自作PCが起動しない・電源がつかない原因と対処法
自作PCは個人で自由にカスタマイズできる楽しみがあります。
しかし、メーカーが組み立てたものではない分、動きが不安定になるリスクは避けきれません。自作PCが起動しないときの現象はいろいろとあります。電源を入れてもファンだけが回り、起動ができないという状態も多いでしょう。
本記事では、自作PCが起動しない・電源が付かない原因と対処法をご紹介いたします。
自作PCが起動しない・電源がつかない原因
自作PCが起動しない・電源がつかない原因は下記の通りです。
- 電源スイッチが入ってない
- 熱暴走
- 帯電
- 内部パーツの故障
- パーツの相性が良くない
- グラフィックボードやメモリの接触不良
原因の詳細をご説明いたします。
電源スイッチが入ってない
電源スイッチが入ってない、電源ケーブルがしっかり差さってない、ディスプレイのケーブルが差さってない等で自作PCが起動しない・電源がつかないケースも多いです。
熱暴走
熱暴走とはパソコンが誤動作を起こすことによって、CPUやハードディスクの温度が異常に上昇し、冷却ファンで冷やし切れなくなった結果、暴走する現象のことです。
この現象により自作PCが起動しない状態になってる場合があります。
帯電
パソコンは内部に静電気が充満することで、動作がおかしくなったり、電源が入らなくなったりする性質があるため、帯電することで自作PCが起動しない・電源がつかなくなってる可能性があります。
内部パーツの故障
マザーボード、CPU、メモリ、電源ユニットの不具合で起動しないことがあります。
BIOSは起動するのにOSのインストールに進めない場合、USBや光学ドライブといったOSのインストール用メディアの挿し込み口の故障やHDD/SSDの故障の可能性もあり、CMOSバックアップ電池の劣化で起動しない状態になることもあります。
パーツの相性が良くない
自作PCで起こりやすいのがパーツごとの相性問題です。メーカー製のパソコンでは検証が行われて正常に動作するパーツの組み合わせで構成されていますが、自作PCの場合は組み上げてみるまで相性の良し悪しを判断しにくいです。
無数にあるパーツとその組み合わせは事実上無限に存在するため、規格上、スペック上は問題がなくても相性問題は発生してしまいます。
グラフィックボードやメモリの接触不良
グラフィックボードやメモリの接触に問題が生じることで、起動しないことがあります。メモリの接触不良であれば、ハードディスクのアクセスランプが反応しなくなることもあるため、チェックしてみましょう。
グラフィックボードやメモリがまともに接続されていたとしても、端子やその周りにほこりや汚れがあるときは、誤動作を引き起こす原因となります。
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自作PCが起動しない・電源がつかない時の対処法
自作PCが起動しない・電源がつかない時の対処法は下記の通りです。
- 電源スイッチを確認
- ホコリや汚れを除去する
- 放電を実施
- 別のディスプレイを使用する
- コードを接続し直す
- パーツを交換
- CMOSバックアップ電池を交換
- BIOSの設定を変更する
詳細をご説明いたします。
電源スイッチを確認
まず、ディスプレイの電源スイッチが入っているか確認しましょう、次に、ディスプレイの電源ケーブルがコンセントにしっかり差さっているか、ディスプレイの本体にケーブルが差さっているか、確認してみてください。DisplayPortやHDMIケーブルの差さり方が、ゆるくなっている状況もよくあるのでチェックします。
マザーボードに電気を供給するケーブルの差さり方も併せてみていきましょう。メモリやグラフィックボードがスロットにしっかり挿入されていない場合も問題の原因となります。グラフィックボードが補助電源を必要とする形式であれば、補助電源ケーブルの接続も必ず確認してみてください。
ホコリや汚れを除去する
ファンのホコリや汚れが目立つようであれば、専用のブラシを使用したり、エアダスターなどで念入りに掃除してください。接点回復剤を使用し、端子部分をきれいにするのも効果的です。
熱暴走で起動しない場合、掃除だけでなくパソコンを節電モードに設定したり、クーラーなどをつけて部屋の温度を落としたりするのも効果的でしょう。
パソコンの使用歴が長くなっているのであれば、CPUのグリスを塗りなおしておくと安心です。
放電を実施
自作PCが帯電してる場合、放電を行うことで動作が安定する可能性があります。
自作PCの電源を一度切り、約5分程度待ってから起動するか確認してみてください。
別のディスプレイを使用する
自作PCにディスプレイのケーブルが挿さっていても画面が映らない場合、別のディスプレイを接続して画面が映るか確認してみましょう。
コードを接続し直す
USBポートとマザーボードを接続するコードが抜けていることで起動しない・電源がつかない状態になってる可能性があります。コードの接続をし直して改善するか確認してみましょう。
メモリやグラフィックボードがスロットにしっかり挿入されていない時も問題の原因となります。
グラフィックボードが補助電源を必要とする形式であれば、補助電源ケーブルの接続も必ず確認してみてください。
パーツを交換
電源ユニットが故障してる可能性がある場合、電源ユニットを交換することで改善する可能性があります。電源ユニットの寿命は一般的に3~5年と言われているため、自作PCの使用期間が長い時は交換を検討してください。
CPU不良の場合、代わりのCPUが用意できそうであれば、付け替えることで改善することもあります。
BIOSは表示できないことで自作PCが起動しない場合、マザーボードが故障してることも考えられるため、別のマザーボードに交換もしくはまったく同じタイプのマザーボードと交換することで起動できるようになる可能性があります。
パーツの相性問題で起動しない・電源がつかない場合、設定で解決できるものではないのでその場合も別のパーツに変える必要があります。
他にもリセットスイッチが故障して起動しない状態になることもあるため、リセットスイッチを取り替えることで自作PCが起動する状態に改善する可能性があります。
改善が上手くいかない場合は修理を依頼することもご検討ください。
CMOSバックアップ電池を交換
CMOS電池が劣化してる場合、電池交換で改善する可能性があります。
CMOSの電池が付いている場所はマザーボードです。電池の種類はいくつかありますが、CR2032というボタン電池がよく使われています。手でボタンを外すのは難しいので、マイナスドライバーなどを使って、ソケットの爪を押してボタンを取り外しましょう。
新しい電池に取り替えるとき、プラスとマイナスを間違えないように気をつけて、向きを合わせることが重要です。
BIOSの設定を変更する
「oparating system not found」と表示されて起動できないことがあります。これは OSが正しく呼び出せない時に表示させるメッセージです。
BIOSトラブルで多いのが起動順位設定の誤りで、OSをどこからどの順番で読み込むのか順番が設定されており、この設定によっては正しく読み込めずエラーとなってしまうため、BIOSの起動順位設定を見直してみてください。
自作PCが起動しないトラブルをプロに任せるのも一つの対処法
記載の対処法で改善しない場合、パーツの故障やBIOSの問題が積み重なってることが考えられます。
自作PCを分解して原因のパーツを上手く交換すれば、改善するかもしれませんが、失敗すれば今より症状が悪化してしまう可能性もあります。自作PCは組み立て及び分解も容易でなく、場合によっては修復不可能な状態まで陥ってしまう場合もあります。
自力の改善が困難だと思われた場合は自作PCやデータの安全のためにも、プロのパソコン修理業者のPCホスピタルにご依頼いただくことをおすすめいたします。
PCホスピタルは自作PCが起動しない・電源がつかないトラブルのサポートが可能です
自作PCが起動しない・電源がつかない原因と対処法をご説明しましたがいかがだったでしょうか。
自作PCは組み立てに慣れてなければ、修理も難しいという特徴があるため、場合によっては対処が上手くいかず、症状がより深刻になってしまうことも考えられます。
自作PCが起動しない・電源がつかなくてお困りの場合はぜひPCホスピタルに修理をご依頼ください。
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濱﨑 慎一(日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事)
2010年8月、日本PCサービス株式会社に入社。パソコン修理などデジタルトラブルを5年で4500件以上解決。その後、サポート人材育成など、事業責任者として、個人向けデジタルトラブル解決に8年半携わる。2019年より同社にて、法人向けサポートの取締役に就任。また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として業界活性化のため正しいデジタル知識の普及、スマートフォンなどの新しい整備士資格の構築に携わる。
保有資格 パソコン整備士検定 取得