停電でパソコンのデータが消える?停電対策に「UPS」がおすすめ

最近のパソコンは非常に高性能で、簡単にデータが消えてしまうことのないよう設計されています。しかしパソコンは機械である以上、トラブルによりデータが消えてしまう可能性がないとはいえません。
停電はパソコンに影響を与えるトラブルの1つで、停電が原因でパソコンのデータが消えてしまう場合があります。
そこで今回は、停電によるデータの消失を防ぐ対策として、UPSについてご紹介します。
パソコンは停電でデータが消えることがある?
デスクトップパソコンの場合、停電によりパソコンへの電力供給がストップすることで、突然電源が落ちてしまい、保存していない作業中のデータが消えてしまうことがあります。
それでは、すでに保存しているデータは無事なのでしょうか。基本的には、突然電源が落ちたとしても、保存しているデータが消えることはありません。しかし、ハードディスクへの読み書きを行っている最中に電源が落ちてしまった場合、物理的な破損が生じて、結果としてハードディスク内に保存しているすべてのデータが消えてしまう可能性があります。
最悪の場合は、新しいハードディスクと交換することになり、OSや各種アプリケーションのインストールからやり直すことになります。これまでに保存していたデータは、バックアップをとっていない限り、取り戻すことができません。また、ハードディスク以外の基板などが破損してしまうケースもあります。その場合は、パソコンを買い換えることになるでしょう。
パソコンの停電対策にはUPS(無停電電源装置)がおすすめ!

停電によるデータの消失やパソコンの故障を防ぐにはどうすれば良いのでしょうか。バッテリーを搭載していないデスクトップパソコンの停電対策としては、UPS(無停電電源装置)の使用がおすすめです。
UPSとは大容量のバッテリーを内蔵しており、停電などの電力供給のトラブルを感知すると、自動的にパソコンに電力を供給してくれる装置です。
停電が起こっても、UPSに接続しているパソコンには電力が供給され続けるため、しばらくの間はそのまま作業を続けることができます。この間に必要なデータを保存した上で、正しくシャットダウンすることにより、パソコンの保護が可能となります。
一般的なUPSは複数の機器への電源供給も可能なため、パソコン本体だけでなく、ルーターやバックアップ用の外付けHDDなどの停電対策としても有効です。
UPSはデータ消失を防ぐために多くの企業で導入されています。一般家庭への導入はハードルが高く感じられるかもしれませんが、近年では一般的な電源タップのような感覚で気軽に使用できるUPSも登場しています。また、価格も割安なため、一般家庭でも導入しやすいでしょう。もちろん、パソコン以外にも給電可能なため、災害時などに備えて普段から使用することもおすすめです。
ただし、UPSに接続することが好ましくない機器もあるため、導入前に確認を忘れないようにしましょう。


修理対応 | 出張/持込/宅配 |
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対応エリア | 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国15店舗/宅配修理は全国47都道府県 |
実績 | 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの設定サポートを当サイト掲載中 |
料金 | 基本料金 8,800円 + パソコン設定サポート 3,300円~ + 出張サポートは2,200円追加 |
UPSの種類
停電時にパソコンを守ってくれるUPSですが、複数の種類があります。そこで、それぞれの違いについてご紹介していきましょう。
常時商用給電方式
常時商用給電方式は、UPSの中でも最も一般的なタイプです。通常時はバッテリーを介さず、商用電源から電力をそのままパソコンに送り、停電時にバッテリーから電力を供給する方式です。
停電により商用電源に異常が発生した際、バッテリー電源に切り替わることから、瞬間的な停電(瞬断)が発生してしまいますが、パソコンの場合は瞬断による影響を受けることはありません。なお、価格的に最も安価な方式が、この常時商用給電方式です。
常時インバータ給電方式
常時インバータ給電方式は、常時インバータ(直流を交流に変換する装置)経由で電力を供給する方式です。常時商用給電方式のように、バッテリー電源に切り替える際の瞬断が起こりません。通常時は商用電源からの電力をインバータとバッテリー電源の両方に供給し、商用電源に障害が発生した場合は、バッテリー電源に蓄えた電力をインバータ経由で供給します。
上述したとおり、パソコンの場合は瞬断が起こっても基本的に問題はありません。しかし、瞬断による影響を受ける可能性が高い精密機器には、常時インバータ給電方式が使用されます。なお、常時インバータ給電方式は性能が高い分、価格が割高です。
ラインインタラクティブ方式
ラインインタラクティブ方式は、通常時は商用電源からの電力をそのままパソコンに供給し、停電時にバッテリー電源から電力を供給するという点では、常時商用給電方式と変わりありません。しかしラインインタラクティブ方式は、電圧を変動させるトランス(変圧器)を備えており、停電により電圧変動が起きた場合でも、出力電圧を一定に保つことができます。瞬断は起こるものの、その時間は短く、より安定した電力供給が可能です。なお、ラインインタラクティブ方式は、常時インバータ給電方式ほどではありませんが、価格は比較的割高です。
家庭用のパソコンにおすすめのUPSは?

それでは、家庭用のパソコンにはどんなUPSが向いているのでしょうか。
最も電力供給が安定しているのは常時インバータ給電方式のUPSです。しかし、非常に高価な上、一般家庭のパソコンに対してはオーバースペックといえます。
そのため、常時商用給電方式またはラインインタラクティブ方式のUPSをおすすめします。
実際に家庭用として販売されているUPSの多くが、常時商用給電方式またはラインインタラクティブ方式を採用しています。価格が安いだけでなく、サイズもコンパクトなため、一般的な電源タップと同じような感覚で使用することが可能です。
また、バッテリー容量もUPS選びの大切な基準となりますが、家庭用のデスクトップパソコンの停電対策であれば、1,000VA程度の容量があれば十分といえます。この容量で、通常の家庭用パソコンであれば10~20分程度は動くため、この間に作業中のデータを保存して、シャットダウンすると良いでしょう。
複数のパソコンや、その他の機器を接続する場合は、より容量の大きなUPSを選ぶ必要があります。ただし、容量が大きくなればそれだけ高価になり、サイズも大きくなるため、用途に合わせて上手に選ぶことが重要です。
停電などいざという時に備えるサポートはこちら。
UPSは落雷対策としても活用できる!
落雷もパソコンにダメージを与える可能性があります。建物に落雷があった場合、大きな電流(サージ)が流れることで、コンセントに接続しているあらゆる電化製品に影響を与えます。もちろん、パソコンも例外ではありません。
UPSの中には、雷による過電流がパソコンに流れるのを防いでくれる機能を搭載しているものがあります。つまり、UPSの使用は停電だけでなく落雷対策にも有効といえます。

PCホスピタルはUPS導入・設定サポートに対応しています
今回は、停電対策に有効な「UPS」についてご紹介しました。
停電はいつ起こるかを予測することが難しいため、大切なパソコンのデータを守るためには日頃の備えが欠かせません。UPSは、停電によるデータ消失に備える有効な手段です。家庭用のUPSは比較的割安な価格で購入できるため、導入を検討してみるのはいかがでしょうか。
PCホスピタルでは、落雷などによるパソコントラブルにも、お電話1本で駆けつけます。UPSの導入・設定の際はぜひPCホスピタルにサポートをご依頼ください。


修理対応 | 出張/持込/宅配 |
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対応エリア | 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国15店舗/宅配修理は全国47都道府県 |
実績 | 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの設定サポートを当サイト掲載中 |
料金 | 基本料金 8,800円 + パソコン設定サポート 3,300円~ + 出張サポートは2,200円追加 |
濱﨑 慎一(日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事)
2010年8月、日本PCサービス株式会社に入社。パソコン修理などデジタルトラブルを5年で4500件以上解決。その後、サポート人材育成など、事業責任者として、個人向けデジタルトラブル解決に8年半携わる。2019年より同社にて、法人向けサポートの取締役に就任。また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として業界活性化のため正しいデジタル知識の普及、スマートフォンなどの新しい整備士資格の構築に携わる。
保有資格 パソコン整備士検定 取得