hpのパソコンでBIOSが起動しない時に試すべきこととは?
hpのパソコンを使っていてBIOSが起動しない、そのようなときがあると思います。BIOSが起動しないとパソコンの故障を診断できません。
そのような、BIOSが起動しないときに試したいことを解説します。
BIOSって何?
BIOSとは、パソコンが起動して最初に動くハードウェアを制御するプログラムのことです。
多くの方は、BIOSを普段から使うことは少ないでしょう。ここでは、BIOSでできることと使い方について解説します。
BIOSでできること
BIOSでできることとしては下記の通りです。
- ドライブ起動順番の変更
- パスワード設定
- ハードウェア診断
それぞれ詳細をご説明いたします。
ドライブ起動順番の変更
ドライブ起動順番とは、パソコンが起動されたときに呼び出される順番を決めているもので、通常であれば、パソコンが起動されるとハードディスクが呼び出され、ハードディスク内のOSファイルが起動するような仕組みとなっています。
しかし、OSの不具合によってパソコンが起動しない場合にはハードディスクからの起動ではなく、USBやCDドライブから起動をしたい場合があります。USBやCDに正しいOSシステムファイルを格納し、そこから起動するようにすればOSが正しく立ち上がる可能性があるからです。
パスワード設定
次にパスワード設定とは、BIOSを使うために必要なパスワードのことです。WindowsやMacにログインするときのユーザーごとのパスワードとは違います。BIOSにパスワードを持たせることで、BIOSの機能に制限をかけたり、BIOSを使用するときにパスワードを求められるようになります。
BIOSを利用するときには、パスワードの設定をしなくても利用が可能です。しかし、セキュリティの観点から普段からパソコンを持ち運ぶ方はパスワードの設定がおすすめです。
ハードウェア診断
ハードウェア診断を実施すると、パソコンで使用されているハードウェアに異常がないのかを診断することができます。ハードウェアの中でも、メモリやハードディスクが原因でパソコンの動作が不安定になることが多いため、ハードウェア診断を活用する機会が多くなります。
ハードウェア診断によって故障が確認された場合は、基本的に対象のハードウェア部分の交換が必要となります。普段からパソコンの取り扱いに慣れている人であれば自分で購入して交換してもよいですが、慣れていない人はメーカーか修理業者へ修理を依頼すると良いでしょう。
BIOSを使うためには
BIOSを使うためには、BIOS画面を立ち上げなければなりません。BIOS画面の立ち上げ方法は、メーカーによって多少異なります。
今回は、企業で使われていることの多い「hp」のパソコンでの起動方法をご紹介します。まず、パソコンを起動したら、メーカーロゴが表示されます。このメーカーロゴが表示されたタイミングで、「F10」キーを、押すことでBIOS画面に入れるのです。
BIOSが起動されたら自分の目的に応じて画面を進めていきましょう。
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hpのBIOSが起動しないときに考えられる原因
BIOSでできることとBIOSの起動方法が分かったところで、いざBIOSを立ち上げようと思ったときに起動しないという方もいらっしゃるかもしれません。起動しない原因は、いくつか考えられます。
ここでは、hpのBIOSが起動しないときに考えられる原因を解説します。
電源が入っていない
初歩的なことですが、デスクトップパソコンの場合はモニタの電源が入っていないことが考えられます。モニタの場合は、電源のON/OFFができるためパソコンが起動したからといって必ずモニタの電源もONになるわけではありません。
BIOSが起動しないと、どうしてもパソコンやBIOSに原因があると思い込みがちですが、一度モニタの電源が入っているかの確認が必要です。
モニタ出力が外部出力に設定されている
ノートパソコンの場合は、モニタの出力先に注意が必要です。どのモニタに対して画面を表示するのか、という情報をパソコン側で設定できるのですが、モニタを外付けで使用している場合はモニタ側がメイン出力として設定されている場合があります。
メインの出力先がモニタに設定されている場合、本体画面は真っ暗になっていることがあるので出力先を確認してみましょう。
デスクトップパソコンの場合は、電源ランプの点滅から原因がわかるかも
デスクトップパソコンを使っている場合、電源ランプが何回点滅したのかによって原因の切り分けができます。
赤色の点滅が2回発生したケース
電源を起動した後に、赤色の点滅が2回発生した場合はBIOSに原因があります。赤色の点滅が2回発生後に、白色の点滅が発生するケースがあります。
白色の点滅が2回続いた場合は、BIOSのシステムを形成しているメイン部分の損傷である可能性が高いです。この表示が出た後は、そのまま何もせずに置いておくことで自動的にBIOSシステムの修復をしてくれます。
赤色の点滅が2回発生した後に、白色の点滅が3回続く場合は画面上にキーを押す指示が表示されます。基本的には、画面上の指示にしたがい進めていくことで正常な状態に戻るでしょう。
このほかにも、白色の点滅が4回続くケースがあります。この場合は、BIOSのブート領域の診断や修復が行われています。基本的には何もせずに放置しておくと正常に戻ります。
赤色の点滅が3回発生したケース
赤色の点滅が3回発生した場合は、ハードウェアに原因があると考えられます。この場合でも赤色点滅後の白色点滅の回数によって、ハードウェアのどの部分に原因があるのかがわかります。
白色の点滅が2回続く場合は、メモリが原因である可能性が高いです。メモリが故障している場合もあれば、パソコンとの規格があっていないという可能性があるので、メモリの交換をするのがおすすめです。
白色の点滅が3回続く場合は、グラフィック部分での故障が疑われます。グラフィック部分の中でも、「グラフィックチップ」と呼ばれる部品の故障である可能性が高いです。グラフィックチップは、3Dのグラフィックを描写するときに使われるもので、画像描写に必要な計算をおこなう半導体チップのことです。グラフィックチップの故障の場合は、部品の交換が必要となります。
白色の点滅が4回続く場合は、電源システムに問題がある可能性が高いです。この場合は、起動するときにセーフモードなどを活用してシステムの復旧を図るか、電源部分の部品を交換すると解消されます。
白色の点滅が5回続く場合は、CPUに問題があると考えられます。CPUは、脳と呼ばれておりパソコンの処理を中心的におこなう部分です。問題がある場合には、CPU部分の交換が必要になります。
赤色の点滅が4回発生したケース
赤色の点滅が4回発生する場合は、環境要因による熱が原因であることが多いです。パソコンは電子機器のため、温度の変化には弱い一面があります。この場合でも、赤色点滅後の白色の点滅回数で原因が特定できます。
白色の点滅が2回の場合は、CPUに熱がこもっている可能性が高いです。CPUに熱がこもっているということは、パソコンに対して冷却がうまくいっていないことになります。そのため、冷却ファンが機能しているのかを確認しましょう。冷却ファンは、ゴミやほこりがたまっている場合に機能しないことが多いです。冷却ファンの機能が疑わしい場合には、パソコン内のゴミやほこりの掃除をしてから機能するのかを確認すると機能することがあります。
白色の点滅が3回の場合は、パソコン全体に熱がこもっています。こちらも先ほど同様に、冷却ファンがうまく機能していない可能性があるので、ファンの掃除をしてから動きをみると良いでしょう。パソコン全体の温度の場合、使っている場所の室温が高い可能性も考えられます。室温が高い場合には、エアコンで調整するなど涼しい環境でパソコンを使用するのがおすすめです。
白色の点滅が4回の場合、グラフィックカードが熱されたのが原因です。こちらも、冷却ファンが機能していない可能性があるので、ファンの掃除をして解消できます。
赤色の点滅が5回発生したケース
赤色の点滅が5回発生する場合は、マザーボードが原因である可能性が高いです。マザーボードはパソコンの大きな基盤となるため、故障の場合は交換が必要になります。
マザーボードの中でも、基本的にはハードウェアの認識がうまくいっていないケースが多いです。最近メモリの増設やハードディスクの交換を実施したという方は、部品の交換がうまくいっていないか部品との規格があっていないことがあるので一度確認してみましょう。
hpのBIOSを起動させるためにしたい対策
BIOSが立ち上がらない原因についてわかったところで、どのような対策をすれば使えるようになるのかを知りたいところです。
ここでは、hpのBIOSが起動しないときに試したい対策をご紹介します。
ネットワークなどの接続を遮断する
パソコンは起動するときに大きな負荷がかかります。起動時にかかる負荷により、BIOSが起動しない可能性が考えられます。USB、外付けのハードディスク、プリンタ、挿入されたCD、ネットワーク接続などをしていると負荷がかかりやすいです。
負荷をかけないためにも、周辺機器をすべて外し、ネットワークにも接続せずセーフモードなどで最小限の構成によって起動させてみましょう。負荷が軽くなることで、BIOSが無事に起動される可能性があります。
パソコンの内部が汚れていないか確認
BIOSが起動しない原因の一つに、パソコンが熱を持つことによって起動しないという原因がありました。パソコンの冷却がうまくいくように、内部のゴミやほこりを取り除きましょう。掃除に必要な道具は下記の通りです。
- 静電気防止袋
- 静電気除去ブラシ
- 金属製以外のピンセット
- CPUグリス
- エアダスター
きれいに掃除することで、パソコンのパフォーマンスが向上する効果もあります。
電池の残量があるかチェック
CMOSバックアップ用電池の電力がなくなると、BIOSが起動できない要因になる可能性があります。CMOSとは、BIOSの設定情報を格納しているものです。
CMOSにはボタン電池がついており、通常の電源とは別に電池で動いています。電池の寿命は5年ほどといわれているので、長年パソコンを使っていてBIOSが起動しないときは電池が原因であることが多いです。
CMOS電池の残量が減ってくるとモニタ上に警告メッセージが表示されるので、新しい電池に交換することで解消される可能性があります。交換する場合の注意点は下記の通りとなります。
- マザーボードに触れない
- BIOSの設定が初期状態に戻る
マザーボードは少し触れるだけでも壊れる可能性がありので、極力触らないようにしてください。ボタン型電池は交換後にBIOS設定が初期化するので設定を変更されてる場合は交換後に設定変更を行ってください。
電源部分を確認
電源がつながっていても電源ユニットなどに問題がある場合、パソコンが起動しないこともあります。電源ユニットは、バッテリーの劣化によって故障することが多いです。
バッテリーは日々劣化を続けています。特に充電が満タンにも関わらず充電をし続けたり、充電をしながら使い続けることで寿命を早めてしまうのです。
バッテリーの劣化による場合、バッテリーを交換する必要があります。
ハードリセットを実施
ハードリセットとは、パソコン内に残っている不要な電力を放出することです。パソコン内に不要な電力が残っていると、パソコンの動作に不具合を与えることがあります。hpのパソコンをご利用の方であれば、ハードリセットの実行が可能です。
ハードリセットを実行するための手順は下記の通りです。
- まずはhpのパソコンの電源を落とします
- 電源が落ちたのを確認できたら、パソコンに取り付けられている電源コードを外し、マウスやキーボードなどの周辺機器もすべて外します
- すべて取り外した状態で電源ボタンを10秒ほど長押しします
- こうすることでパソコン内の不要な電力が放電されるので放電が完了したら、電源コードや周辺機器をつなぎなおして再度電源を立ち上げます。
ハードリセット後に起動することで、今まで帯電していた不要な電力を放電したフレッシュな状態での起動が可能です。
Windows 10でBIOSが起動しない場合
今年の1月に、Windows 8のサポートが切れたことでWindows 10を利用する方が多くなりました。しかし、Windows 10に変わったことでBIOSに関わる部分も変更になったのです。
ここでは、Windows 10でBIOSが起動しない場合に対応できることを解説します。
UEFIからBIOS設定の呼び出しが可能
通常BIOSを起動する場合は、HPのロゴマークが表示されたタイミングで「F10」キーを押すとBIOSが立ち上がります。しかし、Windows 10に変わってからは「F10」キーを押して起動する方法が簡単にはできなくなっています。
もしBIOSが起動されないときはWindows 10で提供されている機能「UEFI」を活用します。
UEFIとは、BIOSに変わって登場したものでBIOSの進化版という認識で大丈夫です。基本的にBIOSで実施できることはUEFIでも実行できます。
UEFIを呼び出す手順は下記の通りです。
- 画面左下のWindowsロゴをクリック
- 「Shift」を押しながら「再起動」を実行します
- 再起動が実行されると青い画面が表示されるので「トラブルシューティング」を選択
- 「詳細オプション」を選択
- 「UEFIファームウェアの設定」を選択
- 「再起動」を選択するとUEFIの黒い画面が表示されます
- 画面上で「F10」キーを押すとBIOSが起動されます
これでBIOSが起動すると通常通り設定を行うことができます。
部品の交換が必要なときは
ここまで対応してもBIOSが起動しない場合は、部品の故障である可能性が高いです。メーカー保証が残っている場合はメーカーに修理を依頼しましょう。
もしメーカー保証がない場合には、修理業者に依頼するのもおすすめです。
PCホスピタルにhpのパソコンでBIOSが起動しないトラブルのサポートをご相談いただく場合はこちら
おすすめの修理業者
メーカーは基本的に購入してから何年間という保証がついています。もしかすれば、保証が切れてしまったという方もいらっしゃるでしょう。その場合は、自分で交換をするか修理業者に依頼するかのどちらとなります。
パソコンの扱いに慣れていれば、故障した部品だけを購入して交換できます。しかし、パソコンの取り扱いに慣れていない人は、自分で交換をせずに修理業者に依頼するのが確実です。
その際はぜひ「PCホスピタル」にお任せください。
PCホスピタルは、利用者の多いWindowsのパソコン以外にも、Mac系のパソコンや自作パソコンなども修理・サポートが可能で、豊富な実績もあるパソコン修理会社です。
PCホスピタルはhp製パソコンのBIOSが起動しないトラブルのサポートが可能です
今回はhpのパソコンを使っている方に向けて、BIOSが起動しないときの原因と対策方法をご紹介しました。BIOSが起動しない原因はさまざまですが、主にハードウェア部分の故障である可能性が高いです。
また、BIOSの設定情報はCMOS上で管理しており、CMOSに使われている電池が切れたことによって起動しない場合もあります。
対策としては、ハードウェア部分の交換をするか、電池を交換することで解消されるかもしれません。他にも、不要な電力が帯電している可能性があるためハードリセットによって放電するのも効果的です。
記載の対策が上手くいかず、BIOSが起動しなくてお困りのときはぜひPCホスピタルに修理をご依頼ください。
修理対応 | 出張/持込/宅配(出張の当日サポートは予約枠が早く埋まるため、お急ぎの場合はなるべく早い時間にご依頼ください) |
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対応エリア | 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国15店舗/宅配修理は全国47都道府県 |
実績 | 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの修理実績を当サイト掲載中 |
料金 | パソコン修理 3,300円~ + 基本料金 8,800円~11,000円 |
濱﨑 慎一(日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事)
2010年8月、日本PCサービス株式会社に入社。パソコン修理などデジタルトラブルを5年で4500件以上解決。その後、サポート人材育成など、事業責任者として、個人向けデジタルトラブル解決に8年半携わる。2019年より同社にて、法人向けサポートの取締役に就任。また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として業界活性化のため正しいデジタル知識の普及、スマートフォンなどの新しい整備士資格の構築に携わる。
保有資格 パソコン整備士検定 取得