自分の仮想世界とアバターをつくれる!VRチャットの面白さと始め方

自分の仮想世界とアバターをつくれる!VRチャットの面白さと始め方

顔の向きや身体の動きによって、映し出される映像が変化するVRのテクノロジー。さまざまなコンテンツが、VR技術を応用して生まれています。

最近では、VRとボイスチャットを組み合わせたツールが人気。そこで今回は、日本でも着実にユーザー数が増えている「VRチャット」の面白さ、導入方法やユーザーの分身となる「アバター」の設定方法、利用上の注意点などについてご紹介します。

VRチャットとは?

「VRチャット(VRChat)」とは、アメリカのVRChat.Incが開発したサービス。大型ゲーム販売プラットフォームである「Steam」から提供されているため、ゲームとして分類されています。しかし、実際にはコミュニケーションツールともいえる特性を有しているのです。

VRチャットは、「VR」のテクノロジーが活用されたチャットサービス。プレイヤーは、仮想空間を自由に歩き回ることができます。ほかのプレイヤーとは、ボイスチャットだけではなく、身ぶり手ぶりを用いた「そこにいるかのような」コミュニケーションが可能です。

同様の「Rec Room」「AltspaceVR」といったサービスと比較すると、VRチャットはユーザーがコンテンツを作成できることが特徴です。自分の好きな仮想空間や独自のゲームをつくり、他のプレイヤーと遊ぶことができます。また、世界的な盛り上がりから、少しずつ日本語のコミュニティも充実し始めているようです。

アバターになりきれる?VRチャットの面白さ

VRチャットの面白さ

VRチャット最大の特徴であり、ユーザーからもっとも評価されているのが、自分の分身である「アバター」の3Dモデルを作成できること。作成したアバターは、仮想空間で自分の思うままに動き回ります。ボイスチャットでは、各ユーザーがアバターになりきってコミュニケーションをとることができます。

仮想現実らしくデフォルメされたキャラクターをアバターにしているユーザーもいれば、専門的なツールを活用し、実世界の自分を精巧にスキャンしたモデルをアバターにしているユーザーもいます。初めてVRチャットの世界をのぞき込んだ際には、さまざまなアバターが自由に闊歩している様子に驚くかもしれません。

また、ユーザーの国籍・性別・年齢・容姿は、アバターのデザインに関係ない場合も多いため、ボイスチャットで話しかけたときにはさらに驚きが待っているでしょう。

このように、ある種「混沌」とした世界観が、「VRチャットって面白い!」と評価されている理由の1つです。

VRチャットの始め方

VRチャットの始め方

では次に、VRチャットを始めるための手順についてお伝えします。

準備・用意するもの

VRの没入感を楽しみたければ、他のVRコンテンツと同様に、パソコンに加えてヘッドマウントディスプレイを用意する必要があります。公式にサポートしているヘッドマウントディスプレイは、「Oculus Rift」と「HTC Vive」の2機種です。

パソコンのディスプレイだけでも、雰囲気を味わうことは可能です。「VRChat」自体は、Steam経由によるインストールか、公式サイトから直接ダウンロードして導入する方法があります。

ログイン

インストール後に起動すると、ログインを求められます。Steamのアカウントでもログイン自体は可能ですが、VRチャットの自由さが制限されてしまいます。あらかじめ、VRチャットのアカウントを作成しておくのがおすすめです。

アバター・ワールド作成には「Unity」を使用する

ログインさえすれば、デフォルトで用意されたものから好みのアバターを選び、VRチャットの世界を楽しめます。VRチャットの魅力であるアバター・ワールドの作成を行うには、「Unity」というツールが必要です。

Unityの操作は複雑ですが、こだわり次第で自分の望むモデルを精巧に作成できます。また、月額制のバージョンもありますが、VRチャットのアバター・ワールド作成を個人で楽しむ程度であれば、無料版のものでも十分です。もちろん、デフォルトのアバター・ワールドも多数用意されているため、面倒に感じるようであれば自作しなくても構いません。

VRチャットを利用する際の注意点

VRチャットを利用する際の注意点をご紹介します。

アバターを作成する際は権利関係に注意

Unityを使用することで誰でも自由にアバターを設定できますが、どんなモデルでもアバターとして使用して良いわけではありません。他のユーザーが作成したモデルを無許可で設定しているユーザーも多いようですが、基本的に好ましい行為ではありません。そのため、原則として製作者の許可がなければ、自分で作成したもの以外のモデルをアバターとして使用するのは厳禁です。

また、漫画やアニメなどの有名なキャラクターも多く見られますが、こちらも著作権の観点から違法にあたります。海外では、権利で守られるべきモデルが有償で販売されていることもありますが、違法行為に加担することになるため、購入・使用は控えたほうが良いでしょう。

自由さの反面でトラブルも多い

VRチャットでは、各ユーザーが思い思いにコミュニケーションをとっていますが、サービス開始から日が浅いこともあり、自治が追いついていないようです。

また、悪意のあるユーザーによるストーカー行為、人種差別的言動、セクハラなどが問題視されています。グローバルなサービスであることも、トラブルの多さに起因しているようです。他のユーザーと交流できることが魅力のツールですが、コミュニティを広げるうえではこうしたトラブルが発生しうることも覚えておきたいところです。万が一、トラブルに遭遇した場合は、必要に応じてブロック・ミュート機能や通報システムを利用しましょう。

「VR酔い」に注意

VRコンテンツを長時間利用すると、頭痛や吐き気などの症状が起こる「VR酔い」の可能性があります。仮想空間を長い時間歩き回るVRチャットでも、VR酔いを体験するユーザーが多いため、注意が必要です。ついつい時間を忘れて楽しんでしまうVRチャット。気分が悪くならないように、適度に休憩をとるようにしましょう。

日本語は非対応

VRチャット自体は日本語非対応です。日本語非対応のPCゲームは珍しくないため、日常的にゲームを遊んでいる方であれば問題ないでしょう。その一方で、英語のソフトウエアに触れたことがない方は、設定や操作が難しく感じるかもしれません。

推奨スペックに注意

VRチャットはオンラインのコンテンツであり、VRの技術を活用していることから、他のソフトウエアと比較するとパソコンに要求されるスペックは高めです。インターネットでは、ヘッドマウントディスプレイごとの推奨スペックが確認できます。古いパソコンでは動作しない、遅延が発生してストレスがたまるといった事態も考えられるので注意しましょう。

VRで最先端のコミュニケーションを楽しみましょう

VRチャットを導入すれば、最先端のコミュニケーションを体験することができます。導入やアバターの作成は少し難しい部分もありますが、他のユーザーが公開しているインターネット上の情報を参考にすれば対応可能でしょう。

また、VRチャットが初体験の方は、仮想空間の混沌とした様子に最初は戸惑うかもしれません。しかし、何度もプレイしているうちに、ユーザー間のマナーや身につけるべき警戒心が分かってくるはずです。
VRのテクノロジーに興味がある方、VRヘッドマウントディスプレイをすでに持っている方は、ぜひVRチャットを体験してはいかがでしょうか。

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濱﨑 慎一日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事

2010年8月、日本PCサービス株式会社に入社。パソコン修理などデジタルトラブルを5年で4500件以上解決。その後、サポート人材育成など、事業責任者として、個人向けデジタルトラブル解決に8年半携わる。2019年より同社にて、法人向けサポートの取締役に就任。また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として業界活性化のため正しいデジタル知識の普及、スマートフォンなどの新しい整備士資格の構築に携わる。

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