ThinkPadが起動しない原因は?不具合の原因と対処方法を説明!
昨日まで問題なく動いていたThinkPadが突然使えなくなってしまうということは、誰にでも起こり得ることです。不具合の原因は、案外簡単な理由であることもあるため、まずはできるだけ自分の力で解決したいという人も多いのではないでしょうか。この記事では、ThinkPadが起動しない場合に確認すべき点について順を追って説明します。
ThinkPad本体以外の不具合かも?まずは簡単な確認から
ThinkPadが起動しない場合、まずはThinkPad本体以外の不具合の可能性がないか確認しましょう。パソコンが起動しない場合、バッテリーや電源供給に問題があることがあります。まず、「バッテリーの消耗が原因ではないか」「バッテリーが正しく装着されているかどうか」を確認します。バッテリーに問題がなければ、「ACアダプタのコードがしっかり差し込まれているかどうか」を確認しましょう。コンセント側の確認も必要です。その際、差し込み部分に汚れがあれば、きれいに拭き取るようにします。なぜなら、汚れが原因で接触不良となり、パソコンが起動しない原因になることがあるからです。
ThinkPad側とコンセント側の両方について、「しっかりと差し込まれているか」「汚れがないかどうか」を確認するようにしましょう。電源供給にテーブルタップを使っている場合は、「タコ足配線になっていないか」も確認が必要です。タコ足配線の場合、電圧が下がりThinkPadの動作が不安定になることがあります。スイッチがあるタイプのテーブルタップを使っている場合は、スイッチがONになっていることも確認します。テーブルタップのACアダプタをいったん抜いて、再度差しなおすのも有効です。ACアダプタ自体の故障も考えられるため、壁のコンセントに直接ThinkPadをつないで通電するかどうか試してみましょう。
それでもThinkPadが起動しなければ、別のコンセントに変えて確認します。他の家電製品をコンセントに差し込み、コンセント自体の故障ではないかも確認が必要です。もし、他の家電製品は問題なく動くようであれば、コンセント側の故障ではないことがわかります。同規格のACアダプタを所有している場合は、「ACアダプタを交換してThinkPadが起動するかどうか」を確認します。それでもThinkPadが起動しないときは、一度ThinkPadの周辺機器をすべて取り外してみましょう。マウス、キーボード、プリンター、有線LAN、外付けハードディスク、USBメモリなど、ThinkPadに接続しているあらゆる機器を取り外します。
修理対応 | 出張/持込/宅配 |
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ThinkPadの電源は入るが起動できない?
そのまましばらく放置し、再度電源を入れるとThinkPadが起動することがあります。また、電源ボタンを押して、通電して起動したことを知らせるLEDインジゲーターが点灯するか確認することも大切です。「電源自体が入らなくなっているのか」「電源自体は入っているがモニターなどの不具合で起動していないように見えるのか」を確認することができます。
通電できるかの確認方法
- ThinkPadの電源供給に問題がないようであれば、ThinkPadに通電できているかを確認しましょう。
- ThinkPadの電源ボタンを押して、LEDインジゲーターのステータスをあらわす点灯がONの状態にあるかどうかを確認します。
- 本体裏面の通風孔からファンが回転する音や、ハードディスク・ドライブが回転する音の有無も確認が必要です。
- CDやDVDドライブのトレイの開閉ボタンを押して、動作の有無も確認してみましょう。
以上を試してみて、ThinkPadに通電している兆候がなければ、次に説明する放電処置を行います。
電化製品は少なからず帯電する!放電を試してみよう
ThinkPadを長く使用しているとパソコン内部に帯電してしまい、電源が入らなかったり動作が不安定になったりするなどの不具合を起こすことがあります。帯電が原因でパソコンが不具合を起こしている場合は、放電処置を行うことで動作が改善する可能性があるため、実施してみましょう。ただし、バッテリーを取り外せない機種はここで紹介する手順では放電処置を行うことができません。ThinkPadの型番によって放電方法が異なる場合があるため、取扱説明書を確認してから実施するようにしましょう。
ここでは、Lenovoで紹介されている一般的な方法を説明します。まず、ThinkPadの電源をOFFにして、接続している周辺機器やケーブル、メディア、バッテリーなどをすべて取り外してください。そして、ThinkPadの電源をOFFにしたまま90秒以上放置しましょう。しばらく放置した後、取り外したバッテリーや周辺機器を再度接続し、ThinkPadの電源を入れます。これが簡易的にすぐできる放電処置です。この放電処置を試しても不具合が解消しない場合は、次に説明する方法を試してみましょう。
ThinkPadの電源ボタンが故障して電源が入らない?
電源ボタンの故障が原因で、ThinkPadが起動しなくなることがあります。放電処置を試しても起動しない場合は、電源ボタンが故障していないかどうか確認しましょう。通常の電源ボタンではなく、Novoボタンを押して通電するかどうかを確認します。Novoボタンとは、電源ボタンの横もしくは左側側面にある小さいボタンのことです。OSを復元する機能を持っています。Novoボタンを押して通電し、「Normal Startup」の画面が表示されるかどうかを確認しましょう。Novoボタンを押して通電できたら、通常の「電源ボタン」に問題があると判断できます。
電源は入るのにWindowsが起動しない
電源は入るのにWindows10が起動しない場合には、以下の手順を試してみましょう。ThinkPadのハードウェアの設定が記録されている「BIOS(Basic Input/Output System)」の設定が原因で、ThinkPadの動作が不安定になっている可能性があります。そのため、設定を初期化することでThinkPadが正常に動作するようになるかを確認しましょう。ここでは、Rescue and Recoveryのバージョン4.1、4.2、4.21がプリロードされているThinkPadの場合について説明していきます。ただし、添付のマニュアルを持っているのであれば、そちらを確認しながら作業するのが間違いもなく確実です。
BIOSを初期化する方法
- まずは、周辺機器や増設されたメモリなどすべてを外した後に電源を入れます。
- ロゴ画面で「To interrupt normal startup, press the ThinkVantage button」というメッセージが表示されているうちに[F1]キーを押してください。
- 「Load Setup Defaults」に対応する[F9]キーを押し、次に表示された画面で[Yes]を選択して[Enter]を押します。
- 「Exit Saving Changes」に対応する[F10]キーを押し、次に表示された画面で[Yes]を選択し[Enter]を押しましょう。
- この操作を行うことでThinkPadが再起動し、BIOSの設定が初期化されます。
この手順で初期化されるのはBIOSの設定だけのため、BIOSを初期化してもThinkPad本体内のデータは消去されません。心配な場合はプロに依頼をするのも方法です。
見慣れない文字だけの画面が表示される?
「電源は入るが通常の起動ができない」という場合は、以下の手順を試してみましょう。例えば、電源を入れてOSを起動することができない場合でも、黒い画面に白い文字で「Press F1 to …」「Press <F1> to …」などのメッセージが表示される可能性があります。この場合は、[F1]キーを押してWindowsが起動するかを確認しましょう。[F1]キーを押してWindowsが起動できたらいったんシャットダウンし、再度電源を入れて通常通りWindowsが起動するかどうかを確認してください。もし、また黒い画面と同様のメッセージが表示されたら、ハード内に異常が発生していると判断できるでしょう。
セーフモードでThinkPadが起動できるか試してみる
パソコンをセーフモードで起動できるかどうかを確認することも、不具合の原因を特定するために有効な手段です。セーフモードとは、最小構成でパソコンを起動する診断モードのことをいいます。セーフモードを使うことで、パソコンの動作が不安定なときに不具合の原因を調べることが可能です。もし、セーフモードでWindowsが起動できたなら、常駐ソフトや周辺機器などが影響して不具合が発生している可能性が高いでしょう。セーフモードでパソコンを起動させる方法は、次の通りです。
セーフモードでThinkPadを起動させる方法
- まず、スタートメニューから「設定」を選択しましょう。
- 「更新とセキュリティ」をクリックし、「回復」をクリック
- 「今すぐ再起動」を選択してください。
- 表示された「オプションの選択」画面で「トラブルシューティング」をクリックしましょう。
- 「詳細オプション」を選択し、「その他の詳細オプションを表示」と進みます。
- 次に表示された画面で「スタートアップ設定」を選択し、「再起動」をクリックしてください。
- ロゴ画面が表示されたら、画面が切り替わるまでそのまま待機しましょう。
- 「スタートアップ設定」という画面が表示されたら、キーボードの[4]キーを押して「4)セーフモードを有効にする」を選択してください。
- サインイン画面に切り替わったら、そのままサインインするとセーフモードで起動することができます。
再起動すると、セーフモードを終了させることが可能です。
スタートアップが原因でThinkPadが起動できないこともある
スタートアップに原因があってThinkPadが起動できないこともあるため、Windows10のスタートアップ修復で起動できるか確認することも重要です。スタートアップ修復とは、パソコンの起動を阻害する原因を調べ、自動的に修正する機能のことをいいます。
スタートアップ修復機能の使い方
スタートアップ修復の機能を利用する手順は以下の通りです。
- まず、電源を入れてログインする前の画面で、Shiftキーを押しながら「再起動」をクリックします。
- 次に立ち上がってきた「オプションの選択」画面で「トラブルシューティング」を選択し、「詳細オプション」をクリックしてください。
- 表示された「詳細オプション」の画面で「スタートアップ修復」をクリックし、ユーザーアカウントとパスワードを入力して「続行」をクリックします。
上記の手順でスタートアップ修復が開始します。そのまましばらく待ち、修復が成功した場合はWindowsが起動します。もし、スタートアップ自体にThinkPadの起動を阻害する原因が見当たらなかった場合は、「スタートアップ修復でPCを復元できませんでした」という画面が表示されるため、引き続き他の原因を調べる必要があるでしょう。
大丈夫だったときまで遡って直してみる
ThinkPadが問題なく起動していた段階までシステムの復元ができる可能性があるため、以下の方法も試してみましょう。不具合が生じる前の状態に戻して、問題なくThinkPadが起動できるかどうかを確認します。
復元ポイントの使い方
手順は以下の通りです。
- スタートメニューからコントロールパネルを開きます。
- 次に「システムとセキュリティ」内の「システム」をクリックしてください。
- 「システムの保護」をクリックするとプロパティが開きます。
- その中の「システムの復元」→「OK」→「次へ」を順番にクリックしましょう。
- そして、「別の復元ポイントを選択する」を選択、「次へ」をクリックし「他の復元ポイントを表示する」にチェックを入れます。
- ThinkPadに不具合が生じる前の日時を選択し、「次へ」をクリックしてください。
- 復元ポイントの内容を確認したら、「完了」をクリックしましょう。
- 「いったんシステムの復元を開始したら、中断できません。続行しますか?」という旨のメッセージが表示されたら、「はい」をクリックします。
- しばらくすると、ThinkPadが再起動し復元が完了した旨のメッセージが表示されるため、「閉じる」をクリックしたら復元は完了です。
もうお手上げ!ThinkPadを初期化してまっさらな状態に戻したい
システムの復元をしても効果がなかった場合は、最終手段として再セットアップを行いましょう。再セットアップとは、パソコンを購入時の初期状態に強制的に戻すことです。ただし、再セットアップを行うとインターネットの接続や各種設定など、すべて自分でやり直す必要があるため、自信がある人以外は実施しないほうが無難でしょう。インストールしたアプリや作成したデータ、保存した画像やブックマークなど、すべて消えてしまいます。小まめにバックアップを取っていて、すべて自分で設定のやり直しができるという人は、再セットアップにチャレンジしてみてもよいでしょう。
データの復元や再セットアップのサポートはこちら。
どうにもならないときの最終手段!再セットアップの方法
再セットアップを開始する前に、リカバリーディスクやマニュアルなどを準備しておきます。可能であれば、消えると困るデータはバックアップを取りましょう。初回に設定したアカウント情報、インターネットの設定、IDとパスワードなどをメモしておくことも大切です。ハードディスクに十分な空きがあることを確認して、BIOSの初期化を行います。周辺機器とメディアをすべて取り外しましょう。そして、リカバリーディスクもしくは本体内の再セットアップ用データで、マニュアルに沿った方法で再セットアップを行います。
再セットアップが終了したら、Windowsの初期設定やOfficeのインストールなどを行い、周辺機器を取り付けます。また、インターネットとセキュリティの設定、必要なソフトのインストールと進めていきましょう。さらに、システムやWindowsのアップデートの実行、バックアップデータの復元などThinkPadの初期設定をすべて行って、再セットアップの完了です。
修理をプロに任せるのも一つの対処法
記載の対処法でThinkPadが起動しない状態が改善しない場合、内蔵HDD/SSD等のパーツの故障やOSエラーなど様々な原因が組み合わさっている可能性もあります。
ThinkPadを分解してパーツを交換すれば起動しない状態が改善するかもしれませんが、失敗すれば更に状態が悪化してしまうことも考えられます。また、ThinkPadのようなノートパソコンは分解の難易度が高く、知識が無ければ修復できない状態に陥る可能性があります。
自力の改善が難しいとお考えの場合はThinkPadやデータを守るためにも、プロのパソコン修理業者のPCホスピタルにご依頼いただくことをおすすめいたします。
PCホスピタルはThinkPadが起動しないトラブルのサポートが可能です
パソコンの再セットアップは、パソコンの知識があり十分な時間が取れる人でなければハードルの高い作業です。そもそもハードが故障している場合は、復元もできません。自分には難しいと感じたら、プロに相談してみましょう。メーカー修理で基板交換が必要だといわれた場合でも、チップ交換だけで済むこともあります。ThinkPadが起動しなくてお困りの際は、PCホスピタルに修理をご依頼ください。
修理対応 | 出張/持込/宅配 |
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対応エリア | 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国15店舗/宅配修理は全国47都道府県 |
実績 | 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの修理実績を当サイト掲載中 |
料金 | 起動しないパソコンの修理 22,000円~ + 基本料金 8,800円~11,000円 |
濱﨑 慎一(日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事)
2010年8月、日本PCサービス株式会社に入社。パソコン修理などデジタルトラブルを5年で4500件以上解決。その後、サポート人材育成など、事業責任者として、個人向けデジタルトラブル解決に8年半携わる。2019年より同社にて、法人向けサポートの取締役に就任。また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として業界活性化のため正しいデジタル知識の普及、スマートフォンなどの新しい整備士資格の構築に携わる。
保有資格 パソコン整備士検定 取得