み書きの動作により劣化していきますが、少しでも長く使うには寿命を延ばすコツを知り、普段からSSDの状態チェックしておくことが大切です。

SSDトラブルの症状別ご依頼割合

2022年11月1日から2023年10月31日までの間にPCホスピタルに修理をご依頼いただきました、パソコンに関連するSSDトラブルの各症状割合をグラフにしたのが下記になります。

パソコンに関連するSSDトラブルの症状別ご依頼割合

SSDトラブルの場合、このように詳細な症状は様々になっています。

監修者からのコメント 濱﨑 慎一(日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事)
Point

グラフの中で寿命と関連するのは「起動しない」「動作が遅い」「認識されない」「発熱」です。SSDが広く利用されるようになってから10年以上経っているため、SSDが広まり始めた時から使用されてる場合、寿命を迎えてる可能性も高くなります。

SSDの寿命を迎えた際の症状

SSDの寿命を迎えた際のサイン

寿命を迎えたという判断は、SSDの症状で見極めます。具体的な症状について解説していきます。

処理速度の低下

寿命を迎えると、処理速度が低下します。たとえばファイルを開いたり保存するなどの読み書き動作に時間がかかるようになった場合は、SSDに問題が起きている証拠です。

処理速度の低下により、パソコンが突然フリーズを起こすこともあります。フリーズが頻出する場合は故障が進んでいるため要注意です。

突然のシャットダウン

SSDの寿命により、パソコンの使用中に突然シャットダウンすることがあります。何度もシャットダウンを起こすようであれば、故障の可能性が高いです。

また、パソコンの電源がつかなくなるのも寿命を迎える症状の1つになるので、この症状が出た場合にはSSDの寿命を疑いましょう。

「ブートデバイスが見つからない」というエラーが表示される

パソコンの画面が黒く、青または白文字で「Boot Device Not Found」を表示された場合、SSDが寿命を迎えている可能性があります。

これは「ブートデバイスが見つからない」というエラーメッセージです。SSDを認識できず、パソコンが起動できないために起こります。

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SSDの寿命が決まる4つのポイント

SSDの寿命が決まるポイント

SSDの寿命は5年程度と説明しましたが、様々な要因で寿命は決まります。重要なのは、SSDの使用頻度で寿命は変わるということです。

ここでは4つのポイントについて解説していきます。

データの書き込み回数

SSDは書き込み回数が増えると劣化し、回数を多く重ねていく程に早く寿命を迎えます。

SSDの書き込み可能なデータ容量を「TBW(Total Byte WrittenまたはTera Byte Written)」と呼び、これは「テラバイト書き込めます」という意味です。

一部の製品の仕様書にはTBWが記載されています。SSDの耐久性を表す指標であり、数値が大きい程に書き込み可能回数が多く、寿命は長くなります。

データの空き容量

SSDは、データ容量が大きい程耐久性が上がります。空き容量が小さい場合、前のデータを削除してSSD内のデータ整理で動くため、SSDの寿命を縮めてしまいます。

容量の大きいSSDでも、空きが少なくなれば同じことが起きます。

SSDの使用時間

SSDは、長時間使用すると早く寿命を迎えます詳しく説明すると、SSD内部にはトンネル酸化膜という通常電子を通さない絶縁体があります。

データを開いたり保存したりする際にトンネル酸化膜に電圧をかけることで、電子が通る道ができます。

しかし、これを繰り返すことで道が劣化し、電子が通れなくなります。これにより、結果的にSSDの寿命に繋がるのです。

SSDのタイプ

SSDは、「SLC(Single Level Cell)」、「MLC(Multiple Level Cell)」、「TLC(Triple Level Cell)」、「QLC(Quadruple Level Cell)」の4種類の記録素子レベルセルがあります。

それぞれの特徴や性能について、下記にまとめています。

レベルセル名 特徴や性能
SLC(シングルレベルセル) 最も耐久性と価格が高い1つのセルに1bitの記録ができる書き込み上限目安は10万回程度業務用に使用されることが多い
MLC(マルチプルレベルセル) 1つのセルに2bitの記録ができるSLCより容量単価が少し下がる書き込み上限目安は1万回程度
TLC(トリプルレベルセル) 1つのセルに3bitの記録ができる大容量化が可能購入しやすい価格が多い書き込み上限目安は1000回程度
QLC(クアッドレベルセル) 1つのセルに4bitの記録ができる耐久性は低い安価で大容量

容量が小さく、価格が高くなるにつれて耐久性は高くなります一般的に多く普及されているのは、TLCやMLCです。

先述しましたが、一部の製品の仕様書にはTBWが記載されており、レベルセルも併せて記載されています。基本、TBWを使い切るとSSDは寿命です。

SSDの寿命に関係する内部状態を確認する方法

240GBSSD

SSDの寿命はツールなどを使えば無料で確認できます。その方法はいくつかありますが、以下ではパソコン初心者の方にも優しい方法をご紹介します。

SSDのユーティリティをインストールする

メーカーの公式サイトには基本ソフトの標準機能では補えない部分を補助するユーティリティがあり、それをインストールすることでSSDの寿命をチェックできます。

さらに、ユーティリティを使えばSSDの問題がある場合は詳細にその情報を知ることも可能です。フォームウェアを更新することもでき、不具合を解消できる場合もあります。

しかし、使用しているSSDのメーカーによってはユーティリティは異なり、正しくインストールしなければSSDの寿命を確認できませんまた、インストールの複雑な場合が多いのでパソコン初心者の方がユーティリティを活用するのは難易度が高いです。

フリーソフトを利用する

インターネット上のフリーソフトをダウンロードし、SSDの状態を確認する方法もあります無料ででき、かつ操作がシンプルでパソコン初心者の方でも使いやすく安心です。

中でも「CrystalDiskInfo」や「SSDLife Free」というフリーソフトはSSDの寿命を確認するのに適しています。

ただ、フリーソフトをパソコンにダウンロードするという作業が必要です。ですので、趣味程度にパソコンを利用している人には少し難易度が高いかもしれません。

SSDやHDDは不具合が発生してくるといつ完全に読み込めなくなるかわかりません。いろいろと試行錯誤している間に状態が悪化することも多いので、「PCホスピタル」などのプロに早めに依頼することがおすすめです。

SSDの寿命を延ばす方法

SSD搭載ノートパソコン

SSDの寿命は5年程度ですが、使い方次第で寿命を延ばすことはできます。そこで、寿命を延ばす方法を解説していきます。

データの書き込みを軽減する

SSDは、多くの読み書きをして上限に達することで寿命となるため、読み書きを軽減してデータ量の上限に達するのを遅らせることで寿命が延びます

データの読み書きをする際は、必要なデータなのかを意識しておくと良いでしょう。

メモリ容量は空きを作り余裕を持たせる

SSDのフォームファクタ

メモリ容量は、十分な空き容量を確保しておきましょう。

SSDは上書き保存ができず、空き容量に書き込みをして前のデータを削除し、内部で前のデータがあった位置に移動します。

空き容量が少ないと、何度もデータが同じセルで書き込まれるため部分的に劣化していきます。

快適な環境で使用する

パソコンなど精密機器は高温多湿と低温環境には弱く、ほこりが多いなど不衛生な場所でも動作不良や劣化の原因につながります。

SSDのデータが消失しやすいのは、通電中は低温、通電していないときは高温のときなので、車内放置をせず、適切な温度環境で使用しましょう

使用しない時はシャットダウンする

SSDを使用していなくても、パソコンの電源が入っているだけでバックグラウンドで作動していることがあります。

パソコンを使用しない時はシャットダウンし、SSDを使用しないようにしましょう。

SSDとHDDを使い分ける

SSDとHDDにはそれぞれ得意作業があります。

SDDにすべてのデータを保存するのではなく、HDDも併用して使い分けをすると寿命を延ばすことができます。

SSDとHDDの違いを確認

使い分ける前に、まずはSSDとHDDの違いを確認しましょう。次の通りです。

項目名 特徴等
SSD
SSD

【メリット】
  • 起動が速い
  • 耐衝撃性
  • 静音性
【デメリット】
  • 容量に対して価格が高い
  • 容量が少ない
  • 書き換え回数に制限がある
HDD
HDD
【メリット】
  • 容量に対して価格が安い
  • 大容量長期間の保存ができる
【デメリット】
  • SSDより起動が遅い
  • 衝撃に弱い動作音がする

SSDと違い、HDDは大容量かつ長期保存に向いています。SSDはOSやアプリケーション等の日頃使用するもの、写真や動画、テキストデータ等の大切に残したいものはHDDに保存したほうが、SSDの負担軽減につながります。

プロにSSDの寿命が近いトラブルのサポートを依頼するのも対処法

前述でご説明したSSDの寿命時の症状が出た場合はパソコンを分解して修理が必要になる可能性が高いです。

ただ、失敗すれば更に状態が悪化してしまうことも考えられるのとノートパソコンや一体型パソコンは分解の難易度が高く、知識が無ければ修復できない状態に陥る可能性があります。

SSDの状態が不安な時はパソコンやデータを守るためにもプロのパソコン修理業者のPCホスピタルにご依頼いただくことをオススメいたします。

SSDの寿命が近いトラブルでお困りの時はPCホスピタルにお任せください

HDDやSSDでも、寿命によってデータが消失する前に、バックアップをとっておくことはとても重要です。特にSSDは、消失するとデータの復旧は難しい上に寿命を迎える前兆が分かりにくいとされています。

寿命を迎える症状はあっても、そこからバックアップを取るのでは遅いと考えられます。そうならないためにも、早めにバックアップを取っておきましょう。バックアップ方法で簡単なのは、外付けHDDにコピーすることです。寿命を迎える前に、バックアップを忘れないようにしましょう。

PCホスピタルはSSDに関するトラブルのサポートを承っています。お困りの際はお気軽にご相談ください。

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料金 基本料金 8,800円 + パソコン修理 3,300円~ + 出張サポートは2,200円追加
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監修

山田 真彦(PCホスピタル 大阪吹田店 店長代理)

2014年に日本PCサービス株式会社に新卒で入社後、累計5800件以上のパソコントラブルを解決。内蔵パーツトラブルのサポートに定評を持つ。名古屋支部勤務、PCホスピタル 広島店と名古屋店の店長を経て、現在はPCホスピタル 大阪吹田店の店長代理として従事。

保有資格 パソコン整備士検定 取得

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