GPUが故障したときの症状は?原因を特定する方法と修理方法まとめ!

パソコンの調子がよくないときに、原因のひとつとして、画像を描画するために使われているGPUの故障があげられます。GPUが原因でパソコントラブルが発生したときにはさまざまな症状が出るため、別の原因と混同してしまうことも少なくありません。GPUが原因であることを特定するためには何をチェックすればいいのかといったことや、修理方法について解説します。

1.GPUとは

「GPU」とは「Graphics Processing Unit(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)」の略で、画像描写を行うためのプロセッサのことを指します。一般的には「グラフィックチップ」などとも呼ばれています。オフィスや家庭で使う一般的なパソコンでは、CPUに内蔵されていたり、マザーボードと一体になっていたりすることがほとんどです。そのため、パソコンを選ぶときにGPUそのものの性能を意識することはあまりないかもしれません。

一方で、3DCGの制作や高画質な3Dゲームなどには高性能のGPUが不可欠で、GPUの性能が高ければ高いほど快適にソフトウェアを動かすことができます。3DCGや3Dゲームのためのパソコンは、GPU、メモリ、冷却ファンなどが組み込まれた「グラフィックボード」を搭載して描画性能をアップさせているものが多く、そのぶん高価です。グラフィックボードはビデオカードとも呼ばれ、最先端かつ高性能の製品だと10万円以上するものもあります。このように、GPUは製品によって性能に差があるものの、モニターに文字や画像を出力するために必要不可欠なものですので、どんなパソコンにも入っています。

2.GPUに不具合があるときはどんな症状が出るの?

GPUに不具合が発生すると、パソコンにさまざまな症状が出ます。GPUが原因となって起こる症状について紹介していきます。

2-1.故障する前に起こりやすい前兆

GPUが故障する前兆としてわかりやすいのは、画面にノイズが出る、3Dグラフィックが正常に描かれない、画面の色がおかしいなどの画面の症状です。ノイズは限られた範囲に出ていたものがだんだんと広がり、出る時間も長くなることが多く、作業に支障が出ることもあります。また、一瞬画面が真っ暗になる、キーボードやマウスの入力で誤作動が起こるといった症状も見られます。さまざまな動作が不安定になるため、場合によってはこの時点でGPUの不調だと気づくのは難しいかもしれません。モニターや入力デバイスの故障と区別をつけることが難しい場合があるからです。さらに、グラフィックボードを搭載しているパソコンでは、ボードに組み込まれている冷却ファンが動かない、異音や大きな音がするといった症状が出ることがあります。

2-2.故障したときに起こる症状

GPUが故障してしまったときには、ブロックノイズが出る、画面が乱れて何が表示されているのか判別できない、パソコンが勝手に再起動を繰り返すなど、さらに深刻な症状が出ます。電源を入れても画面が真っ暗で何も映らずモニターを変えても改善しない、そもそもパソコンが立ち上がらないなどパソコン自体が使えなくなってしまうことも少なくありません。このほか、ひんぱんにフリーズする、エラーが頻発しスリープモードから復帰できないなど、GPUの故障はパソコンの動作そのものにも大きく影響を及ぼします。

3.修理する前に!GPUが原因かどうか確認しよう

GPUに不具合があるときの代表的な症状を紹介しましたが、ほかのパーツが壊れたときも似たような症状が出るため、これだけでGPUの故障と特定することは困難です。修理をする前に本当にGPUの不調が原因かどうかを確かめてみましょう。

3-1.GPUを取り外してみる

確認方法としてもっとも手っ取り早いのは、GPUを取り外してみることです。グラフィックボードを組み込んでいるパソコンであれば、グラフィックボードを外したうえでマザーボードに組み込まれているGPU(オンボードGPU)から出力する、別のグラフィックボードを取りつけてみるといった方法が使えます。グラフィックボードを取り外したことで症状が改善されれば、原因がグラフィックボードにあることが判別できるというわけです。

ただし、グラフィックボードを搭載することを前提に作られている一部のパソコンは、オンボードGPUが搭載されていない場合があります。この場合は、代替のグラフィックボードがないと出力そのものができないため、オンボードGPUから出力させる方法は使えません。また、元からオンボードGPUで出力している場合は、そもそも簡単に取り外しができないため、あくまでグラフィックボードを搭載しているパソコンのみで使える方法です。

グラフィックボードを取り外して正常に動作するのであれば、グラフィックボードそのものか、グラフィックボードとマザーボードの接続のどちらかに異常があると推測できます。マザーボードにスロットが複数ある場合は、一度異なるスロットに装着してみましょう。グラフィックボードは一般的に「PCI-Express」というスロットに取りつける構造になっています。それで正常に動作すれば元々使用していたスロットの接続に問題があるということになり、再度不具合が出ればグラフィックボード自体に問題がある可能性が高くなります。グラフィックボードに不調の原因がある場合は、グラフィックボードのみを取り替えることで状況を改善できるでしょう。

3-2.デバイスマネージャーをチェックする

パソコンの画面が表示される状態であれば、一度デバイスマネージャーをチェックしてみましょう。デバイスマネージャーは「コントロールパネル」から「システムとセキュリティ」「システム」「デバイスマネージャー」と進むと確認することができます。「デバイスマネージャー」の中の「ディスプレイアダプター」から使用中のGPUを選択し、右クリックで「プロパティ」を表示させてみましょう。「全般」タブの「デバイスの状態」という欄に、「問題が発生しましたのでこのデバイスは停止しました」などというメッセージが表示されているときは、何らかのエラーが発生しています。問題なく動いているときは、「このデバイスは正常に動作しています」と表示されます。

3-3.OSを再インストールしてパソコンを初期状態に戻す

どうしても原因が特定できないときは、ハードディスクを初期化し、WindowsなどのOSを再インストールしてみるという方法があります。この作業を行うと、パソコンは工場から出荷されたときと同じ状態となります。初期化することで多くのソフトウェア的な問題が解消されますが、インストールしているソフトウェアや保存してあるデータなどはすべて消失してしまうため、最後の手段として自己責任で実行しましょう。大切なデータはあらかじめバックアップをとっておくようにします。もし初期化してOSを再インストールしても問題が改善されない場合は、何らかのパーツが物理的に故障していると考えられるため、GPUに原因がある可能性が高くなります。

4.GPUでよくあるトラブル!半田割れの修理方法

GPUに関するトラブルでよくあるのが「半田割れ」です。半田割れがどうして起こるのか、起こるとどんな不具合があるのかといった解説に加え、修理方法を紹介していきます。

4-1.半田割れとは?

半田(はんだ)とは金属を電気的に接続させるための合金です。電子回路の半田付けなどに使われており、基板に銀色の丸い玉のようなものがずらりと並んでいるのを見たことがある人は多いのではないでしょうか。パソコンのオンボードGPUも、マザーボードに半田で直付けされています。「半田割れ」とは、GPUとマザーボードの間にある半田ボールが割れたり変形したりしている状態のことを指します。半田はただの接着剤ではなく、パーツ同士を電気的に接続させるという役割を持つ重要なものです。そのため割れてしまうと接触不良の状態となり、さまざまなトラブルを引き起こす原因となります。

半田割れが発生する原因はひとつではありません。熱や温度の変化、振動、経年劣化などが考えられます。パソコンを気温差の激しい場所で使ったり、機器を乱雑に扱ったりすれば、それだけ半田割れのリスクは高くなるでしょう。GPUはたくさんの半田ボールでマザーボードなどの基板に貼りつけられているため、半田割れを目視で確認するのは困難です。トラブルの原因として半田割れによる接触不良が疑われる場合は、半田部分の修復を試みることで状況が改善する場合があります。

4-2.修理方法1 GPUを温めて半田ボールとのすき間を埋める

半田割れの修理には、まず「半田を温めて膨張させる」という方法があります。家庭用のドライヤーや、熱風を出すヒートガンを使って低温でGPUを温め、GPUとマザーボードの間にある半田ボールを膨張させます。半田の膨張によって割れてできたすき間が埋まり、接触を正常な状態に戻すことができるというわけです。髪を乾かすのに使うドライヤーでもできる作業のため特別な工具がいらず、手軽に試せる点もメリットでしょう。ただし、この方法は応急処置であり、一時的な効果しかありません。半田が冷えてしまえばもとのようにすき間ができてしまうため、再び接触不良の状態になってしまいます。場合によっては数時間しかもちません。ただ、「とりあえず一時的に接触を回復させて、その間にデータを取り出したい」といったときには試してみる価値があります。

4-3.修理方法2 GPUを加熱して半田を溶かす

次に紹介する修理方法は、「半田を高温で加熱して溶かし、割れを補修する」というものです。半田の融点はほかの金属よりもかなり低く、広く使われているものだとおよそ220度で液体になります。この温度まで加熱して半田を溶かし、冷却して再接着させ、割れた部分を修復するというわけです。とはいってもGPUそのものを220度まで加熱するとなると家庭用のドライヤーではほとんど不可能ですので、より高温の熱風を出せるヒートガンが必要です。

度まで加熱して半田を溶かし、冷却して再接着させ、割れた部分を修復するというわけです。とはいってもGPUそのものを220度まで加熱するとなると家庭用のドライヤーではほとんど不可能ですので、より高温の熱風を出せるヒートガンが必要です。

この方法は理屈からいえば半田割れを解消できますが、熱によって周囲の基板に負荷がかかることは覚悟しておかなくてはならないでしょう。基板がゆがむようなことがあれば、さらなる半田割れの原因ともなりかねません。また、構造上きちんと再接着されているかを確認できないため、どの程度まで熱すればいいかといった基準もあいまいです。正常な状態に戻せる保証もないため根本的な解決とはいえず、再発の可能性が高いことをふまえて作業する必要があります。

4-4.修理方法3 GPUを外して再度取り付ける

3つめに紹介する修理方法は、「GPUをマザーボードから取り外し、取り付けし直す」というものです。専用の設備を使いGPUを加熱して接続に使われている半田をすべて溶かし、GPUチップそのものをいったんマザーボードから取り外します。そのうえでマザーボードとGPUに残った半田を取り除き、きれいにします。取り外したGPUには新しい半田ボールを載せ加熱して付着させ、マザーボードに再装着すれば完了です。この方法だと半田部分を新品に取り替えることができるため、半田割れが原因の不具合は解消されます。根本的に修理してパソコンを長く使いたいのであれば、3つの方法の中で1番確実だといえるでしょう。

5.GPUの修理は自分でできるの?おすすめしない理由とは

GPUは非常に重要な集積回路であり、さらにパソコンのパーツの中でも比較的高価なもので、最先端のグラフィックボードなどは10万円以上します。安易に修理して状況が悪化すれば修理費用がさらに高額になる可能性もあり、取り扱いには十分な注意が必要です。また、GPUは表面実装という方法で基板に取りつけられており、半田を溶かしチップを取り外して修理するには専用の設備で作業しなくてはなりません。半田割れのために不具合が出ていたとしても、家庭用の工具などで修理・交換できるものではないことを認識しておきましょう。加熱による修理で一時的にしのぐことは可能ですが、時間の経過とともに再び不具合が発生する可能性は高く、耐久性には疑問が残ります。

GPUの不具合が発生したとき、原因を特定し解決へと導くことは素人には困難です。グラフィックボードを搭載している場合は、ピンポイントにGPUだけ修理しようとせず、ボードごと交換したほうがいいでしょう。GPUチップを交換したり、半田を修復したりするのは知識や技術を持つ専門業者に任せるのが賢明です。

6.長く使おう!GPUの寿命を延ばすには?

GPUを長持ちさせたいという場合は、使い方に気をつけたり手入れをしたりすることで寿命を延ばすことができます。GPUは使えば使うほど寿命が短くなるため、3Dゲームなど大きな負担をかけるソフトウェアを長時間起動させないなどの対策が有効です。あわせて、パソコン内部に熱がこもらないよう、定期的にホコリを取り除きましょう。特にファンや通気口などはこまめな掃除が必要です。グラフィックボードを搭載している場合は、グラフィックボードの冷却ファンもチェックします。ファンが回っていないなどの異常があると、GPU周辺がかなり高温になり寿命を早めてしまいます。必要であれば冷却ファンを増設するなどの対策を取るといいでしょう。また、ファンによる空冷ではなく、水冷システムを導入して冷却性能を高めるという方法もあります。

GPUに不具合があるなら便利な出張修理を依頼しよう!

ノイズが入る、画面が映らないなどの不具合が発生するときは、GPUの不調が原因となっている可能性があります。しかし、GPUチップの修理や交換を自力で行うのはかなり困難です。「ドクター・ホームネット」の出張修理なら、最短即日訪問のうえその場で症状をチェックし、原因の特定や解決策の提示が行えます。すみやかにパソコントラブルを解決したいときはぜひ相談してみてください。

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