東芝 Dynabookのパソコンを初期化するには?失敗しないためのポイントを大公開
パソコンを使っていて、ウィルス感染や誤作動などさまざまな問題はつきものです。深刻な問題が起こった場合には、パソコンを初期化すればよいと考える人も多いのではないでしょうか。ただし、初期化は慎重に行わないとリスクの高い方法です。そこで、ここでは東芝 Dynabookを使用している人のために、初期化の正しい手順や初期化する際の注意点などについて紹介していきます。
Dynabookの初期化をするとどうなる?
初期化とは、パソコンにダウンロードしたアプリケーションやオペレーションシステムなどを削除し、出荷当時のまっさらな状態に戻すことです。パソコンは、使っているうちにさまざまなデータを蓄積していきます。新しいアプリケーションをインストールしたり、作業ファイルを保存したり、場合によってはウィルスに感染したりすることもあるでしょう。新しくインストールしたアプリケーションが既存のものと干渉しあうと、パソコン全体の動作がおかしくなることもあります。また、コーディングの知識や経験があるパソコン上級者になるとコマンド入力でパソコンを操作できるのですが、そのときに問題が起きることがあります。
コマンド操作のミスからオペレーションシステムを構成するファイルを誤って削除してしまうと、システム自体が正常に動作しなくなるのです。このような深刻なトラブルを解決する方法として、初期化があります。パソコンを運用開始した時点から、トラブルが発生するまでに蓄積してきた情報を全部消去してしまいます。そのうえで、新しくシステムを上書きしてしまうのです。
初期化することで不具合を抱えた環境ごと削除して原因を取り除きます。正常な動作に悪影響を与えるデータやウィルス、また、遅くなる原因の一つである複雑になってしまったファイル構成なども削除します。そのため、パソコンの処理速度が本来のスペックに戻ったり、動作を安定させたりすることができるのです。
初期化のことを「再セットアップ」と呼ぶこともあります。
Dynabookを初期化するときの注意点
初期化するとパソコンを出荷当時の状態に戻すことができ、さまざまな深刻な問題を解決することが可能です。しかし、安易に行うのはおすすめできません。この段落では、初期化する際の注意点を紹介していきます。
本当に初期化が必要か?
初期化を検討する場合、「そもそも本当に初期化が必要なのかどうか」を充分に確認してから行ったほうがよいでしょう。直面するパソコンの不具合が本当に初期化で改善されるものなのかどうかの切り分けが重要です。パソコンのトラブルには、大きく分けて「ソフトの問題」「ハードの問題」の2種類があります。
初期化で有効なのは、主にソフトウェアの問題です。パソコンを使い始めた後でインストールしたアプリケーションや、誤って変更してしまったオペレーションシステムなどが原因の不具合であれば、原理的には初期化で解決します。パソコンを使い始めた状態に戻してしまうので、初期化は新しいパソコンに買い替えることに匹敵する方法といえるでしょう。
一方で、ハードウェアの問題は初期化で改善しない可能性が高いです。たとえば、内蔵ハードディスクやCPUが載ったマザーボードの不具合については、物理的な修理・交換が必要になります。メモリーや各種拡張カード類に不具合があるときも、同様に修理・交換しなければ改善しません。この場合は、メーカーや修理対応のあるパソコンショップに持ち込むのが一般的な対処法です。スキルのある人は、交換部品を取り寄せて自分でパソコンの筐体を開けて修理・交換を行うこともできますが、いずれにせよ初期化では解決しません。
作業する時間は十分にあるか?
問題解決の方法として初期化を選んだときの注意として、作業時間が十分に確保できるかという点があります。初期化は、いくつかの作業ステップを順番にこなしていく必要がある一連の作業です。ボタン一つ押して終了というわけにはいきません。まず、初期化前と変わらない作業環境を再現するための準備が必要です。また、実際の初期化作業には時間がかかります。通常のパソコンなら半日あれば作業は終わりますが、これは滞りなく作業が進んだ場合です。そもそも不具合を抱えているパソコンなので、スムーズに作業が進まない可能性もあります。
別の例では、仕事用のパソコンなどで扱うデータの量が多いため、それに合わせてストレージの容量を増やす場合もあるでしょう。このとき、CPUのスペックがそれほど高くないときには、初期化作業に数日かかることもあるのです。このようなケースで、時間的な余裕がないままに初期化作業を始めて、作業途中で電源を落とさなくてはならなくなると、初期化が失敗する可能性が高くなります。そうなると、またはじめから作業をやりなおす必要があり、時間や労力の無駄になるのです。したがって、初期化作業は時間に十分な余裕があるときに計画的に作業を進めることが大切といえるでしょう。
データのバックアップは行ったか?
初期化するときのもう一つの注意点として、データのバックアップが挙げられます。初期化するとパソコンは、出荷当時の状態に戻ってしまいます。つまり、パソコンに保存していた写真や文書、ダウンロードしたソフトやアプリなどのデータは消去されてしまうのです。そのため、大切なデータは初期化前に必ずバックアップをとっておく必要があります。バックアップを残しておくメディアについては、CDやDVDなどの光学ディスク系やUSBメモリーやハードディスクドライブなどのストレージ系が一般的です。
保存できるデータ容量に対してのコストパフォーマンスは、光学ディスク系がよいでしょう。しかし、データへのアクセスの容易さを重視するならストレージ系がおすすめです。なお、パソコンのOSによってはデータを残しつつ初期化する方法もあります。ただし、初期化が失敗するとデータにアクセスできなくなる可能性がゼロではないため、念のためバックアップをとっておいたほうが安心です。
後からインストールした必要なソフトウェアが揃っているか
当然のことですが、パソコンを初期化するとパソコンの初期設定後にインストールしたソフトも完全に消えてしまいます。
特にWordやExcelといったOfficeソフトは注意が必要です。
Officeソフトには、コピーされたソフトウェアを無断で使用されないようにするために「プロダクトキー」というものが存在しています。これは、Officeをインストールする際に必要なパスワードです。
Dynabookを初期化した後、Officeを再インストールする際にも必要となるので、プロダクトキーが保管されているか初期化する前に確認しておきましょう。
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一般的なDynabookの初期化方法3選
初期化の注意点を押さえたところで、次は一般的によく行われている3種類の初期化方法について紹介します。
パソコンのリカバリー領域から初期化する
初期化方法の1つ目として、パソコンのリカバリー領域から初期化する方法があります。多くのパソコンには、トラブルが起きた場合に備えてハードディスクなどに初期化するための情報が保存されています。この情報は、通常のデータやアプリケーションを保存する領域と別に設けられた「リカバリー領域」に保存されているのです。リカバリー領域からの初期化は、DVDやUSBメモリーなどの外部メディアなどを使わないため、最も手軽で作業時間も短く済むポピュラーな方法といえるでしょう。ただし、ハードディスクに問題があったり、リカバリー領域を削除したりしている場合には、この方法では初期化できません。
リカバリーディスクを利用する
2つ目の初期化手段としては、リカバリーディスクを利用する方法があります。リカバリーディスクとは、OSなどのソフトウェアを出荷時の状態まで復元できる情報が記録されたディスクのことです。リカバリーディスクがあれば、すでに述べたリカバリー領域に問題があっても初期化できます。パソコンメーカーや機種によって異なりますが、購入時に初期化するための「リカバリーディスク」が付属していることもあるため確認しておきましょう。リカバリーディスクが付属していない場合には、事前に自分で作成しておくことが必要です。
リカバリーディスクは、CDやDVDなどのディスクドライブが必要なメディア以外にも、USBメモリーに作成できます。具体的な作成方法は、パソコンのメーカーやOSによって異なるため、マニュアルやウェブサイトを参照したり各メーカーに問い合わせたりすることが必要です。
インストールディスクを利用する
初期化には、インストールディスクも使えます。これが初期化の3つ目の方法です。自作パソコンを使用している場合や事前に作成していなかった場合には、リカバリーディスクは使えません。このときには、ソフトウェアをインストールするためのインストールディスクを利用して初期化する方法があります。インストールディスクをユーザー側で作成する必要があるときには、マニュアルか各ソフトウェアの公式ウェブサイトで公表されている情報を参考にしましょう。
Dynabookをリカバリー領域から初期化する手順
初期化していく手順は、メーカーや機種ごとに異なるので注意が必要です。ここでは、東芝 Dynabookのパソコン「DynabookTシリーズ・AZシリーズ」で、リカバリー領域を利用した初期化方法について具体的な手順を確認していきましょう。Windows 10でのやり方ですがWindows 7でも手順は同じです。
初期化前の準備を済ませる
具体的な初期化作業に取り掛かる前に、済ませておきたい4つの準備作業について解説します。1つ目は、ほかの解決方法がないかどうかを確認しておくことです。パソコンの取り扱い説明書やDynabookのウェブサイトで紹介されているトラブルの解決方法をひと通り試してみた後で初期化に着手しましょう。初期化以外の方法で問題が解決できれば、時間と労力を節約することができます。2つ目は、データのバックアップをとることです。パソコンが正常に起動しない場合は、「東芝ファイルレスキュー」を利用すれば、USB接続の外部メディアにバックアップできる可能性もあります。
3つ目の準備は、指紋データの消去です。指紋センサー搭載モデルは、必ず指紋データを削除しておきましょう。なぜなら、初期化すると初期化前の指紋は登録できなくなり、初期化後に削除することもできなくなるからです。指紋センサーを搭載しているモデルの場合歯注意しておきましょう。4つ目は、無線通信機能をONにしてプリンターなどの周辺機器の接続を外しておくことです。
初期化操作を行う
準備作業が終わったら、具体的な初期化操作を行いましょう。
- パソコンを一度起動させ、システム情報経由で起動するのを避けるために「SHIFT」キーを押しながら「シャットダウン」をクリックして完全に電源を落とす
- 再び電源を投入しキーボードの「0」キーを数回押し「The Hard Drive Recovery Process」のメッセージ画面が表示されたら、矢印キーで「YES」を選択して「ENTER」キーで実行
- 「オプションの選択」画面が表示されるので、「トラブルシューティング」をクリック
- 「TOSHIBA Maintenance Utility」から「ツールの選択」を選びます
- 「TOSHIBA Recovery Wizard」に入り、「次へ(N)>」をクリック
- 「警告!」画面が表示されたら「はい(Y)」ボタンをクリック
- 次に表示される「復元方法の選択」画面では、「初期インストールソフトウェアの復元」を選択
- 「次へ(N)>」をクリック(リカバリー開始されます。)
- しばらく経って復元が終わったら「終了(F)」ボタンをクリック(セットアップ画面が表示されるまで待ちます。)
このとき、決して電源は切ってはいけません。セットアップ画面が表示されたら、Windowsのセットアップを行います。
完全に電源を切る(完全シャットダウン)とは
通常、パソコンの電源を落とし(切る)て終了することを「シャットダウン」と呼びます。シャットダウンを選ぶと、完全に電源が切れていると思いますが実際にはそうではありません。
Windows 10にある2種類のシャットダウン
- シャットダウン
- 完全シャットダウン
「シャットダウン」は、パソコンの操作状況などを保持したままWindowsを終了させた状態です。パソコンを立ち上げる際には、システムやドライバの読み込みなどが必要なため、起動に時間がかかってしまいます。そこで、基本的な状態を保持しておくことによって起動時間を短縮できます。これを高速スタートアップと呼びます。また完全に電源が切れていないので、USBなどの周辺機器への給電も可能です。
通常使用している場合はシャットダウンを選んで問題ありません。完全にシャットダウンしてしまうと給電も止まり、次の起動の際に時間がかかってしまいます。
下記の画像にあるのは通常の「シャットダウン」です。
「完全シャットダウン」は、その名の通り完全に電源を切っている状態です。データは保持されず、USB給電も停止します。
初期化をする際に、データが保持されていることでエラーが発生する可能性があります。初期化の際にはこの完全シャットダウンを選ぶようにしましょう。
また、しばらくパソコンを起動しないといった場合に、ずっと電力が供給されているとその分劣化も早まりますので完全シャットダウンはおすすめです。
初期化後の設定も忘れずに
初期化作業が終わったら、初期化後の再設定に進みます。周辺機器の接続や設定、ウィルス対策ソフトのインストール、インターネット設定などを必要に応じて行います。アプリケーションや購入したコンテンツなども再ダウンロードしましょう。OSを最新版にしておくため、「Windows Update」から最新の更新プログラムを適用することも忘れてはいけません。最後に、「サービスステーション」から提供されるドライバーやアプリの更新モジュールをインストールすると、初期化の全プロセスが終了となります。
PCホスピタルに東芝 Dynabookのパソコントラブルサポートをご依頼いただく場合はこちら
自分で初期化できないときはパソコン修理業者に相談!
初期化のプロセスは、マニュアルやウェブサイトに書いてあるのですが、パソコン操作に慣れていないと難易度が高く感じがちです。なんとなく自信がなく自分で初期化できないときには、専門のパソコン修理業者に問い合わせてみるのも重要な決断といえるでしょう。また、そもそも初期化が必要なのかどうかわからなかったり、自分で初期化しようとしてもうまくいかなかったりした場合は、パソコン修理業者に問い合わせるほうが無難です。プロセス通りに進めてみても初期化に失敗するときは、パソコンが壊れていて不具合が起きているのかもしれません。そのため、不安な場合は専門家に見てもらったほうが安心です。
もし、修理業者の選択で迷っている場合は、2019年に楽天インサイトの調査で個人向け有料訪問パソコンサポートシェアNo.1になったPCホスピタルがおすすめ。PCホスピタルは、全都道府県で出張サポートを含むさまざまなサービスに対応しているため、店舗が近くになくても修理を依頼することができます。また、プロに委託することで初期化をせずともトラブルを解決できるケースもあります。
PCホスピタルはDynabook初期化サポートが可能です
初期化は、パソコンを出荷当時の状態に戻して不具合を改善できる可能性のある手段ですが、基本的にすべてのデータが消えてしまいます。そのため、慎重な準備や対応が不可欠な作業です。
Dynabookの場合、公式ウェブサイトなどで具体的な初期化方法を紹介している機種も多いため参考にするのもよいでしょう。
しかし、どうしてもご自身で初期化することが難しいと思われた場合は、ぜひPCホスピタルにご依頼ください。
修理対応 | 出張/持込/宅配(出張の当日サポートは予約枠が早く埋まるため、お急ぎの場合はなるべく早い時間にご依頼ください) |
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対応エリア | 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国15店舗/宅配修理は全国47都道府県 |
実績 | 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの修理実績を当サイト掲載中 |
料金 | パソコン修理 3,300円~ + 基本料金 8,800円~11,000円 |
濱﨑 慎一(日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事)
2010年8月、日本PCサービス株式会社に入社。パソコン修理などデジタルトラブルを5年で4500件以上解決。その後、サポート人材育成など、事業責任者として、個人向けデジタルトラブル解決に8年半携わる。2019年より同社にて、法人向けサポートの取締役に就任。また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として業界活性化のため正しいデジタル知識の普及、スマートフォンなどの新しい整備士資格の構築に携わる。
保有資格 パソコン整備士検定 取得