近未来的!話題の「透過ディスプレイ」と「無機EL」とは?

ディスプレイ技術の進展により、テレビをはじめとして、新技術を取り入れた、画期的な商品の開発が進んでいます。例えば、フルハイビジョンよりもさらに高精細な4K対応ディスプレイ、その4Kよりも美麗な映像を映し出せる8K対応ディスプレイ、紙のように薄くて折り曲げることも可能なシート状のディスプレイといった商品が生まれています。

各ディスプレイの特徴は異なりますが、どれも幅広い分野での活用が期待されているディスプレイです。特に最近話題になっている近未来的ディスプレイが、無機ELを用いた透過ディスプレイです。透明なディスプレイは少し前までは、フィクションの世界でしか考えられなかったようなことですが、今では現実のものとなりつつあります。

そこで今回は、透過ディスプレイの概要と種類、そして無機ELについてご紹介します。

透過ディスプレイとは?

通常のディスプレイの場合、ディスプレイの背後を見ることはできません。デスクトップパソコンやノートパソコン、スマートフォンのディスプレイの後ろにものを置くと、隠れて見えなくなってしまいます。

一方、透過ディスプレイとは、背後が透けて見えるディスプレイです。窓ガラスのように透明な平面状のものに、画像や映像を映し出すことができます。完全に無色透明のディスプレイというわけではありませんが、本物のガラスに近い透過度を備えたタイプもあります。

ただし、商品として実用化されている透過ディスプレイはまだ少なく、一般家庭へは普及していません。技術見本市のようなイベントのデモンストレーションに登場したり、企業向け製品として出荷されたりすることが多いようです。現時点では発展途上にあるものの、開発が進めば私たちにとって身近な存在となるでしょう。

透過ディスプレイの種類

透過ディスプレイの種類は、透過型有機ELディスプレイ、透過型無機ELディスプレイ、透過型LCD(液晶)ディスプレイの3つです。また関連する映像技術として、透明スクリーンがあります。

ここでは、それぞれの透過ディスプレイの特徴についてご紹介します。

透過型有機ELディスプレイ

「透過型有機ELディスプレイ」とは、有機ELを利用した透過ディスプレイのことです。世界初の透過型有機ELディスプレイは、2011年に日本企業によって開発されました。透過率は40%~50%程度で大型化にも成功しており、50型(インチ)以上のタイプもあります。バックライトが不要な有機EL方式のディスプレイは、薄型で軽量かつ光を透過させやすい点が特徴です。

透過型無機ELディスプレイ

「透過型無機ELディスプレイ」とは、無機ELを利用した透過ディスプレイです。有機ELに比べて、ディスプレイのサイズは小型であるものの、本物のガラスに近い透過率80%のディスプレイが開発されています。無機ELの透過ディスプレイは、過酷な環境下においても動作するという強みがあります。

透型LCD(液晶)ディスプレイ

「透過型LCDディスプレイ」とは、液晶方式のディスプレイを利用した透過ディスプレイです。

従来の液晶方式のディスプレイでは、その構造上、通過させる光の調整を行う「偏光板(偏光フィルター)」と映像の色を作り出すための「カラーフィルター」が、光の透過を妨げてしまい、ディスプレイの透過率は20%程度と低めでした。しかし、最新の技術では、この偏光板とカラーフィルターを取り除くことに成功し、透過率80%のディスプレイが開発されています。

その他の映像技術

基本的に透過ディスプレイは上記の3種類に分類されますが、透明なものに映像を映し出す技術は他にもあり、「透明スクリーン」もそのうちの1つです。スクリーン後方が透過して見える透明スクリーンは、空間演出に向いており、イベントなどに活用されています。

透明スクリーンは、透明なガラスやパネル、もしくは既存のガラス面に貼り付けたフィルムに映像を映し出すことができます。こちらも透過ディスプレイの一種といえるでしょう。

無機ELとは?

無機ELは近年よく聞くようになってきた言葉であるため、新しい技術のように感じますが、無機ELは1980年代に世界中で盛んに研究され、30年以上の歴史がある技術です。

しかし現在でも、有機ELや液晶に比べて知名度は高くありません。

カラー化が難しいという理由から研究活動は下火になってしまった無機ELですが、ここへ来てようやく注目され始めています。

無機ELの仕組み

無機ELとは、蛍光物質に硫化亜鉛などの無機化合物を使用し、EL(エレクトロルミネセンス)現象を利用して、発光させる装置のことです。EL現象というのは、簡単にいうと、物質に電圧をかけると発光(ルミネセンス)する現象を指します。

有機ELと異なる点は、蛍光物質に無機化合物を使っている点です。有機ELの場合は、蛍光物質に有機化合物(例外もありますが、一般的に炭素を含む化合物のこと)を使用しています。なお、有機ELは、OLEDやOELと呼ばれることもあります。

無機ELのメリット・デメリット

無機ELのメリットとしては、「製造コストが安い」「発熱がない」「衝撃や振動に強い」「一般ゴミとして廃棄できる」といった点が挙げられます。また、「輝度が低い」「寿命が短い」「カラー表現が難しい」といったデメリットも存在します。

これに対して有機ELは、高輝度・高コントラストなカラー表現が可能であるため、ディスプレイに応用した際、自然に近い高画質な映像を映し出すことができるといったメリットがあります。一方で、無機ELと比較して製造コストが高い、廃棄の際に産業廃棄物として処理しなくてはいけないというデメリットもあるのです。

無機ELの展望

有機EL方式のディスプレイ開発が進んでいるのに対し、カラー表現が難しい無機EL方式のディスプレイは開発で後れを取りました。そのため、現在のテレビやスマートフォンの表示方式は、有機EL方式と従来の液晶方式が主流です。

しかし、無機ELの技術開発は続けられ、車載用のディスプレイやさまざまな計器のバックライト、非常口や屋内外に設置する看板の夜間照明などに無機ELは活用されるようになり、今後のフルカラーへの展開が期待されています。

おわりに

今回は透過ディスプレイ、特に無機EL方式の透過ディスプレイについてご紹介しました。

現在、透過ディスプレイは企業向けの製品が多く、広告・宣伝活動の一環として用いられることが多い状況です。まだ個人には普及していませんが、一昔前までは考えられなかったような、透過型のテレビやディスプレイ、デバイスが現実のものとなっています。

開発がさらに進めば、誰もが透過ディスプレイを当たり前のように使用するようになるでしょう。

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