iPhoneやAndroidに搭載されたデュアルカメラとは?

目次
iPhoneやAndroidなどの最近のスマートフォンには、カメラユニットを2つ備えつけた高性能カメラ「デュアルカメラ」が搭載されています。2つのレンズを通して撮影する機能は、従来のカメラよりも多彩な撮影方法を実現可能にしました。
そこで今回は、デュアルカメラの機能の種類や代表機種をご紹介します。デュアルカメラについて詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
1.デュアルカメラとは?
「デュアルカメラ」とは、従来のカメラと異なり、2つのカメラユニットにより1枚の写真を撮影できるカメラのことです。カメラレンズが2つあることから、「デュアルレンズ」や「ダブルカメラ」という呼称も一般的となっています。スマートフォン以外では自動車の自動運転や3D映像にデュアルカメラにも似た機能が使用されています。
デュアルカメラは、2つのレンズにより一眼レフカメラ並みの機能をもち、鮮明な写真をより手軽に撮影することが可能です。また、これまでにはなかった撮影方法を実現しています。
2016年9月に発売された「iPhone7Plus」、auの「isaiBeat」、NTTドコモの「V20PRO」など、iPhone、Androidともに2016年半ば以降に登場したスマートフォンには、次々とこのデュアルカメラが搭載されました。そのため、今後のスマートフォンのカメラは、デュアルカメラが主流となるでしょう。
2.デュアルカメラの種類と特性

デュアルカメラは、「機能切り替え型」と「補助型」が主流です。デュアルカメラの種類と特性を見ていきましょう。
2-1.機能切り替え型
機能切り替え型のデュアルカメラは、望遠タイプや広角タイプなど、サブカメラとメインカメラが異なる特性のレンズを備えられていて、シーンごとに切り替えられるのが特徴です。
望遠レンズの場合、一方のカメラには光学ズームレンズを採用し、デジタルズームによる画質の劣化がなく、写真をずっときれいに撮影できます。
広角レンズもついていますが「iPhone7Plus」や「iPhoneX」などのiPhoneシリーズが望遠レンズを備えた機種の代表格といえるでしょう。
広角レンズは、これまでのようなパノラマ撮影とは異なり、そのままの状態で撮影範囲を大きく広げて撮れることが特徴です。ASUSが販売する「Zenfone4」が広角レンズの代表機種になります。
2-2.補助型
補助型は、一方のカメラレンズに写真の質を向上させる補助機能がついたタイプです。向上させる機能には、主にモノクロや明暗の調整などがあげられます。
モノクロ機能は、片方のモノクロのみのセンサーを搭載することにより、従来よりも格段にきれいになったモノクロ写真の撮影を実現しました。また、2つのカメラを利用してボケ味のある撮影も可能です。補助型は、HUAWEIの販売する「HUAWEI P10Plus」が代表機種にあげられます。
写真の明暗を調整する機能をもつ補助型は、比較的値段が抑えられた機種に多く搭載されているのが特徴です。レンズの明るさを示す指標となるF値が低ければ低いほど、多くの光を取り組んで、明るい写真撮影や暗い場所のノイズ除去にも優れています。
ただ、明暗を調整する補助型の場合、大半の機種が片方のカメラだけで撮影できないため、購入時は十分な注意が必要です。
3.デュアルカメラの機能

2つのカメラユニットを利用する画期的な撮影方法よりカメラの可能性をさらに広げたデュアルカメラ。その機能をいくつかピックアップしてご紹介します。
3-1.精細な画像撮影
2つのカメラユニットは、片方のカメラは色、もう片方のカメラは明度など、それぞれが独立した情報を取得することにより、より精細な写真撮影が可能です。
例えば、「iPhone7Plus」は1200万画素のイメージセンサーが搭載されています。HUAWEI製の「Mate9」の場合、色情報を取得するカメラユニットは1200万画素、明度情報のユニットには2000万画素というようにそれぞれが異なる画素数をもっています。
3-2.広角・望遠切り替え
広角と望遠の切り替えが瞬時に行えるのもデュアルカメラの大きな特徴です。「iPhone7Plus」の場合は28mmの広角側カメラと、その2倍となる56mmの望遠側カメラを搭載しています。機種によっては、2つのカメラを使用して超広角レンズにするものもあり、より広い撮影を実現することが可能です。広角特有のゆがみもかなり抑えられているでしょう。
3-3.疑似ワイドアパーチャー
デュアルカメラでは、物体だけにピントを合わせて、それ以外はぼかすような一眼レフさながらの撮影方法も可能です。ただ、撮影の仕組みは一眼レフとはまったく異なります。
一眼レフの場合は、光量を調整して撮影するのに対し、デュアルカメラは、被写体との距離を測定し、被写体とは異なる距離の範囲は「被写界深度エフェクト」と呼ばれるソフトが使用してぼかしを生む仕組みです。
3-4.動画と写真の同時撮影
2つのカメラユニットは、動画を撮影しながら写真撮影もできる機能がついています。子供の運動会や誕生日会のような思い出をたくさん残したいときに、この機能が重宝されるでしょう。
3-5.ポートレートライティング
「ポートレートライティング」とは、シーン分析により深度マップを作成し、被写体と背景を分離する撮影方法です。まるでTVのスタジオで撮影しているような「スタジオ撮影」、被写体のエッジをより際立たせる「輪郭強調照明」、ライト斜め上から照射した「ステージ照明」などがあります。
4.デュアルカメラが搭載されているスマートフォンの種類
デュアルカメラを搭載したスマートフォンは続々と登場していますが、その中でも特に注目の機種をご紹介します。
4-1.iPhoneX
iPhone7、iPhone8に続くかたちで2017年11月にAppleより販売が開始されたiPhoneX。iPhone初となるOLEDを採用し、ホームボタン廃止、背面のガラス仕様などが大きな特徴です。またiPhone6sより採用されている3DTouchはさらに進化して、より細かな感知ができます。
デュアルカメラは、デュアルレンズで1200万画素、F値は広角側が1.8、望遠側が2.4。インカメラは700万画素でF値2.2。望遠は2倍まで対応しており、デジタルズームの場合10倍です。レンズは、先に登場しているiPhoneと同じく広角と望遠の組み合わせになっています。
4-2.HUAWEI P10Plus
「HUAWEI P10Plus」は、中国で設立された企業HUAWEIが提供するAndroid。アウトカメラには、ドイツの老舗カメラメーカー「ライカ」と共同開発したダブルレンズ、インカメラにもライカのレンズを搭載。カメラユニット2つのセンサーによって、より多くの光を取り込み、暗い場所でも鮮明な撮影を可能にしました。
また、アウトカメラはモノクロのセンサーが搭載されているのもこの機種の大きな特徴です。カラー写真をモノクロにするよりも、色の明度がよりはっきりとしています。
4-3.Zenfone4
「Zenfone4」は、2017年7月にASUSが発売したスマートフォン。iPhoneX同様に指紋センサーがないのが特徴です。カメラには12MP・焦点距離25mmのメインカメラと8MP・12mmの広角レンズが備えつけられており、120°もの広い範囲で撮影が可能です。また、被写体以外の背景をぼかす「ポートレートモード」も搭載されています。
目的とする写真撮影ができる機種であることを事前に確認しましょう
従来のスマートフォンのカメラよりも格段に性能が向上したデュアルカメラ。2つのカメラユニットで撮影する画期的な撮影方法は、カメラの可能性を大幅に広げたともいえるでしょう。
ただし、カメラには「機能切り替え型」と「補助型」などの種類があります。そのため、機種によっては目的とする写真撮影ができない場合もあります。デュアルカメラの使用を想定して、スマートフォンを購入するのであれば、目的とする写真撮影ができるのか事前に確認してください。
ドクター・ホームネットでは、他にもスマートフォンやパソコンの機能についてコラムを掲載しています。ぜひ、ご覧ください。