HDDを救出・復旧したい!取り戻したい大切なデータがある人におすすめの方法
大切なデータを取り戻すために知っておきたい対処法
ある日突然パソコンが起動しなくなった。パソコンに水をこぼして壊れてしまった。パソコンから変な音がしている。パソコンを長く使用していると一度は重大なトラブルに遭遇します。大切なデータをたくさん保存しているパソコンが突然壊れると焦ってしまいます。パソコンが壊れてしまったからもうデータは取り戻せないとあきらめる前にデータを救出・復旧できる方法があります。
すべてのデータを元通りにすることは難しいですが、少しでも救出・復旧できるデータを多くするためにできることをここでは紹介していきます。パソコンが故障して困ってしまっても、適切な対応で大切なデータを取り戻しましょう。
パソコンが故障してもHDDは救出・復旧できる?
突然パソコンが動かなくなってどうにも直せない場合にはバックアップをとっていないと大切なデータが失われてしまいます。しかし、故障の状態によってはパソコンが動かなくても、データを保存しているHDD(ハードディスク)から取り出せるデータを救出・復旧できます。
ここではどれくらい復旧できるのか、どのような場合に自分でも復旧できるのか、どのような場合に専門業者に依頼した方がいいのかについて紹介していきます。まずは、HDDデータ救出・復旧について状況を理解しましょう。
データ復旧の確率は50%程度
パソコンの状態によってさまざまですが、HDDから自分でなんとかデータを復旧(コピー)できる可能性は50%程度と考えられています。確率が高いと思うか低いと思うかは人それぞれですが、自力で復旧しようと努力しても半数は復旧が難しいということを認識しましょう。
自力で復旧が難しい場合には専門のデータ救出業者に依頼することで、困難な障害の場合でもデータを救出できる可能性は高いです。ただし、状態が悪いほど復旧の確率は下がり、費用と時間がかかります。あまりパソコンの知識がなく操作に慣れていない方は、早急に専門業者に相談するのをおすすめします。
自分でデータ復旧ができるかどうか
自分で壊れたパソコンのHDDからデータを復旧できるかは壊れている状態によってほぼ決まります。HDDが壊れた状態には大きく論理障害と物理障害に分けられます。論理障害はシステムに不具合が生じてデータの読み書きができなくなった状態を指します。物理障害はHDDの構造に不具合が生じてデータが読みだせない状態を指します。
論理障害の場合は自力でデータ復旧を行える可能性が高いです。物理障害の場合はほぼ自力でデータ復旧をすることはできません。それぞれの場合についてもう少し詳しく紹介していきましょう。
論理障害の場合
パソコンは保存されているデータを読み書きして動作しています。使用している中でデータの書き込みに失敗したり、読み書きを制御するシステムに不具合が起きると正常にデータの読み書きが行えなくなります。これが論理障害の原因です。このようにパソコンのデータ上のトラブルによってパソコンが使えなくなる状態を論理障害と呼びます。
論理障害の特徴的な症状としては
- 「フォーマットされていません」と表示がでる
- 「Operating System not found」と表示されて、起動しない
- パーティションが認識されない
- ソフトウェアの異常による障害
- ファイルシステムの損傷
などで、電源が入っても起動できない状態が多いです。
HDDは小さな円盤の中に膨大な量のデータを書き込んでいます。読み書きを制御するシステムに不具合が生じた場合は保存されているデータは壊れずに残っている場合が多いです。作業中にデータの書き込みに失敗して、論理的な処理ができなくなった場合も、作業していない他のデータについては壊れずに残っている場合が多いです。
論理障害は比較的状態のよいデータをソフトなどを使って読み出すことでデータ復旧が見込まれます。ただし、ウイルスなどに感染してデータが書き換えられていたり、壊されていると自力で復旧することは非常に困難です。
物理障害の場合
HDDは簡単にいうと超高速で回転する円盤(プラッター)にアームが動いてデータの読み書きをしています。HDDが回転しているときに強い衝撃を加えたり、強制シャットダウンなどで突然止まると円盤(プラッター)が損傷したり、アームが動かなくなったりします。これが物理障害の原因です。また、長年使用していると回転軸やアームの駆動部などが消耗してパソコンから異音や異臭がするようになります。このような物理障害をHDDクラッシュとも言います。HDDは大体5年程使用すると故障が想定されるため、長年使用している場合はHDDの寿命の可能性が高いです。
物理障害の特徴的な症状としては
- HDDから「カチカチ」「ジー」「コツンコツン」などの異音がする
- BIOS画面でも、ハードディスクを認識していない
- 水没、落下、打撃などの後に起動できなくなった
- 焦げ臭いなどの異臭がする
などによって正常に起動できなくなることが多いです。
物理障害はデータを読み出す機能自体に問題があるため、ソフトなどを使用してデータを読みだそうとしてもHDDが動きません。自力でHDDを分解して物理障害を取り除くのはほぼ無理です。物理障害が疑われる場合にはパソコンを停止して、専門の修理業者に相談しましょう。
修理対応 | 出張/持込/宅配 |
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データが復旧できなくなるNG行動
HDDのデータ復旧は初期対応がなによりも大切です。初期対応を誤るとデータ復旧の可能性はどんどん低くなります。故障した直後に修理を頼むと比較的安価に済む障害でも、自力で復旧を試みようと動作させていると障害が重くなったり別のトラブルが発生する恐れがあります。最終的に修理を依頼した場合に高額な修理代金になることも少なくありません。
ここでは、パソコンが故障した場合にデータ復旧ができなくなるやってはいけない行動について詳しく紹介します。パソコンが壊れたからと慌てる気持ちを抑えて、少しでもデータを安全な状態にしておきましょう。
何度も再起動する
パソコンが正常に動作しない場合に再起動すると不具合が解消することはあります。しかし、正常に起動できない状態を繰り返す、パソコンから異音がする、突然電源が切れるなどの症状があるときにはHDDに障害が起きています。
HDDに障害が起きている状態で再起動を繰り返すと、壊れたHDDが何度もデータを読みだそうとして回転します。物理障害が起きている場合には再起動でアームが動くたびに円盤に傷をつける可能性もあります。パソコンから異音がしていて起動できない場合は再起動しないようにしましょう。
再起動しても不具合が解消されない場合に何度も重ねて再起動するのはHDDのさらなる故障を招くのでやめましょう。
通電し続ける
物理障害を起こす手前の異音がする状態や異臭がする状態を放置して通電し続けるとHDDが壊れます。普通に使用している状態であれば、経年劣化による物理障害は異音などで気づくことが多いです。また、再起動を繰り返すようになったり、動作が極端に遅くなったりした場合はシステムの修繕を行いましょう。システムを修繕しても症状がよくならない場合はHDDに問題がある可能性が高いです。
HDDに問題を抱えた状態で使用し続けると深刻な障害になりやすいです。問題が大きくなる前に対処するのが賢明です。
OSを再インストールする
HDDが損傷している場合でもOSを再インストールするために起動するBIOSというシステムは動きます。パソコンが壊れたから再インストールを試みるこどでパソコンを使える状態に戻せる可能性はあります。ただし、再インストールを行うとHDDのデータは初期化されて失われる可能性が高いです。
論理障害の場合には再インストールすることで購入時の状態に戻せる可能性が高いです。最近ではデータを保存したまま再インストールする機能も備わっていますが、確実に実行できるわけではありません。物理障害の場合は再インストールもできません。
再インストールを行うことでHDDのデータが書き換えられ、途中で失敗するとソフトによるデータ救出も難しくなります。OSの再インストールはバックアップが取れていて、データを失っても大丈夫な場合に行いましょう。
パソコンをリカバリー(初期化)する
パソコンをリカバリーするとHDDに入っているデータが消えてしまいます。OSの再インストールと同様、パソコンが使える状態に戻せる可能性はありますが、リカバリーはHDDのデータが消えるため復旧どころかなくなってしまいます。リカバリーはパソコンを使う前の状態に戻すので、実行するとデータが逆に消えてしまい、復旧も困難になると覚えておきましょう。
パーティションを作成する
パソコンが起動したとしても、OSがインストールされているパーティションとは別のパーティションが認識されないからといって作成し直すのはお止めください。新しくパーティションを作成すると認識されなくなっているパーティションが復旧できなくなる恐れがあります。データ復旧の専門業者に依頼するか、後述するデータ復元ソフトを使用するまでパーティションを作成したり初期化したりしないようにしましょう。
パソコンが故障したときにHDDを救出する方法(復旧方法)
パソコンが故障したときにHDDのデータを救出する方法(復旧方法)について紹介していきます。故障の程度によって救出できる方法は異なってきます。HDDの状態が良い場合から悪い場合までそれぞれ詳しく紹介していきます。
外付け機器にデータを移行する
まだパソコンが作動している状態で、異音がしたりシステムが不安定な状態の場合には、外付けHDDなどの機器にデータをコピーしてバックアップをとりましょう。データの量によっては長い時間がかかります。日ごろから外付け機器にバックアップをとるようにすると作業は短く済みます。
HDDは動く時間が長いほど状態が悪くなるので作業が短時間で済むように心がけましょう。データの移行が完了し、正常にコピーできたのを確認してから復旧作業を行いましょう。システムに不具合がある場合にはシステムの復元や再インストールをします。物理的に問題があるなら、HDDを交換してOSを再インストールしましょう。
他のパソコンでデータを移行する
パソコンが動かない状態でもネットワーク上からアクセスできる場合は他のパソコンからデータを移行しましょう。ウイルスに感染している場合は移行に使用するパソコンに感染する可能性もあるので、外付けHDDを用意してそこに移行(コピー)するようにしましょう。ウイルス対策ソフトを起動しておくと安心です。
移行が完了したら先ほど同様にパソコンの復旧を試みましょう。
HDDを取り外す
パソコンが起動もアクセスもできない状態になってしまったら、電源を切ってHDDを取り外してデータを救出・復旧する方法があります。取り外したHDDをUSB接続で外付けHDDのように使用できる機器が販売されています。USBアクセサリを用意し、取り外したHDDを接続して正常に起動するパソコンでデータの移行を行います。
この場合はパソコンの基盤などが故障している場合に有効です。HDDが壊れている場合には正常にデータを移行できない場合があるので、確実な方法ではありません。HDDをUSB接続してもパソコン上で中身が表示されない場合には復旧ソフトによるデータの復元か修理業者による復旧が必要です。
専門業者に修理を依頼する
HDDが故障したがデータを取り戻したい場合に一番確実な方法はデータ復旧の専門業者に修理を依頼することです。知識も技術も設備もある専門業者に早めに依頼することでデータ復旧の確率は高くなります。パソコンが壊れたがとても大切なデータがあり取り戻したい場合には自力で復旧を試みず、まず専門業者に修理を依頼することがおすすめです。
データ復元ソフトを使用するのが難しそうだと思ったらデータ復旧を行っている専門業者に相談しましょう。専門業者の中でも「PCホスピタル」なら高い技術をもった作業員がデータを救出してくれます。365日土日でも訪問対応してくれて、初期診断から復旧までの期間、見積もりを教えてくれます。データ復元ソフトを使用せずにサポートをしてくれるので高い確率でデータを救出したいなら、まずはPCホスピタルに相談してみましょう。
データ復旧とメーカー修理の違い
修理ならメーカーに依頼することもできます。保証期間内にHDDが故障した場合は修理費用の負担も重くありません。ただ、注意したいのはパソコンを修理したいのかデータを取り戻したいのかで選択が変わることです。メーカー修理の多くはパソコンを使用できる状態にすることが目的です。そのためパソコン内のデータは初期化されて返却される場合がほとんどです。
データ復旧を行っているPCホスピタルなどの修理専門の業者ならデータを救出した上で修理をしてくれます。また、データの削除だけでなく、パソコンの機器修理なども含め希望に併せて対応してもらえます。
データ復旧はPCホスピタルにお任せください。お問い合わせはこちら。
データ復元ソフトについて
HDDのデータが論理障害を起こして故障した場合に、データ復元ソフトを使用するとデータを復旧できる可能性があります。ここではデータ復元ソフトの機能と、選び方、注意点について紹介していきます
ただし、データ復元ソフトには動作保証がされていないソフトも多く、予期せぬ初期化などで更に復元が困難になってしまうこともあります。また、データ復元ソフトを使用してしまったあとでは修理サービスを受けられないことも少なくありません。データ復元ソフトを使用するのはリスクも伴うということを覚えておいてください。
データ復元ソフトとは
データ復元ソフトは論理障害を起こしてアクセスできなくなったHDDのデータをコピーできるようにするソフトです。HDDはデータを保存する部分と読み書きするシステムのデータに分けられます。論理障害の場合、読み書きするシステムが壊れているとHDDを取り出してUSB接続しても中身をコピーできません。
データ復元ソフトでは読み書きするシステムを作業するパソコン上で再現することでHDDの中身を扱えるようにしてくれます。データ復元ソフトは物理障害には対応していません。復元の仕方によって復旧できるデータは変わってきます。
データ復元ソフトの選び方
データ復元ソフトは検索するだけでも無料のものから高価なものまでさまざま提供されています。無料ソフトは復元できるデータ容量が制限されていたり、ファイルの種類が特定されていたりします。高額なソフトほど、削除してしまったファイルも復元できたり、大容量のデータを短時間で復元できたりします。
復元したいデータが写真や書類など特定できているなら無料のソフトでも対応できるものがあります。すべてのデータを復旧したいとなると有料ソフトを使用しないと対応できない場合が多いです。ソフトの機能をよく読んで、どんなデータをどれくらい復旧したいのかでソフトを選びましょう。
データ復元ソフトの注意点
データ復元ソフトを使用するにあたってはいくつか注意点があります。種類がたくさんあるだけに目的のデータを復元できるかも大切ですが、以下の注意点に気をつけて利用しましょう。
対応しているソフトかどうか
有料ソフトはほとんどのOSのさまざまなバージョンに対応しています。無料なソフトほど対応しているOSが限られていたり、Windows7までやMacは使えないなどの制限が増えます。有料ソフトでもMacに対応しているものは少ないのでMacのデータを復旧したい場合には特に注意しましょう。
パソコンの性能も足りているか注意しましょう。ファイルサイズの大きなデータの復元にはメモリも多く消費します。HDDへの負荷を軽減するためにも短時間で処理が終わるように、十分な性能のパソコンを利用しましょう。
データの復元ができない可能性もある
データ復元ソフトを使用すれば保証しているファイル種類のデータをすべて復元できるわけではありません。HDDの状態によっては復元できないデータの方が多い場合もあります。ウイルスに感染してファイル種別が書き換えられている場合には復元しても使用できるデータになっていないこともあります。データ復元ソフトは万能ではありません。むしろデータ復元ができない可能性が高いと思って使用しましょう。
パソコンの故障状態が悪化する場合も
データ復元ソフトはデータを復元しながらコピーしていくのでHDDに高い負荷と長い時間がかかります。故障したHDDに長時間、高い負荷をかけることで故障の状態が悪化する場合もあります。有料ソフトほど大容量のデータを短時間で処理できるものが多いですが、HDDの状態によっては途中で壊れて復旧できなくなる可能性もあります。
ウイルスに感染していた場合には復元することで作業しているパソコンも感染する可能性があります。ウイルスに感染した恐れがある場合にはデータ復旧ソフトを使用しないで専門業者に相談しましょう。
PCホスピタルはHDD救出・復旧サポートが可能です
パソコンが壊れてしまってもHDDのデータを復元する方法はあります。故障の症状が軽いほどデータの復元性は高いです。データを移行するにはHDDを取り外したり、データ復元ソフトを利用することで救出・復旧する方法もあります。ただし、HDDが物理的に壊れている場合にはデータ救出・復旧を自力で行うことは困難です。
HDDのデータを救出・復旧できるかは初期対応にかかっています。HDDの状態がわからない場合には使用をすぐにやめてPCホスピタルにご相談いただくのが確実です。
修理対応 | 出張/持込/宅配 |
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対応エリア | 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国15店舗/宅配修理は全国47都道府県 |
実績 | 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの修理実績を当サイト掲載中 |
料金 | パソコン修理 3,300円~ + 基本料金 8,800円~11,000円 |
濱﨑 慎一(日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事)
2010年8月、日本PCサービス株式会社に入社。パソコン修理などデジタルトラブルを5年で4500件以上解決。その後、サポート人材育成など、事業責任者として、個人向けデジタルトラブル解決に8年半携わる。2019年より同社にて、法人向けサポートの取締役に就任。また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として業界活性化のため正しいデジタル知識の普及、スマートフォンなどの新しい整備士資格の構築に携わる。
保有資格 パソコン整備士検定 取得