Macのパソコンでよく聞く「Retinaディスプレイ」とは
MacやiPhone、iPadには、「Retinaディスプレイ」というディスプレイが搭載された機種があります。
Retinaディスプレイは、高解像度でハイコントラストな色彩表現を可能としたディスプレイです。
このRetinaディスプレイの魅力を知ることで、パソコンやタブレット端末を買い換える際の参考になるのではないでしょうか?
そこで今回は、AppleのRetinaディスプレイについてご紹介します。
Retinaディスプレイについて
Retinaディスプレイとは、高画素密度を保持した高画素ディスプレイです。
2010年6月に発売された小型のモバイル端末・iPhone4に搭載され、大きな話題となりました。
多くのメーカーがディスプレイの解像度を100~200dpiにする中、Retinaディスプレイは通常のディスプレイのおよそ2倍にもなる高画素密度を保持しています。
iPhoneにおけるRetinaディスプレイとは?
iPhone4からスタートしたRetinaディスプレイは、iPhoneのバージョンアップとともに改良されてきました。
iPhone6以降は、それまでの326dpiをより高画質にした401dpiの「Retina HDディスプレイ」が搭載されています。
iPhoneXRとiPhone11では、「Liquid Retina」と呼ばれるもっとも正確な色を表示するとされるディスプレイが搭載されています。
今後、さらに高画質なディスプレイが、iPhoneに搭載される可能性があるでしょう。
iPadにおけるRetinaディスプレイとは?
iPadにRetinaディスプレイが初めて搭載されたのは、2012年3月です。
第3世代iPadに、246ppiのRetinaディスプレイが搭載されました。その後、すべてのモデルにおいて、Retinaディスプレイが搭載され続けています。
iPad miniでは第2世代iPad mini以降のモデルに搭載されており、一部のバージョンを除き、iPhoneと同じ326dpiの解像度のものが搭載されています。
MacにおけるRetinaディスプレイとは?
Retinaディスプレイは、2012年6月に発売されたMacBook Proの一部モデルに搭載されました。現在では、MacBook Airを除き、ほとんどのモデルがRetinaディスプレイを搭載しています。
なお、iMacの一部モデルには、より高い解像度の「Retina 5Kディスプレイ」を搭載した機種もあります。
Retinaディスプレイが注目される理由と魅力
日本語で「網膜」を意味するRetina。他のディスプレイとどう違うのかご存じでない方も多いのではないでしょうか?
ここでは、Retinaディスプレイが注目される理由と魅力についてご紹介します。
圧倒的高解像度が描写する美しい画面
Retinaディスプレイの最大の魅力は、解像度の高さにあります。
では、なぜ解像度が高くなると画面が美しく感じられるのでしょうか?
その理由は、「画素数(dpi)」と「画像のサイズ」という2つの要素に分けることができます。
画素数(dpi)
画素数(dpi)とは、1インチあたりにどれだけの画素(ピクセル)が敷き詰められているのかを示す単位のことです。
画素数が高ければ高いほど画素が小さくなるため、美しく表示されます。
Retinaディスプレイの画素は、1個あたりの幅が78マイクロメートルです。これは、肉眼で認識することはほぼ不可能なレベルの水準となります。
「網膜」を意味するRetinaと名づけられた理由ともいえるでしょう。
ちなみに、フルハイビジョンのディスプレイ解像度は、「1,920ピクセル×1,080ピクセル」です。一方で、Retinaディスプレイは、「2,880ピクセル×1,800ピクセル」となります。
フルハイビジョンのディスプレイ解像度と比べても、Retinaディスプレイが高解像度であることが分かるのではないでしょうか。
画像のサイズ
Retinaディスプレイは、表示される画像の大きさが、これまでのスマートフォンやパソコンのディスプレイよりも大きく設定されています。
これまでのスマートフォンやパソコンのディスプレイは、Retinaディスプレイほど高解像度ではなかったため、使用する画像についても、そこまでのサイズは求められていなかったのです。
一方、Retinaディスプレイは高解像度のため、すべてのアイコンがこれまでの約4倍の大きさに設定されることになりました。
こだわり抜かれたコントラストとカラー
Retinaディスプレイの魅力は、解像度の高さだけではありません。コントラストやカラーなどの表現力にも優れています。
ここでは、Retinaディスプレイのコントラストとカラーについてご紹介します。
黒と白を際立たせるコントラスト
ディスプレイで完全な黒を表現することは困難でしたが、Retinaディスプレイでは、コントラスト比を向上させることで、明暗のはっきりした黒表現を可能としました。なお、黒表現を可能にすることは、自然な白を表現することにつながります。
コントラストへのこだわりも、Retinaディスプレイが美しいと呼ばれる理由の1つといえるでしょう。
より高い色彩の表現力
自然界には無数の色が存在していますが、すべての色をディスプレイに記録させることはできません。そのため、ディスプレイの多くがR(レッド:赤)G(グリーン:緑)B(ブルー:青)の3色を組み合わせ、色彩表現を行っています。なお、ここには国際標準となるsRGBという色に関する規格もあります。
Retinaディスプレイは、sRGBで使われる色域を拡張することで、高い色彩の表現力を実現しました。
Retinaディスプレイで画像やグラフィックなどの編集を行えば、よりリアルな表現が可能になるでしょう。
発光システムによる光量調整
Retinaディスプレイには、より美しく自然な表示を目指すために、LEDバックライトとは別に「環境光センサー」が搭載されています。
環境光センサーは、周囲の明るさを検知して、バックライトを自動調整します。これにより、目の疲れが軽減されるのです。
表示の適切さを維持するだけでなく、バッテリーの消費を抑えられる点も魅力的ですね。
Retinaディスプレイを搭載しているのはAppleだけ
Retinaディスプレイは、Appleが自社製品に対してのみ採用しています。つまり、Apple以外の製品で、Retinaディスプレイが使われることはありません。
ただし、2017年現在では、MacBookAirなど、非Retinaディスプレイが採用されたApple製品がいくつかあります。
そのため、Retinaディスプレイのモデルが欲しい場合は、購入時にRetinaディスプレイが搭載されているか確認してください。
「最も高い解像度=Retinaディスプレイ」ではない
Retinaディスプレイには、高解像度でハイコントラストといった魅力がありますが、Retinaディスプレイよりも高解像度でハイコントラストのディスプレイは数多く存在します。
例えば、WQHD+の液晶ディスプレイや4Kテレビなどは、Retinaディスプレイを超える高解像度を誇ります。
そのため、「最も高い解像度=Retinaディスプレイ」ではないことを覚えておきましょう。
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今回は、AppleのRetinaディスプレイについてご紹介しました。
Retinaディスプレイは、iPhoneやiPad、Macに搭載されたAppleオリジナルのディスプレイです。Retinaディスプレイを搭載することで、高解像度でハイコントラストな色彩表現が可能となります。
今後、さらなる技術の発展によって、より美しいRetinaディスプレイの登場が期待されるでしょう。
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濱﨑 慎一(日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事)
2010年8月、日本PCサービス株式会社に入社。パソコン修理などデジタルトラブルを5年で4500件以上解決。その後、サポート人材育成など、事業責任者として、個人向けデジタルトラブル解決に8年半携わる。2019年より同社にて、法人向けサポートの取締役に就任。また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として業界活性化のため正しいデジタル知識の普及、スマートフォンなどの新しい整備士資格の構築に携わる。
保有資格 パソコン整備士検定 取得