今やデスクトップやノートだけじゃない!NUCなど、さまざまなPCの種類
近年、用途の多様化に伴って、さまざまな種類のパソコンが発売されています。しかし、パソコンに詳しくない方はどれを選べば良いのか、迷ってしまうかもしれません。
そこで今回は、従来のデスクトップPCやノートPC、最近登場した機種などについて、それぞれの特徴をご紹介します。
デスクトップPCとノートPCについて
一般的なパソコンの形態である、デスクトップPCとノートPCについてご紹介します。
机上での用途を目的に作られたデスクトップPC
デスクトップPCはその名の通り、机の上で使用することを前提としたタイプのパソコンです。パソコン本体にディスプレイ、キーボード、マウスなどの周辺機器を接続して使いますが、ディスプレイやキーボードにパソコン本体を内蔵した一体型PCというものも存在します。
デスクトップPCのメリットは、キーボードやディスプレイなどの周辺機器を自由に選べることではないでしょうか。ディスプレイに関していえば、持ち運びを前提とするノートPCは大型化に限界があるため、大きな画面で作業ができることはデスクトップPCの大きな魅力です。
また、パソコン本体が大きなケースにおさめられており、高性能CPUなど熱を発する部品の冷却ができます。デスクトップPCの性能向上のために、部品を交換したり追加したりすることも可能で、動画編集や最新のゲームで高性能なパソコンが必要な場合は、デスクトップPCが最適です。
なお、省スペースタイプのデスクトップや一体型PCでは、小型化のために性能や拡張性が抑えられている場合があります。
スマートで持ち運びに便利なノートPC
ノートPCは、パソコン本体とキーボード、ディスプレイが一体になっており、ノートのように2つ折りにして持ち運びが便利なタイプのパソコンです。外出時にパソコンを持ち歩く方は、ノートPCを選ぶのではないでしょうか。また、ノートPCには、ディスプレイやキーボードを別途用意する必要がないといったメリットもあるのです。
大きいサイズのノートPCは、画面を広く使用できて見やすいですが、持ち運びが大変です。一方、小型ノートPCは持ち運びが便利ですが、画面が小さくて見づらかったり、キーボードが打ちにくかったりします。
小型化の都合上、ノートPCはデスクトップPCと比較すると性能が低く、高価な場合が多いといえます。しかし、WebブラウジングやOfficeでの文書作成だけできれば良いという場合は、性能を必要最低限に抑えた低価格のノートPCがおすすめです。
新しいタイプのPCにはどんなものがあるの?
パソコンに用いられる、さまざまな部品の技術が進歩したことと、インターネットの普及でパソコンの用途が多様化してきたことにより、従来のデスクトップPCとノートPCの枠におさまらない、新たな形態のパソコンが登場しています。
ここでは、新しいタイプのパソコン3つをご紹介します。
NUC
NUCとは、「Next Unit of Computing」の略になります。CPUメーカーのIntelが2012年に発表し、約10cm四方の非常に小さなサイズのデスクトップPCです。
NUCは極めて小型ながら、省電力の高性能CPUを搭載しており、一般的なデスクトップPCやノートPCに見劣りしない性能を備えています。
注意点としては、現在市販されているNUCは買ってすぐに使用できるものではなく、「ベアボーンキット」と呼ばれる半完成品です。パソコンとして使うためには、自分でメモリーとストレージ(HDDまたはSSD)を追加し、OSをインストールしなければなりません。各自の用途に合わせて、メモリーやストレージの容量を選べるのは利点ですが、搭載できる部品の規格が決まっているため、組み立てにはある程度の知識が必要です。
また、サイズの関係から、ユーザーが追加できるのはメモリーとストレージのみで、グラフィックボードなどは搭載できません。そのため、高いスペックを必要とするゲームには向かないのです。パソコンについてある程度の知識があり、省スペース、省電力でそれなりに高性能なパソコンが欲しい場合は、NUCは有力な選択肢の1つとなります。
スティックPC
スティックPCとは、USBメモリーをひと回り大きくしたような見た目の、スティック状の超小型PCです。ディスプレイやテレビのHDMI端子に本体を挿し、電源ケーブルとマウスとキーボードを接続すれば使用することができます。性能は控えめですが、Webブラウジングや動画再生は十分楽しむことができます。ただし、スティックPCの多くは、ストレージの容量が少ないため、アプリをたくさんインストールしたり、大量のデータを保存したりすることには向いていません。
上記のような特徴から、スティックPCは、メインのパソコンとして使用するよりも、リビングのテレビに取りつけて、動画ストリーミングサービスを大画面で鑑賞するといった用途がおすすめです。また、スティックPCと同じような使用方法ができる機器として、スマートテレビや家庭用ゲーム機がありますが、これらの機器では対応するサービスが限られています。しかし、スティックPCでは、多くのサービスを1台で利用することができるのです。
超小型のスティックPCは、USBポートの数が少ないため、キーボードとマウスはBluetooth接続のものを用意すると良いでしょう。ケーブルをつなぐ必要のないBluetoothのキーボードやマウスは、リビングで使う場合にも取り回しがよく便利です。
2in1 PC
2in1 PCとは、1台でノートPCとタブレットの2つの使い方ができるパソコンです。見た目は普通のノートPCのようですが、画面がタッチスクリーン仕様になっています。タブレットとして使用したいときは、キーボード部分を取り外す、もしくはキーボードを360度回転させてディスプレイの裏側にくっつけるだけです。
2in1 PCのメリットは、タブレットの直観的な操作と、キーボードによる文字入力の両方が可能なことではないでしょうか。中には、指でのタッチ操作だけではなく、専用のスタイラスペンで入力ができるモデルもあるため、PDFに手書きのメモを書き込んだり、イラストを描いたりするといった使い方もできます。
2in1 PCには、搭載OSがWindowsのものとAndroidのものがあります。一般的なノートPCとしての使い方がメインで、それ以外にベッドに横になって映画を観たいというような場合には、Windows搭載モデルを選ぶと良いでしょう。一方、基本的にタッチ操作がメインで、メールなどの文字入力のためにキーボードを使いたいという場合は、Android搭載モデルをおすすめします。
NUCや2in1のパソコンの特徴を掴んで最適な1台を見つけましょう
近年、スマートフォンやタブレットの普及により、パソコンの利用率が下がっています。しかしパソコンには、幅広い用途で使用できるなどのメリットがあるのです。
一般的なパソコンは、デスクトップPCとノートPCですが、新しいタイプのパソコンとして、NUCやスティックPC、2in1 PCといったものがあります。
今回紹介した情報を参考にして、さまざまな種類のパソコンから、自分にあったパソコンを探してみるのはいかがでしょうか。
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濱﨑 慎一(日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事)
2010年8月、日本PCサービス株式会社に入社。パソコン修理などデジタルトラブルを5年で4500件以上解決。その後、サポート人材育成など、事業責任者として、個人向けデジタルトラブル解決に8年半携わる。2019年より同社にて、法人向けサポートの取締役に就任。また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として業界活性化のため正しいデジタル知識の普及、スマートフォンなどの新しい整備士資格の構築に携わる。
保有資格 パソコン整備士検定 取得