レッツノートの動作が重いのはなぜ?主な原因と解決策を一挙解説
パナソニックのノートパソコン「レッツノート」は圧倒的な堅牢性を誇るので、仕事で愛用しているビジネスマンも多いでしょう。しかし、レッツノートもパソコンである以上、長く使用するにつれて動作が重くなるのは避けがたいものです。本記事ではレッツノートの動作が重くなる原因や解決策を紹介します。なお、解決策はWindows 10を元にした説明です。多少の操作方法の違いはありますが、Windows 8、8.1や7にも対応しているので安心してください。
レッツノートの特徴
レッツノートとはパナソニックが製造している高性能ノートパソコンのブランド名です。同社ではデスクトップパソコンを製造していないため、その分レッツノートの製造に注力しているといえるでしょう。レッツノートの最大の特徴は、作りの頑強さです。まるで車体のボンネットのような天板のおかげで、外部からの衝撃にとても強く、一定の落下や加圧にも耐えられる仕様となっています。公式ホームページでは、さまざまな耐久試験動画の視聴が可能で、その頑強さをうかがうことができるでしょう。
大容量バッテリーを取り付けた場合の駆動時間は、およそ20時間です。重量も1kg台と平均的な数値で、持ち運びに適しています。アクティブにノートパソコンを利用するようなビジネスマンに愛用されていることからも、汎用性の高さをうかがえます。レッツノートは、持ち運ぶことを細部まで想定してデザインされているモデルであり、本当の意味での「モバイルパソコン」といってよいでしょう。カスタマイズモデルは、無償で4年保証が付いてくるなどの手厚い安心のサービスがウリとなっており、メーカーサポートも非常に充実しています。ただし、同スペックのノートパソコンの中では価格帯が高めであり、家庭用として使用している人は少ないモデルです。
レッツノートの重い動作をソフトウェア面で解決する策
ボディの頑強さが特徴であるレッツノートといえども、ソフトウェアが原因となる速度低下は避けられません。どのようなパソコンであっても、ハードディスクやメモリなどのリソース、すなわち容量は有限だからです。パソコンの容量スペースを圧迫するほどのデータが増えれば、余裕がなくなって動作は重くなります。ソフトウェア面でパソコンの動作が遅くなる原因と解決策を紹介していきましょう。
スタートアップアプリを減らす
スタートアップアプリとは、パソコンの起動と同時に自動で動くアプリのことを指します。スタートアップアプリが増えると、パソコンの起動に時間がかかるようになるので、不要なものは停止しておくのが望ましいでしょう。スタートアップアプリの確認方法は次のとおりです。
- まず「Windows」キーと「R」キーを同時に押すことで「ファイル名を指定して実行」画面を表示させます。
- 全てのユーザーアカウントのスタートアップアプリのショートカットを削除する場合は「shell:common startup」、自分だけの場合は「shell:startup」と入力して「OK」をクリックしましょう。
- 登録されているスタートアップアプリのショートカットが一覧になって表示されるので、起動させたくないものを削除します。
なお、アプリそのものが削除されるわけではなく、あくまで自動で起動されないように設定するだけなので、安心してください。
起動ドライブのクリーンアップを実行する
起動ドライブとはWindowsの本体であるOS(オペレーションシステム)がインストールされているハードディスクのメインドライブを指します。たいていの場合は、Cドライブがメインドライブです。Windowsの起動が遅い原因の一つとして、起動ドライブの容量が不足していることが挙げられます。起動ドライブの空き容量はある程度余裕を持たせておいたほうが、パソコンも快適に動作します。容量が不足してくるとドライブアイコンの隣に表示されているゲージが赤色になるので、視覚的にもすぐ確認できるはずです。
起動ドライブの容量不足を解決するには、ドライブ内のピクチャやミュージックフォルダにある大きなファイルを、別のハードディスクやDVD、USBフラッシュメモリといった外部メディアに移動させるのが有効です。なお、レッツノートはビジネス向けに厳選されたアプリのみがプリインストールされているので、通常であればアプリが容量を圧迫することはほとんどありません。もしも、後から重たいアプリを起動ドライブへインストールした場合は、別のドライブへ入れ直すのがよいでしょう。
そのほかにも、ソフトのダウンロード時に一度しか使用されないファイルなど、あらゆる不要なファイルが起動ドライブにたまっていきます。そのため、ディスククリーンアップを行うと空き容量も増えてすっきりさせることが可能です。方法は次のとおりです 。
- スタートメニューの一覧の中から「Windows管理ツール」を選んで「ディスククリーンアップ」をクリックします。
- 表示された一覧のファイルの中から、不要なものを選択して削除してください。
ハードディスクのデフラグを行う
ハードディスクの容量が無くなってくると、分散された状態でデータが書き込まれるので、データの読み込みが遅くなります。デフラグを実行すると、断片化したデータが連続したものに直され、データの読み込みが速くなります。デフラグとはデフラグメンテーションの略で、フラグメンテーション(ファイルの断片化)を解消することです。
ファイルの断片化は、本棚にサイズをそろえられることなく本が詰め込まれている状態をイメージしてください。サイズをそろえて本を棚に並べれば、隙間もなくぴったりと収まるはずです。無造作に本を並べれば隙間が空きます。隙間なくきちんと収まれば、それだけ多くの本を収納することができます。パソコンのデータも同様です。デフラグしてデータを整理することによって、データとデータの間の隙間も解消されて空き容量が増えるという仕組みです。
SSDを使用している場合は、OSに最適化機能が搭載されているので、デフラグは不要となります。デフラグを実行することで逆にSSDの寿命を縮めることがあります。特に2019年時点での最新モデルは、全てSSDを採用しているので注意してください。デフラグの実行方法は次のとおりです。
- 起動ドライブであるCドライブのアイコンを右クリックして、プロパティを選択しましょう。
- 表示されたウインドウから「ツール」タブを選択し、「ドライブの最適化とデフラグ」という項目から「最適化」をクリックします。
視覚効果を無効にする
通常Windowsでは画面上の見栄えを良くする視覚効果が有効になっています。視覚効果はパソコンに負荷がかかるので、不要であれば無効にしておくのがおすすめです。視覚効果を無効にすると、アイコンや画面の色数が減ったりシンプルな絵柄になったりするので、パソコンにかかる負荷を軽くすることができます。視覚効果を無効にする方法は次のとおりです。
- まず、パソコンの設定もしくはコントロールパネルなどから「システム」を表示させます。
- 続いて、サイドメニューの「システムの詳細設定」をクリックしてください。
- 「詳細設定」タブの「パフォーマンス」項目にある「設定」をクリックした後で、「視覚効果」タブの「パフォーマンスを優先する」を選択し、OKボタンをクリックしましょう。
Windows Defenderを無効化
Windowsには、「Windows Defender」というセキュリティープログラムが標準装備されています。初期設定では常時起動しているため、動作が重くなる原因の一つです。ほかにセキュリティーソフトを使用している場合は、無効にしても特に問題はありません。複数のセキュリティープログラムが同時に起動しているからといっても堅牢になるわけではなく、お互いが干渉しあって逆効果になることがあり、トラブルの元になりえます。よって、利用するセキュリティープログラムは一つに絞るのが基本です。Windows Defenderの無効化方法は次のとおりです。
- まず「スタート」から「設定」をクリックします。
- 続いて「更新とセキュリティ」をクリックして、サイドメニューの「Windows セキュリティ」を選択し、設定画面から「Windows セキュリティを開く」をクリックします。
- 「ウイルスと脅威の防止の設定」の項目にある「設定の管理」をクリックした後で、「リアルタイム保護」にあるスイッチボタンをクリックすると、無効に切り替えることが可能です。
高パフォーマンスモードに変更する
Windowsを高パフォーマンスモードに変更すると、動作の高速化が期待できます。なお、消費電力も上がるので、外出していてバッテリーのみで稼働させる場合は注意が必要です。パソコンのタイプによっては変更できないものもありますが、変更方法は次のとおりです。
- 「スタート」を右クリックします。
- 「電源オプション」をクリックします。
- 「電源の追加設定」をクリックし「高パフォーマンス」を選択してください。
動作の軽いアプリやブラウザを使う
インターネットのブラウザ(閲覧ソフト)やウイルスソフトなどのアプリケーションは、使いやすくて軽いものを選ぶのがよいでしょう。動作の重たいアプリは、タスクマネージャーを開くことで確認が可能です。方法は次の通りです。
- タスクマネージャーを「CTRL+ALT+DELETE」キーで起動
- 「プロセス」タブから、起動しているアプリとメモリの使用量を確認してください。
- メモリを多く使用しているアプリがあれば、終了させておくのがおすすめです。
- 常駐プログラムの中で重たいアプリがある場合も、動作が遅くなることが多いので、不要なものは無効にしておくのがよいでしょう。
ウイルススキャンを実行する
ウイルスに感染しているパソコンは動作が遅くなりがちです。ウイルスはバックグラウンドで動作を行うため、余計な負荷がかかってしまいます。ウイルスは流行とともに新しいものが出てくるのが常ですから、セキュリティーソフトも対抗策として常時アップグレードされていくものです。そのため、セキュリティーソフトは常に最新の状態に更新することが重要です。さらには、定期的にパソコンのウイルススキャンを行い、感染の有無を調べておきましょう。
セキュリティーソフトには通常ファイアウォールが搭載されています。ファイアウォールとは、外部からの不正アクセスをブロックする機能のことです。ファイアウォールのおかげで、万が一ウイルスに感染していたとしても、情報が外部に漏れる可能性は低いといえます。しかし、ファイアウォールといえども絶対的なものではないので、機能を過信するのは危険です。ビジネスで使用することが多いのであれば、機密情報保護の観点からもウイルス対策や確認は常に万全にしておきたいものです。マルウェアやウイルスと呼ばれる有害なプログラムの中には、セキュリティーソフトをくぐりぬけるものも存在します。
修理対応 | 出張/持込/宅配 |
---|---|
対応エリア | 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国15店舗/宅配修理は全国47都道府県 |
実績 | 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの修理実績を当サイト掲載中 |
料金 | 動作が遅いパソコンの修理 6,600円~ + 基本料金 8,800円~11,000円 |
レッツノートの重い動作をハードウェア面で解決する策
メモリーやハードディスクをアップグレードすると、速度が劇的に改善されることもしばしばです。ハードウェア面でパソコンの動作が遅くなる原因と解決策を紹介していきます。
メモリースペックを上げる
メモリーの容量が少ないと、アプリやデータの読み込みは重くなりがちです。メモリーの役割については、仕事をするときの作業人数をイメージするとよいでしょう。1人で作業をするよりも、2人で作業をするほうが仕事は早く終了します。同様にメモリーも2GBよりは4GBというように大きいもののほうが作業は速いです。また、新しいOSほど推奨されるメモリーのスペックは高いものを要求される傾向にあり、Windows 10の場合、最低限のOSの起動を保証するメモリはおよそ1GBから2GBとなっています。
10の場合、最低限のOSの起動を保証するメモリーはおよそ1GBから2GBとなっています。
特に、長く使用しているレッツノートでOSのバージョンアップを行っている場合は、メモリーの増設を検討したいところです。メモリーの増設はパソコンの内部を開く必要があるので、安全のために必ず電源を切った状態で行います。メモリーには種類があるので、マニュアルなどから対応したメモリーをよく確認することが重要です。なお、32bit版のOSを使用している場合、メモリーは最大で4GBまでしか認識しないので注意してください。例えば、8GBにメモリーを増設したとしても、使用されるのは4GBまでです。
SSDに換装する
換装とは性能の異なる部品と交換することをいいます。SSDとはSolid State Drive(ソリッドステートドライブ)の略で、HDD(ハードディスクドライブ)よりも読み書きのスピードが格段に速い記憶装置となります。記憶装置をHDDからSSDに換装すると劇的に速くなることが多く、アプリやメモリーの読み込み速度だけではなく、電源を入れてから起動するまでの時間も一気に短くなる可能性が非常に高いです。
また、HDDのようにヘッドが回転するわけではないので、衝撃にも強く寿命が長いというメリットがあります。1日8時間程度パソコンを使用した場合、ハードディスクの寿命はおよそ4年といわれています。使用頻度と期間から推定して寿命が近いのであれば、SSDに換装してみると良いでしょう。自分で換装するときは、インターネットで「SSD 換装」で検索してください。わかりやすい説明を掲載しているページがヒットするはずです。
パソコン内部のホコリをきれいにする
パソコンは起動中に内部で熱を発生させるため、高温になりすぎないように冷却ファンが設置されています。この冷却ファンが適切に働いていないと、パソコン内の熱が上昇し、パフォーマンスを低下させるような影響を与えることがあるのです。解決策としては、パソコンの内部を開けてファンやその周辺にホコリがたまっているかを確認し、必要に応じてエアダスターなどを利用して掃除するとよいでしょう。ノートパソコンの場合は、デスクトップ型のパソコンよりも冷却ファンが小さいことも多く、夏場など気温が高いときには特に注意が必要です。
Windows Updateトラブルでレッツノートの動作が重くなることも
Windowsのパソコンの場合、Windows Updateのトラブルで動作が重くなったり、不安定になったりする場合があります。主な原因は、Windows Updateの実行中の強制終了です。Windows Updateの実行中は動作が重くなりがちです。パソコンの不調と思って強制終了した結果、システム上の不具合を引き起こしてしまうのです。Windows Update中の強制終了は起動トラブルを引き起こすこともあり、Windowsの再インストールが必要になることさえあります。改善策の一つは次の通りです。
- 画面右下の検索画面から「トラブルシューティング」と検索
- トラブルシューティング画面からWindows Updateのエラーがないかどうかを確認
- エラーがあると「この修正を適用します」という表示が出るので、そのまま適用させてください。
- エラーが正常に修正されれば、以前の状態に戻すことができます。
また、先に紹介したディスクのクリーンアップも有効な場合があります。Windows Updateはシステムに変更を加える機能なので、「システムの復元」も有効です。ただし、システムの復元は失敗することもあるため、ときには起動トラブルとなりWindowsの再インストールが必要になるケースもあります。そのため、システムの復元実行前の大切なデータのバックアップは必須です。
Windows Update中の強制終了は、いろいろなトラブルの原因になりえます。Windows Updateの更新中に「95%」と表示されていても、そこから完了までに数時間かかる場合があります。更新するプログラムの中にはサイズの大小がさまざまあり、最後にアップデートされるプログラムの容量が大きい場合もあるからです。可能であれば、終了まで待つことをおすすめします。
修理をプロに任せるのも一つの解決策
紹介した方法でレッツノートの動作が重い状態が改善されない場合、システムトラブルや内蔵HDD/SSDなどのトラブルが複数積み重なってる場合もあります。
レッツノートを分解し、パーツを適切に交換できれば、動作が重い状態が改善する可能性はありますが、失敗すれば現状よりもさらに症状が悪化してしまうことも考えられます。また、レッツノートのようなノートパソコンは分解も容易ではありません。知識があれば安全ですが、場合によっては修復不可能な状態まで陥ってしまうこともあります。
自力の改善が困難だと思われた場合はレッツノートやデータを守るためにも、プロのパソコン修理業者のPCホスピタルに依頼いただくことをおすすめいたします。
PCホスピタルはレッツノートが遅い・重いトラブルのサポートが可能です
パソコンの動作が重い場合、作業を行うとき必要以上に時間がかかることや作業途中でフリーズして一切の作業ができなくなってしまうこともございます。
ソフトウェア面での改善はすぐにできるものもありますが、ハードウェア面でのトラブルは様相が異なります。レッツノートは頑丈なため、分解が少し難しいと感じる人もいるでしょう。
レッツノートの重い動作が改善しなくてお困りの場合はぜひPCホスピタルに修理をご依頼ください。
修理対応 | 出張/持込/宅配 |
---|---|
対応エリア | 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国15店舗/宅配修理は全国47都道府県 |
実績 | 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの修理実績を当サイト掲載中 |
料金 | 動作が遅いパソコンの修理 6,600円~ + 基本料金 8,800円~11,000円 |
濱﨑 慎一(日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事)
2010年8月、日本PCサービス株式会社に入社。パソコン修理などデジタルトラブルを5年で4500件以上解決。その後、サポート人材育成など、事業責任者として、個人向けデジタルトラブル解決に8年半携わる。2019年より同社にて、法人向けサポートの取締役に就任。また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として業界活性化のため正しいデジタル知識の普及、スマートフォンなどの新しい整備士資格の構築に携わる。
保有資格 パソコン整備士検定 取得